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Chapter2:Jealous lover

招かれざる客

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お兄様とは新年にパパと3人で会って以来、半年ぶりかもしれないわ。

必要な物を買ってタウンハウスに戻ると玄関にはお兄様が待っていた。

「ティナ!久しぶりだね!」

「シルヴィオお兄様!」

お兄様はパパとおんなじ緑の瞳と赤い髪の青年で今年で24歳になるのだけどあまりにしっかり者な為か年上に見られがちで30代に見えなくもないの...まぁパパが悪いのだけど。

一応私達兄弟顔立ちが似ていてお兄様もややつり目な美形ではあるのだけど...笑顔が悪人っぽい所や黒地に細かいストライプスーツと黒いシャツとか、斜めに帽子を被った姿とか...何だか堅気っぽくない服のセンスががたまに傷なのよね。

お兄様はきっと性格がお婆様に似てるのよねぇ...お兄様がしっかり者だから領地経営も潤ってきたのよね。

ちなみにお兄様が今回王都へ来ているのは、学生時代の友人達に会うためだそうね、同窓会をするんですって!

「何だか大人になったのかもね、とても綺麗になってしまって」

「ふふ、やだわお兄様」

「あ!そうだ今回王都に来たのは私だけではないんだ、ダリオ!ティナが戻ってきたよ」

そうお兄様が言うとダリオが姿を表す。

ダリオ モルティード子爵...世襲ではなく『赤が宿る瞳』持ちでアークメイジの称号を手に入れたためサヴェリオ国王から叙爵を賜り、新たに興したモルティード姓を名乗る人物で兄の学友でもある。

浅黒い肌と黒い髪、臙脂色の瞳の美丈夫、術兵士らしく黒の軍服を着ており左胸にはアークメイジマスターの称号である『赤の六芒星』の徽章が輝いているわ。

ただ昔からどうしてもこの人苦手なのよねぇ...

「バレンティナ嬢、お久しぶり振りですね」

笑顔で挨拶してくる、イケメンだし能力もあるのだけど、こちらを見つめる目...何か蛇が獲物を狙うような目...学生時代からそうだったわ...そんな目をこちらに向けて来るのよ...

「お久しぶりですね、モルディード卿」

「はは、ダリオと呼び捨てでいいのに」

あの種無しの阿保ことエスタバン様との婚約破棄の一件でマキシムさんの話の前に婚約者の乗り換えでどうかと話があったのだけど、パパとお兄様には『ダリオは無理』とはっきり断っているの。

それに今はねぇ...ディビッドが居るし...何もかもすっ飛ばしでエッチばっかりな爛れた関係だし...婚姻の契り印のせいできっとディビッド以外と結婚とか無理だし...どのタイミングでパパとお兄様に伝えるべきか悩むのよね...

まぁダリオとの挨拶を終えてお兄様が帰って来ると言ってたから買ってきた物を渡そうと思うわ!

「そうそうお兄様の好物を買ってきたの!王都じゃなきゃ食べられないからと思って、カンノーリよ!」

お菓子の箱に沢山のカンノーリを詰めてもらったの!

お兄様が学生時代に甘い物が食べたくなった時よく食べたって言ってたカンノーリ、サクサクの皮とリコッタチーズの入ったクリームが美味しいお菓子で当時お兄様が買いにいったお店で買ってきたのよ。

「嬉しいなぁ、学生時代よく食べたもんだ!ありがとうティナ!」

笑顔を浮かべるけど本当に悪人っぽい笑顔なのよねぇ...あのパパの血が流れていると思えない程よねぇ...だからベルガモの腹黒貴族とか銭ゲバ侯なんて言われるけど本当は優しいのにね。

「じゃあ3人でお茶にしようか、ピエトロ!準備を頼むよ」

お兄様はピエトロを呼んでお茶の支度を頼むと客間へ向かおうと言って3人でそちらへ向かったわ。
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