銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter6:Be baptized

警告 その6

出会って以降ディビッドはバレンティナとシモンに会う為に毎日の様にマキシムと一緒に小さな家に通いお茶をしたり今まであった話をしたりと穏やかな毎日を送る。

そうするとシモンも幾分かディビッドとマキシムに慣れてきたのか話しかけてくる様にもなった。

ただどう言う訳かシモンはディビッドよりもマキシムに懐いているのがディビッドとしては解せない。

「お前は自分のしたいって思う事を優先し過ぎるんだよ」

とマキシムはディビッドにそう言いながら肩車をお願いするシモンを肩車してあげるとシモンはキャッキャ言いながら楽しそうにしている。

「可愛がっているんですがねぇ...」

ディビッドとしてはとても可愛いと思って撫でたり抱っこしようとするがシモンは嫌がるのだ。

ただ厄介な事にその嫌がる顔すら可愛いと思って更にしてしまう所があるせいでどうも避けられている。

「もう少しシモンに寄り添って、シモンがして欲しい事や嫌がる事を聞いてあげなきゃよ、ディビッド」

近所のお店から買い物が終わって戻ってきたバレンティナが三人の元に近づく。

ちなみに余談ではあるが、バレンティナの買い物にディビッドもシモンも行きたいと駄々を捏ねたのだが、ディビッドは目立つからダメと釘を刺され大人しく(？)留守番する事になったのである。

「うーん...」

「それこそシモンのお父さんはディビッド、貴方だけなんだから、それに貴方の得意な事を見せてあげればいいじゃない」

そう言って買い物してきた袋から小麦粉や砂糖や卵を渡すバレンティナ。

「得意...あ！」

気がついたディビッドは笑顔を見せ、それにバレンティナは微笑むのだった。

ー

「おじちゃんクッキーつくれるの？」

シモンはディビッドの事を父親とは認識していないのか、未だにおじちゃん呼ばわりのままだ。

「そろそろパパって呼んで欲しいなぁ...」

そうディビッドが言っても知らん顔のシモン、そう言う所はディビッドに似ているみたいである。

「はは...まぁそれはともかく美味しいクッキー作りますからね、シモンもお手伝いお願いしますね」

苦笑いを浮かべながらディビッドはテーブルに並べたクッキーの材料を手に取る。

手ボウルに柔らかくなったバターと砂糖を入れて手早く混ぜて卵を三度に分けて混ぜあわせてから小麦粉を入れてさっくりと混ぜ合わせ、後にひとまとめに固めてから麺棒で伸ばす。

伸ばした生地を不思議そうに見つめるシモンにディビッドは星形やうさぎやくまのどうぶつ顔の形の型抜きをシモンに渡す。

「じゃあシモン、これをこうやって型抜きお願いしても良いですか？」

そう言って持っていたハート型の型抜きで一つくり抜くのを見せると目を輝かせながら渡された型抜きを生地に押しつけてくり抜く。

シモンは面白がっていくつもくり抜く、どうやら小さいながらも何でも器用に出来る所もディビッドにそっくりなようだ。

「上手いですねぇ、じゃあこれを天板に載せて下さいね」

と言われて素直に従うシモン、その姿が可愛らしいと思うのと同時にここまで大きくなった過程を見ることが出来なかった事が残念にディビッドは思う。