1 / 10
01 ラッキースケベ
しおりを挟む
「え。それは……案内人に、暗い洞窟の中だからって、イタズラされたんじゃない? そんなに、えっちなハプニング続くって、絶対おかしいじゃん……即運営に報告だよ!」
「やっぱり?! そうだよね。だとすると……私って、あのお兄さんにとってありなのかな?」
洞窟ダンジョン冒険ツアーであった出来事について相談をしていた私がソフィアに食い気味になって尋ねると、彼女はわかりやすく嫌な表情になった。
「ええ……何を言ってんの。グウェン。どうかしてるんじゃない? そんな事するヤバい奴が良いの?」
「だって~! その人。今まで見たことないくらい、イケメンで格好良かったんだもん。好みのイケメンは、全て別の話になるのよ」
実は私はこの前、巷で話題の洞窟ダンジョンツアーに単独で参加して来た。
本当は幼なじみで長年の友人ソフィアと一緒に行く予定だったけど、彼女はその前の日に食べた食事でお腹を壊してしまい、トイレから離れられなくなってしまったのだ。
だから、元気だった私は苦労して取ったチケットがただの紙になってしまうのは勿体無いと思い、一人で参加して来た。
「いや……何なの。グウェン。洞窟で頭でも打ってない? 大丈夫? イケメンだからって、何でも許しちゃ駄目でしょ。なんだっけ。最初は、風でスカートが捲れて……? 段差にこけて抱き止められたら、何故か胸に両手が当たって? あと、捉まろうとした手の先に、お兄さんのお兄さんが……? そんなに偶然ある? まじでヤバくない?」
「そうなの!! けど、お兄さんはその後、恥ずかしそうにしどろもどろな口調になって、顔が真っ赤だったんだよ!! あれが演技だとしたら、名俳優で賞をあげたいと思う。めっちゃくちゃ可愛かったんだからー!」
案内役のお兄さんはダンジョンという性質もあり、万が一強いモンスターが出て来たときに備えて冒険者ギルドから派遣された冒険者の一人だ。
ここで私が特筆しておきたいのが、私担当になった案内役がとても良い体しためちゃくちゃイケメンだったってこと。
つんつんした短い金髪に赤い目、そして顔がイケている良い体をしたお兄さんだったのだ。
必要な注意事項以外はまったく話さないので、無口でぶっきらぼうな人なのかなと思ってたんだけど、彼は私とのラッキースケベ事件が起きるたびにどんどん赤面して、おかしいくらいに挙動不審になった末。
ツアーが終わって別れる時は「ほんとうにごめんなさい」と、泣きそうな小声で謝ってくれた。だから、彼とは数回えっちなハプニングは確かにあったものの、嫌ないやらしさが全くなく終わったのだ。
なんて言えば良いの。爽やかなラッキースケベ案件とでも、言えば良いのかしら……?
「やっぱり?! そうだよね。だとすると……私って、あのお兄さんにとってありなのかな?」
洞窟ダンジョン冒険ツアーであった出来事について相談をしていた私がソフィアに食い気味になって尋ねると、彼女はわかりやすく嫌な表情になった。
「ええ……何を言ってんの。グウェン。どうかしてるんじゃない? そんな事するヤバい奴が良いの?」
「だって~! その人。今まで見たことないくらい、イケメンで格好良かったんだもん。好みのイケメンは、全て別の話になるのよ」
実は私はこの前、巷で話題の洞窟ダンジョンツアーに単独で参加して来た。
本当は幼なじみで長年の友人ソフィアと一緒に行く予定だったけど、彼女はその前の日に食べた食事でお腹を壊してしまい、トイレから離れられなくなってしまったのだ。
だから、元気だった私は苦労して取ったチケットがただの紙になってしまうのは勿体無いと思い、一人で参加して来た。
「いや……何なの。グウェン。洞窟で頭でも打ってない? 大丈夫? イケメンだからって、何でも許しちゃ駄目でしょ。なんだっけ。最初は、風でスカートが捲れて……? 段差にこけて抱き止められたら、何故か胸に両手が当たって? あと、捉まろうとした手の先に、お兄さんのお兄さんが……? そんなに偶然ある? まじでヤバくない?」
「そうなの!! けど、お兄さんはその後、恥ずかしそうにしどろもどろな口調になって、顔が真っ赤だったんだよ!! あれが演技だとしたら、名俳優で賞をあげたいと思う。めっちゃくちゃ可愛かったんだからー!」
案内役のお兄さんはダンジョンという性質もあり、万が一強いモンスターが出て来たときに備えて冒険者ギルドから派遣された冒険者の一人だ。
ここで私が特筆しておきたいのが、私担当になった案内役がとても良い体しためちゃくちゃイケメンだったってこと。
つんつんした短い金髪に赤い目、そして顔がイケている良い体をしたお兄さんだったのだ。
必要な注意事項以外はまったく話さないので、無口でぶっきらぼうな人なのかなと思ってたんだけど、彼は私とのラッキースケベ事件が起きるたびにどんどん赤面して、おかしいくらいに挙動不審になった末。
ツアーが終わって別れる時は「ほんとうにごめんなさい」と、泣きそうな小声で謝ってくれた。だから、彼とは数回えっちなハプニングは確かにあったものの、嫌ないやらしさが全くなく終わったのだ。
なんて言えば良いの。爽やかなラッキースケベ案件とでも、言えば良いのかしら……?
23
お気に入りに追加
152
あなたにおすすめの小説
魚人族のバーに行ってワンナイトラブしたら番いにされて種付けされました
ノルジャン
恋愛
人族のスーシャは人魚のルシュールカを助けたことで仲良くなり、魚人の集うバーへ連れて行ってもらう。そこでルシュールカの幼馴染で鮫魚人のアグーラと出会い、一夜を共にすることになって…。ちょっとオラついたサメ魚人に激しく求められちゃうお話。ムーンライトノベルズにも投稿中。
外では氷の騎士なんて呼ばれてる旦那様に今日も溺愛されてます
刻芦葉
恋愛
王国に仕える近衛騎士ユリウスは一切笑顔を見せないことから氷の騎士と呼ばれていた。ただそんな氷の騎士様だけど私の前だけは優しい笑顔を見せてくれる。今日も私は不器用だけど格好いい旦那様に溺愛されています。
転生悪役令嬢と可愛いわんこたち
てんつぶ
恋愛
転生したら悪役令嬢(10)だったので、将来の自分の為に周囲と良い関係を築こう。そう思って行動したはずなのに8年後、何故か攻略対象であるはずの婚約者の王子も義弟も懐きまくる可愛いワンコに仕上がってしまった。頭を抱えるものの、やってくるであろう聖女のためにお邪魔虫は逃亡しましょう――と思っていたのに!?
ワンコだったはずの王子と義弟に、強い執着をぶつけられる話。
憐れな妻は龍の夫から逃れられない
向水白音
恋愛
龍の夫ヤトと人間の妻アズサ。夫婦は新年の儀を行うべく、二人きりで山の中の館にいた。新婚夫婦が寝室で二人きり、何も起きないわけなく……。独占欲つよつよヤンデレ気味な夫が妻を愛でる作品です。そこに愛はあります。ムーンライトノベルズにも掲載しています。
ゆるふわな可愛い系男子の旦那様は怒らせてはいけません
下菊みこと
恋愛
年下のゆるふわ可愛い系男子な旦那様と、そんな旦那様に愛されて心を癒した奥様のイチャイチャのお話。
旦那様はちょっとだけ裏表が激しいけど愛情は本物です。
ご都合主義の短いSSで、ちょっとだけざまぁもあるかも?
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】大学で人気の爽やかイケメンはヤンデレ気味のストーカーでした
あさリ23
恋愛
大学で人気の爽やかイケメンはなぜか私によく話しかけてくる。
しまいにはバイト先の常連になってるし、専属になって欲しいとお金をチラつかせて誘ってきた。
お金が欲しくて考えなしに了承したのが、最後。
私は用意されていた蜘蛛の糸にまんまと引っかかった。
【この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません】
ーーーーー
小説家になろうで投稿している短編です。あちらでブックマークが多かった作品をこちらで投稿しました。
内容は題名通りなのですが、作者的にもヒーローがやっちゃいけない一線を超えてんなぁと思っています。
ヤンデレ?サイコ?イケメンでも怖いよ。が
作者の感想です|ω・`)
また場面で名前が変わるので気を付けてください
洗浄魔法はほどほどに。
歪有 絵緖
恋愛
虎の獣人に転生したヴィーラは、魔法のある世界で狩人をしている。前世の記憶から、臭いに敏感なヴィーラは、常に洗浄魔法で清潔にして臭いも消しながら生活していた。ある日、狩猟者で飲み友達かつ片思い相手のセオと飲みに行くと、セオの友人が番を得たと言う。その話を聞きながら飲み、いつもの洗浄魔法を忘れてトイレから戻ると、セオの態度が一変する。
転生者がめずらしくはない、魔法のある獣人世界に転生した女性が、片思いから両想いになってその勢いのまま結ばれる話。
主人公が狩人なので、残酷描写は念のため。
ムーンライトノベルズからの転載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる