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chapter5:Whereabouts of the curse

尋問 その3

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「...ああ...催眠の件っすか?『赤宿し』の術士や精神が強固な相手にゃ全くきかねぇから心配しなくて良いっすよ?」

とヘラヘラと話すサミュエル、そうサミュエルの催眠は術を用いる部分もある為、赤を宿す瞳を持つダリオやディビッドにジョナサン、精神が強固なマキシムやシルヴィオには催眠は一切利かない。

「おい!そんな事さらっと言って良いのか???」

「ほらボクと旦那の仲じゃあ無いっすか、まぁ催眠だけがボクの切り札じゃあねぇっすしね」

と肩に手を回しながら笑ってそう言うサミュエル。

「...この件は当事者には辛い事実、よく言葉を選んで伝えて欲しいっす」

と真面目なトーンで話すサミュエル。

「...分かった...」

ダリオは頷くのだった。

ーーー

「...そうですか」

「お嬢様には幼児後退が収まっても直ぐに話さない方が良いっす...絶対ショックな話っすからね」

サミュエルは窓際を背に腕を組みながらそう言う。

「でも生贄にされた人物の『願い』を叶えた相手を見つけなきゃなんじゃねぇの?」

「...それはもう目星はついているんで大丈夫です...」

ジョナサンの疑問にディビッドはそう答える。

「え?」

「...それにしても悪魔なんて言うのはなんと残虐なんでしょうね」

ディビッドは日の傾きつつある空を見ながらそう呟く...話を聞いて呪いを受けた相手は間違い無く『彼』だと確信したからだ。

「だからボク等みたいな存在が必要なんでしょ?」

サミュエルがそう言うと目を丸くしてディビッドは目を丸くする。

「...たまにはマトモな事を言うんですね」

「坊ちゃんこそ~」

「...どっちもいつも不真面目だろうが」

ジョナサンは呆れながら二人にそう言う。

「...じゃあ、私は準備をするので...」

そう言って持ってきていた鞄を開くと、いつも身につけている司祭服と二丁の銃を取り出す。

「呪いを解呪させるんすよね?その格好じゃあ悪魔と戦うみたいじゃあ無いっすか?」

「...一応、念には念をですよ...本格的に『悪魔の呪い』を解呪するのは初めてなので」

ディビッドは人がかけた呪いは何度も解呪はしてきたが、悪魔の呪いはそもそも解呪できるものでは無い。

最初産まれて間も無い時の生贄の娘の呪い件や10代で受けた癒しの奇跡を受けられない呪いの件は自身の意志で解呪してはいない、通常とは違う事が起こる可能性もある。

司祭服一式や武器には加護を受けられる様になっている為、何かがあっても多少は守られるから用心の為にそれらを身に着けるディビッド。

「まぁ確かにそうだな」

ジョナサンは納得する。

「じゃあ坊ちゃんとガキンチョはそっち頼みます、ボクはエステル様の所に向かうんで」

「おや?姉上が先じゃなかったんですか?」

「...エステル様はエステル様で今いろいろあるんすよ...」

サミュエルの言葉に何か含みを感じるものの、今は呪いの件に集中すべきと判断するディビッド。

窓から去っていくサミュエルを見送ると服を着替え始める...

上級異端審問官『白の射手』ディビッド ザイオン バーレになる為に。
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