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47 不敵な笑み②

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「これを付けていたら、指輪に守られるということですか?」

「……そういうことだろう。まあ、好きにしろ」

 エルネストはすげなくそう言って、控え室に帰ろうとしたんだけど、私は彼の後ろに居る人を見て、エルネストの腕を掴んだ。

「……ロゼッタ?」

「エルネスト様、失礼を承知でお願いします! 私と一分一緒に居ていただけますか」

「……? 別に、構わないが」

 エルネストは首を捻りながら、その場に留まり、私は隣を通り抜ける数人は行ってしまうまで、息を止めていた。

 サザールは私のことを認識したはずだけど、隣にエルネストが居ること理解し、不機嫌そうに無言で歩いて行った。

「ありがとうございました。お忙しいのに、申し訳ありません」

 エルネストは生徒会長で、彼は第二王子……今日は力量を見られるだろうし、私と話している時間なんて、本来であればないはずだ。

「まあ、事情はわからんが……頑張れ」

 私はその時、大きな手は頭に乗って、意味がわからなかった。だって、私を嫌っているエルネストがそんなことをするなんて、思わなかったし……。

「ありがとうございます。頑張れます……」

 私がそう言って彼へ微笑むと、エルネストは変な顔をしていた。


◇◆◇


 いよいよ『魔法学園対抗試合』が始まる……くじ引きの後の、トーナメント戦なので、私たちのアクィラ魔法学園の相手はサザールの居るファルコ魔法学園だ。

「先輩たちー! 頑張ってくださいー!」

 明るくて可愛いヒロインフローラがそう応援すると、生徒会面々はまんざらでもなさそうに、こちらへ手を振ってくれた。

「ロゼッタ先輩! 先輩も、応援しましょうよ!」

「……フローラなら喜んでくれると思うけど、私は止めといた方が良いと思う」

 これは本当にそう思う。フローラやイエルクのような一年生は知らないと思うけど、二年生以上は私がどれだけエルネストに迷惑を掛けていたか知っている。

 エルネストにまた関心を戻したのかと思われると、あまり良くない。

「そんなの! もう…ごちゃごちゃした理屈は良いですから、早く応援しましょう!」

 フローラはそう言ったので、私も彼女の熱意に押されるようにして、彼らを応援することにした。

 うん。生徒会に入っているんだから、それは変なことでもなんでもないよね?

「……頑張ってくださいー! 応援しています!」

 やけくそになって叫んだんだけど、三年生の先輩やエルネストもオスカーも手を振り返してくれた。

 ……その時、私の兄サザールのにやにやした悪い笑みが視界に入り、あの人がどういう人か良く理解している妹の私には。どうしても……心の中に広がる、悪い予感が消せなかった。

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