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本編

つかない決着

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とりあえずパメラさんは団長から厳重注意を受けたみたい。みたい、というのもあれ以来すごく避けられていて、どうしても必要な時以外彼女の姿を見ないからだ。
騎士団全体も彼女の存在に戸惑っているみたいで、最初は言い寄られて良い気になっていた人達も彼女のその後の行動や言動を疑問視する声も出てきたみたい。その中でもやっぱり一番はノアさんに狙いを定めているみたいでよく訓練後に話しかけに行ってもすげなく対応されているらしい、という話をリプリ団長から私は聞いた。

ふうっとため息が出てしまう。
ノアさんを信用していない訳じゃない。私が心のどこかで恐れていた事が起こったからすごく、動揺している。
彼等は私以外の人の目からはそう魅力的に見えていないという優越感を私はどこかで持っていたのだ。私から見たらあんなに素敵なのに、どこかで…。

「ガードルート」
「フィース」
明るい青い目のフィースが肩を叩いていた。
「僕達が遠征に行ってる間にいろいろあったらしいな」
「…もう聞いてるんだ」
「新入りが派手にやってるらしいな。ミッキーさんとノアさんにも手を出してるって聞いたけど」
「うん。そう」
「ガードルート元気ないな。皆心配してる…。僕が聞いた他にも何かあったのか?」
ううん、と首を振る。
「なんでもない。私の問題」
「なんだよ。僕にも言えないことなのか?」
「…あのね。私、フィース達がその、すごく格好良く見えるって話、したでしょう?」
「そうだな。目が悪いのか知らないけど治らないことを祈るよ」

「だからね、どこかで安心していたんだと思う。フィース達が魅力的に見えるのは私だけなんだって。きっとライバルなんか現れないんだって。そういう自分の自惚れがあったことがすごくイヤでたまらないの。…皆素敵な人だから、もしかしていつか…」
「ガードルート、考えすぎだよ」
「フィース…」
フィースは俯いている私の目蓋にキスを落とすとゆるく抱きしめてくれた。
「僕達を救ってくれたのが君だ。泥の中から救い出して洗って側に置いてくれた。君が全部してくれたんだ。それはずっと変わらないよ。不安になんて思わなくて良い」
「フィース…」
「不安に思うならいつでも言って。何度でも否定するから。何度でもだ。ガードルートが納得するまで。ずっと一生でも」
「ふふ。ありがとう」
「やっと笑ったな」
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「僕も大好きだ。ガードルート。君を悩ませるものは全部無くしたいよ」
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