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chapter5:Whereabouts of the curse
ティナちゃんはおねむです。 その2
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「...でも制圧なんて、戦争でもする気なんですか?」
「力の差がありすぎて戦争にもならねぇよ...正直リンダウはウルムの属国ではあるが海の向こうにある大陸側の緩衝材だったんだ、あそこを下手にウルムの一部にすんのは得策じゃねえ」
シルヴィオはピエトロに目を向けるとピエトロは葉巻の入ったシガーケースを用意する。
「大陸側がウルムに警戒...場合によっては大きな争いになりえますね」
「ああ...しかもそれを一番に待ち受けるのはベルガモであり俺の一族...幾ら公爵になろうが領地が増えようが正直乗り切じゃねぇ...」
シルヴィオはピエトロから吸い口を切った葉巻を一本受け取り、ピエトロが簡単な術式で灯す火をつけて咥える。
「だがな...陛下がやるって言った時点で俺はそれをしねぇとダメなんだわ、じゃねぇと俺やベルガモがヤバい事になるからな」
葉巻の煙ふかしながらシルヴィオは話す。
「なかなか世知辛いですね」
「まぁな...だからよ色男...お前の事は正直何処かムカつく所はあるが、ティナに対しての気持ちは本物だしティナもお前にゾッコンだ...だからこそ頼む...絶対にバレンティナを守れ...」
その顔はいたく真面目でじっとディビッドを見る。
「ティナはアルカンタル家の象徴、ベルガモの英雄ベロニカに似ているからベルガモ民にとっても俺たちファミリーにとっても宝なんだ...まぁ本人はちょっと分かってねぇ所があるせいで自分を低く見てる所があるがな」
幼い時貧乏生活を強いられたバレンティナの生い立ちなどのせいもあってか、確かに婚約破棄の後に自身の価値を安く見て、金持ちの後妻だのになると言ってはいたな、とディビッドは思い出す。
高位貴族であり美しい姿だし、瞳に薄いとは言え赤が宿る術士。しかも五カ国語を話せる程の才女でありながらだ...ただちょっと別な方向性で謙虚というかズレている所があるのだがそんな所もかわいいと思っているディビッド。
「そうですよね、もっとその辺卑下にしなくたって良いのに」
「...お前が言うと何故かムカつくな...」
「はは...」
シルヴィオの言葉に解せない気持ちに苦笑いを浮かべるディビッド。
シルヴィオが少し考えて、口を開く。
「...あとウチの親父の事だ...最近どうもおかしいんだ」
「おかしいとは?」
「...どうも最近...それこそティナの呪いの件を聞いてからやたらと遺言みたいな事を言い出すんだ」
シルヴィオはジャンマリオの言葉を思い出しながらそう話す。
「遺言って...」
「やたらと俺がいれば心配ないとか、嫁の顔が見れないのは残念とかな...ただ俺としてはあのポンコツでヘラヘラしているあの親父と悪魔の呪いどうにも結びつかねぇんだわ、ずっと一緒に暮らしててもどうもそんな素振りはねぇし...それになんだかんだでティナを大切にしてるしな」
「...何か引っかかるという事ですね...」
ディビッドは口に手を当てながらシルヴィオの話を聞く。
「力の差がありすぎて戦争にもならねぇよ...正直リンダウはウルムの属国ではあるが海の向こうにある大陸側の緩衝材だったんだ、あそこを下手にウルムの一部にすんのは得策じゃねえ」
シルヴィオはピエトロに目を向けるとピエトロは葉巻の入ったシガーケースを用意する。
「大陸側がウルムに警戒...場合によっては大きな争いになりえますね」
「ああ...しかもそれを一番に待ち受けるのはベルガモであり俺の一族...幾ら公爵になろうが領地が増えようが正直乗り切じゃねぇ...」
シルヴィオはピエトロから吸い口を切った葉巻を一本受け取り、ピエトロが簡単な術式で灯す火をつけて咥える。
「だがな...陛下がやるって言った時点で俺はそれをしねぇとダメなんだわ、じゃねぇと俺やベルガモがヤバい事になるからな」
葉巻の煙ふかしながらシルヴィオは話す。
「なかなか世知辛いですね」
「まぁな...だからよ色男...お前の事は正直何処かムカつく所はあるが、ティナに対しての気持ちは本物だしティナもお前にゾッコンだ...だからこそ頼む...絶対にバレンティナを守れ...」
その顔はいたく真面目でじっとディビッドを見る。
「ティナはアルカンタル家の象徴、ベルガモの英雄ベロニカに似ているからベルガモ民にとっても俺たちファミリーにとっても宝なんだ...まぁ本人はちょっと分かってねぇ所があるせいで自分を低く見てる所があるがな」
幼い時貧乏生活を強いられたバレンティナの生い立ちなどのせいもあってか、確かに婚約破棄の後に自身の価値を安く見て、金持ちの後妻だのになると言ってはいたな、とディビッドは思い出す。
高位貴族であり美しい姿だし、瞳に薄いとは言え赤が宿る術士。しかも五カ国語を話せる程の才女でありながらだ...ただちょっと別な方向性で謙虚というかズレている所があるのだがそんな所もかわいいと思っているディビッド。
「そうですよね、もっとその辺卑下にしなくたって良いのに」
「...お前が言うと何故かムカつくな...」
「はは...」
シルヴィオの言葉に解せない気持ちに苦笑いを浮かべるディビッド。
シルヴィオが少し考えて、口を開く。
「...あとウチの親父の事だ...最近どうもおかしいんだ」
「おかしいとは?」
「...どうも最近...それこそティナの呪いの件を聞いてからやたらと遺言みたいな事を言い出すんだ」
シルヴィオはジャンマリオの言葉を思い出しながらそう話す。
「遺言って...」
「やたらと俺がいれば心配ないとか、嫁の顔が見れないのは残念とかな...ただ俺としてはあのポンコツでヘラヘラしているあの親父と悪魔の呪いどうにも結びつかねぇんだわ、ずっと一緒に暮らしててもどうもそんな素振りはねぇし...それになんだかんだでティナを大切にしてるしな」
「...何か引っかかるという事ですね...」
ディビッドは口に手を当てながらシルヴィオの話を聞く。
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