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皇紀&風花 結婚式 Ⅶ
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さて、披露宴(だったの?)のショーや仕合の演目が終わり、来賓たちからのプレゼントが公表された。
これが大問題だったよー!
まずローマ教皇から、大きな錫杖をもらった。
3メートルもの大きな箱を10人掛かりで静々と運ばれて来てびっくりした。
蓋が開けられると、中に長さ2メートル以上の錫杖が入っていて、先端に大きな宝玉と装飾が付いている。
なんでも、秘宝の一つらしい。
そんなものもらって、どうするんだよー!
僕が持たされて恥ずかしかった。
「大銀河連合」のグランマザーさんからは、銀河系内ならばどこでも行ける中距離シップ(使わないよー! タカさんはもっといいのを貰ってるらしい)。
斬さんからは「24時間挑戦権」(死んじゃうよー!)。
虎白さんからは「1000日鍛錬権」(……)。
レジーナ様からは、黒い謎の鉱物で作られた物凄い装飾の短剣。
「それを見せれば、我の友として全てのノスフェラトゥがお前に協力する」
「あ、ありがとうございます(なに?)」
「黒小人共に作らせた逸品だ」
「ありがとうございます(黒小人ってなに?)」
ノスフェラトゥの人たちって、どこにいるんだろう?
聖さんはタカさんと僕たちと姉や妹たちのリヤドロの焼物をくれた。
非常に美しい物で意外だった。
「トラに、時々こういう人形をもらってるんだ」
「そうなんですか!」
「それとこれも」
「はい?」
大き目の細長いケースに仕舞われたもので、開けるとクックリナイフが出て来た。
「トラが18歳の時に使っていたものだ」
「え!」
「お前に一つやる」
「いいんですか!」
「ああ」
聖さんにとっても、大事な品だろう。
傭兵を引退するタカさんが、聖さんに預けたに違いない。
物凄く嬉しかった。
タカさんの大切な思い出の品ということはもちろんだけど、聖さんが僕のことを「それを預けるに足る」と思ってくれたことだ。
道間家からは精力増強のお酒(ありがとー! 容れ物は子宝祈願と安産祈願の御守りになってるらしい)。
蓮花さんからは小さな電動移動車を貰った。
「お子さんの移動に使って下さい」
「ありがとうございます」
風花さんの屋敷は広いからなー。
お姉ちゃん、柳さん、ルーとハーからは、僕たちの家の模型をもらった。
ウッドデッキに、タカさんやみんながいる。
素敵な贈り物だった。
ロックハート家からは、3メートルの幅の大きなレリーフを頂いた。
僕と風花さんが彫り込まれている見事なものだった。
院長先生ご夫妻からは、大きなテーブルを貰った。
うちのリヴィングにあるものと同じサイズだ。
お姉ちゃんが喜んだ。
「石神家はこれが無いとね!」
「うん!」
そうか、これからは僕がタカさんの立場になるんだ。
「皇紀君たちが、これからあの大きなテーブルを一杯にして欲しい」
「ありがとうございます!」
本当に嬉しかった。
御堂さんは金細工の僕と風花さんの像を下さった。
早乙女さんはステンドグラスの僕と風花さんを。
タカさんが懇意にしているガラス工房に頼んで下さったそうだ。
「紅六花」のみなさんからは、「紅六花」の革のライダースーツをもらった。
僕たちも「紅六花」のメンバーにしてくれるということだ。
大きな色紙もいただき、メンバーの方々の祝いの言葉があった。
諸見さんが、僕と風花さんの絵を下さった。
「自分、気の利かない男なもんで、申し訳ありません」
「そんなことは! 本当に嬉しいです!」
スケッチブックも一緒にくれて、石神家の人間や当時家を作ってくれた千万組の方々、レイ、ロボ、それに、アラスカでの綺麗な景色など。
嬉しくて泣きそうになった。
諸見さんの心を尽くしたプレゼントだった。
タカさんからは、琵琶湖の畔の別荘をいただいた。
各国の国家主席や組織の長の方々から、また膨大な贈り物があり、イギリスからは名誉子爵の叙爵まで頂いた(つかわないよー)。
高価な絵画や調度品、宝石やその他のとんでもない貴重な品々。
受け取るだけで5時間以上掛かった。
僕と風花さんへの進物だけど、もちろんタカさんと「虎」の軍への忠誠を誓う意味もある。
風花さんの家は大きいから、なんとか納まるかなー。
ロボが僕をジッと見ていた。
「ロボ?」
瞬間に消え、すぐに戻って来た。
ピンク色の大きなトカゲをくわえている。
「え!」
僕たちの前にトカゲを置いた。
「これ、もしかしてくれるの?(なんだろ?)」
「にゃ」
「ありがとう!(一応嬉しいよ)」
「にゃ!」
レジーナ様が近付いて来た。
「おお! 《レプティリアン・カヴァーナ》ではないか!」
「……(なにそれ?)」
「私も1500年ぶりに見たぞ」
「……(なんです?)」
「もう地球上にはいないと思っていたがな。大したものだ」
「……(だからなに?)」
ロボに礼を言って頭を撫でた。
えーと、これ貰わなきゃいけない流れ?
「神をも殺す猛毒が摂れるぞ」
「!」
あの、物凄くコワイんですけどぉー!
後日、風花さんと一緒にタカさんがくれた琵琶湖の別荘へ行った。
風花さんの出産前に、一度見てみようということになったのだ。
琵琶湖の畔に面した広い土地が囲ってあり、木と漆喰で出来た2階建ての広い建物だった。
「ああ、素敵な建物ですね」
「うん、そうだね」
白い漆喰の壁に、木材が縦横、そして斜めにも回してある。
楽しい構造で、温かさがある。
中へ入ると、一通りの家具は揃っており、家と同じく木材を使った温かな調度品だった。
2階にリヴィングがあり、そこに入って二人で驚いた。
「皇紀さん! これ!」
「うん」
サーシャさんの300号の肖像画だった。
美しく気品のあるサーシャさんが微笑んでいる。
すぐにタカさんに電話した。
「タカさん! 今別荘にいて、リヴィングの絵を観ています!」
タカさんが笑っていた。
「おう、観たか」
「はい! サーシャさんですよね?」
「そうだ。俺とルーとハーで描いたんだ」
「え! そうなんですか!」
忙しいタカさんは大変だったろう。
風花さんは泣いていた。
「タカさん、今度みんなで来て下さいよ」
「いや、そこはお前たちだけでのんびり出来るように設計したからな」
確かにそれ程部屋数は無い。
僕と風花さんの寝室の他には3つほどの客間しかない。
「俺たちが行ったら手狭になるだろ?」
「増築します!」
「ワハハハハハハハ!」
タカさんが大笑いした。
タカさん、本当に素晴らしい物をありがとうございました。
これが大問題だったよー!
まずローマ教皇から、大きな錫杖をもらった。
3メートルもの大きな箱を10人掛かりで静々と運ばれて来てびっくりした。
蓋が開けられると、中に長さ2メートル以上の錫杖が入っていて、先端に大きな宝玉と装飾が付いている。
なんでも、秘宝の一つらしい。
そんなものもらって、どうするんだよー!
僕が持たされて恥ずかしかった。
「大銀河連合」のグランマザーさんからは、銀河系内ならばどこでも行ける中距離シップ(使わないよー! タカさんはもっといいのを貰ってるらしい)。
斬さんからは「24時間挑戦権」(死んじゃうよー!)。
虎白さんからは「1000日鍛錬権」(……)。
レジーナ様からは、黒い謎の鉱物で作られた物凄い装飾の短剣。
「それを見せれば、我の友として全てのノスフェラトゥがお前に協力する」
「あ、ありがとうございます(なに?)」
「黒小人共に作らせた逸品だ」
「ありがとうございます(黒小人ってなに?)」
ノスフェラトゥの人たちって、どこにいるんだろう?
聖さんはタカさんと僕たちと姉や妹たちのリヤドロの焼物をくれた。
非常に美しい物で意外だった。
「トラに、時々こういう人形をもらってるんだ」
「そうなんですか!」
「それとこれも」
「はい?」
大き目の細長いケースに仕舞われたもので、開けるとクックリナイフが出て来た。
「トラが18歳の時に使っていたものだ」
「え!」
「お前に一つやる」
「いいんですか!」
「ああ」
聖さんにとっても、大事な品だろう。
傭兵を引退するタカさんが、聖さんに預けたに違いない。
物凄く嬉しかった。
タカさんの大切な思い出の品ということはもちろんだけど、聖さんが僕のことを「それを預けるに足る」と思ってくれたことだ。
道間家からは精力増強のお酒(ありがとー! 容れ物は子宝祈願と安産祈願の御守りになってるらしい)。
蓮花さんからは小さな電動移動車を貰った。
「お子さんの移動に使って下さい」
「ありがとうございます」
風花さんの屋敷は広いからなー。
お姉ちゃん、柳さん、ルーとハーからは、僕たちの家の模型をもらった。
ウッドデッキに、タカさんやみんながいる。
素敵な贈り物だった。
ロックハート家からは、3メートルの幅の大きなレリーフを頂いた。
僕と風花さんが彫り込まれている見事なものだった。
院長先生ご夫妻からは、大きなテーブルを貰った。
うちのリヴィングにあるものと同じサイズだ。
お姉ちゃんが喜んだ。
「石神家はこれが無いとね!」
「うん!」
そうか、これからは僕がタカさんの立場になるんだ。
「皇紀君たちが、これからあの大きなテーブルを一杯にして欲しい」
「ありがとうございます!」
本当に嬉しかった。
御堂さんは金細工の僕と風花さんの像を下さった。
早乙女さんはステンドグラスの僕と風花さんを。
タカさんが懇意にしているガラス工房に頼んで下さったそうだ。
「紅六花」のみなさんからは、「紅六花」の革のライダースーツをもらった。
僕たちも「紅六花」のメンバーにしてくれるということだ。
大きな色紙もいただき、メンバーの方々の祝いの言葉があった。
諸見さんが、僕と風花さんの絵を下さった。
「自分、気の利かない男なもんで、申し訳ありません」
「そんなことは! 本当に嬉しいです!」
スケッチブックも一緒にくれて、石神家の人間や当時家を作ってくれた千万組の方々、レイ、ロボ、それに、アラスカでの綺麗な景色など。
嬉しくて泣きそうになった。
諸見さんの心を尽くしたプレゼントだった。
タカさんからは、琵琶湖の畔の別荘をいただいた。
各国の国家主席や組織の長の方々から、また膨大な贈り物があり、イギリスからは名誉子爵の叙爵まで頂いた(つかわないよー)。
高価な絵画や調度品、宝石やその他のとんでもない貴重な品々。
受け取るだけで5時間以上掛かった。
僕と風花さんへの進物だけど、もちろんタカさんと「虎」の軍への忠誠を誓う意味もある。
風花さんの家は大きいから、なんとか納まるかなー。
ロボが僕をジッと見ていた。
「ロボ?」
瞬間に消え、すぐに戻って来た。
ピンク色の大きなトカゲをくわえている。
「え!」
僕たちの前にトカゲを置いた。
「これ、もしかしてくれるの?(なんだろ?)」
「にゃ」
「ありがとう!(一応嬉しいよ)」
「にゃ!」
レジーナ様が近付いて来た。
「おお! 《レプティリアン・カヴァーナ》ではないか!」
「……(なにそれ?)」
「私も1500年ぶりに見たぞ」
「……(なんです?)」
「もう地球上にはいないと思っていたがな。大したものだ」
「……(だからなに?)」
ロボに礼を言って頭を撫でた。
えーと、これ貰わなきゃいけない流れ?
「神をも殺す猛毒が摂れるぞ」
「!」
あの、物凄くコワイんですけどぉー!
後日、風花さんと一緒にタカさんがくれた琵琶湖の別荘へ行った。
風花さんの出産前に、一度見てみようということになったのだ。
琵琶湖の畔に面した広い土地が囲ってあり、木と漆喰で出来た2階建ての広い建物だった。
「ああ、素敵な建物ですね」
「うん、そうだね」
白い漆喰の壁に、木材が縦横、そして斜めにも回してある。
楽しい構造で、温かさがある。
中へ入ると、一通りの家具は揃っており、家と同じく木材を使った温かな調度品だった。
2階にリヴィングがあり、そこに入って二人で驚いた。
「皇紀さん! これ!」
「うん」
サーシャさんの300号の肖像画だった。
美しく気品のあるサーシャさんが微笑んでいる。
すぐにタカさんに電話した。
「タカさん! 今別荘にいて、リヴィングの絵を観ています!」
タカさんが笑っていた。
「おう、観たか」
「はい! サーシャさんですよね?」
「そうだ。俺とルーとハーで描いたんだ」
「え! そうなんですか!」
忙しいタカさんは大変だったろう。
風花さんは泣いていた。
「タカさん、今度みんなで来て下さいよ」
「いや、そこはお前たちだけでのんびり出来るように設計したからな」
確かにそれ程部屋数は無い。
僕と風花さんの寝室の他には3つほどの客間しかない。
「俺たちが行ったら手狭になるだろ?」
「増築します!」
「ワハハハハハハハ!」
タカさんが大笑いした。
タカさん、本当に素晴らしい物をありがとうございました。
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