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戦争

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ピンクのゾウさんは、

「ドンファンを止めてお願い。」


と、経緯を話してくれる。



ピンクのゾウさんのデイジー様は、
水の精霊さんだ。
水の精霊王ドンファン様の番いだそうだ。


水の精霊王ドンファン様には、私のような契約者がいるらしい。

契約者の女の子の名前は、テロメール。
ベルトラン王国の国王がお忍びでブラブラしていた時に怪我をして助けたのが平民で薬の調合をしていたテロメールの母親だった。

テロメールの母親は国王だと知らずに恋に落ちた。

しかし、ある日王家の馬車に乗り込むのを見て、国王だと知ってしまう。

テロメールの母親はその後、妊ったと分かると、皇后、貴族や王族がどんな人間か分からない事から慌てて、街を離れて、

山で美しい水が流れる村でひっそりと母親と共に薬草や薬を作り暮らしていた。


ドンファン様はテロメールの漏れ出す魔力に100年前に契約していた王女との優しく心地良い日々を思い出し、契約した。

そして、ドンファン様、番のデイジー様と親子は幸せな日々を過ごしていた。


しかし精霊王が全て集う日が1年に一度ある。ドンファン様が居ない時に黒尽くめの男たちが親子をさらいにやってきた。

テロメールの母親を盾に黒尽くめの男たちはテロメールを脅し、近くに居たデイジー様を魔石の枷をつけ連れ去る。

テロメールは、ベルトラン王国の貴族に連れ去られる。


デイジー様とテロメールの母親は、トワイライト帝国へ連れてこられたそうだ。

テロメールの母親は国境を超えたら、すぐに切り捨てられた。

理由は、トワイライト帝国境警備隊に萎縮したり、怪しさ満点の態度をとり、邪魔で足手纏いだったのと、

国境を越えたので、テロメールが合わせろと言っても、スグに会えないと言えばいいと思ったのだろう。


デイジー様は枷をしているので何もできなかったらしい。


するとポルカは

「おおかたテロメールを連れて行った貴族は、ドンファンにテロメールは自分たちが守ったが、

ドンファンの番は誘拐されたと言うのだろう。

そして、母親を人質に取っているテロメールにトワイライト帝国の暗殺者が番を連れ去ったと言わして、

この国を襲わせる算段なのだろう。

大抵、国取合戦は自国がどっかの国から富を奪い取るか、国のトップが自分の力を見せつける為の力の証明の2つが理由になることが多い。

そして今回の場合は、テロメールの王位継承を上げるのが目的じゃないか?

そして、テロメールを傀儡にしようとしているのだろう。

あーヤダヤダ。人間と関わるとこういう事があるから嫌なんだ。

ドンファンは、優しいが、番の事となると我を失い、手がつけられん面倒な奴だからな。」


すると、バイオレットちゃんが

「ねえ。ベルトラン王国は、確か13王子が平民の子でテロスって名前じゃなかった?精霊と契約してるって言ってたよ。テロメールの事じゃない?」

!!

ふと思い出す。

ゲームの世界。確か私が死んだ後、大きな戦争が起きるはずだった。ベルトラン王国との戦争は蝗害被害を抑えた事で回避したと思ったのに。

出来てないじゃない!

そして、このままでは王太子アルベルト殿下と私のお兄様は亡くなる。

変だと思ったのだ。
アルベルト殿下とクロードお兄様は、強い。なのに、2人とも死ぬなんてどんだけ弱ってたんだって思ったのだ。

相手が水の精霊王ならあり得る。

そして、確か収拾がつかなくなり戦争を引き起こした13王子も無くなり、12王子が最終的に生き残り攻略対象になっていた・・・。

そこ詳細知りたいとこなんだけど、軽くサラリと流されていた。

すると、デイジー様が

「ドンファンに念話が通じないの。こっちに向かってるけど、怒りで我を忘れているわ。」


ベルトラン第12王子のセリフを思い出せ?

あっ!そうだ。

戦争を引き起こした13王子の事をこういう風に言ってた。

「アイツが引き起こした事になっているが、アイツは他の貴族に担ぎ上げられただけだ。収拾もあの子が自分でやった。俺は恨んでない。」

そう、ヒロインエステルに寂しそうに言うのだ。

テロメールは、どうやって水の精霊王を止める?

私はポルカに聞いてみる。

「ポルカがもし我を忘れて怒ったとして、私がどうなったら、正気に戻る?」


ポルカは

「わしが我を失う事は多分ないが、お前を失ったら我を失うかもしれん。そう考えると、お前が死んだら逆に正気に戻るかもな。」

ゲームの中でテロメールは死んでる。テロメールは収拾を自分で付けたとなると、一人でなんとかしようと奔走しているのだ。

このままでは、テロメールは死んでしまう。
アルベルト殿下もクロードお兄様も危険だ。


「ポルカ!テロメールが危ない!助けに行こう。」















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