銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter6:Be baptized

アルトマイヤー寺院 その8

「まぁディビッドの事は置いておくとしていきましょうか、紹介しますので」

「あ、はい」

そう言われてヘルムート様に着いていく。

「ああっ...私もついていきますから待って下さい～」

頭を抱えながらディビッドは着いてくる...余程痛かったのかふらふらでだんだん距離は離れて行くけど。

それにしても女性の方がってヘルムート様言っていたけどどんな方なのかしらね？

ーーー

連れられて寺院の別棟に向かい、その中の一室に入ると年齢が様々な女性の司祭や修道士の方がいたわ。

ほとんどがネイビーの女性用の修道服を身につけていて、同じケープを被っている方々ね。

その場で最も権威があると思われる年配の女性司祭の方が近寄ってくるわ。

黒い女性用の司祭服にフードを被った方でヘルムート様と同じくらいの年齢かしらね。

「はじめましてバレンティナ様...そしてパーヴェル君、私はタビダと申します」

「はじめまして、タビダ様」

深く一礼をして優しく語りかけてくださるから同じようにパーヴェル君と一緒に返礼をする。

「今回は私たちがお二人の洗礼式のお手伝をさせて頂きますね」

優しく微笑みかけて貰えるので少しホッとする。

「よろしくお願い致します」

「貴族の方なのにとても腰の低い方なのですね、そのような謙遜さのある方を神は好まれますからきっと神に愛されるでしょうね」

「謙遜ですか」

「ええ、それにエステル様達ザイオンの一族特有の色でもある緑の髪と薄桃色の瞳と同じものを持っていることも」

タビダ様はなんだかとても尊いものを見つめるように私を見てくるわ...そんなに偉くもないのに。

生贄の娘としての色でもあるけれど、信仰を持つならば強力な加護が生じるって言う話が関係するのかしら？

ただそれとは別に何か強い視線を感じる...それこそディビッドと一緒にいる時に向けられる女の子達の視線のような...

軽く周囲を見るけどそんな目をしてる人は居なさそうなのに。

「どうされましたか？」

「いえ」

気のせいなのかもしれないわ...そう思う事にした時にディビッドがやってくる。

「叔父上、なんで待ってくれないんですかぁ～」

「ついて来いとは言って無いですよ」

ヘルムート様がディビッドにそう言うけど全く聞いてない感じねぇ...もう。

それとは別に何だか部屋の中が騒がしくなる。

「ディビッド様だわ！」

「ディビッド様！」

部屋の中の女性たちが急にキャアキャア言い出したわ！やっぱりここでも女の子達に人気なのね...

「皆さん、静かになさい！」

タビダ様が叱責すると、みんなシュンとするわね。

「申し訳ございません、バレンティナ様...まだ見習いの娘も多いので」