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みんなで真夏の別荘! Ⅷ
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午後のオペを終え、俺は西山陽花里の病室へ行った。
ホスピス病棟は全て少し広めの個室になっている。
各部屋の内装は高度な防音性能を備え、部屋にはテレビなども置かれているし、Wi-Fi環境も整っている。
また希望によっては様々な改装もする。
この世の煩わしさから離れて穏やかに死を迎えられるようにだ。
だから専門のスタッフが丁寧にケアをしている。
辛い職場だが、誰もが患者のために懸命に安らかな最期になるように働いてくれている。
俺はノックをして西山陽花里の病室へ入った。
「こんにちは。この病院の医師をしています石神と申します」
「石神先生ですか!」
西山陽花里は、俺の顔を見て、俺が名乗ると喜んだ顔をした。
退院の手続きを急いでいたはずで、スタッフたちからはクレームが多いと聴いていた。
だが、どういうわけか、俺の顔を見てにこやかに笑っている。
俺などが歓迎されるはずがないのだが。
「先ほど上司から西山さんのことを聞きまして。私が一度お話しさせていただきたいと」
「お話を? それは私の方も嬉しいのですが。まあ、お座りください」
俺は勧められてベッドの脇に椅子を持って来た。
西山陽花里の顔に嬉しそうな表情が浮かんだ。
もうこの病院に未練など無いのに、俺との会話を楽しもうとしているように感じられた。
本当にどういうことか。
「ここへは終末医療をご希望で入院されましたね?」
「ええ、でも私の思い違いでした。このような大きな有名な病院であれば、臓器提供もなさっていただけると思っていましたのに」
それは病院の仕事ではなく、臓器移植の団体のやることだったのだが、今その話をしても仕方が無い。
それに、その話はもうスタッフから説明し、西山陽花里も納得しているはずだった。
「専門の財団のことはもうご存知でしょうが、うちでもその財団でも、西山さんのご希望には添えないようですね」
「ええ、ですからもう結構です。私は自分で探しますので」
西山陽花里の決意は固いようだった。
「お力になれない立場で申し訳ないのですが、よろしければ、何故西山さんがそのご希望を望まれるのかお教えいただいても?」
西山陽花里は俺を見ていた。
「石神先生のことは知っています」
「はい?」
「アメリカ人の少女を奇跡的に救われた方だと」
「ああ、あのことですか」
響子のオペのことだ。
全国的に報道されたので、西山陽花里が知っていてもおかしくはない。
俺の名前は報道されたが、もちろん徹底して響子の名前は伏せられている。
「石神先生のような方がいらっしゃるのを知っていたので、この病院を選んだのです」
「そうだったのですか」
「石神先生は奇跡を起こされました」
「俺の力じゃありませんよ。患者に運命があったんです」
「そうではありません。患者の強い思いを実現されたのが石神先生でしょう。だからです」
「まあ、俺には何の力もありませんよ」
西山陽花里がまだ俺を見つめていた。
軽くため息を吐く。
「ええ、そうですね。何でも私の思い通りにならないことは分かっています。でも、このことだけはどうしても」
「よろしければお話しいただけませんか?」
「分かりました、石神先生であれば、お話しします」
西山陽花里が語り始めた。
西山陽花里は10代で結婚した母親と20代前半の父親との間に生まれた。
両親に反対され駆け落ちしてでのことだったそうだ。
その出会いの詳細は西山陽花里も知らないが、想像は出来る。
彼女が語る僅かなことでも、俺に理解出来た。
若い二人が互いに魅かれ合い、その若さで夢中になって一緒になったのだろう。
しかし、その結婚生活は思っていたような夢の世界ではなかった。
好き合って一緒にはなったが、男は社会人としては頼りない人間だった。
生活は困窮し、だから娘が生まれて間もなく、二人は離婚したようだ。
実家から勘当されていた母親は、両親へ連絡もせずに一人で娘を育てる決意をした。
恐らくはいろいろな制度も知らなかったろうし、実家へ謝るという選択も思い浮かばなかったのだろう。
昼の仕事だけではどうにもならず、娘がある程度の年齢になると、夜のホステスの仕事もしていたようだ。
愛する娘のために、夢中で働いたのだろう。
でも、昼夜掛け持ちの仕事、そしてホステスの仕事のストレスもあり、次第に疲労も溜まって行ったに違いない。
そう思うのは、俺がその結末を聞いたからだ。
自分が中学生に上がった時だと聞いた。
母親が懸命に自分を育ててくれているのは、もう物心ついた時から分かっていた。
それでもいつもいない母親、そしてずっとこの先も貧しく暮らすしかない未来、進学もどうなるのか分からない。
住む場所は中学に上がる直前にやっと区営の団地に住むことが出来たが、それほど綺麗な場所でもなかった。
周囲の人間と比べて、いつも安い服しか来ていない、どこへも出かけない、父親がいない、母親もほとんどいない日々。
母親の苦労と愛情は理解していたものの、ある日、つい口に出てしまった。
母親の出勤前に一緒に夕飯を食べていた時だった。
質素な食事を前に、思わず言ってしまった。
「あー、もう貧乏なんて嫌だ! こんなことなら、生まれて来なければ良かった!」
本人はそれほどのつもりはなかった。
つい、という気持ちで口に出してしまった。
すると、食事をする母親の手が止まった。
見ると、箸を置いて、涙を流していた。
「そうよね、ごめんなさいね。本当にごめんなさい」
そう言って母親は隣の部屋へ行き、ベランダに向いたサッシを開ける音がした。
「お母さん?」
自分が酷いことを言ってしまったので、少し離れたのかと思った。
しかし母親がそのままベランダへ出て、身を乗り出して柵を越えるのが見えた。
「お母さん!」
母親はそのまま地上へ落ちた。
硬いものがぶつかる「バーン」という激しい音が響いた。
何が起きたのか分かっていたが、分からなくなっていた。
西山陽花里はそのまま床にへたりこみ、警察がしばらく後で部屋に入って来るまで、何も考えられなかった。
「9階だったんです。お母さんの顔は完全に潰れていました。葬儀で棺に白い布が顔にありましたが、棺の底で拡がっているだけでした」
「……」
「その後、祖父母に引き取られ育ててもらいました。でも、あの日から、私は空っぽなんです。私はお母さんと一緒に飛び降りたんです。お母さんは顔を失いました。だから、私は身体を失いたい」
「西山さん、いいですか」
俺の言葉を西山陽花里が両手で遮った。
分かっているのだ。
「もうそれだけなんです。ガンになって良かった。ガンが見つかった時、どれほど嬉しかったことか。これでやっと身体を失くせる」
「……」
「狂っているのは分かってます。でも、どうでもいいんです。私はそれしかないから」
俺は懸命に言葉を連ねたが、西山陽花里には何の反応も無かった。
もう、この世には半分いないのだと分かった。
「そうですか。今後、何かお力になれることがありましたら」
「いいえ、もう。最後に石神先生にお話しできて良かった、私、あの手術の成功だけは、心底から嬉しかったのですよ?」
「そうですか」
「はい。ご自分の医者としての立場を喪うかもしれない手術だったと知りました。それでも先生は一人の少女のためになさったのですよね。この世の中にそういう方がいらっしゃるのが嬉しかった。だから私も……」
「そんな大したことでは。ただ、目の前に患者がいただけです。本当にそれだけなんですよ」
「私にも、そういう人が……、いえ、何でもありません。もういいんです」
俺は頭を下げて部屋を出た。
俺には何も出来ない。
もう自分の終りだけを見つめている。
母親を心無い言葉で死なせてしまい、その激しい後悔だけで過ごして来た人生。
毎日毎日、母親への償いだけを考えて来た人生。
顔を喪った母親と同様に、身体を喪って死ぬ希望しかない人生。
自分の臓器を他人に与えることで、その望みを果たそうとしている。
同意はしないが、西山陽花里の人生だ。
最後に西山陽花里が俺に微笑んだ。
「最後に石神先生にお会い出来て良かった」
「……」
翌日に西山陽花里は退院した。
ホスピス病棟は全て少し広めの個室になっている。
各部屋の内装は高度な防音性能を備え、部屋にはテレビなども置かれているし、Wi-Fi環境も整っている。
また希望によっては様々な改装もする。
この世の煩わしさから離れて穏やかに死を迎えられるようにだ。
だから専門のスタッフが丁寧にケアをしている。
辛い職場だが、誰もが患者のために懸命に安らかな最期になるように働いてくれている。
俺はノックをして西山陽花里の病室へ入った。
「こんにちは。この病院の医師をしています石神と申します」
「石神先生ですか!」
西山陽花里は、俺の顔を見て、俺が名乗ると喜んだ顔をした。
退院の手続きを急いでいたはずで、スタッフたちからはクレームが多いと聴いていた。
だが、どういうわけか、俺の顔を見てにこやかに笑っている。
俺などが歓迎されるはずがないのだが。
「先ほど上司から西山さんのことを聞きまして。私が一度お話しさせていただきたいと」
「お話を? それは私の方も嬉しいのですが。まあ、お座りください」
俺は勧められてベッドの脇に椅子を持って来た。
西山陽花里の顔に嬉しそうな表情が浮かんだ。
もうこの病院に未練など無いのに、俺との会話を楽しもうとしているように感じられた。
本当にどういうことか。
「ここへは終末医療をご希望で入院されましたね?」
「ええ、でも私の思い違いでした。このような大きな有名な病院であれば、臓器提供もなさっていただけると思っていましたのに」
それは病院の仕事ではなく、臓器移植の団体のやることだったのだが、今その話をしても仕方が無い。
それに、その話はもうスタッフから説明し、西山陽花里も納得しているはずだった。
「専門の財団のことはもうご存知でしょうが、うちでもその財団でも、西山さんのご希望には添えないようですね」
「ええ、ですからもう結構です。私は自分で探しますので」
西山陽花里の決意は固いようだった。
「お力になれない立場で申し訳ないのですが、よろしければ、何故西山さんがそのご希望を望まれるのかお教えいただいても?」
西山陽花里は俺を見ていた。
「石神先生のことは知っています」
「はい?」
「アメリカ人の少女を奇跡的に救われた方だと」
「ああ、あのことですか」
響子のオペのことだ。
全国的に報道されたので、西山陽花里が知っていてもおかしくはない。
俺の名前は報道されたが、もちろん徹底して響子の名前は伏せられている。
「石神先生のような方がいらっしゃるのを知っていたので、この病院を選んだのです」
「そうだったのですか」
「石神先生は奇跡を起こされました」
「俺の力じゃありませんよ。患者に運命があったんです」
「そうではありません。患者の強い思いを実現されたのが石神先生でしょう。だからです」
「まあ、俺には何の力もありませんよ」
西山陽花里がまだ俺を見つめていた。
軽くため息を吐く。
「ええ、そうですね。何でも私の思い通りにならないことは分かっています。でも、このことだけはどうしても」
「よろしければお話しいただけませんか?」
「分かりました、石神先生であれば、お話しします」
西山陽花里が語り始めた。
西山陽花里は10代で結婚した母親と20代前半の父親との間に生まれた。
両親に反対され駆け落ちしてでのことだったそうだ。
その出会いの詳細は西山陽花里も知らないが、想像は出来る。
彼女が語る僅かなことでも、俺に理解出来た。
若い二人が互いに魅かれ合い、その若さで夢中になって一緒になったのだろう。
しかし、その結婚生活は思っていたような夢の世界ではなかった。
好き合って一緒にはなったが、男は社会人としては頼りない人間だった。
生活は困窮し、だから娘が生まれて間もなく、二人は離婚したようだ。
実家から勘当されていた母親は、両親へ連絡もせずに一人で娘を育てる決意をした。
恐らくはいろいろな制度も知らなかったろうし、実家へ謝るという選択も思い浮かばなかったのだろう。
昼の仕事だけではどうにもならず、娘がある程度の年齢になると、夜のホステスの仕事もしていたようだ。
愛する娘のために、夢中で働いたのだろう。
でも、昼夜掛け持ちの仕事、そしてホステスの仕事のストレスもあり、次第に疲労も溜まって行ったに違いない。
そう思うのは、俺がその結末を聞いたからだ。
自分が中学生に上がった時だと聞いた。
母親が懸命に自分を育ててくれているのは、もう物心ついた時から分かっていた。
それでもいつもいない母親、そしてずっとこの先も貧しく暮らすしかない未来、進学もどうなるのか分からない。
住む場所は中学に上がる直前にやっと区営の団地に住むことが出来たが、それほど綺麗な場所でもなかった。
周囲の人間と比べて、いつも安い服しか来ていない、どこへも出かけない、父親がいない、母親もほとんどいない日々。
母親の苦労と愛情は理解していたものの、ある日、つい口に出てしまった。
母親の出勤前に一緒に夕飯を食べていた時だった。
質素な食事を前に、思わず言ってしまった。
「あー、もう貧乏なんて嫌だ! こんなことなら、生まれて来なければ良かった!」
本人はそれほどのつもりはなかった。
つい、という気持ちで口に出してしまった。
すると、食事をする母親の手が止まった。
見ると、箸を置いて、涙を流していた。
「そうよね、ごめんなさいね。本当にごめんなさい」
そう言って母親は隣の部屋へ行き、ベランダに向いたサッシを開ける音がした。
「お母さん?」
自分が酷いことを言ってしまったので、少し離れたのかと思った。
しかし母親がそのままベランダへ出て、身を乗り出して柵を越えるのが見えた。
「お母さん!」
母親はそのまま地上へ落ちた。
硬いものがぶつかる「バーン」という激しい音が響いた。
何が起きたのか分かっていたが、分からなくなっていた。
西山陽花里はそのまま床にへたりこみ、警察がしばらく後で部屋に入って来るまで、何も考えられなかった。
「9階だったんです。お母さんの顔は完全に潰れていました。葬儀で棺に白い布が顔にありましたが、棺の底で拡がっているだけでした」
「……」
「その後、祖父母に引き取られ育ててもらいました。でも、あの日から、私は空っぽなんです。私はお母さんと一緒に飛び降りたんです。お母さんは顔を失いました。だから、私は身体を失いたい」
「西山さん、いいですか」
俺の言葉を西山陽花里が両手で遮った。
分かっているのだ。
「もうそれだけなんです。ガンになって良かった。ガンが見つかった時、どれほど嬉しかったことか。これでやっと身体を失くせる」
「……」
「狂っているのは分かってます。でも、どうでもいいんです。私はそれしかないから」
俺は懸命に言葉を連ねたが、西山陽花里には何の反応も無かった。
もう、この世には半分いないのだと分かった。
「そうですか。今後、何かお力になれることがありましたら」
「いいえ、もう。最後に石神先生にお話しできて良かった、私、あの手術の成功だけは、心底から嬉しかったのですよ?」
「そうですか」
「はい。ご自分の医者としての立場を喪うかもしれない手術だったと知りました。それでも先生は一人の少女のためになさったのですよね。この世の中にそういう方がいらっしゃるのが嬉しかった。だから私も……」
「そんな大したことでは。ただ、目の前に患者がいただけです。本当にそれだけなんですよ」
「私にも、そういう人が……、いえ、何でもありません。もういいんです」
俺は頭を下げて部屋を出た。
俺には何も出来ない。
もう自分の終りだけを見つめている。
母親を心無い言葉で死なせてしまい、その激しい後悔だけで過ごして来た人生。
毎日毎日、母親への償いだけを考えて来た人生。
顔を喪った母親と同様に、身体を喪って死ぬ希望しかない人生。
自分の臓器を他人に与えることで、その望みを果たそうとしている。
同意はしないが、西山陽花里の人生だ。
最後に西山陽花里が俺に微笑んだ。
「最後に石神先生にお会い出来て良かった」
「……」
翌日に西山陽花里は退院した。
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