164 / 841
chapter3:Travel Emotions Bergamo
神託 その2
しおりを挟む
「ああ...良かった、これでアンドラスに囚われた『彼』の心残りが無くなってくれた」
その代わりに背後から女性の声が聞こえる。
振り向くと16歳くらいの美少女が立っていた。
その姿は見覚えのある、白と青のローブを着た少女、肩くらいで切り揃えた髪は緑色で瞳もピンク...ややつり目がちでなんとなくだが姉が若かったらこんな感じなんだろうな?と思うその姿。
「姉上...な訳無いですよね」
「そりゃあそうだよ、それこそ君の祖先だしねぇ...」
なるほど...それこそハイラントに続く祖である彼女...『運命を打ち砕く者』である預言者...
「...では貴女があのステンドグラスの...」
「そ!まさか私の事描かれるとか聞いてなかったしねぇ...あはは」
なんとも無邪気に笑う彼女を見てると姉エステルを思い出し呆れ顔になる。
「しかし何故祖たる貴女が?」
それこそ神託なのか???
「...因果だよ、君に流れるもう一つの血...創造者にして忠節なる神(トラウゴット)はアンドラスとの因果を君の代で終わらせるそうだよ」
「...やはり」
「ぬ...簡単に納得しちゃうとか、やっぱりディビッドと同じだね」
「?」
ディビッドの名前は実の親がつけた名前では無く、育て親である司祭ナサニエルがつけた名前だ。
実の親に愛されなかった分、神に愛される子にとナサニエルが願いを込めてつけた名前である。
「それにしてもディビッドとはね...同じ名前とか偶然...いやそれも因果なんだね、髪や目の色も悪魔の呪いから解放された君だからその役目を与えられたのかな」
「役割ですか?」
「そう!ディビッドのお父さんを浄化してアンドラスをぶち倒す!」
「??」
どうやら先程のアンドラスの受肉の媒介になった人物と目の前の少女の言う『ディビッド』とディビッド本人は違う様だ。
「んー同じ名前だと紛らわしいねぇ、...じゃあ恭しく君を呼ぶね...私にとってのディビッドは君じゃ無いからさ...じゃあ『『白の射手』よ!因果の元にある者よ!神は貴方にアンドラスを滅ぼす役割を与え、貴方は必ずアンドラスを撃ち滅ぼす...そしてこの悲しみに囚われた地に安寧を与えよ』」
少女は真面目な顔に変え、神託を述べる...その手には見覚えのある杖...赤から青に揺めく宝石をあしらわれた『セプター オブ バーレ』...現在姉であるエステルが所有している隠されしバーレの真の王の証。
そのあしらわれた宝石には15の星が煌めく...それは歴代の預言者達の願いだと聞いている。
「『アンドラスを目覚めさせようと、邪悪なる悪魔リュシフェルは行動を起こした...もうそれは止める事は出来ない!』」
宝石から光が放たれるとディビッドの周囲を囲む。
「『白の射手』...君に必要な力を与えるよ、アンドラスを撃ち落とす力は必ず必要になるからね」
その光はディビッドに飛び込み身体に入っていく。
「わっ!なんですか?これは?」
「それこそ過去の預言者たる人々の思いだよ、君に引き継ぐ為にね」
「引き継ぐって」
「まぁその時が来たらわかるから!じゃあね、君とはまた会う事になるからさ!私の息子の1人ディビッド!」
そう手を振りながら少女に言われた瞬間、ディビッドはパッと目を覚ました。
その代わりに背後から女性の声が聞こえる。
振り向くと16歳くらいの美少女が立っていた。
その姿は見覚えのある、白と青のローブを着た少女、肩くらいで切り揃えた髪は緑色で瞳もピンク...ややつり目がちでなんとなくだが姉が若かったらこんな感じなんだろうな?と思うその姿。
「姉上...な訳無いですよね」
「そりゃあそうだよ、それこそ君の祖先だしねぇ...」
なるほど...それこそハイラントに続く祖である彼女...『運命を打ち砕く者』である預言者...
「...では貴女があのステンドグラスの...」
「そ!まさか私の事描かれるとか聞いてなかったしねぇ...あはは」
なんとも無邪気に笑う彼女を見てると姉エステルを思い出し呆れ顔になる。
「しかし何故祖たる貴女が?」
それこそ神託なのか???
「...因果だよ、君に流れるもう一つの血...創造者にして忠節なる神(トラウゴット)はアンドラスとの因果を君の代で終わらせるそうだよ」
「...やはり」
「ぬ...簡単に納得しちゃうとか、やっぱりディビッドと同じだね」
「?」
ディビッドの名前は実の親がつけた名前では無く、育て親である司祭ナサニエルがつけた名前だ。
実の親に愛されなかった分、神に愛される子にとナサニエルが願いを込めてつけた名前である。
「それにしてもディビッドとはね...同じ名前とか偶然...いやそれも因果なんだね、髪や目の色も悪魔の呪いから解放された君だからその役目を与えられたのかな」
「役割ですか?」
「そう!ディビッドのお父さんを浄化してアンドラスをぶち倒す!」
「??」
どうやら先程のアンドラスの受肉の媒介になった人物と目の前の少女の言う『ディビッド』とディビッド本人は違う様だ。
「んー同じ名前だと紛らわしいねぇ、...じゃあ恭しく君を呼ぶね...私にとってのディビッドは君じゃ無いからさ...じゃあ『『白の射手』よ!因果の元にある者よ!神は貴方にアンドラスを滅ぼす役割を与え、貴方は必ずアンドラスを撃ち滅ぼす...そしてこの悲しみに囚われた地に安寧を与えよ』」
少女は真面目な顔に変え、神託を述べる...その手には見覚えのある杖...赤から青に揺めく宝石をあしらわれた『セプター オブ バーレ』...現在姉であるエステルが所有している隠されしバーレの真の王の証。
そのあしらわれた宝石には15の星が煌めく...それは歴代の預言者達の願いだと聞いている。
「『アンドラスを目覚めさせようと、邪悪なる悪魔リュシフェルは行動を起こした...もうそれは止める事は出来ない!』」
宝石から光が放たれるとディビッドの周囲を囲む。
「『白の射手』...君に必要な力を与えるよ、アンドラスを撃ち落とす力は必ず必要になるからね」
その光はディビッドに飛び込み身体に入っていく。
「わっ!なんですか?これは?」
「それこそ過去の預言者たる人々の思いだよ、君に引き継ぐ為にね」
「引き継ぐって」
「まぁその時が来たらわかるから!じゃあね、君とはまた会う事になるからさ!私の息子の1人ディビッド!」
そう手を振りながら少女に言われた瞬間、ディビッドはパッと目を覚ました。
0
お気に入りに追加
343
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
社長の奴隷
星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)
【R18】黒髪メガネのサラリーマンに監禁された話。
猫足02
恋愛
ある日、大学の帰り道に誘拐された美琴は、そのまま犯人のマンションに監禁されてしまう。
『ずっと君を見てたんだ。君だけを愛してる』
一度コンビニで見かけただけの、端正な顔立ちの男。一見犯罪とは無縁そうな彼は、狂っていた。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
睡姦しまくって無意識のうちに落とすお話
下菊みこと
恋愛
ヤンデレな若旦那様を振ったら、睡姦されて落とされたお話。
安定のヤンデレですがヤンデレ要素は薄いかも。
ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる