銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter5:Whereabouts of the curse

ジョナサンの恋 その2

「！！！」

ジョナサンは手を繋がれて真っ赤になってアワアワしてしまう。

「ジョナサンって結構手が大きいのね...きっと大きくなったらジョナサンのお兄さんみたいになりそう」

実はジョナサンは足と手だけは基本元の大きをベースにしており、現時点の背丈に対して大きいのだ。

「あ...はい」

スザンナがジョナサンの兄と思っている人物はジョナサン本人ではあるが、そう答えてしまう。

「ジョナサンのお兄さん...ジョニーさんってカッコいいわよね、背も高いし悪魔を倒したりするし」

「そんな...」

自身の事をそんな風に言われてドキドキが止まらないジョナサン、ディビッドと違って純情なのだ。

屋敷の近くの水道に連れられてジョナサンの手の傷を洗うと、スザンナはポケットから綺麗な白いハンカチ取り出すと丁寧に拭いてくれる。

柔らかくてもちもちで小さな手が触れると顔が沸騰するかの様に真っ赤になるジョナサン。

「ちょっと待っててね、今薬箱用意するわ」

と近くにあったベンチに座らせそこで待つ様に言いスザンナはその場を後にする。

「スザンナさん」

可愛らしい後ろ姿をぼんやりと見つめるジョナサン。

しかし、前にサミュエルが言っていた言葉を思い出してはっとする。

ーーボク等みたいな化・け・物・と一緒になってもさ...ガキンチョが幸せでも、あの子が幸せになれるかどうかは別っすからね...

つい浮かれてしまうが確かにそうなのだ。

しかもスザンナは本当の姿のジョナサンに好意があるのかもしれない、大体怖がられる2メートル超えで大柄の自身の姿をだ。

しかし悪魔と対峙する以上自身の危険もさる事ながら身内にも危害が加えられる可能性を考えれば、その気持ちは忘れるべきだろう。

とジョナサンがそんな事を考えているとスザンナが薬箱を持ってやって来る。

「ごめんなさい、待ったでしょ？」

「あ...大丈夫です！」

スザンナはテキパキと薬箱から消毒液と脱脂綿を出して消毒した後に傷薬を塗る。

「これで大丈夫ね、ちょっとすると綺麗に治るからね」

そう微笑まれて、ドキドキが止まらない。

実はジョナサン今塗った薬よりも数段回復力が高く瞬時で傷を塞ぐ薬くらい簡単に作れるし、場合によってはディビッドに頼めば回復してくれるのだが、スザンナが甲斐甲斐しく手当てしてくれた事が嬉しくて仕方ない。

「ありがとうございます、お礼は絶対しますから！」

「ふふ、いいのよ？うちの子が怪我させちゃったんだもの...じゃあみんなの所に戻りましょ？」

でもウルムで生活しているこの一時くらい、夢を見させて貰っても...と思うのは狡いのかもしれない、とジョナサンは思いながら、皆が待っている場所へともどるのだった。