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08 先輩①
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「うん。僕が考えるに恋愛が下手な君に指導をするという事は、リンゼイを幸せにしたいという動きの表れだよね?」
「そっ……そうなんですかね? 可哀想とは、言われましたけど」
ただ、出来ない子で可哀想だから、同情してくれているだけだと思っていたけれど……。
「うんうん。何が言いたいかと言うと、最初からそれなりにレオナルドが、リンゼイに好意を持っていることは確実だ。僕のところへ来た回数を考えれば、何度失敗しても根気良く付き合ってくれているといったことになるね。そうだろう?」
「そっ……それは、そうです。何度も何度も付き合って頂いて、レオナルド先輩には、大変申し訳ないとは思っているんですけど……」
レオナルドには、悪いとは思っている……思ってはいるけど……。
「うんうん。けど、レオと一緒に居られるから、誤解されていても、何だって嬉しいんだよね。わかるよ。そして、関係を壊してしまえば、もう会えなくなるかもしれないと思うんだよね?」
「……ブルゴーニュ会長って、もしかして、人の心を読むことが出来たりします?」
私は本当に、もしかしたら、そうかもしれないと思った。
だって、ジョヴァンニは私の気持ちを完全にわかってくれているし、言って欲しい言葉だって心得ているのだ。
苦笑したジョヴァンニは、そういえばという表情になった。
「君って、面白いこと言うね。そういえば、名前は……?」
あ。王太子であるほどの人に話しかけると言うのに、名乗ることを忘れてしまっていた私は慌てた。
「はいっ。私はこの前入学した一年生の、リンゼイ・アシュトンです」
とは言え、学年毎に決められたカラーがあるので、私の胸元にあるリボンと靴のソールの色でジョヴァンニは私のことを一年生だとわかってくれていると思う。
「よろしくね。リンゼイ。僕はジョヴァンニで良いよ。学生の間は身分差なく過ごすというように、この学園では決められているからね」
「ジョヴァンニ、殿下……?」
建前は建前ではなるけれど、本人にそうしてくれと言われれば仕方ない。
彼が王族であるならこう呼ぶべきかと思ったら、ジョヴァンニは苦笑して首を横に振った。
「それは、やめてくれ。先輩で良いよ。レオにだって、そうだろう」
「ジョヴァンニ先輩、ですか」
王子様に先輩……なんだか、変な感じだ。学園内では先輩後輩で、それは間違えてはいないんだけど……。
「それで良い。リンゼイ・アシュトン……平民だけれど、聖魔力が認められて、特例で奨学生になった子だね……レオはフォンタナ公爵家の跡取り息子だけど、君ならば問題なく結婚を認められる可能性があるね」
「それは……あの」
もちろん。前世の記憶を持つ私は王家の血を引いているので、彼らとの身分差の問題はいずれ明らかになるし、大丈夫だろうと思っている。
このジョヴァンニだって、言ってしまえば遠い親戚にあたるのだ。
しかし、それは今現在、私が知っていることになってしまうと、ゲーム進行上どうなってしまうかわからず、何をどう言って良いのかと困ってしまった。
身分については問題ないとわかってはいるけれど、何もわからない振りをした方が良いのかと。
「良し……それでは、僕が特別に君に恋愛指導しよう!」
「そっ……そうなんですかね? 可哀想とは、言われましたけど」
ただ、出来ない子で可哀想だから、同情してくれているだけだと思っていたけれど……。
「うんうん。何が言いたいかと言うと、最初からそれなりにレオナルドが、リンゼイに好意を持っていることは確実だ。僕のところへ来た回数を考えれば、何度失敗しても根気良く付き合ってくれているといったことになるね。そうだろう?」
「そっ……それは、そうです。何度も何度も付き合って頂いて、レオナルド先輩には、大変申し訳ないとは思っているんですけど……」
レオナルドには、悪いとは思っている……思ってはいるけど……。
「うんうん。けど、レオと一緒に居られるから、誤解されていても、何だって嬉しいんだよね。わかるよ。そして、関係を壊してしまえば、もう会えなくなるかもしれないと思うんだよね?」
「……ブルゴーニュ会長って、もしかして、人の心を読むことが出来たりします?」
私は本当に、もしかしたら、そうかもしれないと思った。
だって、ジョヴァンニは私の気持ちを完全にわかってくれているし、言って欲しい言葉だって心得ているのだ。
苦笑したジョヴァンニは、そういえばという表情になった。
「君って、面白いこと言うね。そういえば、名前は……?」
あ。王太子であるほどの人に話しかけると言うのに、名乗ることを忘れてしまっていた私は慌てた。
「はいっ。私はこの前入学した一年生の、リンゼイ・アシュトンです」
とは言え、学年毎に決められたカラーがあるので、私の胸元にあるリボンと靴のソールの色でジョヴァンニは私のことを一年生だとわかってくれていると思う。
「よろしくね。リンゼイ。僕はジョヴァンニで良いよ。学生の間は身分差なく過ごすというように、この学園では決められているからね」
「ジョヴァンニ、殿下……?」
建前は建前ではなるけれど、本人にそうしてくれと言われれば仕方ない。
彼が王族であるならこう呼ぶべきかと思ったら、ジョヴァンニは苦笑して首を横に振った。
「それは、やめてくれ。先輩で良いよ。レオにだって、そうだろう」
「ジョヴァンニ先輩、ですか」
王子様に先輩……なんだか、変な感じだ。学園内では先輩後輩で、それは間違えてはいないんだけど……。
「それで良い。リンゼイ・アシュトン……平民だけれど、聖魔力が認められて、特例で奨学生になった子だね……レオはフォンタナ公爵家の跡取り息子だけど、君ならば問題なく結婚を認められる可能性があるね」
「それは……あの」
もちろん。前世の記憶を持つ私は王家の血を引いているので、彼らとの身分差の問題はいずれ明らかになるし、大丈夫だろうと思っている。
このジョヴァンニだって、言ってしまえば遠い親戚にあたるのだ。
しかし、それは今現在、私が知っていることになってしまうと、ゲーム進行上どうなってしまうかわからず、何をどう言って良いのかと困ってしまった。
身分については問題ないとわかってはいるけれど、何もわからない振りをした方が良いのかと。
「良し……それでは、僕が特別に君に恋愛指導しよう!」
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