銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter5:Whereabouts of the curse

ティナちゃんはおねむです。 その4

12年前の事だ、まだシルヴィオも12歳になったばかりの頃である。

ウルムの領地持ちの貴族の法律として血縁者を王都に駐在させる必要があった為、シルヴィオが一人でタウンハウスで生活できるよう準備として、母親とバレンティナが一時的に生活していた。

そんな中、急に母方の祖父が現れた...怒りの形相でだ、他国の貴族の後妻にするからと言って。

泣き叫ぶ幼いバレンティナをお構い無しに無理矢理連れて行かれる母親、何が何だかわからないまま怖くて仕方が無かった。

暫くしてから大変な事になったからと父ジャンマリオがやって来て、3人でわんわん泣いていた事が思い出される。

それから一気に貧乏になって、子供達が幼いからと特例で二年ほど領地で生活できたが、カツカツな生活を送る事になった事、使用人はメイド長のアンナとピエトロだけで残りは全員辞めさせたり、領地にもそれなりに被害が及んだ為にいろいろ辛酸を舐める事になった。

それこそタウンハウスだって金策の為当時手放し、シルヴィオは寮のある平民や身分の低い貴族が通う無料の軍事養成学校に入る事になった。

ちなみに今のタウンハウスに関しては、バレンティナが学園に入る前にシルヴィオが現金一括払いで別の場所に新しく建てたものである。

タウンハウスのメイド達もシルヴィオの地位であれば本来なら行儀見習いも兼ねて貴族の子女で固めるのが普通ではあるが、平民ばかりなのはその名残でもある。

まぁシルヴィオが恐ろしすぎて貴族の子女が面接に来ないというのもあるのだが。

「...そう言えば余りに自分達の事で必死になってたし、お袋の事を知ることを避けてたが...お袋は今どうしているんだろうな」

ふと、シルヴィオがそう呟く、母親の実家はベルガモの隣接しているとはいえ別の領地内、余り情報が入ってはこないのだ。

「その事ですが...」

ピエトロはシルヴィオに伝える...母親の実家の衰退の件を。

そしてシルヴィオは怪訝な顔をして、執務室へ向かい直ぐに軍施設に電話をかける。

少し事務的な話をした後、ある人物に取り次ぐ様に依頼し、暫くしてその人物が出る。

「...おう、ダリオ元気にしてるか？」

電話の相手はダリオ モルディード、シルヴィオにとって親友の間柄だ。

「ああ...シルヴィオ...久しぶりだな、城の方大変だったって耳にしたが」

「ああ、まぁ大変と言えばそうだったな」

式典の一件を話すも、実際自信が手を下す事なく済んだ話だから大変だった、というよりこれからが大変なんだよな...と思いながらシルヴィオは話す。

ダリオはグシオンの受肉以降、暫く謹慎があった後に今回は式典関係で王都に入る検問の仕事についていた。

本来ならその能力があれば式典での城の警護などに着いても良いのだが、一度悪魔に関わった為に能力に対して釣り合わない...まぁ閑職につく事になってしまったのだ。

「悪いなダリオ...一つ仕事を頼まれてくれねぇか？お前の今いる所に近い場所なんだが...」

──────────────────
※めっちゃ久しぶりにダリオが登場ですw 
chapter2に出てきた恋敵役？なかわいそうな奴ですw