銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter6:Be baptized

聖地バーレ その2

きっとあの方がバーレの直轄領主のヘルムート マハナイム バーレ枢機卿なんだろうけど。

「ですがどうしてもティナを...私の花嫁となる女性と離れたくなくて...」

「問答無用っ！全くどうしてこうも父親達に似・る・んだか！！！！」

そう言いながら2人の首根っこを引きずるようにつかまえちゃうわ！！！

「ぎゃー」「やめてー」

あんな細腕なのに思った以上の力があって逆らえないのかしら...何だか2人が情けない声を上げてる...

でこっちがパーヴェル君とポカンと見ていた姿にヘルムート卿は気がついたのかその手を離す。

「はっ！大切な方々にお越しいただいたのにあまりの怒りに我を忘れてしまいましたね！私はヘルムート マハナイム バーレ...バーレの直轄領主でこの2人の保護者をしております...次代の預言者であるアルカンタル公爵家のバレンティナ様」

と言ってこちらに向かってやってくると丁寧な言葉を述べて深々と頭を下げるわ！

「え...はい...」

「本当に見苦しい姿をお見せしました...きっとこの2人が迷惑をおかけしたと思います...申し訳ありません私の教育が行き届かなかったばかりに」

何だかすごい平謝りされてしまってどうしよう...

「そんな風に畏まらなくても...」

「いえいえ！ただでさえちゃんとした良家のお嬢様...じゃなくてウルムの高位貴族の立場であるあなた様に敬意の『け』の字すら示さないこの2人に多大な迷惑をかけた筈！」

ま...まぁ確かに否めない所もなくは無いけど...なんだろう、ディビッドとエステルお姉様のどっちも混在した様な感じ、話し方がディビッドで怒り方がエステルお姉様と同じ感じがするわ。

保護者って言うからきっと影響を受けてるのかも...

「でもそんなに心配しないでも...」

「そうよーそんな酷い事してないわよ、ディブは別だけど」

「姉上だって大概...」

「お前達は黙ってなさいっっ！！！」

「「すみません...」」

2人ともしゅんとしちゃったわ...

「まぁ今回エステルから話は聞いて居ますので、旅の疲れを癒す為にと私の屋敷に部屋も準備しましたので、バレンティナ様にリヴェラート殿下...いえパーヴェル君」

さっきまで滅茶苦茶怒ってた顔を和らげて優しげにそう話をしてくれる。

「あ...でもそんなに畏まらないでも、バレンティナで大丈夫ですから、マハナイム猊下」

「そっそんな堅苦しい呼び名はしないでください、ヘルムートと呼んで頂ければ」

「ではヘルムート様」

「うーん...まぁいいでしょう...さて特にパーヴェル君はこんなに小さい子供なのにいろいろ大変だったでしょうからね...さぁ、行きましょうか」

そう言ってヘルムート様はパーヴェル君をヒョイっと抱っこしてしまうとパーヴェル君も戸惑ってしまう。

「叔父上は子供に優しい人ですからねぇ...」

その姿をディビッドは見つめてそう呟く。

「ああ、エステルとディビッドは寺院へ...法皇様から話説教があるそうだからな」

「「えー」」

「えー！じゃありません！じゃあバレンティナ様とパーヴェル君行きましょうか」

そう言われてディビッドとエステルお姉様と別れる事になっちゃったわ。