41 / 52
戦士:秋宮魁斗
アダンVSアイネ
しおりを挟む
「少し休むわ。」
すでに泣きそうな目で、アリサは室内に入っていった。
「心配だけど、1人にした方がいいかなぁ。」
後を追うか否かでミゲルは迷っているようだった。
「そっとしておいたほうがいいかもな。」
おそらくアリサは泣いているだろう。
男たちに泣き顔なんて見られたくないもんな。
さて、次が最も体格差のある戦い。身長150センチもないであろうマアルと、2メートルほどのアダン。下馬評では当然のようにアダン優位だ。
遠くから見ると、まるで大人と子供。リング内のマアルはさらに圧迫感あるだろうな。
しかしマアルはあの実力者コーレーに勝利している。魔法力はピカイチだ。
「ほんとうちっこいのう。」
正直、アダンからは余裕すら感じる。油断するとは思えないが。
その予想通り、試合が始まった瞬間に仕掛けたのはアダンだった。
「中位魔法:【エンロード】」
またいきなりかよ!
マアルを炎の波が飲み込んでいく。
が、すぐにマアルが姿を現した。豪波壁だ。
「全くミゲルといい、防御力が高い奴が多いのう。」
あのエンロードを無傷で..
もしかしてマアルってめちゃくちゃ強いのか?
「下位魔法:【氷壁】」
マアルの前に分厚い氷の壁が現れた。
「そんなもので防げるか!【エンロード】!」
氷の壁は一瞬にして溶け、水となった。
「下位魔法:【氷壁】」
それでもマアルは氷の壁を作り続ける。
「下位魔法で魔法力を削ぐつもりかのう。ならば、下位魔法:【小火】」
マアルが氷の壁を作り、それをアダンが溶かす。魔法力耐久戦となった。
次第にどちらにも疲れが見え始めた。魔法力は5分5分のようだ。
「攻撃しなくては勝てないと思うがのう?」
「いいんです!これで。」
マアルは諦めていないようだが、アダンの言う通り攻撃しなくては勝てない。
このままでは防戦一方だ。
リングは溶けた水でもうびしょびしょだ。
「中位魔法:【豪波壁】!」
突然、攻撃される前に手のひらほどの壁を体の前に張ったマアルが、アダンめがけて全力で走り出した。
「何を企んでおる!中位魔法:【エンロード】!」
お互い力を絞った中位魔法。
が、エンロードの威力が思うように出ていないようだ。
「まさか、この水..」
「そうです!リングを水びたしにすれば、地を這うように飛んでいくエンロードの威力は多少落ちます!」
「そんなもの通用せん!」
息を切らして、エンロードを放ち続ける。
「きゃあ!」
豪波壁が解け、エンロードはマアルに直撃した。
「ようやく、倒れたのう..」
魔法力切れで、アダンもその場に倒れた。
うつ伏せに倒れたマアル。
アダン相手にあそこまで戦えるとは..
「中位魔法!【瀑氷】」
何が起こったのか。
リングに巨大な四角い塔が出来上がった。
アダンを氷の中に閉じ込めるためにマアルが放ったものだった。
よく見れば、氷の塔までマアルの手からリングの水伝いに氷が繋がっている。
「倒れた位置から、リングの水を使ってわしの下で中位魔法を使うとは..」
しかし、エンロードを受けたことで手元が狂って位置がズレたのだろう。氷の塔が閉じ込めているのは、倒れているアダンの右手だけだった。
マアルはすでにエンロードのダメージもあって、気を失っていた。
「勝者は、アダン•ベスキート!」
「2つも中位魔法が使えるとはのう。しかも瀑氷を悟られないためにあえてエンロードを受けた。位置がズレなければわしの完敗じゃった..」
アダンは負けた顔をしていた。
アダンの勝利となったものの、マアルの恐ろしさを知らしめる試合となった。
すでに泣きそうな目で、アリサは室内に入っていった。
「心配だけど、1人にした方がいいかなぁ。」
後を追うか否かでミゲルは迷っているようだった。
「そっとしておいたほうがいいかもな。」
おそらくアリサは泣いているだろう。
男たちに泣き顔なんて見られたくないもんな。
さて、次が最も体格差のある戦い。身長150センチもないであろうマアルと、2メートルほどのアダン。下馬評では当然のようにアダン優位だ。
遠くから見ると、まるで大人と子供。リング内のマアルはさらに圧迫感あるだろうな。
しかしマアルはあの実力者コーレーに勝利している。魔法力はピカイチだ。
「ほんとうちっこいのう。」
正直、アダンからは余裕すら感じる。油断するとは思えないが。
その予想通り、試合が始まった瞬間に仕掛けたのはアダンだった。
「中位魔法:【エンロード】」
またいきなりかよ!
マアルを炎の波が飲み込んでいく。
が、すぐにマアルが姿を現した。豪波壁だ。
「全くミゲルといい、防御力が高い奴が多いのう。」
あのエンロードを無傷で..
もしかしてマアルってめちゃくちゃ強いのか?
「下位魔法:【氷壁】」
マアルの前に分厚い氷の壁が現れた。
「そんなもので防げるか!【エンロード】!」
氷の壁は一瞬にして溶け、水となった。
「下位魔法:【氷壁】」
それでもマアルは氷の壁を作り続ける。
「下位魔法で魔法力を削ぐつもりかのう。ならば、下位魔法:【小火】」
マアルが氷の壁を作り、それをアダンが溶かす。魔法力耐久戦となった。
次第にどちらにも疲れが見え始めた。魔法力は5分5分のようだ。
「攻撃しなくては勝てないと思うがのう?」
「いいんです!これで。」
マアルは諦めていないようだが、アダンの言う通り攻撃しなくては勝てない。
このままでは防戦一方だ。
リングは溶けた水でもうびしょびしょだ。
「中位魔法:【豪波壁】!」
突然、攻撃される前に手のひらほどの壁を体の前に張ったマアルが、アダンめがけて全力で走り出した。
「何を企んでおる!中位魔法:【エンロード】!」
お互い力を絞った中位魔法。
が、エンロードの威力が思うように出ていないようだ。
「まさか、この水..」
「そうです!リングを水びたしにすれば、地を這うように飛んでいくエンロードの威力は多少落ちます!」
「そんなもの通用せん!」
息を切らして、エンロードを放ち続ける。
「きゃあ!」
豪波壁が解け、エンロードはマアルに直撃した。
「ようやく、倒れたのう..」
魔法力切れで、アダンもその場に倒れた。
うつ伏せに倒れたマアル。
アダン相手にあそこまで戦えるとは..
「中位魔法!【瀑氷】」
何が起こったのか。
リングに巨大な四角い塔が出来上がった。
アダンを氷の中に閉じ込めるためにマアルが放ったものだった。
よく見れば、氷の塔までマアルの手からリングの水伝いに氷が繋がっている。
「倒れた位置から、リングの水を使ってわしの下で中位魔法を使うとは..」
しかし、エンロードを受けたことで手元が狂って位置がズレたのだろう。氷の塔が閉じ込めているのは、倒れているアダンの右手だけだった。
マアルはすでにエンロードのダメージもあって、気を失っていた。
「勝者は、アダン•ベスキート!」
「2つも中位魔法が使えるとはのう。しかも瀑氷を悟られないためにあえてエンロードを受けた。位置がズレなければわしの完敗じゃった..」
アダンは負けた顔をしていた。
アダンの勝利となったものの、マアルの恐ろしさを知らしめる試合となった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【異世界ショップ】無双 ~廃絶直前の貴族からの成り上がり~
クロン
ファンタジー
転生したら貴族の長男だった。
ラッキーと思いきや、未開地の領地で貧乏生活。
下手すれば飢死するレベル……毎日食べることすら危ういほどだ。
幸いにも転生特典で地球の物を手に入れる力を得ているので、何とかするしかない!
「大変です! 魔物が大暴れしています! 兵士では歯が立ちません!」
「兵士の武器の質を向上させる!」
「まだ勝てません!」
「ならば兵士に薬物投与するしか」
「いけません! 他の案を!」
くっ、貴族には制約が多すぎる!
貴族の制約に縛られ悪戦苦闘しつつ、領地を開発していくのだ!
「薬物投与は貴族関係なく、人道的にどうかと思います」
「勝てば正義。死ななきゃ安い」
これは地球の物を駆使して、領内を発展させる物語である。
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
ゲームのモブに転生したと思ったら、チートスキルガン積みのバグキャラに!? 最強の勇者? 最凶の魔王? こっちは最驚の裸族だ、道を開けろ
阿弥陀乃トンマージ
ファンタジー
どこにでもいる平凡なサラリーマン「俺」は、長年勤めていたブラック企業をある日突然辞めた。
心は晴れやかだ。なんといってもその日は、昔から遊んでいる本格的ファンタジーRPGシリーズの新作、『レジェンドオブインフィニティ』の発売日であるからだ。
「俺」はゲームをプレイしようとするが、急に頭がふらついてゲーミングチェアから転げ落ちてしまう。目覚めた「俺」は驚く。自室の床ではなく、ゲームの世界の砂浜に倒れ込んでいたからである、全裸で。
「俺」のゲームの世界での快進撃が始まる……のだろうか⁉
婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる