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chapter4:Older sister, invasion

悪魔ダンダリオン その3

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ディビッドは襲いかかる影達を次々と倒し、結界を張っている術士をサポートし続ける。

サミュエルが異端審問官達を連れてくれば更に強力な結界を張り巡らせる事が可能だし、回復のサポートを任せられるから、反撃はその後だと判断だ。

しかし銃弾にも限りがある...あと2回充填すれば終わりか...と頭で計算しながらディビッドは湧いて出てくる影を倒し続ける。

ずっとシルバービートでの攻撃のみを続けているのは、自身の術力の温存の為だ。

下手をすると悪魔ダンダリオンを相手にしなくてはならない。

しかし数時間前にサロス戦を終えたばかりで実は現時点での術力が心許ないのだ。

前回フェネクス戦後アンドラス倒す前には、例の少女のおかげで万全の状態でアンドラスに挑めたが今回は分が悪い。

影が術士を集めている所を鑑みるに、封印式を解除させる贄にするつもりなのだろう、ダンダリオン本人が刻んだ封印式を解除するには、術士の血を10体分必要のはずだからだ。

ディビッドは1年前にもここを訪れており、更なる封印を二重に施してはいるが、それを解除する方法をリュシフェルは手に入れてしまった事を考えるとどんなに強力なモノにしたとしても心許ない。

離宮周辺、それなりに広い為に駆け巡り倒していく。

ディビッドは流石にやや疲れが出ている事を自覚しだす、そうそう一人で行動する事が無い為だ。

弾切れをおこして弾丸を充填している隙にディビッドの後ろから影が伸びて来る。

それに気がつき振り向くディビッドの目前に影が襲いかかる。

「しまった!」

銃口を構えようとしたが、間に合わない...と思った瞬間にその影に銀色に光る鎖が巻き付く!

「ギャアアア!」

鎖に強く巻きつかれて、ボウッ!という音と共に影は消失する。

「あはは、坊っちゃんが焦る姿なんて久しぶりっすね~」

「...遅いですよ...」

「へいへい、まぁ異端審問官達連れて来ましたんでまず坊っちゃんはご自分の回復を優先してくださいっす」

サミュエルの言葉に悪態を吐くディビッドに小さな瓶を投げ渡す。

「ガキンチョ特製のポーションっす、さっさと飲んで体力温存しとくっすよ」

そう言われてディビッドは封を開けて全て飲み干す、砂糖を大量に溶かしたかのような甘さだが、疲労が回復するのはわかる。

「いつ飲んでも甘すぎなんですよ...うえっ...」

「まぁ通常ポーションを20倍に濃縮してる奴っすからね~」

とサミュエルはジャラジャラとチェーンウィップを振り回して、影達に威嚇する。

「坊っちゃんの弾丸にゃ限りがあるっすけど、僕の鎖はそうは行かないからねぇ」

サミュエルは手近な影に向かってチェーンウィップで攻撃を仕掛ける。

サミュエルのチェーンウィップは聖化された純銀を用いた特注品、悪魔やそれに準ずる魔物にとってはそれで攻撃されるのひとたまりもないのだ。
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