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聖女爆誕編

ペスト対策本部設立①

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「「!?」」

 突然の事に、2人は声にならない声を上げる。認識した途端、目も開けられ無い程の眩い光が部屋中を包み込んだ。

(なっ、何!? 何なのよ⋯⋯!?)

 痛いくらいの光波から身を守る為、自らの顔の前で腕を交差させてせめてものバリケードを作った。
 こんなものに効果が無い事は充分に理解している。——してはいるが、これは気持ちの問題だ。


「おいっ! 聖女様、無事か!?」
「え、ええ。問題無いわ。貴方こそ大丈夫?」
「ちょっとばかし目は痛いが、それ以外はどうってこと無いぜ」
「それなら良かったわ」

 互いの無事を確認する為、薄らと目を開けて言葉を交わしているうちに刺すような痛みを伴った青白い光は徐々に収束していく。


『ピピピィ⋯⋯!』

 漸く光が落ち着いたかと思えば、今度は小鳥の囀りのようなものが聴こえて来た。

(もうっ、次から次へと何なのよ⋯⋯)

 げんなりしながらも声の正体を確かめるべく小夜はそっと瞳を開く。そして、目に入った物に驚きを隠せずハッと息を呑んだ。

「!!」

 同じタイミングで瞳を開いたルッツもある一点を凝視したまま固まっていた。冷や汗を流したルッツはうわごとのように呟く。

「おいおい、マジかよ⋯⋯。今代の聖女様は治癒魔法だけじゃ無く召喚魔法も使えるのかよ」


 2人が瞬きすらも忘れて魅入る視線の先——そこには一羽の鳥が居た。
 それも、小さな身体にはおよそ似つかわしく無い大きな大きな風呂敷をぶら下げて。











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