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この熱い思いを! クリご飯だぁ!
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夏にとんでもないことをしてしまった私たち。
タカさんに黙って「Ωカメムシ」を飼育したばかりか、それを悪用し、更にタカさんを騙していた。
発覚してタカさんは激怒というか悲しみ、一時は親子の縁を切るとまで言われた。
北海道での大事件があり、憑依された人たちが「Ωカメムシ」で元に戻ることが分かり、なんだかうやむやのうちに許されてしまった。
しかぁぁぁぁーーーーーし!
決してそれで本当に許されたわけじゃないのだぁ!
ここで黙ってニコニコと元の生活に戻ったのでは、石神家の名が廃るぅー!
「そういうことでしょ!」
「亜紀ちゃん、何言ってんの?」
9月の中旬、「石神家子ども会議」で議題として取り上げた。
忙しい中、今日は皇紀も来ている。
「私たち、タカさんに対して許されないことをしちゃったじゃない!」
「それって、もう終わったよね?」
「このバカモノがぁ!」
「何よ!」
いきり立った私とハーを、みんなが止めた。
「私、タカさんに本当に申し訳ないの!」
「そりゃ分かるけどさ」
「何とかしたいの!」
「何するのよ?」
そこだぁ!
「はい、超美味しいクリご飯を作ります」
「「「「オオォー!」」」」
みんなが大賛成してくれた。
クリご飯はタカさんの大好物だ。
まあ、私たちが知っている範囲でだけども。
ナスとかも好きだけど、クリは別格らしい。
多分、子どもの頃の思い出と繋がってるということもあるのだろう。
自ら「クリソムリエ」だったと自慢してた。
近所のクリを全部把握して、どこのクリが一番美味しいのかを知ってたのだと。
私たちの手で、絶対に美味しいクリご飯を作るぞぉー!
検索屋の柳さんが、早速美味しいクリを調べた。
「丹波栗と和平栗っていうのが定番らしいよ」
「そうなんですか!」
「でも、今の季節だと冷凍になるのかなぁー」
「そうなんですか」
冷凍ってどうなんだろう?
まあ、買ってみるか。
幾つかポチった。
「今の季節だと、早世ものになるらしいね。あ、丹沢だって!」
「え! 丹沢の栗が今の旬なんですか!」
「うん、そうらしいよ?」
「ルー! ハー!」
双子を呼んだ。
「なーに、亜紀ちゃん?」
「丹沢に栗拾いに行くよ!」
「え?」
「今が旬だって!」
「そうなんだ!」
野生のものは双子だ。
柳さんには引き続き検索をしてもらい、私と双子で丹沢へ出かけた。
ダッジデーモンで行く。
皇紀は流石に忙しいんで、研究所へ戻った。
ダッジデーモンをぶっ飛ばして1時間で丹沢に着いた。
3人で斜面を駆け上がる。
「えーと、栗の木ってどこ?」
「え、知らない」
「どこだろね?」
取敢えず周辺を探した。
ない。
「あ!」
「どうしたの、ハー?」
「山の主がいるじゃん!」
「「あぁ!」」
探した。
呼んだ。
「「「山の主ぃー!」」」
なんか来た。
ごっふごっふごっふ
《お呼びでしょうか》
「うん、呼んだ!」
「美味しい栗の木、教えて!」
「急げ!」
《ああ、栗ですか。では持ってきますので、いつもの場所でお待ちください》
「「「ぜってぇ、やめろぉ!」」」
《!》
前にタカさんに山の主の気持ちを言われたけど、やっぱり頭に来る。
こいつ、ワザとか?
軽く蹴りを入れながら、場所に案内させた。
栗の木が密生している場所があった。
「おい」
《はい!》
「まだ落ちてないぞ」
《そうですね。もうちょっとですかね》
「すぐに喰いたいんだよぉ!」
《ヒィ! すいません!》
「他にねぇのか?」
《さぁ》
使えねぇ。
「ハー、「手かざし」どうかな?」
「うん、やってみようか」
ルーとハーが栗の木に手かざしをした。
ポトポトポト
なんか実が落ちてきたぁ!
「結構、美味しそうだよ!」
「やったね!」
「あ、おっきいよ!」
《良かったですね》
「「「……」」」」
みんなでトゲトゲの実を山の主にぶつけた。
皮が厚いので、全然痛がらなかった。
ルーとハーでどんどん「手かざし」をし、100個くらい実を手に入れた。
持ってきた麻袋にどんどん詰めていく。
「これでいいかな?」
「うん、十分じゃない?」
「じゃあ、帰ろっか」
《あ、お帰りですか》
「「「じゃあな!」」」
みんなで帰った。
柳さんが美味しい栗ご飯の作り方を検索しててくれた。
「みんな、ごくろうさまー!」
「「「ただいまー」」」
大量の栗を見て、柳さんが喜んだ。
お湯を沸かし、3分茹でる。
みんなでムキムキ。
「結構固いね」
「指を切らないようにねー」
「あ、切っちゃった」
「「Ω軟膏」!」
みんなでワイワイ切った。
ロボが興味を持って近づいて来た。
トゲトゲの皮の臭いを嗅ごうとして、トゲが鼻に刺さった。
「フッギャァー!」
「暗黒星雲地獄めぐりキック」を柳さんに見舞った。
「なんでぇー!」
一通り皮を剥いた。
「砂糖を塗して一晩置くといいんだって」
「そうですか!」
ラップに来るんで冷蔵庫に。
おいしくなーれ!
9月第2週の金曜日。
いよいよクリご飯だぁ!
お米を研いでザルにあける。
だし汁ぅー。
昆布をしいてぇー!
水のメモリを厳正に測ってぇー!
炊飯器オン!
「他のおかずはどうしようか?」
「しめじのお吸い物が合うらしいよ?」
「じゃー、それで!」
「秋だからサンマとか?」
「うち、ないよ」
結局、鶏のみぞれ焼きにした。
ポテトサラダ。
タカさん大好きナスの焼き物。
いいんじゃないかぁーーー!
病院のタカさんから電話が来た。
「おう、今日は鷹のとこに泊まるからな」
「えぇ!」
「なんだよ?」
「あ、あの」
「なんだ?」
「あ、なんでも」
「なんだよ!」
「あの、ごゆっくり」
「なんだ!」
みんなに、今日はタカさんが帰って来ないと伝えた。
みんなが残念がった。
「しょうがないね。なんかタカさんのためにやったって言いにくい時期だもんね」
「うん」
本当にそうだ。
散々迷惑を掛けて、お詫びをしましたって言えない。
また次の機会かぁ。
タカさんが帰ってから他の料理を作ろうと思ってた。
だからすぐに作り始めた。
30分後、玄関が開いた。
「おい! 帰ったぞ!」
えぇ!
ロボが走って玄関に行った。
私たちも駆け下りた。
タカさんが鷹さんと一緒にいる。
「タカさん!」
「おう、やっぱ帰って来たよ。今日は『虎は孤高に』だもんな。鷹がみんなで観たいってさ」
「タカさん! 鷹さん!」
「お、なんかいい匂いがすんな。鷹、ちょうど良かったみたいだぞ」
「そうですね。あ、クリご飯じゃないですか?」
「おお、そうだそうだ」
ちょっと泣き顔になってタカさんに言った。
「タカさんのために作ったんです!」
「え?」
「みんなで美味しい栗を集めたり」
「なんだよ、じゃあ、そう言ってくれよ」
「でも、だって……」
タカさんが微笑んで私たちの頭を撫でた。
「バカ、何を遠慮してんだ。俺のために作ってくれたんなら、当然喰うに決まってるだろう」
「「「「タカさーん!」」」」
「にゃー!」
ロボは付き合い。
みんなでタカさんに抱き着いた。
「おい! 離れろ!」
「「「「タカさーん!」」」」
「バカ! 腹が減ってんだ! 早く食わせろ!」
タカさんと鷹さんをみんなで担いで上がった。
タカさんが、「これまでで一番美味いクリご飯だった」と言ってくれた。
やったね!
タカさんに黙って「Ωカメムシ」を飼育したばかりか、それを悪用し、更にタカさんを騙していた。
発覚してタカさんは激怒というか悲しみ、一時は親子の縁を切るとまで言われた。
北海道での大事件があり、憑依された人たちが「Ωカメムシ」で元に戻ることが分かり、なんだかうやむやのうちに許されてしまった。
しかぁぁぁぁーーーーーし!
決してそれで本当に許されたわけじゃないのだぁ!
ここで黙ってニコニコと元の生活に戻ったのでは、石神家の名が廃るぅー!
「そういうことでしょ!」
「亜紀ちゃん、何言ってんの?」
9月の中旬、「石神家子ども会議」で議題として取り上げた。
忙しい中、今日は皇紀も来ている。
「私たち、タカさんに対して許されないことをしちゃったじゃない!」
「それって、もう終わったよね?」
「このバカモノがぁ!」
「何よ!」
いきり立った私とハーを、みんなが止めた。
「私、タカさんに本当に申し訳ないの!」
「そりゃ分かるけどさ」
「何とかしたいの!」
「何するのよ?」
そこだぁ!
「はい、超美味しいクリご飯を作ります」
「「「「オオォー!」」」」
みんなが大賛成してくれた。
クリご飯はタカさんの大好物だ。
まあ、私たちが知っている範囲でだけども。
ナスとかも好きだけど、クリは別格らしい。
多分、子どもの頃の思い出と繋がってるということもあるのだろう。
自ら「クリソムリエ」だったと自慢してた。
近所のクリを全部把握して、どこのクリが一番美味しいのかを知ってたのだと。
私たちの手で、絶対に美味しいクリご飯を作るぞぉー!
検索屋の柳さんが、早速美味しいクリを調べた。
「丹波栗と和平栗っていうのが定番らしいよ」
「そうなんですか!」
「でも、今の季節だと冷凍になるのかなぁー」
「そうなんですか」
冷凍ってどうなんだろう?
まあ、買ってみるか。
幾つかポチった。
「今の季節だと、早世ものになるらしいね。あ、丹沢だって!」
「え! 丹沢の栗が今の旬なんですか!」
「うん、そうらしいよ?」
「ルー! ハー!」
双子を呼んだ。
「なーに、亜紀ちゃん?」
「丹沢に栗拾いに行くよ!」
「え?」
「今が旬だって!」
「そうなんだ!」
野生のものは双子だ。
柳さんには引き続き検索をしてもらい、私と双子で丹沢へ出かけた。
ダッジデーモンで行く。
皇紀は流石に忙しいんで、研究所へ戻った。
ダッジデーモンをぶっ飛ばして1時間で丹沢に着いた。
3人で斜面を駆け上がる。
「えーと、栗の木ってどこ?」
「え、知らない」
「どこだろね?」
取敢えず周辺を探した。
ない。
「あ!」
「どうしたの、ハー?」
「山の主がいるじゃん!」
「「あぁ!」」
探した。
呼んだ。
「「「山の主ぃー!」」」
なんか来た。
ごっふごっふごっふ
《お呼びでしょうか》
「うん、呼んだ!」
「美味しい栗の木、教えて!」
「急げ!」
《ああ、栗ですか。では持ってきますので、いつもの場所でお待ちください》
「「「ぜってぇ、やめろぉ!」」」
《!》
前にタカさんに山の主の気持ちを言われたけど、やっぱり頭に来る。
こいつ、ワザとか?
軽く蹴りを入れながら、場所に案内させた。
栗の木が密生している場所があった。
「おい」
《はい!》
「まだ落ちてないぞ」
《そうですね。もうちょっとですかね》
「すぐに喰いたいんだよぉ!」
《ヒィ! すいません!》
「他にねぇのか?」
《さぁ》
使えねぇ。
「ハー、「手かざし」どうかな?」
「うん、やってみようか」
ルーとハーが栗の木に手かざしをした。
ポトポトポト
なんか実が落ちてきたぁ!
「結構、美味しそうだよ!」
「やったね!」
「あ、おっきいよ!」
《良かったですね》
「「「……」」」」
みんなでトゲトゲの実を山の主にぶつけた。
皮が厚いので、全然痛がらなかった。
ルーとハーでどんどん「手かざし」をし、100個くらい実を手に入れた。
持ってきた麻袋にどんどん詰めていく。
「これでいいかな?」
「うん、十分じゃない?」
「じゃあ、帰ろっか」
《あ、お帰りですか》
「「「じゃあな!」」」
みんなで帰った。
柳さんが美味しい栗ご飯の作り方を検索しててくれた。
「みんな、ごくろうさまー!」
「「「ただいまー」」」
大量の栗を見て、柳さんが喜んだ。
お湯を沸かし、3分茹でる。
みんなでムキムキ。
「結構固いね」
「指を切らないようにねー」
「あ、切っちゃった」
「「Ω軟膏」!」
みんなでワイワイ切った。
ロボが興味を持って近づいて来た。
トゲトゲの皮の臭いを嗅ごうとして、トゲが鼻に刺さった。
「フッギャァー!」
「暗黒星雲地獄めぐりキック」を柳さんに見舞った。
「なんでぇー!」
一通り皮を剥いた。
「砂糖を塗して一晩置くといいんだって」
「そうですか!」
ラップに来るんで冷蔵庫に。
おいしくなーれ!
9月第2週の金曜日。
いよいよクリご飯だぁ!
お米を研いでザルにあける。
だし汁ぅー。
昆布をしいてぇー!
水のメモリを厳正に測ってぇー!
炊飯器オン!
「他のおかずはどうしようか?」
「しめじのお吸い物が合うらしいよ?」
「じゃー、それで!」
「秋だからサンマとか?」
「うち、ないよ」
結局、鶏のみぞれ焼きにした。
ポテトサラダ。
タカさん大好きナスの焼き物。
いいんじゃないかぁーーー!
病院のタカさんから電話が来た。
「おう、今日は鷹のとこに泊まるからな」
「えぇ!」
「なんだよ?」
「あ、あの」
「なんだ?」
「あ、なんでも」
「なんだよ!」
「あの、ごゆっくり」
「なんだ!」
みんなに、今日はタカさんが帰って来ないと伝えた。
みんなが残念がった。
「しょうがないね。なんかタカさんのためにやったって言いにくい時期だもんね」
「うん」
本当にそうだ。
散々迷惑を掛けて、お詫びをしましたって言えない。
また次の機会かぁ。
タカさんが帰ってから他の料理を作ろうと思ってた。
だからすぐに作り始めた。
30分後、玄関が開いた。
「おい! 帰ったぞ!」
えぇ!
ロボが走って玄関に行った。
私たちも駆け下りた。
タカさんが鷹さんと一緒にいる。
「タカさん!」
「おう、やっぱ帰って来たよ。今日は『虎は孤高に』だもんな。鷹がみんなで観たいってさ」
「タカさん! 鷹さん!」
「お、なんかいい匂いがすんな。鷹、ちょうど良かったみたいだぞ」
「そうですね。あ、クリご飯じゃないですか?」
「おお、そうだそうだ」
ちょっと泣き顔になってタカさんに言った。
「タカさんのために作ったんです!」
「え?」
「みんなで美味しい栗を集めたり」
「なんだよ、じゃあ、そう言ってくれよ」
「でも、だって……」
タカさんが微笑んで私たちの頭を撫でた。
「バカ、何を遠慮してんだ。俺のために作ってくれたんなら、当然喰うに決まってるだろう」
「「「「タカさーん!」」」」
「にゃー!」
ロボは付き合い。
みんなでタカさんに抱き着いた。
「おい! 離れろ!」
「「「「タカさーん!」」」」
「バカ! 腹が減ってんだ! 早く食わせろ!」
タカさんと鷹さんをみんなで担いで上がった。
タカさんが、「これまでで一番美味いクリご飯だった」と言ってくれた。
やったね!
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