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六花の出産 Ⅳ
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俺はしばらく亜紀ちゃんや蓮花と話し、アラスカのターナー大将ともちょっと話した。
聖はあいつの体調次第と思って、よしこのラインだけだ。
多忙な御堂から電話が来た。
「石神、おめでとう!」
「いやいや、こんな時間にまで起きていたのか」
「ああ、さっきまで閣僚たちと話していて、ラインを今見たところなんだ」
「そうか、忙しいのに悪いな」
俺はさっき《銀世》という名前に決めたことを御堂に伝えた。
御堂だから、響さんのこと、俺の観た夢とずっとその名が頭にあったこともちゃんと話す。
「そうか、いい名だな。でも、何かまた運命的だな」
「そういうのはどうでもいいよ。俺と六花で可愛がってやるだけだ」
「アハハハハ! 僕も石神の子どもになりたいよ」
「おお、いつでも言ってくれ。最高に可愛がってやる」
「のんびり暮らしてもいいかな」
「バカやろう! おっきくなったら将来は総理大臣に決まってんだろう!」
御堂が爆笑し、なら子どもにならないと言った。
「なんだよー」
「まあ、僕も今年は数日夏休みが取れそうだ」
「そうか、いつぐらいになるんだ?」
「2週間後かな。お盆過ぎになると思うよ」
「じゃあよ、俺の別荘に来いよ!」
「ああ、いいな!」
「な! 麗星も六花も栞も来れないしよ。空いてるぞ?」
「アハハハハハハハ!」
「澪さんとのんびりしに来てくれ」
「じゃあ、その前にうちにも来てくれよ」
「ああ、そうだな!」
「親父が寂しがってる。頼むよ」
「じゃあ、そうしよう。俺たちも去年は忙しくしてたからな。今年はお世話になろう」
「決まりだな」
「ああ!」
電話を切り、俺は有頂天になって下に降りた。
御堂と話すのはいつだって最高に嬉しい。
下ではまだ「紅六花」の連中が騒いでいる。
誰も潰れていないようなので不思議に思ったが、よく見るとみんな酒を飲んでいなかった。
俺がタケに聞くと、六花が今飲めない状態なので、自分たちも酒を断っていると言った。
「おい、俺は飲みてぇんだけど?」
「石神さんはどうぞ!」
「なんか飲みにくいんだけど?」
「ワハハハハハハハ!」
小鉄がワイルドターキーを持って来て、よしこがグラスに注いだ。
俺は一気に煽って叫んだ。
「銀世! よくぞ生まれて来たぁ! 愛してるぞぉー!」
大歓声が沸いた。
やっと俺のことも見ている。
バンド「紅六花」が演奏し、俺もギターをガンガン弾いた。
みんなで祝った。
翌朝。
俺は夕べ随分と遅くまで起きていたので、ベッドでぐっすりと眠っていた。
しかし、5時半に叩き起こされた。
この俺が気付かない間に侵入を許していた。
でも、すぐに誰が来たのかが分かった。
ああ、この人らじゃしょうがねぇ。
うんざり半分、歓迎半分かぁ。
「おい、産まれた子どもはどこだよ!」
「虎白さん!」
石神家の連中だった。
どうしていつもまともに来ねぇ!
もう虎白さんを筆頭に10人以上が押し掛けていた。
多分もっといる。
「ラインを見てすぐに来たんだ」
「虎白さん、ラインやるんですか!」
「あんだよ! 田舎モンとバカにしてんのかぁ!」
「だって!」
この時代、全国でスマホを持ってない奴はほとんどいねぇ。
俺のように未だに使い方を満足に覚えていない奴の方が珍しい。
そういえば虎白さんがスマホを持ってるのは知っていた。
何度も電話で話している。
ラインはやったことねぇ。
だけどさー。
タケが慌てて来た。
石神家の連中をかき分けて入って来る。
「あ、もういらしてたんですか!」
ラインに虎白さんたちが来る連絡があったようだ。
もちろん、盛岡を出発して大分経ってからだ。
タケにも、到着時間の予想が出来なかったらしい。
まあ、みんな朝方まで騒いでいたのでラインに気付いただけ良かったのだが。
タケが虎白さんに聞いた。
「そういえば、エレベーターの解錠はどうしたんですか!」
「根性」
「エェ!」
後で聞いたら、前回来た時にタケが鍵を置いている場所を見ていたらしい。
まったく油断出来ない人たちだ。
「それより早く子どもを見せろ! そのために来たんだからよ」
「分かりましたよ!」
俺はベビーベッドで眠っている銀世を見せた。
眠っているので、傍若無人の石神家の連中も、流石に小さな声で話している。
「カワイイな。やっぱり六花さんの血だな」
「ああ、でも高虎の雰囲気もあるぜ」
「そうだな。刀もいけそうだな」
「おい、ちょっと持たせようぜ」
「みなさん、ちょっと待って!」
眠るとなかなか起きない六花がモゾモゾして目を覚ました。
同時に絶叫する。
「ナニィーーー!」
「静かにしろ! どうしようもねぇ連中がまた来たんだよ!」
「おう、六花さん、こんにちは」
「ダレェ!」
「おい、俺らだよ。虎白、な?」
「ナンデェー!」
「おう、高虎の子どもが生まれたって聞いてよ!」
「だからなんでぇ!」
俺が六花を落ち着かせた。
まったくとんでもない人たちだ。
80人が来ていたので、一通り見せるのに時間が掛かる。
順番に下に降りてもらう。
そのうちに銀世が泣き出した。
六花が怒った顔で全員を追い出した。
虎白さんたちも、仕方なく素直に降りてくれた。
六花は銀世に授乳させる。
もう母乳は出るようだ。
「悪かったな」
「なんであの人たちは! 毎回!」
前回の吹雪が生まれた時には、血まみれの俺と一緒に来た。
「まあなぁ。俺にも分かんねぇ」
「もう! トラがなんとかして!」
「分かったよ。追い返すからな」
本気で怒っている六花をなだめ、俺も下へ降りて行った。
思わず頭を抱えた。
タケの駐車場で宴会を始めていた。
虎蘭が俺に駆け寄って来た。
「高虎さん!」
「お前も来てたのかよ」
「虎水もいますよ」
「こんにちは」
「お前らなぁ」
虎蘭たちが銀世を見損なったというので、特別に二人だけを上に上げた。
六花がまた怒るかとも思ったが、授乳させながら二人を見てニコニコとした顔になった。
「虎蘭、来てくれたんだ」
六花も虎蘭に会いたかったらしい。
「本当にすみません。一応は止めたんですけど」
「じゃあなんで来るんだよ!」
「ワハハハハハハハ!」
見たかったのだと正直に言った。
止めてくれたのも本当だろうが。
まあ、あの人らが止まるわけはねぇんだが。
「《銀世》という名前にした。ちょっと不思議なことがあってな」
俺は虎蘭たちに、俺の夢や名前が浮かんだこと、そして昨日の響さんのことを話した。
「へぇ、不思議ですね」
「そうだよな。でも関係ねぇよ。この子は俺と六花の大事な子どもだ。それだけだよ」
「そうですね!」
六花が授乳を終えて、銀世をベッドへ戻した。
銀世は満足そうな顔をして、スヤスヤとまた眠った。
虎蘭たちが嬉しそうに眠る銀世を見ていた。
六花も笑顔で虎蘭に声を掛けた。
「虎蘭、あなたに会いたかった」
「私もです、六花さん」
「一緒にトラを護って行こう」
「はい! 栞さんにも同じことを言われました」
「うん! 虎水もね」
「はい、精一杯やりますよ」
六花が両手を開くと、虎蘭は近寄って六花を抱き締めた。
虎水にも同じように抱き締める。
「じゃあ、そろそろ帰れよな」
「うーん」
「やっぱ難しい?」
「正直言うと。それにまだ来てない方が」
「誰だよ?」
「怒貪虎さん」
「なっにぃー!」
来んのかよ!
「どっから来るんだ!」
「さぁ。あの人はナゾなので」
「なんだよ!」
俺は慌てて下に降りた。
駐車場に行くと、上空から何かが降りて来た。
ドォォォーーーーン
「……」
いつもの着物姿で、怒貪虎さんが登場した。
誰かたすけて……
聖はあいつの体調次第と思って、よしこのラインだけだ。
多忙な御堂から電話が来た。
「石神、おめでとう!」
「いやいや、こんな時間にまで起きていたのか」
「ああ、さっきまで閣僚たちと話していて、ラインを今見たところなんだ」
「そうか、忙しいのに悪いな」
俺はさっき《銀世》という名前に決めたことを御堂に伝えた。
御堂だから、響さんのこと、俺の観た夢とずっとその名が頭にあったこともちゃんと話す。
「そうか、いい名だな。でも、何かまた運命的だな」
「そういうのはどうでもいいよ。俺と六花で可愛がってやるだけだ」
「アハハハハ! 僕も石神の子どもになりたいよ」
「おお、いつでも言ってくれ。最高に可愛がってやる」
「のんびり暮らしてもいいかな」
「バカやろう! おっきくなったら将来は総理大臣に決まってんだろう!」
御堂が爆笑し、なら子どもにならないと言った。
「なんだよー」
「まあ、僕も今年は数日夏休みが取れそうだ」
「そうか、いつぐらいになるんだ?」
「2週間後かな。お盆過ぎになると思うよ」
「じゃあよ、俺の別荘に来いよ!」
「ああ、いいな!」
「な! 麗星も六花も栞も来れないしよ。空いてるぞ?」
「アハハハハハハハ!」
「澪さんとのんびりしに来てくれ」
「じゃあ、その前にうちにも来てくれよ」
「ああ、そうだな!」
「親父が寂しがってる。頼むよ」
「じゃあ、そうしよう。俺たちも去年は忙しくしてたからな。今年はお世話になろう」
「決まりだな」
「ああ!」
電話を切り、俺は有頂天になって下に降りた。
御堂と話すのはいつだって最高に嬉しい。
下ではまだ「紅六花」の連中が騒いでいる。
誰も潰れていないようなので不思議に思ったが、よく見るとみんな酒を飲んでいなかった。
俺がタケに聞くと、六花が今飲めない状態なので、自分たちも酒を断っていると言った。
「おい、俺は飲みてぇんだけど?」
「石神さんはどうぞ!」
「なんか飲みにくいんだけど?」
「ワハハハハハハハ!」
小鉄がワイルドターキーを持って来て、よしこがグラスに注いだ。
俺は一気に煽って叫んだ。
「銀世! よくぞ生まれて来たぁ! 愛してるぞぉー!」
大歓声が沸いた。
やっと俺のことも見ている。
バンド「紅六花」が演奏し、俺もギターをガンガン弾いた。
みんなで祝った。
翌朝。
俺は夕べ随分と遅くまで起きていたので、ベッドでぐっすりと眠っていた。
しかし、5時半に叩き起こされた。
この俺が気付かない間に侵入を許していた。
でも、すぐに誰が来たのかが分かった。
ああ、この人らじゃしょうがねぇ。
うんざり半分、歓迎半分かぁ。
「おい、産まれた子どもはどこだよ!」
「虎白さん!」
石神家の連中だった。
どうしていつもまともに来ねぇ!
もう虎白さんを筆頭に10人以上が押し掛けていた。
多分もっといる。
「ラインを見てすぐに来たんだ」
「虎白さん、ラインやるんですか!」
「あんだよ! 田舎モンとバカにしてんのかぁ!」
「だって!」
この時代、全国でスマホを持ってない奴はほとんどいねぇ。
俺のように未だに使い方を満足に覚えていない奴の方が珍しい。
そういえば虎白さんがスマホを持ってるのは知っていた。
何度も電話で話している。
ラインはやったことねぇ。
だけどさー。
タケが慌てて来た。
石神家の連中をかき分けて入って来る。
「あ、もういらしてたんですか!」
ラインに虎白さんたちが来る連絡があったようだ。
もちろん、盛岡を出発して大分経ってからだ。
タケにも、到着時間の予想が出来なかったらしい。
まあ、みんな朝方まで騒いでいたのでラインに気付いただけ良かったのだが。
タケが虎白さんに聞いた。
「そういえば、エレベーターの解錠はどうしたんですか!」
「根性」
「エェ!」
後で聞いたら、前回来た時にタケが鍵を置いている場所を見ていたらしい。
まったく油断出来ない人たちだ。
「それより早く子どもを見せろ! そのために来たんだからよ」
「分かりましたよ!」
俺はベビーベッドで眠っている銀世を見せた。
眠っているので、傍若無人の石神家の連中も、流石に小さな声で話している。
「カワイイな。やっぱり六花さんの血だな」
「ああ、でも高虎の雰囲気もあるぜ」
「そうだな。刀もいけそうだな」
「おい、ちょっと持たせようぜ」
「みなさん、ちょっと待って!」
眠るとなかなか起きない六花がモゾモゾして目を覚ました。
同時に絶叫する。
「ナニィーーー!」
「静かにしろ! どうしようもねぇ連中がまた来たんだよ!」
「おう、六花さん、こんにちは」
「ダレェ!」
「おい、俺らだよ。虎白、な?」
「ナンデェー!」
「おう、高虎の子どもが生まれたって聞いてよ!」
「だからなんでぇ!」
俺が六花を落ち着かせた。
まったくとんでもない人たちだ。
80人が来ていたので、一通り見せるのに時間が掛かる。
順番に下に降りてもらう。
そのうちに銀世が泣き出した。
六花が怒った顔で全員を追い出した。
虎白さんたちも、仕方なく素直に降りてくれた。
六花は銀世に授乳させる。
もう母乳は出るようだ。
「悪かったな」
「なんであの人たちは! 毎回!」
前回の吹雪が生まれた時には、血まみれの俺と一緒に来た。
「まあなぁ。俺にも分かんねぇ」
「もう! トラがなんとかして!」
「分かったよ。追い返すからな」
本気で怒っている六花をなだめ、俺も下へ降りて行った。
思わず頭を抱えた。
タケの駐車場で宴会を始めていた。
虎蘭が俺に駆け寄って来た。
「高虎さん!」
「お前も来てたのかよ」
「虎水もいますよ」
「こんにちは」
「お前らなぁ」
虎蘭たちが銀世を見損なったというので、特別に二人だけを上に上げた。
六花がまた怒るかとも思ったが、授乳させながら二人を見てニコニコとした顔になった。
「虎蘭、来てくれたんだ」
六花も虎蘭に会いたかったらしい。
「本当にすみません。一応は止めたんですけど」
「じゃあなんで来るんだよ!」
「ワハハハハハハハ!」
見たかったのだと正直に言った。
止めてくれたのも本当だろうが。
まあ、あの人らが止まるわけはねぇんだが。
「《銀世》という名前にした。ちょっと不思議なことがあってな」
俺は虎蘭たちに、俺の夢や名前が浮かんだこと、そして昨日の響さんのことを話した。
「へぇ、不思議ですね」
「そうだよな。でも関係ねぇよ。この子は俺と六花の大事な子どもだ。それだけだよ」
「そうですね!」
六花が授乳を終えて、銀世をベッドへ戻した。
銀世は満足そうな顔をして、スヤスヤとまた眠った。
虎蘭たちが嬉しそうに眠る銀世を見ていた。
六花も笑顔で虎蘭に声を掛けた。
「虎蘭、あなたに会いたかった」
「私もです、六花さん」
「一緒にトラを護って行こう」
「はい! 栞さんにも同じことを言われました」
「うん! 虎水もね」
「はい、精一杯やりますよ」
六花が両手を開くと、虎蘭は近寄って六花を抱き締めた。
虎水にも同じように抱き締める。
「じゃあ、そろそろ帰れよな」
「うーん」
「やっぱ難しい?」
「正直言うと。それにまだ来てない方が」
「誰だよ?」
「怒貪虎さん」
「なっにぃー!」
来んのかよ!
「どっから来るんだ!」
「さぁ。あの人はナゾなので」
「なんだよ!」
俺は慌てて下に降りた。
駐車場に行くと、上空から何かが降りて来た。
ドォォォーーーーン
「……」
いつもの着物姿で、怒貪虎さんが登場した。
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