銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter6:Be baptized

それは秘密よ その2

ヘルムート様のお屋敷へ向かう最中にヘルムート様とパーヴェル君は別で用事があるからってディビッドと先に戻る事になったけど、また周囲に異端審問官の方々に囲まれた状態...短い距離だけど物々しいわよね。

「ねぇ...」

「何ですか？」

「さっきの修道士の女の子...特にベルさんの事だけど、幼馴染って事」

ベルさんとどこか親しげだったからディビッドに訪ねてみる。

「まぁそんな所です、ジョナサンと同い年でいつもジョナサンと一緒にいましたねぇ」

何だか懐かしそうにディビッドは語る。

「？」

「ジョナサンと同じ時期にこっちにやって来てフラウエン教会の修道士として生活しているから、きっとジョナサンに片思いしてるんじゃないかなぁと...なのにジョナサンの想い人は...」

「ちょ...ちょっとまさか気がついてないの？？？」

まさかびっくりよ！どう考えてもジョナサンじゃなくてディビッドに気がある子よ！

「何をです？」

「だってベルさんはきっと貴方の事が...」

「？？？」

そう言いそうになるけど、言うのをやめてしまう...

もしそうだとしても私が言うべきじゃないと思ったのもあるけれど、それ以上にディビッドに気が有る女性を...しかもよく知る相手だと伝える事が何か嫌だと思ったから。

「何でもないわ...」

「ベルは優しい人なので仲良くできると思いますよ、ティナ」

そう言って肩に手を回してくるわ！

「もう！人が見てる前で！」

「良いじゃないですか、彼らが壁になってくれるし見えないようにもしてますし...それに彼らは私達の関係知ってるし」

「私が気になるのよ！もう！」

「痛っ！」

ディビッドの手の甲を抓る、それこそ異端審問官のみんなから生暖かい目で見られているのが居た堪れないんだから！もう！

「じゃあ部屋でなら...」

何だか耳元で囁かれちゃうとドキッとしちゃう！

「も！もうっ！洗礼式があるから終わるまでは絶対に身を清めてなきゃダメだからしばらくはお預けよ！ヘルムート様にも釘を刺されなかったの！」

「別にそんな制限なんて...」

「そこをきっちりしなきゃダメでしょ！もう！」

何だか不満げにそんな事を言って！もう！