336 / 841
chapter5:Whereabouts of the curse
呪いの行方 その3
しおりを挟む
年配の男の話だと、それこそ12年程前に貴族に輿入れした娘が戻って来たと思ったらすぐに没落し、一家は全員流行り病で亡くなったと言うでは無いか。
ただ娘...バレンティナの母親だけはどう亡くなったかと言う話が聞こえて来なかった。
その後サミュエルは近隣の街に出向いていろいろと話を聞き情報を収集するも全て同じ様な回答しか得られなかった。
一日が終わり、少し明るい間に宿の部屋のベッドで横になるサミュエル...なんだかんだで催眠を何人にもかけるのは疲れるのだ。
「...やはり屋敷に忍び込むしか無いっすかねぇ...」
そうつぶやき、目を閉じる...大体深夜皆んな寝静まったあたりを狙い入らねばとサミュエルは思いながら軽く仮眠を取るのだった。
ーー
深夜2時頃、サミュエルはいつもの青と黒の司祭服を身に付けて例の屋敷前に立つ。
少しでも屋敷内に手がかりが有ればと思ってだ。
そんな時に空から馴染みのオカメインコの姿、ピッピちゃんがやって来た。
「ギャ!サム!」
ピッピちゃんはサミュエルの肩に止まる。
「遅いっすよ!ピッピちゃん」
「ギャ!いろいろあったギャ!仕方ないギャ!」
「まぁいいや...じゃあ忍びこむっすよ」
と屋敷の閉じられた門を飛び越えて敷地内に入る。
夜目が効くので暗闇は全く問題なくサミュエルはそのまま進む。
きっと昔はとても裕福だったのか大きな屋敷なのに、主が居なくなり放置されてボロボロだ。
「...何処からでももう侵入出来そうっすねぇ」
と割れた窓を開けて忍び込む。
きっと泥棒が入ったりなどあったのか中身は酷い有様だ。
「まぁ仕方ないけど酷い状態っすねぇ...」
と廊下を歩き回り部屋から部屋へ入って確認して行く。
ここの主の執務室と思われる部屋へ入り、周囲を見回す。
「何か日記とか有れば良いんすけどねぇ」
と机の引き出しを開いてみるも何も無い。
「...何も無いっすねぇ」
と頭を掻いて本棚の方へ向かう...本は数冊ボロボロなものが残っているだけだ。
「...こう、何かいじると別な部屋に繋がるとかあったりして...」
と本棚を軽く押すとカチャン!と音が聞こえる。
「あった...やっぱりこう言うのって金持ちのロマンなんすかねぇ」
「ギャ...」
サミュエルは本棚がスライドして動くのを確認して開けると地下へ向かう階段があった。
「まぁ降りるしか無いっすよね~」
とピッピちゃんと共に階段を降りる。
中はじめじめしてカビ臭い、何だか嫌だなぁとサミュエルは思いながら下へ下へと降りていくとドアが現れる。
扉は頑丈な作りらしく、鉄製で重そうだ。
ドアノブをガチャガチャと動かすが鍵がかかっているのか開かない。
「そのまま簡単には開かないけど、僕にかかればどうって事は無いっすよ」
と一本のピンを出して鍵穴をかちゃかちゃと動かすと簡単に鍵が開く。
ただ娘...バレンティナの母親だけはどう亡くなったかと言う話が聞こえて来なかった。
その後サミュエルは近隣の街に出向いていろいろと話を聞き情報を収集するも全て同じ様な回答しか得られなかった。
一日が終わり、少し明るい間に宿の部屋のベッドで横になるサミュエル...なんだかんだで催眠を何人にもかけるのは疲れるのだ。
「...やはり屋敷に忍び込むしか無いっすかねぇ...」
そうつぶやき、目を閉じる...大体深夜皆んな寝静まったあたりを狙い入らねばとサミュエルは思いながら軽く仮眠を取るのだった。
ーー
深夜2時頃、サミュエルはいつもの青と黒の司祭服を身に付けて例の屋敷前に立つ。
少しでも屋敷内に手がかりが有ればと思ってだ。
そんな時に空から馴染みのオカメインコの姿、ピッピちゃんがやって来た。
「ギャ!サム!」
ピッピちゃんはサミュエルの肩に止まる。
「遅いっすよ!ピッピちゃん」
「ギャ!いろいろあったギャ!仕方ないギャ!」
「まぁいいや...じゃあ忍びこむっすよ」
と屋敷の閉じられた門を飛び越えて敷地内に入る。
夜目が効くので暗闇は全く問題なくサミュエルはそのまま進む。
きっと昔はとても裕福だったのか大きな屋敷なのに、主が居なくなり放置されてボロボロだ。
「...何処からでももう侵入出来そうっすねぇ」
と割れた窓を開けて忍び込む。
きっと泥棒が入ったりなどあったのか中身は酷い有様だ。
「まぁ仕方ないけど酷い状態っすねぇ...」
と廊下を歩き回り部屋から部屋へ入って確認して行く。
ここの主の執務室と思われる部屋へ入り、周囲を見回す。
「何か日記とか有れば良いんすけどねぇ」
と机の引き出しを開いてみるも何も無い。
「...何も無いっすねぇ」
と頭を掻いて本棚の方へ向かう...本は数冊ボロボロなものが残っているだけだ。
「...こう、何かいじると別な部屋に繋がるとかあったりして...」
と本棚を軽く押すとカチャン!と音が聞こえる。
「あった...やっぱりこう言うのって金持ちのロマンなんすかねぇ」
「ギャ...」
サミュエルは本棚がスライドして動くのを確認して開けると地下へ向かう階段があった。
「まぁ降りるしか無いっすよね~」
とピッピちゃんと共に階段を降りる。
中はじめじめしてカビ臭い、何だか嫌だなぁとサミュエルは思いながら下へ下へと降りていくとドアが現れる。
扉は頑丈な作りらしく、鉄製で重そうだ。
ドアノブをガチャガチャと動かすが鍵がかかっているのか開かない。
「そのまま簡単には開かないけど、僕にかかればどうって事は無いっすよ」
と一本のピンを出して鍵穴をかちゃかちゃと動かすと簡単に鍵が開く。
0
お気に入りに追加
343
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
【R18】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
【R18】悪役令嬢を犯して罪を償わせ性奴隷にしたが、それは冤罪でヒロインが黒幕なので犯して改心させることにした。
白濁壺
恋愛
悪役令嬢であるベラロルカの数々の悪行の罪を償わせようとロミリオは単身公爵家にむかう。警備の目を潜り抜け、寝室に入ったロミリオはベラロルカを犯すが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる