分岐ルート(仮)

魂の暇つぶし

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神話の世界は偽の世界

離呼する声

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「天城、いや天樹か。」
本体アイツに似た。
少年が言った。
「天樹かー楽しそうだね」
そのパートナーの髪の白い少女は笑いながら、天真爛漫に答えた。
「いつかあの世界のように、迎えようぜ。」
「うん!」
二人の神話は元の世界へ帰っていった。
いくつかの可能性を残し、希望を表して。

















「天城さん!良かったぁぁ!」
「あぁ、お前もな」
天城と莉子は二人山の頂上で目覚めた。
「いや、しかしあの二人はすごかったな。」
「えぇ、まさかあれほどの力があるなんて。」
記憶は残っていた。あのアナザの別次元すぎる強さ、レインの生み出す力。
「いつか、あの力を...」
「持ちたいですね。」
そんな憧れを胸に抱きながら、談笑をする天城たち。
「あのすいません...天城さん?」
突然、天城の身体から声があった。
「どうした?アヲイ」
「天樹さん達も聞いていると思うのですが...あの人はどうするのですか?」
天城の目は迷うことなく、それを困ったように見る。
「アレか、どうしようかな?おいておくわけにもいかないよな...」
それは、泡に包まれた少女。前に天城が助けた目の見えない少女。
「あれ、どうなっているんだ?」
あの泡は破れない。
「とりあえず、家の地下にでも置いておくか。」
「そ、そうですね。」
幸い、動かすことはできるようで、天城の木を使ってリュックのようにして背負って運ぶことになった。













「天城!無事だったのね!」
山を降りると張華がちょうど向こうから走ってきた。
どうやら、瀬奈を病院に運び込んでから、急いで探していたようだ。
「って、ソレなに?」
張華は、天城の背負っているモノを指差して言った。
「いろいろだ。」
「ちょっと何よそれ!」
天城の曖昧な返事を聞いて、張華は怒りの感情がピョコっと出てきそうになったが、天城の体の傷を見て、落ち着いた。
「しょうがないわね、帰ったらマッサージぐらいしてあげるわよ!」
「え、マジ?お前が?」
「何よその顔。」
「え、いや、じゃあ帰ったら頼む。」
「えぇ覚悟しておきなさいよ」
「え?覚悟?」
聞き捨てならない言葉が聞こえたが、聞かなかったようにして、歩みを続ける。













「な、なんだこれ~!?」
あのクローンの攻撃した方向が悪かったのか、
「どうすんだよ...俺らの生活が...」
一応扉らしい場所から入ってみたが、中には、粉塵や、バラバラになった木の破片がいたるところにあり、一日の掃除でとてもじゃないが住めるような状態ではない。
(もし、私が今ここで、「私の家にくる?」とか言ってみたらくるのかしら?...って私は何を?)
「あの天城?よか、」「プルプルプル!」
何故か、繋がっていた天城の家にある固定電話から着信があった。
「もしもし?って母さん?...え?今から実家に帰ってきてくれないかしらって?ナイスタイミングか⁉︎」
本当に良いタイミングだった。
「よし!いくぞ!テリア」
「え、うん!」
「お前もいくぞ!張華!莉子!」
「私も?...しょうがないわね!」
「わかりました!」






5時間後
「やっと着いた~!」
「本当に久しぶりです!」
天城と莉子、約五年ぶりの帰省である。
5人も一緒に行くという特殊な帰省だが...
天城は別に家が嫌いなわけではない。
帰る手段がないだけである。
なぜなら天城の家から今の如月町の家まで、車で1日この町でほとんど物が揃ってしまうため、この町から出るという人があまりいないため、ここから出る手段があまりないのだ。
よって、天城の家へ電車を使っても乗り換えが二桁ある。そうだ、散々理由を愚痴ってきたが、要するに面倒くさい、面倒くさかったのだ!
今回は天城の母親が乗っていたヘリコプターに乗って帰るので、そこまで時間はかからなかった。...はず。
「あの~天城さん?」
「ん?なんだ?莉子」
「天城さんの家に荷物を置いたら、私の家に行きませんか?」
「あ~梨多園か。」
「はい!」
天城や莉子の生まれた町。
山奥でもなければ、都会でもない。
ただただ普通の街。
ちなみに張華とテリアはヘリコプターの搭乗人数の理由により、先に家に着いているようだ。
「荷物は、家に送られているはずだから、先に行くか?」
「!はい!」







「あら~⁉︎久しぶり、莉子ちゃん!」
「久しぶりー!おばちゃん!」
梨多園で久しぶりの再会をした莉子は、いつもの敬語とは違う新鮮な言葉使いだった。
「おや?その子は?」
おばちゃんが天城を見て莉子に質問する。
「よく遊びに来てくれた、天城さんだよ~!」
「天城くん!?大きくなったねぇ!」
「は、はい。ご無沙汰してます。」
何故かこういう場所は緊張してしまう天城だった。


「おばちゃーん、できたよ」
「あら!莉子ちゃん料理できるようになったのね!」
「いや、出てきたの茹で卵なんですけど、多分簡単調理ランキング上位に入るやつだよ!」
「昔は莉子ちゃんお湯にすることもできなかったのに...」
「えへへ~」
まぁ良かったと思う天城だった。




「へぇ、大変ね大丈夫なの?」
「大丈夫です。しばらくは母さん家に泊まって学校も、この辺に編入するので。」
「そりゃ安心だね」
「はい。」
すると、庭にいた子供たちが天城のもとに来た。
「お兄ちゃんって誰?」
「莉子ねぇちゃんのこいびと?」
「ブハァ⁉︎」
莉子が吹き出した。
「俺か?俺はね~莉子を大切に思っている人だよ。」
「え...」
「それってこいびとじゃないの?」 
「恋人とは、違うかな。」
「ふーん」
子供の反応は淡白である。
天城の隣で赤い顔の莉子とは違う。













「禅と莉子遅いですね」
「そうねぇ、二人でイチャイチャしているんじゃないの?」
「なっ!?なにを言っているのですか!」
「まぁ頑張りなさいよ。」
「な、何をですか...」
大体あっているが、ちょっと違う会話を張華と天城の母は、繰り広げていた。
「張華ちゃんは、禅のお嫁さん候補の一人なんだから、頑張ってよね!」
「だから、なんでそうなるのですか!」
やや一方的だが...









「さぁ帰るか、莉子...」
「スピームニャムニャ」
莉子は寝てしまった。
「どうするの?天城くん?」
施設のおばちゃんが聞いてくる。
「寝たまま連れて帰るよ。じゃあまた。」
「ありがとね。」
「あぁ」
天城は莉子をおんぶをしながら帰っていった。
「軽いな、昔にしたときには、キツかったんだが、あん時は体力的に無理だったんだろうが...」
莉子の体重は平均的な同年代の女性に比べると軽い。
それに、天城の今の力があると軽いと思うのはしょうがないだろう。
ダイエットしているのかなんてきけるはずない。
「早く帰らないとな...あ」
ふと電柱をみると、うずくまっている子供がいた。
「お兄ちゃん?」
「どうした、迷子か?」
「お腹すいた」
「えぇ...よし、あのコンビニで、なんか買ってやるよ、ついてこい。」
その言葉を聞いた途端少女(?)は目を輝かせ
「ヤッタァ!いいの?」
「あぁ、てかお前元気だろ。」
天城達はコンビニに入った。
「いらっしゃいませ!」
あまり人がいない店内に店員の元気な声が響く。
「おにぎりでいいか?」
「うん...あ、あと」
「まだいるのか?」
少女はカゴにもう一つおにぎりを入れた。
「コレお兄ちゃんの。」
「そうか...ありがとさん」
天城は少女(?)の髪を頭を撫でた。
「...あ?」
その時天城は感じた。
店内にある監視カメラが不自然なほど、天城達を追いかけ続けていることに...
「コイツ、何かあったな。」



「見つけたぞ!再結晶クリスタル!」
さぁ再び能力を顕現させよ。
そんな大したものじゃない。
コレはただの後片付けさ。


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