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chapter6:Be baptized
混乱の塔 その4
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ディビッド達が地下墓地へ向かって一晩過ぎたわ。
私はパーヴェル君といつものようにヘルムート様の屋敷内で勉強を教えている。
窓際にはピッピちゃん専用の小さめのクッションが置いてあって、ピッピちゃんはそこでくつろいでる。
窓の外を見る、そういえば今日は曇り空でなんだか雨が降りそうね...大丈夫って言ってたけどディビッド達無事かしらね。
「先生?心配ですか?」
「大丈夫ってエステルお姉様も言ってたけどね」
パーヴェル君に心配されちゃたわ、でもそれ以上にパーヴェル君に降りかかる例の女の姿をした悪魔カ・デミィラの事が怖い。
「無事ですよね...」
パーヴェル君も外を見る。
そんな時ガタガタと揺れるわ!
「大変!地震だわ、テーブルの下に隠れて!」
本棚とか倒れたら大変と思ってパーヴェル君と一緒になってテーブルの下に潜る。
「ギャ!ギャ!エステル!エステル!!!」
さっきまで大人しくしていたピッピちゃんが騒ぎ出す、地震にびっくりしたのかも、部屋の中を飛び回るわ。
「ピッピちゃんもこっちに!」
そう言ってもピッピちゃんは聞こえてないのかずっと飛び回っているのをやめないわ。
長い揺れの中で窓が割れたり家具やらなんやら落ちる音にただ揺れが収まるのを待ち続け、揺れが落ち着いたのでテーブルの下から出る。
「ピッピちゃん」
手をあげて声をかけると、ピッピちゃんが止まってくれるけど何かおかしいわね?
「ピッピちゃん、地震は止んだし安心して?」
「ピィ?」
「え???」
ピッピちゃんの鳴き声が違うわ???
「ピッピちゃんどうしたの???」
「ピ...」
ピッピちゃんはまるで人間が話すように会話してくれる子なのに、普通の鳥になったかのようだわ???
「一体何が...」
とても嫌な予感がする、ピッピちゃんとエステルお姉様はある意味一心同体の子なのに、それが消えた???
「ピィ」
ピッピちゃんの顔がどことなく悲しげに見える。
「せ...先生!あれ!!!!」
パーヴェル君が窓の外を見て声を上げる。
「え?」
私も其方を見ると、窓の外には今まで無かった大きな塔が見える。
「あれって...ああっ!!!」
洗礼式の時に見えたものの一つに、窓の外から見える同じ姿の塔の存在を思い出す。
そう、あれはカ・デミィラの居住する塔...混乱の塔そのもの、しかもそこはディビッド達が潜った地下墓地のある場所!
「まさか...ディビッド達...」
嫌な事が頭に過ぎる、そんな中でバタバタと部屋に人がやってくる、ディビッドの所の黒子っぽい使用人の人達だわ。
「バレンティナ様ご無事ですか???」
普通に話せるんだ、と一瞬思ったけどこんな事考えてる場合じゃないわね。
「大丈夫よ、一体あれって...それにディビッド達は...」
「先程連絡がありディビッド様は無事との事です」
何か言い淀む感じだけど、まさかディビッド以外で誰かが犠牲になったって事なんじゃ。
「安全を考えてバレンティナ様達はバーレから一旦離れて頂こうと思います」
「逃げなきゃならない程危険って事なの?」
その言葉に頷く使用人。
「エステル様は???」
パーヴェル君がそう尋ねると、使用人達は何か言いにくそうな感じになるわ...
でもそれを今パーヴェル君に伝えるのはきっと得策じゃない。
「...パーヴェル君、きっと心配いらないわ...きっと私達がここに残るとディビッド達が充分に戦えないかもだから、ね?」
「...はい」
「ところで住民の方や巡礼者の人達は?」
「今ヘルムート様が指示を出して、地震が生じたので退避するようにと指示を出してますので、今はご自身の安全を第一に」
「...分かったわ」
手に取れる貴重品と一緒に、洗礼式の時に受け取ったセプター オブ バーレを手に取る。
「さぁ行きましょう...」
パーヴェル君の手を握り、肩にピッピちゃんを乗せてこの場にいる全員で崩れた家具をかき分けながら部屋を出る。
ヘルムート様の屋敷でこんな感じだもの、街の方はもっと酷いのかもしれない...そんな不安を抱えながら屋敷をあとにし避難する。
どうか...ディビッド、無事でいて...
私はパーヴェル君といつものようにヘルムート様の屋敷内で勉強を教えている。
窓際にはピッピちゃん専用の小さめのクッションが置いてあって、ピッピちゃんはそこでくつろいでる。
窓の外を見る、そういえば今日は曇り空でなんだか雨が降りそうね...大丈夫って言ってたけどディビッド達無事かしらね。
「先生?心配ですか?」
「大丈夫ってエステルお姉様も言ってたけどね」
パーヴェル君に心配されちゃたわ、でもそれ以上にパーヴェル君に降りかかる例の女の姿をした悪魔カ・デミィラの事が怖い。
「無事ですよね...」
パーヴェル君も外を見る。
そんな時ガタガタと揺れるわ!
「大変!地震だわ、テーブルの下に隠れて!」
本棚とか倒れたら大変と思ってパーヴェル君と一緒になってテーブルの下に潜る。
「ギャ!ギャ!エステル!エステル!!!」
さっきまで大人しくしていたピッピちゃんが騒ぎ出す、地震にびっくりしたのかも、部屋の中を飛び回るわ。
「ピッピちゃんもこっちに!」
そう言ってもピッピちゃんは聞こえてないのかずっと飛び回っているのをやめないわ。
長い揺れの中で窓が割れたり家具やらなんやら落ちる音にただ揺れが収まるのを待ち続け、揺れが落ち着いたのでテーブルの下から出る。
「ピッピちゃん」
手をあげて声をかけると、ピッピちゃんが止まってくれるけど何かおかしいわね?
「ピッピちゃん、地震は止んだし安心して?」
「ピィ?」
「え???」
ピッピちゃんの鳴き声が違うわ???
「ピッピちゃんどうしたの???」
「ピ...」
ピッピちゃんはまるで人間が話すように会話してくれる子なのに、普通の鳥になったかのようだわ???
「一体何が...」
とても嫌な予感がする、ピッピちゃんとエステルお姉様はある意味一心同体の子なのに、それが消えた???
「ピィ」
ピッピちゃんの顔がどことなく悲しげに見える。
「せ...先生!あれ!!!!」
パーヴェル君が窓の外を見て声を上げる。
「え?」
私も其方を見ると、窓の外には今まで無かった大きな塔が見える。
「あれって...ああっ!!!」
洗礼式の時に見えたものの一つに、窓の外から見える同じ姿の塔の存在を思い出す。
そう、あれはカ・デミィラの居住する塔...混乱の塔そのもの、しかもそこはディビッド達が潜った地下墓地のある場所!
「まさか...ディビッド達...」
嫌な事が頭に過ぎる、そんな中でバタバタと部屋に人がやってくる、ディビッドの所の黒子っぽい使用人の人達だわ。
「バレンティナ様ご無事ですか???」
普通に話せるんだ、と一瞬思ったけどこんな事考えてる場合じゃないわね。
「大丈夫よ、一体あれって...それにディビッド達は...」
「先程連絡がありディビッド様は無事との事です」
何か言い淀む感じだけど、まさかディビッド以外で誰かが犠牲になったって事なんじゃ。
「安全を考えてバレンティナ様達はバーレから一旦離れて頂こうと思います」
「逃げなきゃならない程危険って事なの?」
その言葉に頷く使用人。
「エステル様は???」
パーヴェル君がそう尋ねると、使用人達は何か言いにくそうな感じになるわ...
でもそれを今パーヴェル君に伝えるのはきっと得策じゃない。
「...パーヴェル君、きっと心配いらないわ...きっと私達がここに残るとディビッド達が充分に戦えないかもだから、ね?」
「...はい」
「ところで住民の方や巡礼者の人達は?」
「今ヘルムート様が指示を出して、地震が生じたので退避するようにと指示を出してますので、今はご自身の安全を第一に」
「...分かったわ」
手に取れる貴重品と一緒に、洗礼式の時に受け取ったセプター オブ バーレを手に取る。
「さぁ行きましょう...」
パーヴェル君の手を握り、肩にピッピちゃんを乗せてこの場にいる全員で崩れた家具をかき分けながら部屋を出る。
ヘルムート様の屋敷でこんな感じだもの、街の方はもっと酷いのかもしれない...そんな不安を抱えながら屋敷をあとにし避難する。
どうか...ディビッド、無事でいて...
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