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chapter3:Travel Emotions Bergamo
悪魔アンドラス その1
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エルコラーロからベルガモへ、大きなフクロウの様な化け物が向かっていた。
その身体は赤茶色でとても大きく、ギロリとしたその猛禽類の瞳は金色...その飛行速度はとても早い。
アンドラスは焦っていた...受肉するに手っ取り早い存在を選んだものの以前の様な力を出せない。
そう、前回...300年前の受肉する媒介が貴重な紫色の瞳を持つ賢者で受肉しただけでその力は最大まで引き出せたのだ...しかし今回はそうでは無かった。
兎に角それに匹敵する生贄が欲しい...エルコラーロ要塞にいた術士では前回の様にまではいかない。
それと前回受肉の媒介になった人間の血を引く人物がいたが、彼の神の加護が強く受け付けられなかったのも痛い。
しかし今近くに...ベルガモにそれに代替する存在がいる事を『明けの明星』が教えたのだ。
『ベルガモに『生贄の娘』がいまスよ』と。
『生贄の娘』は悪魔の生贄の為に存在した呪われた女性達であり、昔から悪魔崇拝者達はこぞって彼女達を狙っていたのだ。
しかし、ある時を境にそれが激減する時が来る。
約300年前その呪いを産み出したアスモデウスを12番目の預言者が滅ぼした事により、徐々にその数が減り続けている為だ。
その貴重な『生贄の娘』ならば300年前と同じように自身の力を最大限にまで引き出し、人々を混乱と憎しみに満ちた世界に引きずりこみ、更に多くの力を得ることが出来る...そうアンドラスは思ったのだ。
そして300年前に大きな力をもって封じられたあの憎い賢者マテウスの一族全員血祭りに上げる為にだ。
日が明ける直前...そこに大きな港街が見えて来る...ベルガモだ...
ただ周囲には強力な結界が張り巡らされており、侵入が出来ない。
『小癪な!』
アンドラスは苛立つ、街の周囲を旋回しながら結界の穴を探し出そうとしていた。
──
『もう...そろそろ限界かしら...』
エステルはそう言って自身が構築した結界を解く...でもシルヴィオが指示した術兵士達の結界のお陰で維持は出来ている。
しかし余談は許さない...アンドラスを倒すその時までは。
エステルはピッピちゃんの姿に戻って屋敷の近くの樹へと止まる。
ピッピちゃん自体の肉体が限界なのだ...ピッピちゃんをゆっくり休ませないとピッピちゃんを介して意思疎通が出来なくなってしまう...出来ればそれは避けたい所だからだ。
「エステル様!もしであれば屋敷へ」
シルヴィオの声が聞こえる。
「ギャ???」
シルヴィオはピッピちゃんが止まった樹の側にいるでは無いか。
ピッピちゃんはシルヴィオの所まで降りる。
「エステル様もバレンティナのいる所へ」
ならばその言葉に甘えようとシルヴィオの肩へ止まる。
その身体は赤茶色でとても大きく、ギロリとしたその猛禽類の瞳は金色...その飛行速度はとても早い。
アンドラスは焦っていた...受肉するに手っ取り早い存在を選んだものの以前の様な力を出せない。
そう、前回...300年前の受肉する媒介が貴重な紫色の瞳を持つ賢者で受肉しただけでその力は最大まで引き出せたのだ...しかし今回はそうでは無かった。
兎に角それに匹敵する生贄が欲しい...エルコラーロ要塞にいた術士では前回の様にまではいかない。
それと前回受肉の媒介になった人間の血を引く人物がいたが、彼の神の加護が強く受け付けられなかったのも痛い。
しかし今近くに...ベルガモにそれに代替する存在がいる事を『明けの明星』が教えたのだ。
『ベルガモに『生贄の娘』がいまスよ』と。
『生贄の娘』は悪魔の生贄の為に存在した呪われた女性達であり、昔から悪魔崇拝者達はこぞって彼女達を狙っていたのだ。
しかし、ある時を境にそれが激減する時が来る。
約300年前その呪いを産み出したアスモデウスを12番目の預言者が滅ぼした事により、徐々にその数が減り続けている為だ。
その貴重な『生贄の娘』ならば300年前と同じように自身の力を最大限にまで引き出し、人々を混乱と憎しみに満ちた世界に引きずりこみ、更に多くの力を得ることが出来る...そうアンドラスは思ったのだ。
そして300年前に大きな力をもって封じられたあの憎い賢者マテウスの一族全員血祭りに上げる為にだ。
日が明ける直前...そこに大きな港街が見えて来る...ベルガモだ...
ただ周囲には強力な結界が張り巡らされており、侵入が出来ない。
『小癪な!』
アンドラスは苛立つ、街の周囲を旋回しながら結界の穴を探し出そうとしていた。
──
『もう...そろそろ限界かしら...』
エステルはそう言って自身が構築した結界を解く...でもシルヴィオが指示した術兵士達の結界のお陰で維持は出来ている。
しかし余談は許さない...アンドラスを倒すその時までは。
エステルはピッピちゃんの姿に戻って屋敷の近くの樹へと止まる。
ピッピちゃん自体の肉体が限界なのだ...ピッピちゃんをゆっくり休ませないとピッピちゃんを介して意思疎通が出来なくなってしまう...出来ればそれは避けたい所だからだ。
「エステル様!もしであれば屋敷へ」
シルヴィオの声が聞こえる。
「ギャ???」
シルヴィオはピッピちゃんが止まった樹の側にいるでは無いか。
ピッピちゃんはシルヴィオの所まで降りる。
「エステル様もバレンティナのいる所へ」
ならばその言葉に甘えようとシルヴィオの肩へ止まる。
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