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「ルート20」の資金
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タカさんが「ルート20」の榎本さんのお宅から帰って来た。
ニコニコしていて、機嫌が良さそうだぞー!
そりゃそうだ、なんたって「ルート20」の仲間なんだから!
私も何だか嬉しくなって、昼食を食べてからずっとタカさんにくっついていた。
タカさんもウザがらずに相手してくれる。
ロボもベッタリだ。
私がタカさんの膝に乗っても、今日はどかされなかった。
すっごいぞー!
地下でタカさんがギターを弾き、ロボと一緒にうっとり聴いていた。
タカさんが休憩し、榎本さんの家でのことを話してくれた。
おじいちゃんのお話は爆笑だった。
話している最中も、タカさんは御機嫌だった。
榎本さんの凄いお話も聞いた。
私も知らなかったことだ。
やっぱ、「ルート20」はみなさん最高だ。
「まあ、あいつらと会うのはいつだって楽しいんだけどよ」
「そうですよね!」
「でもなぁ、みんな俺に謝りたいって言うから参るんだよなぁ」
「あー、それはあるでしょうね」
みなさん、タカさんが一番苦しかった時に何も出来なかったと思っている。
それはタカさんの中では何も無いんだけど、やっぱり気になるというみなさんの気持ちももちろん分かる。
みんな、タカさんのことが大好きだったんだ。
タカさんの力で「ルート20」は大きくなって、そして熱い集団になった。
そのことを思わない人間はいないだろう。
だからタカさんが苦しんでいたことを、みんな今でも忘れないのだ。
「みんなガキだったんだ。何も出来るはずはねぇんだよなぁ」
「はぁ。でも、「ルート20」なんですから! タカさんのために何かしたかったんでしょう」
「まあ、分からないじゃないけどな」
「タカさんが反対の立場だったら、同じでしょう?」
「そうだな」
タカさんがニッコリ笑った。
私はふと思った。
「ねえ、タカさん」
「あんだよ?」
「そういえば今更なんですけど」
「だからなんだ?」
聞いちゃってもいいのかなー。
「「ルート20」って、結構お金持ってたんですよね?」
「あ?」
タカさんは全然受け取らなかったけど、敵対チームを潰すたびに、上納金というか、詫びのお金を受け取っていた。
具体的な金額は聞いたことは無いけど、一回に数百万になってたこともあったと聞いている。
そういうことが幾つもあったのだから、相当なお金が溜まっていたんじゃないかと思う。
「ほら、金庫番の木村さんがしっかり管理してたって言ってたじゃないですか」
「ああ、そうだな」
「そのお金ってどうしたんですか?」
「なんだよ、急に」
まあ、聴いちゃえ。
「あの、タカさんがお金がなくなった時に、そのお金を……」
「ああ、そういうことか」
タカさんが、ちょっと苦笑した。
「チームの金だ。俺のものじゃないよ」
「でも! みんなタカさんの力になりたかったんですよね?」
「うーん、まあそうなんだろうけどなぁ」
「何で……」
タカさんが笑って答えた。
「無かったんだよ、もう」
「え?」
「みんな使っちまった。だから残ってなかったんだ」
「でも!」
「いいじゃねぇか、そんなことは」
「え、はい……私なんかが口を出すようなことじゃないのは……」
「な、もういいだろう」
タカさんがまたギターを弾き始めた。
もうこの話題は終わりということだ。
やっぱり私なんかが聞いていいような話じゃないんだろうな。
私も別に気にしないで、タカさんの素敵なギターを聴いていた。
その後で、今年のバレンタインデーの話をタカさんから聞いた。
タカさんは断固現物チョコレートの受け取りを断っていたそうだけど、広報課と秘書課の方々が頑強で、ついに受け取ることにしたそうだ。
でも、1億人に1つという破格の条件で、タカさんもそれならば幾つでもないだろうと言っていた。
去年は80億人以上の応募があって、世界人口を超えるアホな結末になったけど、それだって80個だ。
その数なら、なんならうちだけでも処分出来る。
「今年はよ、一江に厳重に言い聞かせて、去年みたいなインチキは絶対にさせねぇからな」
「あー、《セラフィム》を使ったんですよねー」
「そうだ。だから今年は《アイオーン》にも見張らせて、インチキはさせないようにする」
「なるほどー!」
なんとなく、不安なことはあるけど、私もうなずいた。
まー、毎年のお祭りみたいなもんだしなー。
夕飯はおでんにした。
タカさんの大好物の「ちくわぶ」も一杯ある。
うちはみんなも「ちくわぶ」が大好きだ。
柳さんも嬉しそうにいっぱい食べた。
「ちくわぶ」は真っ先に無くなり、みんなでハッとする。
いつもの、夢中で食べてタカさんの分が無くなる最悪のパターンだぁ!
タカさんの方を見たら、タカさんが笑ってた。
「タカさん、すいません!」
「いいよ、好きなように喰えよ。俺は別におでんはみんな好きだしな」
タカさん、機嫌いいなー!
もちろん、他の具もみんな美味しい。
今日はタカさんの案で、シメでウドンにした。
絶品に美味しかった。
「これからもおでんを一杯やろうよ!」
「そうだね、ウドンのシメって美味しいよね!」
「これまでどうしてやんなかったんだろう!」
「石神さんのお陰だね!」
「「「「タカさん、ありがとー!」」」」
「おう!」
タカさんが明るく笑った。
本当にたくさんあった「ちくわぶ」が真っ先になくなり、他にも一杯あった具材もほとんど無くなった。
タカさんはゆっくり食べてて、私たちが夢中なのを嬉しそうに見ていた。
自分が食べたいからって、私たちに遠慮しろと言ったことはない。
まー、全部食べちゃって怒られることがあるだけだ。
タカさんは、そういう人だ。
自分はちょっとだけで、あとは他人に喜んで欲しい、他人のためになりたい。
なんなら、最初から自分は何もいらないって人だ。
私たちはみんな知ってる。
そんなタカさんが大好きですよー!
ニコニコしていて、機嫌が良さそうだぞー!
そりゃそうだ、なんたって「ルート20」の仲間なんだから!
私も何だか嬉しくなって、昼食を食べてからずっとタカさんにくっついていた。
タカさんもウザがらずに相手してくれる。
ロボもベッタリだ。
私がタカさんの膝に乗っても、今日はどかされなかった。
すっごいぞー!
地下でタカさんがギターを弾き、ロボと一緒にうっとり聴いていた。
タカさんが休憩し、榎本さんの家でのことを話してくれた。
おじいちゃんのお話は爆笑だった。
話している最中も、タカさんは御機嫌だった。
榎本さんの凄いお話も聞いた。
私も知らなかったことだ。
やっぱ、「ルート20」はみなさん最高だ。
「まあ、あいつらと会うのはいつだって楽しいんだけどよ」
「そうですよね!」
「でもなぁ、みんな俺に謝りたいって言うから参るんだよなぁ」
「あー、それはあるでしょうね」
みなさん、タカさんが一番苦しかった時に何も出来なかったと思っている。
それはタカさんの中では何も無いんだけど、やっぱり気になるというみなさんの気持ちももちろん分かる。
みんな、タカさんのことが大好きだったんだ。
タカさんの力で「ルート20」は大きくなって、そして熱い集団になった。
そのことを思わない人間はいないだろう。
だからタカさんが苦しんでいたことを、みんな今でも忘れないのだ。
「みんなガキだったんだ。何も出来るはずはねぇんだよなぁ」
「はぁ。でも、「ルート20」なんですから! タカさんのために何かしたかったんでしょう」
「まあ、分からないじゃないけどな」
「タカさんが反対の立場だったら、同じでしょう?」
「そうだな」
タカさんがニッコリ笑った。
私はふと思った。
「ねえ、タカさん」
「あんだよ?」
「そういえば今更なんですけど」
「だからなんだ?」
聞いちゃってもいいのかなー。
「「ルート20」って、結構お金持ってたんですよね?」
「あ?」
タカさんは全然受け取らなかったけど、敵対チームを潰すたびに、上納金というか、詫びのお金を受け取っていた。
具体的な金額は聞いたことは無いけど、一回に数百万になってたこともあったと聞いている。
そういうことが幾つもあったのだから、相当なお金が溜まっていたんじゃないかと思う。
「ほら、金庫番の木村さんがしっかり管理してたって言ってたじゃないですか」
「ああ、そうだな」
「そのお金ってどうしたんですか?」
「なんだよ、急に」
まあ、聴いちゃえ。
「あの、タカさんがお金がなくなった時に、そのお金を……」
「ああ、そういうことか」
タカさんが、ちょっと苦笑した。
「チームの金だ。俺のものじゃないよ」
「でも! みんなタカさんの力になりたかったんですよね?」
「うーん、まあそうなんだろうけどなぁ」
「何で……」
タカさんが笑って答えた。
「無かったんだよ、もう」
「え?」
「みんな使っちまった。だから残ってなかったんだ」
「でも!」
「いいじゃねぇか、そんなことは」
「え、はい……私なんかが口を出すようなことじゃないのは……」
「な、もういいだろう」
タカさんがまたギターを弾き始めた。
もうこの話題は終わりということだ。
やっぱり私なんかが聞いていいような話じゃないんだろうな。
私も別に気にしないで、タカさんの素敵なギターを聴いていた。
その後で、今年のバレンタインデーの話をタカさんから聞いた。
タカさんは断固現物チョコレートの受け取りを断っていたそうだけど、広報課と秘書課の方々が頑強で、ついに受け取ることにしたそうだ。
でも、1億人に1つという破格の条件で、タカさんもそれならば幾つでもないだろうと言っていた。
去年は80億人以上の応募があって、世界人口を超えるアホな結末になったけど、それだって80個だ。
その数なら、なんならうちだけでも処分出来る。
「今年はよ、一江に厳重に言い聞かせて、去年みたいなインチキは絶対にさせねぇからな」
「あー、《セラフィム》を使ったんですよねー」
「そうだ。だから今年は《アイオーン》にも見張らせて、インチキはさせないようにする」
「なるほどー!」
なんとなく、不安なことはあるけど、私もうなずいた。
まー、毎年のお祭りみたいなもんだしなー。
夕飯はおでんにした。
タカさんの大好物の「ちくわぶ」も一杯ある。
うちはみんなも「ちくわぶ」が大好きだ。
柳さんも嬉しそうにいっぱい食べた。
「ちくわぶ」は真っ先に無くなり、みんなでハッとする。
いつもの、夢中で食べてタカさんの分が無くなる最悪のパターンだぁ!
タカさんの方を見たら、タカさんが笑ってた。
「タカさん、すいません!」
「いいよ、好きなように喰えよ。俺は別におでんはみんな好きだしな」
タカさん、機嫌いいなー!
もちろん、他の具もみんな美味しい。
今日はタカさんの案で、シメでウドンにした。
絶品に美味しかった。
「これからもおでんを一杯やろうよ!」
「そうだね、ウドンのシメって美味しいよね!」
「これまでどうしてやんなかったんだろう!」
「石神さんのお陰だね!」
「「「「タカさん、ありがとー!」」」」
「おう!」
タカさんが明るく笑った。
本当にたくさんあった「ちくわぶ」が真っ先になくなり、他にも一杯あった具材もほとんど無くなった。
タカさんはゆっくり食べてて、私たちが夢中なのを嬉しそうに見ていた。
自分が食べたいからって、私たちに遠慮しろと言ったことはない。
まー、全部食べちゃって怒られることがあるだけだ。
タカさんは、そういう人だ。
自分はちょっとだけで、あとは他人に喜んで欲しい、他人のためになりたい。
なんなら、最初から自分は何もいらないって人だ。
私たちはみんな知ってる。
そんなタカさんが大好きですよー!
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