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栞の出産
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六花が無事に出産し、東京へ戻っての8月初旬の金曜日。
土曜日は栞の出産予定日だ。
もう栞と六花は電話で話していて、栞は六花の出産を祝い、六花は栞の出産を応援していた。
金曜日の朝、俺が朝食を食べにリヴィングへ降りると、桜花たちが騒いでいた。
「士王様、私たちがついていますので」
「ダメだよ。僕がお母さんの傍にいてあげるんだ!」
「士王様はどうか、ここにいらして下さい」
「何言ってんの! お母さんが大変なんだよ。だから僕が傍にいてあげるんだ!」
どうやら士王が栞の心配をし、自分が一緒にいるのだと言っているようだ。
俺は斬を見た。
曾祖父として、士王を説得するだろうと思った。
士王が病院にいても邪魔になるだけだ。
斬はニコニコして士王を眺めていた。
「……」
ダメだ、使えねぇ。
あいつは士王の健気さに感動して、1ミリも止める気はねぇ。
お前、士王のガードのためにここに来たんだろうがぁ!
「石神様がちゃんとお傍にいらっしゃいますから」
「おう」
「お父さん、本当に?」
「もちろんだ。栞のことは愛しているからな。六花だって、ちゃんと出産日には出掛けただろう?」
「そうだった! じゃあ、お父さん、お願いします!」
「任せろ!」
亜紀ちゃんがヘンな顔をしていた。
「あんだよ?」
「タカさん、病院に泊まるんですか?」
冗談じゃねぇ。
俺が病院にいたってやることはない。
大体が産婦人科の仕事で、俺は産婦人科だけは修行で入らなかったのだ。
だから笑って訂正しようとした。
「おいおい、まさかそんなわけ……」
もちろん家に帰るつもりだったが、士王がつぶらな瞳に涙を溜めて泣きそうな顔で俺を見ていた。
「そんなわけ、当たり前だろう」
「そうだったんですかー」
「おう!」
士王がニコニコして俺を見ている。
「な、士王!」
「はい!」
なんか、そういうことになった。
「士王とこの家はわしに任せろ」
「……」
斬、お前よー。
まあ、こうなっては仕方がねぇ。
でも、病院って、どこに泊まんのよ?
取り敢えず、俺は出勤した。
士王が一緒に来たがったので、柳に睡蓮と一緒に送ってもらった。
士王に頼まれて、念のために「虎王」も二振持って出た。
「あの、石神様。私たちが栞様のお傍にいますので」
「ああ、いいよ。俺も栞の傍にいてぇんだ」
「そうですか」
士王が俺の隣でニコニコして俺を見ている。
「な、士王!」
「はい!」
睡蓮が助手席から振り返って笑っていた。
「どうもすみません」
「いいって」
病院に着いて、士王と睡蓮は栞の部屋へ行った。
俺は自分の部屋で亜紀ちゃんに電話した。
「後で着替えとか持って来てくれ」
「あー、やっぱり見栄張って言ったんですね!」
「しょうがねぇだろう! 士王がつぶらな瞳で観てんだからよ!」
「アハハハハハハハ!」
俺はスーツやシャツ、下着を指示して、洗面用具も一式持って来てくれと頼んだ。
「パジャマはニャンコ柄でいいですか?」
「アレはちょっとなぁ。蓮花の浴衣にしてくれ」
「はい!」
電話を切った。
さて、どこで寝ようか。
宿直室を使うわけには行かない。
栞のベッドも無理だ。
睡蓮を帰してあのベッドを使うか。
それとも響子のベッドで一緒に寝るか。
響子は喜ぶだろうが、それもちょっと違う気がする。
午前のオペを終え、俺は栞の部屋へ行った。
「あなた、睡蓮から聞いたわよ」
「あー」
「もう、無理しちゃって」
栞が笑っていた。
椿姫が睡蓮と交代で帰るようで、士王と一緒に「般若」へ食事に行った。
響子と茜、葵も誘う。
鷹も一緒だ。
栞は流石に無理だ。
「石神先生、どこでお休みになります?」
鷹が事情を聞いて俺に尋ねて来た。
俺と鷹はニース風カツレツ、士王はアサリのボンゴレ、他の連中はパストラミビーフのハンバーガーを頼んだ。
響子のものは少し肉を減らしてアボガドが入っている。
「そうなんだよなー」
「栞の部屋へベッドを入れますか?」
「それもいいな。院長に話しておくかぁ」
「じゃあ、私が手配しますよ」
「いいよ、斎藤にやらせる。特別室のベッドがどっかで余ってるだろう」
「そうですね」
睡蓮に言った。
「俺がいるからお前は夕方には帰ってもいいぞ?」
「いいえ、どうかご一緒させて下さい」
「でも、やることもねぇだろう」
「いいえ、いろいろと」
「あいつ、またワガママか?」
「い、いいえ! そのようなことは!」
言ってるかー。
まあ、ヒマであれこれ言うのだろう。
「そういえば、こないだ焼き鳥買って来てたよな?」
「はい、響子さんと一緒に食べたいと」
「食べたよー!」
「そっか」
まあ、カワイイ範囲だ。
そう言えば、食事もあるなー。
「響子、トラさんと一緒で嬉しいね!」
「そうだね、茜!」
響子たちも嬉しそうだ。
まあ、いいか。
病院へ戻って斎藤にいいベッドを栞の部屋へ運んでおくように指示した。
一江と大森が呆れて笑っていた。
「士王ちゃんには敵わないんですね」
「しょうがねぇよ。あのさ、あいつのキラキラした瞳で見られてみろよ。逆らえないって」
「ワハハハハハハハ!」
午後のオペを済ませ、5時には仕事が終わった。
栞の部屋へ行くと、もうベッドも入っていて、栞と並んで置かれていた。
俺たちのベッドの間に椅子を置いて、響子と茜たちが座って話していた。
「タカトラー!」
「よう、ここに来てたのか」
「明日が予定日だよね」
「ああ」
「千歌ちゃん!」
「そうだ。楽しみだな!」
「うん!」
栞も微笑んでいる。
「やっぱりね、女の子だからあんまり暴れないの」
栞が大きなお腹を撫でながら言った。
「そうか」
「士王は大暴れだったもんね」
「エヘヘヘヘ」
栞がベッドに一緒に入った士王の頭を撫で、士王が喜んだ。
俺は鷹を誘ってオークラへ食事に行った。
そのまま鷹は帰り、俺は栞の部屋へ戻った。
響子と茜が一緒に夕飯を食べたらしく、まだそのままいた。
士王は柳と斬が迎えに来て帰っている。
響子たちは栞が入院してから、食事はいつも一緒に摂っているらしい。
みんなで『虎は孤高に』を見て、楽しく話した。
俺もシャワーを浴びて浴衣になり寛いだ。
月と虎の意匠のものだ。
「タカトラ、じゃあ巡回に行くよ!」
「なに?」
茜が笑ってセグウェイを出して来る。
「俺も行くのかよ!」
俺も笑ってセグウェイに乗った。
茜は六花のものを使っている。
三人で夜の病院を回った。
当直のナースたちが、俺の姿を見て大笑いしていた。
「よう!」
「石神せんせー!」
「響子ちゃーん!」
ナースたちに取り囲まれ、普段は見せない俺の浴衣に大騒ぎで、一緒に写真を撮った。
響子も茜も一緒に写り、ナースたちが喜んだ。
三人で楽しく夜の病院を回り、栞の部屋へ戻った。
響子が興奮気味で、巡回の話を栞にし、栞も睡蓮も大笑いした。
「タカトラ、じゃあ今日はそろそろ寝るね」
「ああ、そうだな。部屋まで送るよ」
「うん!」
午後9時半。
響子は栞の部屋へ行ったり巡回もしたりで、結構動いている。
眠くなって来たようだ。
部屋へ連れて行って寝かせ、茜と葵も部屋へ帰って行った。
さて。
ここからの時間を俺は考えていなかった。
ヒマ過ぎじゃん。
流石にまだ全然眠くない。
酒を飲むわけにもいかん。
栞や睡蓮と話しているわけにも行かない。
なんだか小腹も空いた。
外へ出ようかとも思ったが、士王に栞の傍にいることを約束していることを思い出した。
別に離れてもバレはしないが、あの士王のキラキラ瞳が頭に浮かぶ。
「うーん……」
悩んでいると、スマホが鳴った。
俺も常に持ち歩く人間になってしまった。
早乙女からだった。
土曜日は栞の出産予定日だ。
もう栞と六花は電話で話していて、栞は六花の出産を祝い、六花は栞の出産を応援していた。
金曜日の朝、俺が朝食を食べにリヴィングへ降りると、桜花たちが騒いでいた。
「士王様、私たちがついていますので」
「ダメだよ。僕がお母さんの傍にいてあげるんだ!」
「士王様はどうか、ここにいらして下さい」
「何言ってんの! お母さんが大変なんだよ。だから僕が傍にいてあげるんだ!」
どうやら士王が栞の心配をし、自分が一緒にいるのだと言っているようだ。
俺は斬を見た。
曾祖父として、士王を説得するだろうと思った。
士王が病院にいても邪魔になるだけだ。
斬はニコニコして士王を眺めていた。
「……」
ダメだ、使えねぇ。
あいつは士王の健気さに感動して、1ミリも止める気はねぇ。
お前、士王のガードのためにここに来たんだろうがぁ!
「石神様がちゃんとお傍にいらっしゃいますから」
「おう」
「お父さん、本当に?」
「もちろんだ。栞のことは愛しているからな。六花だって、ちゃんと出産日には出掛けただろう?」
「そうだった! じゃあ、お父さん、お願いします!」
「任せろ!」
亜紀ちゃんがヘンな顔をしていた。
「あんだよ?」
「タカさん、病院に泊まるんですか?」
冗談じゃねぇ。
俺が病院にいたってやることはない。
大体が産婦人科の仕事で、俺は産婦人科だけは修行で入らなかったのだ。
だから笑って訂正しようとした。
「おいおい、まさかそんなわけ……」
もちろん家に帰るつもりだったが、士王がつぶらな瞳に涙を溜めて泣きそうな顔で俺を見ていた。
「そんなわけ、当たり前だろう」
「そうだったんですかー」
「おう!」
士王がニコニコして俺を見ている。
「な、士王!」
「はい!」
なんか、そういうことになった。
「士王とこの家はわしに任せろ」
「……」
斬、お前よー。
まあ、こうなっては仕方がねぇ。
でも、病院って、どこに泊まんのよ?
取り敢えず、俺は出勤した。
士王が一緒に来たがったので、柳に睡蓮と一緒に送ってもらった。
士王に頼まれて、念のために「虎王」も二振持って出た。
「あの、石神様。私たちが栞様のお傍にいますので」
「ああ、いいよ。俺も栞の傍にいてぇんだ」
「そうですか」
士王が俺の隣でニコニコして俺を見ている。
「な、士王!」
「はい!」
睡蓮が助手席から振り返って笑っていた。
「どうもすみません」
「いいって」
病院に着いて、士王と睡蓮は栞の部屋へ行った。
俺は自分の部屋で亜紀ちゃんに電話した。
「後で着替えとか持って来てくれ」
「あー、やっぱり見栄張って言ったんですね!」
「しょうがねぇだろう! 士王がつぶらな瞳で観てんだからよ!」
「アハハハハハハハ!」
俺はスーツやシャツ、下着を指示して、洗面用具も一式持って来てくれと頼んだ。
「パジャマはニャンコ柄でいいですか?」
「アレはちょっとなぁ。蓮花の浴衣にしてくれ」
「はい!」
電話を切った。
さて、どこで寝ようか。
宿直室を使うわけには行かない。
栞のベッドも無理だ。
睡蓮を帰してあのベッドを使うか。
それとも響子のベッドで一緒に寝るか。
響子は喜ぶだろうが、それもちょっと違う気がする。
午前のオペを終え、俺は栞の部屋へ行った。
「あなた、睡蓮から聞いたわよ」
「あー」
「もう、無理しちゃって」
栞が笑っていた。
椿姫が睡蓮と交代で帰るようで、士王と一緒に「般若」へ食事に行った。
響子と茜、葵も誘う。
鷹も一緒だ。
栞は流石に無理だ。
「石神先生、どこでお休みになります?」
鷹が事情を聞いて俺に尋ねて来た。
俺と鷹はニース風カツレツ、士王はアサリのボンゴレ、他の連中はパストラミビーフのハンバーガーを頼んだ。
響子のものは少し肉を減らしてアボガドが入っている。
「そうなんだよなー」
「栞の部屋へベッドを入れますか?」
「それもいいな。院長に話しておくかぁ」
「じゃあ、私が手配しますよ」
「いいよ、斎藤にやらせる。特別室のベッドがどっかで余ってるだろう」
「そうですね」
睡蓮に言った。
「俺がいるからお前は夕方には帰ってもいいぞ?」
「いいえ、どうかご一緒させて下さい」
「でも、やることもねぇだろう」
「いいえ、いろいろと」
「あいつ、またワガママか?」
「い、いいえ! そのようなことは!」
言ってるかー。
まあ、ヒマであれこれ言うのだろう。
「そういえば、こないだ焼き鳥買って来てたよな?」
「はい、響子さんと一緒に食べたいと」
「食べたよー!」
「そっか」
まあ、カワイイ範囲だ。
そう言えば、食事もあるなー。
「響子、トラさんと一緒で嬉しいね!」
「そうだね、茜!」
響子たちも嬉しそうだ。
まあ、いいか。
病院へ戻って斎藤にいいベッドを栞の部屋へ運んでおくように指示した。
一江と大森が呆れて笑っていた。
「士王ちゃんには敵わないんですね」
「しょうがねぇよ。あのさ、あいつのキラキラした瞳で見られてみろよ。逆らえないって」
「ワハハハハハハハ!」
午後のオペを済ませ、5時には仕事が終わった。
栞の部屋へ行くと、もうベッドも入っていて、栞と並んで置かれていた。
俺たちのベッドの間に椅子を置いて、響子と茜たちが座って話していた。
「タカトラー!」
「よう、ここに来てたのか」
「明日が予定日だよね」
「ああ」
「千歌ちゃん!」
「そうだ。楽しみだな!」
「うん!」
栞も微笑んでいる。
「やっぱりね、女の子だからあんまり暴れないの」
栞が大きなお腹を撫でながら言った。
「そうか」
「士王は大暴れだったもんね」
「エヘヘヘヘ」
栞がベッドに一緒に入った士王の頭を撫で、士王が喜んだ。
俺は鷹を誘ってオークラへ食事に行った。
そのまま鷹は帰り、俺は栞の部屋へ戻った。
響子と茜が一緒に夕飯を食べたらしく、まだそのままいた。
士王は柳と斬が迎えに来て帰っている。
響子たちは栞が入院してから、食事はいつも一緒に摂っているらしい。
みんなで『虎は孤高に』を見て、楽しく話した。
俺もシャワーを浴びて浴衣になり寛いだ。
月と虎の意匠のものだ。
「タカトラ、じゃあ巡回に行くよ!」
「なに?」
茜が笑ってセグウェイを出して来る。
「俺も行くのかよ!」
俺も笑ってセグウェイに乗った。
茜は六花のものを使っている。
三人で夜の病院を回った。
当直のナースたちが、俺の姿を見て大笑いしていた。
「よう!」
「石神せんせー!」
「響子ちゃーん!」
ナースたちに取り囲まれ、普段は見せない俺の浴衣に大騒ぎで、一緒に写真を撮った。
響子も茜も一緒に写り、ナースたちが喜んだ。
三人で楽しく夜の病院を回り、栞の部屋へ戻った。
響子が興奮気味で、巡回の話を栞にし、栞も睡蓮も大笑いした。
「タカトラ、じゃあ今日はそろそろ寝るね」
「ああ、そうだな。部屋まで送るよ」
「うん!」
午後9時半。
響子は栞の部屋へ行ったり巡回もしたりで、結構動いている。
眠くなって来たようだ。
部屋へ連れて行って寝かせ、茜と葵も部屋へ帰って行った。
さて。
ここからの時間を俺は考えていなかった。
ヒマ過ぎじゃん。
流石にまだ全然眠くない。
酒を飲むわけにもいかん。
栞や睡蓮と話しているわけにも行かない。
なんだか小腹も空いた。
外へ出ようかとも思ったが、士王に栞の傍にいることを約束していることを思い出した。
別に離れてもバレはしないが、あの士王のキラキラ瞳が頭に浮かぶ。
「うーん……」
悩んでいると、スマホが鳴った。
俺も常に持ち歩く人間になってしまった。
早乙女からだった。
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