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六花の出産 Ⅱ
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8階に上がると、30人の「紅六花」の連中がたむろしていた。
入り口に近い場所にいた奴らが俺の登場に驚いていた。
あー、下の連中は連絡もしなかったか。
「石神さん!」
「よう、お邪魔なようだけど来ちゃった」
「そんな、すいません! どうぞ奥へ!」
「おう」
ここではすぐに俺の荷物を持ってくれ、奥のリヴィングへ案内された。
みんなわいわいと話して楽しそうだ。
俺に驚き、全員が立って挨拶をしてくれる。
そのまま全員がまた座った。
15人が掛けられるでかいソファは全部埋まっており、俺の場所はねぇ。
入り口で立っていた。
「……」
キッチが気付いて慌ててどいて、俺を座らせた。
それだけだ。
飲み物もでねぇ。
「ケホケホ」
「?」
自分でキッチンへ行き、冷蔵庫から麦茶を出してコップに注いで戻った。
「あぁ! し、失礼しましたぁ!」
「いいって」
ちょっと気まずい雰囲気が流れた。
「じゃあ、六花に顔を出すな」
「は、はい! どうぞ!」
キッチが俺を寝室へ案内する。
「トラぁー! 来てくれたんだぁー!」
六花が嬉しそうな顔で笑った。
やっぱり誰も六花に俺が来たことを伝えてねぇ。
もうこいつらは普通の精神状態ではないことを理解していた。
タケやよしこたち幹部が慌てて立ち上がって俺に挨拶する。
吹雪が俺に駆け寄って抱き着いて来た。
六花の傍に寄って、二人とも抱き締めた。
「よう、元気そうだな」
「はい! 今来たんですか?」
「それがよ、30分前に着いて、下で食事をしてたんだ」
「なんで! すぐに来て下さいよ!」
「悪かったな。俺が来たらお前が迎えに出ようとすると思ったからさ」
「当たり前じゃない!」
「まあな。でも、全然心配なかったな」
「?」
タケたちが流石に気付いてうつむいた。
みんな俺に謝って来る。
「冗談だって。だけどお前ら、ずっとここにいんのかよ?」
「はい、総長が寝たければいつでもご自由にと言ってます」
「寝られるわけねぇだろう!」
『!』
慌ててみんな出て行った。
六花を抱き締めてキスをする。
「お前も遠慮しないで言えよ」
「うん、でも大丈夫だよ?」
「そうかよ。まあ、俺もちょっと疲れた。一緒に寝よう」
「うん!」
六花が美しい顔で微笑んで俺を見ていた。
「なんだよ?」
「うん、来てくれて嬉しい」
「俺もお前の顔が見れて嬉しいよ」
「うん!」
六花が横になってまだ俺を見ている。
「ねえ、子どもの名前」
「ああ、顔を見てからな。一緒に考えよう」
「トラの決めた名前がいい」
「一緒に見てからだ。俺たちの子どもなんだからな」
「でも……」
俺は六花の額を撫でた。
実は決めてはいないのだが、俺の中でまたある名前がずっと浮かんでいた。
でも、六花と話して決めたいと思っている。
俺が服を脱いで一緒に横になると、六花はすぐに寝息をたてた。
やはり、あいつらがいると眠れなかったのだろう。
吹雪も俺の隣で横になった。
「もうすぐお兄ちゃんになるな」
「うん!」
「弟だ。可愛がってやれ」
「はい!」
吹雪が美しく笑った。
六花の愛情を目一杯に注がれた吹雪だ。
きっと優しい兄になるだろう。
俺たちは夕方まで眠った。
六花に食欲を聞いて、一緒に下に降りた。
俺は餡かけカタ焼きそばとホイコーロー、吹雪は中華そばを頼んだ。
六花の分は俺が作ることにした。
エビとマイタケ、ほうれん草の中華がゆだ。
小鉄が俺の手元をずっと見ている。
「ほうれん草はよく洗って、下の部分も一緒に茹でろ」
「はい!」
「一番栄養が入っているからな。美味くはないんで、器には入れるな。このゆで汁でスープを作る。乾燥シイタケと鶏骨で出汁を採る。煮詰めるとエグ味が出るから気を付けろ」
「はい!」
「醤油で味の調整だ。最後にスリ胡麻を振って、梅干を乗せて完成だ」
「美味そうですね!」
「お前もちょっと食べてみろ」
「はい!」
少し多めに作ったので、小鉄と吹雪にも少し器に盛る。
六花が嬉しそうにレンゲで掬って口に入れた。
「おいしー!」
「そうか」
食事をしながら、病院やうちの状況を話した。
まあ、毎日いろいろと話してはいるのだが。
「今日も響子の部屋に茜と葵が来ててよ」
「いつも一緒ですね」
「まあ、助かるんだけどな。響子も寂しがらないし」
「そうですか!」
響子が楽しそうにしていると聞いて、六花も嬉しそうだ。
「栞の所へもよく行っているらしい。響子も忙しいよ」
「アハハハハハハハ!」
士王が響子パイを狙ってレイに手ひどくやられた話をすると、六花が爆笑した。
「いきなり見えない衝撃で吹っ飛んでよ。咄嗟に葵が受け止めてくれて助かったぜ」
「アハハハハハハハ!」
「でもよ、その後で泣き出して、響子がレイに「やりすぎた」って怒ってた。それで士王を抱き締めてやってさ」
「ああ、じゃあ」
「おお、響子パイを揉んでた」
「アハハハハハハハ!」
「その後でまたぶっ飛ばされてなぁ。今度は葵も助けなかった」
「スゴイですね!」
テーブルを囲んでいたタケたち幹部も爆笑していた。
「吹雪もね、外へ連れ出すと大変なんですよ」
「そうなのか」
「はい。「紫苑六花公園」なんかじゃ人が寄って来て。吹雪って、信じられないほど綺麗な顔じゃないですか」
「そうだよなぁ」
「写真とかもバンバン撮られてます。不味いですか?」
「いいよ。でも、こいつが成長したら大変だろうなぁ」
「はぁ。あたしらもちょっと心配です」
「うん」
吹雪は意味も分からずにニコニコしている。
まあ、こういう奴だ。
六花と同じで天真爛漫な性格だ。
あまりにも愛情を注がれているので、この世界をとことん信じ切っている。
純粋と言う以上に強固な信念にまで構築されている。
こういう子どもが、一体どのように成長していくのか楽しみだ。
俺もお袋と親父に愛情を注がれて育った。
そのことが俺に強大な何かを創り上げたと確信している。
夕飯を終え、そろそろ上に上がろうかという時。
「あ!」
六花が立ち止まって叫んだ。
「どした?」
「陣痛ぅ!」
「あんだとぉー!」
大騒ぎになった。
タケがすぐに電話を始めた。
おお、流石に六花の出産の段取り決めていたか。
俺は六花を抱きながら椅子に座らせ、更に他の椅子を集めて並べた。
六花を寝かせようと思ったのだ。
「「紅六花」、全員集合! 総長が御出産だぁ!」
「おい!」
「急げぇー!」
「病院が先だろう!」
「ハウッ!」
タケの頭を引っぱたいて俺が自分のスマホを取り出したが、生憎六花が通っている産院の番号を知らねぇ。
よしこに言うと、よしこが慌てて自分のスマホで産院に連絡した。
「よしこ! 四輪は何がある!」
「はい、特別移送車が!」
「準備しろ!」
「はい!」
よしこが走って出て、俺は六花を抱いてゆっくりと外へ出た。
よしこがもう一度中へ入った。
なんだ?
「特別移送車のキー!」
「……」
なんなんだ。
吹雪が六花を抱える俺の腕を掴んでいた。
「心配するな。もうすぐ生まれるぞ」
「はい!」
ニコニコ顔ではないが、不安そうな顔でもない。
俺と六花を信じている。
よしこが特別移送車のエンジンをふかし、俺は後部ドアから六花をそっと入れた。
4人乗りのもので、後部がベッドにもなる仕様だ。
隣に座るとよしこが言う。
「行きます!」
「安全運転でな!」
「もちろんです!」
アクセルを踏み、向かいの車にぶつけかける。
「俺が運転する! どけ!」
「すいません!」
まったくぅー。
吹雪を六花の隣に座らせ、よしこは助手席に座った。
「お前、別にいらねぇんだけど」
「そ、そんなことおっしゃらずにぃ!」
「しょうがねぇ」
俺は笑って特別移送車を発進させた。
「紅六花」の連中は大興奮過ぎてあてにならねぇ。
俺がしっかりしなければ。
入り口に近い場所にいた奴らが俺の登場に驚いていた。
あー、下の連中は連絡もしなかったか。
「石神さん!」
「よう、お邪魔なようだけど来ちゃった」
「そんな、すいません! どうぞ奥へ!」
「おう」
ここではすぐに俺の荷物を持ってくれ、奥のリヴィングへ案内された。
みんなわいわいと話して楽しそうだ。
俺に驚き、全員が立って挨拶をしてくれる。
そのまま全員がまた座った。
15人が掛けられるでかいソファは全部埋まっており、俺の場所はねぇ。
入り口で立っていた。
「……」
キッチが気付いて慌ててどいて、俺を座らせた。
それだけだ。
飲み物もでねぇ。
「ケホケホ」
「?」
自分でキッチンへ行き、冷蔵庫から麦茶を出してコップに注いで戻った。
「あぁ! し、失礼しましたぁ!」
「いいって」
ちょっと気まずい雰囲気が流れた。
「じゃあ、六花に顔を出すな」
「は、はい! どうぞ!」
キッチが俺を寝室へ案内する。
「トラぁー! 来てくれたんだぁー!」
六花が嬉しそうな顔で笑った。
やっぱり誰も六花に俺が来たことを伝えてねぇ。
もうこいつらは普通の精神状態ではないことを理解していた。
タケやよしこたち幹部が慌てて立ち上がって俺に挨拶する。
吹雪が俺に駆け寄って抱き着いて来た。
六花の傍に寄って、二人とも抱き締めた。
「よう、元気そうだな」
「はい! 今来たんですか?」
「それがよ、30分前に着いて、下で食事をしてたんだ」
「なんで! すぐに来て下さいよ!」
「悪かったな。俺が来たらお前が迎えに出ようとすると思ったからさ」
「当たり前じゃない!」
「まあな。でも、全然心配なかったな」
「?」
タケたちが流石に気付いてうつむいた。
みんな俺に謝って来る。
「冗談だって。だけどお前ら、ずっとここにいんのかよ?」
「はい、総長が寝たければいつでもご自由にと言ってます」
「寝られるわけねぇだろう!」
『!』
慌ててみんな出て行った。
六花を抱き締めてキスをする。
「お前も遠慮しないで言えよ」
「うん、でも大丈夫だよ?」
「そうかよ。まあ、俺もちょっと疲れた。一緒に寝よう」
「うん!」
六花が美しい顔で微笑んで俺を見ていた。
「なんだよ?」
「うん、来てくれて嬉しい」
「俺もお前の顔が見れて嬉しいよ」
「うん!」
六花が横になってまだ俺を見ている。
「ねえ、子どもの名前」
「ああ、顔を見てからな。一緒に考えよう」
「トラの決めた名前がいい」
「一緒に見てからだ。俺たちの子どもなんだからな」
「でも……」
俺は六花の額を撫でた。
実は決めてはいないのだが、俺の中でまたある名前がずっと浮かんでいた。
でも、六花と話して決めたいと思っている。
俺が服を脱いで一緒に横になると、六花はすぐに寝息をたてた。
やはり、あいつらがいると眠れなかったのだろう。
吹雪も俺の隣で横になった。
「もうすぐお兄ちゃんになるな」
「うん!」
「弟だ。可愛がってやれ」
「はい!」
吹雪が美しく笑った。
六花の愛情を目一杯に注がれた吹雪だ。
きっと優しい兄になるだろう。
俺たちは夕方まで眠った。
六花に食欲を聞いて、一緒に下に降りた。
俺は餡かけカタ焼きそばとホイコーロー、吹雪は中華そばを頼んだ。
六花の分は俺が作ることにした。
エビとマイタケ、ほうれん草の中華がゆだ。
小鉄が俺の手元をずっと見ている。
「ほうれん草はよく洗って、下の部分も一緒に茹でろ」
「はい!」
「一番栄養が入っているからな。美味くはないんで、器には入れるな。このゆで汁でスープを作る。乾燥シイタケと鶏骨で出汁を採る。煮詰めるとエグ味が出るから気を付けろ」
「はい!」
「醤油で味の調整だ。最後にスリ胡麻を振って、梅干を乗せて完成だ」
「美味そうですね!」
「お前もちょっと食べてみろ」
「はい!」
少し多めに作ったので、小鉄と吹雪にも少し器に盛る。
六花が嬉しそうにレンゲで掬って口に入れた。
「おいしー!」
「そうか」
食事をしながら、病院やうちの状況を話した。
まあ、毎日いろいろと話してはいるのだが。
「今日も響子の部屋に茜と葵が来ててよ」
「いつも一緒ですね」
「まあ、助かるんだけどな。響子も寂しがらないし」
「そうですか!」
響子が楽しそうにしていると聞いて、六花も嬉しそうだ。
「栞の所へもよく行っているらしい。響子も忙しいよ」
「アハハハハハハハ!」
士王が響子パイを狙ってレイに手ひどくやられた話をすると、六花が爆笑した。
「いきなり見えない衝撃で吹っ飛んでよ。咄嗟に葵が受け止めてくれて助かったぜ」
「アハハハハハハハ!」
「でもよ、その後で泣き出して、響子がレイに「やりすぎた」って怒ってた。それで士王を抱き締めてやってさ」
「ああ、じゃあ」
「おお、響子パイを揉んでた」
「アハハハハハハハ!」
「その後でまたぶっ飛ばされてなぁ。今度は葵も助けなかった」
「スゴイですね!」
テーブルを囲んでいたタケたち幹部も爆笑していた。
「吹雪もね、外へ連れ出すと大変なんですよ」
「そうなのか」
「はい。「紫苑六花公園」なんかじゃ人が寄って来て。吹雪って、信じられないほど綺麗な顔じゃないですか」
「そうだよなぁ」
「写真とかもバンバン撮られてます。不味いですか?」
「いいよ。でも、こいつが成長したら大変だろうなぁ」
「はぁ。あたしらもちょっと心配です」
「うん」
吹雪は意味も分からずにニコニコしている。
まあ、こういう奴だ。
六花と同じで天真爛漫な性格だ。
あまりにも愛情を注がれているので、この世界をとことん信じ切っている。
純粋と言う以上に強固な信念にまで構築されている。
こういう子どもが、一体どのように成長していくのか楽しみだ。
俺もお袋と親父に愛情を注がれて育った。
そのことが俺に強大な何かを創り上げたと確信している。
夕飯を終え、そろそろ上に上がろうかという時。
「あ!」
六花が立ち止まって叫んだ。
「どした?」
「陣痛ぅ!」
「あんだとぉー!」
大騒ぎになった。
タケがすぐに電話を始めた。
おお、流石に六花の出産の段取り決めていたか。
俺は六花を抱きながら椅子に座らせ、更に他の椅子を集めて並べた。
六花を寝かせようと思ったのだ。
「「紅六花」、全員集合! 総長が御出産だぁ!」
「おい!」
「急げぇー!」
「病院が先だろう!」
「ハウッ!」
タケの頭を引っぱたいて俺が自分のスマホを取り出したが、生憎六花が通っている産院の番号を知らねぇ。
よしこに言うと、よしこが慌てて自分のスマホで産院に連絡した。
「よしこ! 四輪は何がある!」
「はい、特別移送車が!」
「準備しろ!」
「はい!」
よしこが走って出て、俺は六花を抱いてゆっくりと外へ出た。
よしこがもう一度中へ入った。
なんだ?
「特別移送車のキー!」
「……」
なんなんだ。
吹雪が六花を抱える俺の腕を掴んでいた。
「心配するな。もうすぐ生まれるぞ」
「はい!」
ニコニコ顔ではないが、不安そうな顔でもない。
俺と六花を信じている。
よしこが特別移送車のエンジンをふかし、俺は後部ドアから六花をそっと入れた。
4人乗りのもので、後部がベッドにもなる仕様だ。
隣に座るとよしこが言う。
「行きます!」
「安全運転でな!」
「もちろんです!」
アクセルを踏み、向かいの車にぶつけかける。
「俺が運転する! どけ!」
「すいません!」
まったくぅー。
吹雪を六花の隣に座らせ、よしこは助手席に座った。
「お前、別にいらねぇんだけど」
「そ、そんなことおっしゃらずにぃ!」
「しょうがねぇ」
俺は笑って特別移送車を発進させた。
「紅六花」の連中は大興奮過ぎてあてにならねぇ。
俺がしっかりしなければ。
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