銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter5:Whereabouts of the curse

VS シャドウフェネクス その2

「それは無いよ？だって僕を愛していたからそう願ったんだ...目の前で...」

「...その場にいたんですね」

ジャンマリオの言葉にディビッドは辛そうな表情でそう聞く。

「そう、ラーラを目の前で服を破かれてそのまま喰い殺される姿を呪いを受けた僕は笑・い・な・が・ら・見る事しか出来なかったんだ」

それはどれだけ辛い事なのだろう...愛する者を殺されても泣き叫び、怒りをぶつけたく思ってもそれを許されない『呪い』だ。

どれだけフェネクスと言う悪魔が邪悪な存在か...そうディビッドは思う。

「...さぁ...ディビッド君...僕を殺しに来たんだよね？ティナにも影響を及ぼすこの呪いを受けた僕を...僕はもう思い残す事は無いんだ...」

ジャンマリオはニコニコしているが言葉は重い。

「...いいえ...私は」

そう言いかけた時にドアが開く、そこにはシルヴィオが息を切らしてやって来た。

「親父！」

「...シルヴィオ...」

「お袋の件でっ...え？」

ジャンマリオの胸元の紋様に目を見張るシルヴィオ。

「...そうか...シルヴィオも気がついちゃったかぁ...知られないうちにと思ってたんだけどね...」

やれやれ...と言う感じで笑いながらジャンマリオは話す。

「何言ってるんだ...それにその胸の紋様は...」

「そう...これが見つかったら大変な事になるからね、だからサヴェリオ陛下に知られる前にお願いしているんだ、シルヴィオにはこれ以上迷惑かけられないし」

「迷惑なんて...思っちゃあいねぇよ...」

ジャンマリオの言葉にシルヴィオは首を振る。

「...ごめんね」

そう言ってジャンマリオはディビッドの目の前へ移動する。

「待たせちゃったね、さぁやってくれないか？」

「親父！」

「...大丈夫ですよ」

ディビッドはそう言って、ジャンマリオの胸元に左手の人差し指を指す。

そう...フェネクスの呪いを打ち破る事を心から願うと頭に言葉が浮かび上がる。

『残虐かつ邪悪なフェネクスの呪い、神の権威により命ずる！ジャンマリオ アルカンタルの肉体から出よ！』

そう言うと禍々しい紋様から黒い霧がボワっと溢れ出す。

「何っ！」

シルヴィオがその光景に驚く。

「...やはり簡単に消える...という訳でないという事ですか」

とディビッドはジャンマリオから距離を取り、エクソダス1922をガンホルダーから取り出す。

部屋は黒い霧で充満し始め三人を取り囲み出すのだった。