2,695 / 2,840
不死者の軍「グレイプニル」 Ⅵ
しおりを挟む
降下してから4時間が経った。
まだ地下1キロといったところか。
《ハイヴ》は様々だが、2キロ以下ということはない。
俺と聖で強襲した《ハイヴ》では一気に最下層まで穴を空けて突入した。
今回は《ハイヴ》の内部構造と研究機器などを詳細に調べるため、下層への侵入を慎重にしていたため、これだけの時間を要している。
それでも、俺の感覚では相当に早い。
レベル7のこの《ハイヴ》は、中にいる敵も相当に強いし多い。
最上層の《地獄の悪魔》は予想外だったし、その下の敵も《地獄の悪魔》ではなかったが、各々が強い連中が配備されていた。
それらを「グレイプニル」の兵士が簡単に平らげて行ったのだ。
ルイーサが何となく不満そうな顔をしていたので黙っていたが、俺は「グレイプニル」の兵士たちに満足していた。
一度休憩をさせてやりたかった。
「おい、そろそろ休憩にしないか?」
「必要無い。あ奴らは1ヶ月はこのまま活動出来る」
「俺が腹減ったんだよ!」
ルイーサが苦い顔をして食事の用意を命じた。
何が出て来るかと思ったが、10人が掛けられるでかいテーブルが用意され、次々に皿が並べられていく。
どっから持って来た?
椅子は俺とルイーサの分だけだ。
離れた場所で温められた料理が盛られて行く。
そういう用意まであった。
ここは戦場なのだが。
「おい、こんな豪華な食事なのかよ!」
「美獣を連れているのだ。当然だろう」
「俺、いつもレーションか握り飯だぞ?」
「それは食事ではないな」
「おい!」
どれほど無駄な荷物を持って来ているのか。
まあ、「グレイプニル」にとっては何のこともなかっただろうが。
俺は食事を始めたが、ルイーサが不満げな顔をしている。
他の連中は士官たちが打ち合わせをし、他の兵士たちは各々次の準備をしている。
全然休憩じゃねぇ。
何事か考えているルイーサに問うた。
「何か感じているのか?」
「そうではない。わが僕たちの不甲斐なさだ」
「おい、十分にやっているだろう」
「遅すぎる。もう最下層の敵を平らげている予定だった」
「それは無理だぜ。ここはレベル7のハイレベルの《ハイヴ》なんだ」
「ふん、われにとっては他愛のない遊園地よ」
「そうだってよ、これで十分以上だぜ」
「美獣に言われては仕方がないな」
そうは言ってもルイーサは機嫌が悪かった。
ルイーサは攻略のスピードが遅いと感じているようだったが、俺が連れているデュールゲリエたちの調査の進捗を考えると丁度良かった。
まあ、俺がルイーサに頼んだのは《ハイヴ》の攻略だったので、不満は分かるのだが。
単に敵を撃破して《ハイヴ》を潰すだけならば、もっと早く終わっているに違いない。
だが、なるべく研究施設やシステムを破壊しないで行くやり方なので、このペースは十分に早いのだ。
一度床に穴を空け、下の階層をある程度把握してから本格的な大穴を空ける。
そうやってここまで来たのだ。
機材や構造を無駄に壊さないためには必要な措置だった。
食事を終え紅茶を飲んでいると、やはりルイーサが我慢できずに叫んだ。
「美獣、ここからはわれがやる」
「おい、重要な施設を破壊してもらっちゃ困るんだ」
「われに任せよ。お前が満足するようにやる」
「大丈夫かよ?」
ルイーサが微笑んで立ち上がった。
その美し過ぎる顔を見ては、俺も強くは言えなかった。
やはり、この女にも惚れているのだ。
ルイーサが立ち上がったことで、「グレイプニル」の400人全てが壁の端に整列した。
俺には分からないが、ルイーサの眷族はルイーサから特別な指示を何らかの方法で受け取れるようだった。
それは「グレイプニル」の動きを観ていると分かる。
時々、指揮官のヴェンダーの指示とは違う動きがあり、その度にヴェンダーがルイーサに向けて頭を下げていた。
恐らくはヴェンダーや兵士同士も何らかの意思疎通の手段があるのだろうと感じた。
ノスフェラトゥの特殊性だ。
ルイーサが「グレイプニル」の兵士たちに向かって言った。
「お前たちには失望した。われの連れ合いである美獣がいるというのに、何たる体たらくか」
おい!
「美獣もお前たちの力を見くびっている」
びってねぇよ!
「ここからは一気に行くぞ」
ルイーサの言葉で「グレイプニル」の全員が姿勢を一層正した。
何をするのかとも思ったが、もうこうなってはルイーサに任せるしかない。
この《ハイヴ》はいろいろと調べたかったのだが、ルイーサに任せるしかないかと思い始めていた。
ルイーサから立ち上る闘気が尋常な量ではなかったからだ。
ルイーサがあのスケールメイルの豪奢なドレスのまま空中に跳ね、舞を舞った。
そして床の中心に立ち、両手を伸ばして下に向けた。
ルイーサの身体が輝き、「グレイプニル」の連中が感嘆の唸り声を挙げた。
その瞬間、ルイーサの足元が爆発し、轟音が響き続けた。
数分それは続き、ルイーサの輝きが納まる頃に轟音も消えた。
ルイーサは空中に浮いたままであり、その足下に20メートルの真円の穴が空いていた。
十メートル以上の厚さの床は、切断面が鮮やかに磨き上げられたかのような切り口になっていた。
「グレイプニル」の全員がルイーサのことを褒め称えていた。
ルイーサは両手を拡げ、皆を黙らせた。
「美獣の血のお陰で、これほどの《ローザヘル(薔薇地獄)》を撃ち出せたぞ。皆、観たであろうな」
また歓声が響く。
「美獣、お前にわれの最上の戦いを捧げよう! われらは必ず勝つぞ!」
大歓声。
「お、おう」
よく分かんないんですけどー。
下層に行ったデュールゲリエの一体が戻って来て俺に言った。
「石神様、中心部が全て消滅しています」
「ああ、そうだな」
「恐らくは重要な施設や機材は中心部に多くあったようでして」
「あ?」
「今回の作戦の調査面では、もうあまり成果は出ないかと」
「……」
貫通した円の縁に立ち、ルイーサは上機嫌でニコニコと笑っている。
「おう、まあ出来るだけ頼むわ」
「かしこまりました」
ルイーサが俺に寄って来た。
ニコニコだ。
「美獣、どうした? 何かあったか?」
デュールゲリエが俺に報告に来たので聞いているのだろう。
「ああ、何でもねぇ。一瞬で最下層まで大穴が空いたんで驚いているようだぜ」
「フフフ、当然だ。われの力を振るったのだから」
「流石だな!」
「あまり褒めるな。まだまだ全力でもないのだしな」
「そうなのかよ!」
俺、泣きてぇよ!
「最下層の大妖魔も殺してくれたぞ。呆気ないものだな」
「ここのは随分と強かっただろうに!」
「フフフ、われの前では何ほどのものでもない。一瞬だ」
「そうなのか! すげぇな!」
「ワハハハハハハハ!」
あのー、だからー。
「まあ、われに任せておればよい。今回は美獣は楽しんでくれ」
「おう! ありがとうな!」
「よいよい」
楽しくねぇんだけどー。
《ニルヴァーナ》の情報を掴みたかったんだけどー。
まあ、俺と聖の時もひでぇもんだった。
最初はしょうがねぇか。
しかし、うちにはぶっ壊す一方の連中が多すぎだぜぇ。
俺とルイーサで最下層まで降り、ひしゃげて無様に死んでいる5体の《地獄の悪魔》見た。
ルイーサと大笑いし、俺はルイーサを抱き締めて褒め称えた。
ルイーサが満足そうな顔で俺にキスをした。
もう、これでいいや。
まだ地下1キロといったところか。
《ハイヴ》は様々だが、2キロ以下ということはない。
俺と聖で強襲した《ハイヴ》では一気に最下層まで穴を空けて突入した。
今回は《ハイヴ》の内部構造と研究機器などを詳細に調べるため、下層への侵入を慎重にしていたため、これだけの時間を要している。
それでも、俺の感覚では相当に早い。
レベル7のこの《ハイヴ》は、中にいる敵も相当に強いし多い。
最上層の《地獄の悪魔》は予想外だったし、その下の敵も《地獄の悪魔》ではなかったが、各々が強い連中が配備されていた。
それらを「グレイプニル」の兵士が簡単に平らげて行ったのだ。
ルイーサが何となく不満そうな顔をしていたので黙っていたが、俺は「グレイプニル」の兵士たちに満足していた。
一度休憩をさせてやりたかった。
「おい、そろそろ休憩にしないか?」
「必要無い。あ奴らは1ヶ月はこのまま活動出来る」
「俺が腹減ったんだよ!」
ルイーサが苦い顔をして食事の用意を命じた。
何が出て来るかと思ったが、10人が掛けられるでかいテーブルが用意され、次々に皿が並べられていく。
どっから持って来た?
椅子は俺とルイーサの分だけだ。
離れた場所で温められた料理が盛られて行く。
そういう用意まであった。
ここは戦場なのだが。
「おい、こんな豪華な食事なのかよ!」
「美獣を連れているのだ。当然だろう」
「俺、いつもレーションか握り飯だぞ?」
「それは食事ではないな」
「おい!」
どれほど無駄な荷物を持って来ているのか。
まあ、「グレイプニル」にとっては何のこともなかっただろうが。
俺は食事を始めたが、ルイーサが不満げな顔をしている。
他の連中は士官たちが打ち合わせをし、他の兵士たちは各々次の準備をしている。
全然休憩じゃねぇ。
何事か考えているルイーサに問うた。
「何か感じているのか?」
「そうではない。わが僕たちの不甲斐なさだ」
「おい、十分にやっているだろう」
「遅すぎる。もう最下層の敵を平らげている予定だった」
「それは無理だぜ。ここはレベル7のハイレベルの《ハイヴ》なんだ」
「ふん、われにとっては他愛のない遊園地よ」
「そうだってよ、これで十分以上だぜ」
「美獣に言われては仕方がないな」
そうは言ってもルイーサは機嫌が悪かった。
ルイーサは攻略のスピードが遅いと感じているようだったが、俺が連れているデュールゲリエたちの調査の進捗を考えると丁度良かった。
まあ、俺がルイーサに頼んだのは《ハイヴ》の攻略だったので、不満は分かるのだが。
単に敵を撃破して《ハイヴ》を潰すだけならば、もっと早く終わっているに違いない。
だが、なるべく研究施設やシステムを破壊しないで行くやり方なので、このペースは十分に早いのだ。
一度床に穴を空け、下の階層をある程度把握してから本格的な大穴を空ける。
そうやってここまで来たのだ。
機材や構造を無駄に壊さないためには必要な措置だった。
食事を終え紅茶を飲んでいると、やはりルイーサが我慢できずに叫んだ。
「美獣、ここからはわれがやる」
「おい、重要な施設を破壊してもらっちゃ困るんだ」
「われに任せよ。お前が満足するようにやる」
「大丈夫かよ?」
ルイーサが微笑んで立ち上がった。
その美し過ぎる顔を見ては、俺も強くは言えなかった。
やはり、この女にも惚れているのだ。
ルイーサが立ち上がったことで、「グレイプニル」の400人全てが壁の端に整列した。
俺には分からないが、ルイーサの眷族はルイーサから特別な指示を何らかの方法で受け取れるようだった。
それは「グレイプニル」の動きを観ていると分かる。
時々、指揮官のヴェンダーの指示とは違う動きがあり、その度にヴェンダーがルイーサに向けて頭を下げていた。
恐らくはヴェンダーや兵士同士も何らかの意思疎通の手段があるのだろうと感じた。
ノスフェラトゥの特殊性だ。
ルイーサが「グレイプニル」の兵士たちに向かって言った。
「お前たちには失望した。われの連れ合いである美獣がいるというのに、何たる体たらくか」
おい!
「美獣もお前たちの力を見くびっている」
びってねぇよ!
「ここからは一気に行くぞ」
ルイーサの言葉で「グレイプニル」の全員が姿勢を一層正した。
何をするのかとも思ったが、もうこうなってはルイーサに任せるしかない。
この《ハイヴ》はいろいろと調べたかったのだが、ルイーサに任せるしかないかと思い始めていた。
ルイーサから立ち上る闘気が尋常な量ではなかったからだ。
ルイーサがあのスケールメイルの豪奢なドレスのまま空中に跳ね、舞を舞った。
そして床の中心に立ち、両手を伸ばして下に向けた。
ルイーサの身体が輝き、「グレイプニル」の連中が感嘆の唸り声を挙げた。
その瞬間、ルイーサの足元が爆発し、轟音が響き続けた。
数分それは続き、ルイーサの輝きが納まる頃に轟音も消えた。
ルイーサは空中に浮いたままであり、その足下に20メートルの真円の穴が空いていた。
十メートル以上の厚さの床は、切断面が鮮やかに磨き上げられたかのような切り口になっていた。
「グレイプニル」の全員がルイーサのことを褒め称えていた。
ルイーサは両手を拡げ、皆を黙らせた。
「美獣の血のお陰で、これほどの《ローザヘル(薔薇地獄)》を撃ち出せたぞ。皆、観たであろうな」
また歓声が響く。
「美獣、お前にわれの最上の戦いを捧げよう! われらは必ず勝つぞ!」
大歓声。
「お、おう」
よく分かんないんですけどー。
下層に行ったデュールゲリエの一体が戻って来て俺に言った。
「石神様、中心部が全て消滅しています」
「ああ、そうだな」
「恐らくは重要な施設や機材は中心部に多くあったようでして」
「あ?」
「今回の作戦の調査面では、もうあまり成果は出ないかと」
「……」
貫通した円の縁に立ち、ルイーサは上機嫌でニコニコと笑っている。
「おう、まあ出来るだけ頼むわ」
「かしこまりました」
ルイーサが俺に寄って来た。
ニコニコだ。
「美獣、どうした? 何かあったか?」
デュールゲリエが俺に報告に来たので聞いているのだろう。
「ああ、何でもねぇ。一瞬で最下層まで大穴が空いたんで驚いているようだぜ」
「フフフ、当然だ。われの力を振るったのだから」
「流石だな!」
「あまり褒めるな。まだまだ全力でもないのだしな」
「そうなのかよ!」
俺、泣きてぇよ!
「最下層の大妖魔も殺してくれたぞ。呆気ないものだな」
「ここのは随分と強かっただろうに!」
「フフフ、われの前では何ほどのものでもない。一瞬だ」
「そうなのか! すげぇな!」
「ワハハハハハハハ!」
あのー、だからー。
「まあ、われに任せておればよい。今回は美獣は楽しんでくれ」
「おう! ありがとうな!」
「よいよい」
楽しくねぇんだけどー。
《ニルヴァーナ》の情報を掴みたかったんだけどー。
まあ、俺と聖の時もひでぇもんだった。
最初はしょうがねぇか。
しかし、うちにはぶっ壊す一方の連中が多すぎだぜぇ。
俺とルイーサで最下層まで降り、ひしゃげて無様に死んでいる5体の《地獄の悪魔》見た。
ルイーサと大笑いし、俺はルイーサを抱き締めて褒め称えた。
ルイーサが満足そうな顔で俺にキスをした。
もう、これでいいや。
1
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
こずえと梢
気奇一星
キャラ文芸
時は1900年代後期。まだ、全国をレディースたちが駆けていた頃。
いつもと同じ時間に起き、同じ時間に学校に行き、同じ時間に帰宅して、同じ時間に寝る。そんな日々を退屈に感じていた、高校生のこずえ。
『大阪 龍斬院』に所属して、喧嘩に明け暮れている、レディースで17歳の梢。
ある日、オートバイに乗っていた梢がこずえに衝突して、事故を起こしてしまう。
幸いにも軽傷で済んだ二人は、病院で目を覚ます。だが、妙なことに、お互いの中身が入れ替わっていた。
※レディース・・・女性の暴走族
※この物語はフィクションです。
~後宮のやり直し巫女~私が本当の巫女ですが、無実の罪で処刑されたので後宮で人生をやり直すことにしました
深水えいな
キャラ文芸
無実の罪で巫女の座を奪われ処刑された明琳。死の淵で、このままだと国が乱れると謎の美青年・天翼に言われ人生をやり直すことに。しかし巫女としてのやり直しはまたしてもうまくいかず、次の人生では女官として後宮入りすることに。そこで待っていたのは怪事件の数々で――。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる