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北海道「無差別憑依」事件 Ⅱ
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「宇羅、順調なようだな」
「はい」
「業」様の御機嫌がいい。
先日は、「悪魔島」で我々が500年に一度現われる悪魔を捕え損なったことで、大変なお怒りだった。
あの悪魔は、「業」様を途轍もない高みに上げるものだったことは分かっている。
「業」様はこの上なく偉大な御方ではあるが、どうしても手に入れたかったらしい。
私にはもう十分な御強さであると考えるのだが、「業」様の御希望に添えなかったのは申し訳ない。
だから私は、この作戦を提案した。
石神たちへの復讐も兼ねていた。
あの作戦を失敗した北海道で、あやつらが思いも拠らない侵攻作戦を展開するのだ。
私が上奏すると、「業」様は大変に喜ばれた。
強制憑依の能力を持つ妖魔は貴重だが、石神たちを慌てさせるのであれば。
しかし、「業」様は私の想定外のお言葉を述べられた。
「憑依型は半数を展開しろ」
「はい?」
思わず聞き返してしまった。
「業」様はそういうことを御嫌いになる。
私は1割にも満たない数を想定していたのだが。
「半数だ」
「宜しいのですね」
「良い。ミハイルがいよいよ目処を立てた」
「!」
「業」様の世界戦略の要の一つとなるあの計画。
ミハイルが成功させたのか。
ミハイルは私には自分の研究の進展は話さない。
私もそうなのだが。
「では、そのように」
「ゲートは開いてやる。北海道の全域に送り込むぞ」
「はっ!」
見ていろ、石神。
北海道は地図上から消えるぞ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「アルティメット! 今、お前たちはホッカイドウにいるな!」
突然、僕の電話にターナー大将の通信が入った。
「アルティメット・ディフェンス」とは、僕のコードネームだ。
この電話は「皇紀通信」が出来るので、僕の位置はアラスカで分かるのは当然なんだけど。
「はい! 何かあったんですか?」
「北海道の全域で「無差別憑依」の妖魔が無数のゲートから送り出された!」
「え!」
「タイガーからお前たちのことは聞いている。そこにはディアブロたちも一緒だな?」
「はい、全員揃ってます!」
「すぐに出撃してくれ!」
「わ、分かりました! あ、あの、「Ωコンバットスーツ」を送ってもらえませんか?」
「もう手配している!」
僕はすぐにお姉ちゃんたちに状況を説明した。
みんながすぐに対応すると言った。
数分でブリーフィングをルーがこなし、その直後に「Ωコンバットスーツ」と「皇紀通信」一式が「タイガーファング」で届いた。
東雲さんが司令官として搭乗していた。
「僕たちは都市圏を中心に向かいます!」
「頼む! とにかく範囲が広く、被害も拡大している!」
「分かりました!」
ルーが東雲さんと短い間に作戦行動を話し合い、すぐに出発した。
お姉ちゃんは札幌、僕は釧路、ルーは旭川、ハーは函館、柳さんは苫小牧。
まずは「無差別憑依」の妖魔を駆逐する。
その後でライカンスロープ狩りだ。
とにかく広範囲なので、素早く妖魔を発見しなければならない。
都市部には複数撒かれているようだった。
アラスカからも3万のソルジャーが出ているようだ。
デュールゲリエも5万来る。
しかし、それでも足りない。
僕たちは、各々の地域へ飛んだ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
俺は札幌市に飛んだ。
ターナー大将から、子どもたちが丁度北海道にいたことを聞いて驚いた。
早乙女も事態を把握していて、ハンターを派遣したいと言って来た。
俺は「タイガーファング」を東京に回した。
その間に、アラスカから既に3000を超えるライカンスロープの数を観測したと連絡を受ける。
不味い。
防衛する戦力の無いまま、市民が襲われる。
更に、続々と悪い報告が入って来る。
「タイガー! 「無差別憑依」型の妖魔も放出されている!」
つまり、ライカンスロープが幾何級数的に増加するということだ。
「《ウラノス》が計算した! 今回の憑依率は7割を超えるぞ!」
「渋谷HELL」では憑依率は1割に満たないはずだった。
被害が拡大し、ライカンスロープの撃破数が増加したことを示す。
「都市部で臨界点突破まであと4時間!」
臨界点とは駆逐よりも放棄を促すことだった。
生存者を確保するよりも、被害拡大を防ぐために大量殺戮を行なう。
「シャンゴ」を使って都市部を焼き払うべきという判断だ。
その中でも幸いな点は、ソルジャーの誰も憑依を受けていない点だった。
そのように設計はしたが、「Ωコンバットスーツ」は憑依攻撃を弾く機能が改めて確認された。
頼もしい「Ω」のお陰だ。
俺は「アドヴェロス」のハンターたちにも「Ωコンバットスーツ」を貸与していた。
早乙女から連絡が来た。
「石神、到着した!」
「よし! お前たちは青函トンネルと海上を本土へ向かおうとする奴らを頼む!」
「他の場所はいいのか?」
「「虎」の軍で対応している。お前たちは集団で拠点を守ってくれ! 本土に渡られると厄介だ」
「分かった!」
恐らく大量のライカンスロープが青森へ向かうはずだった。
「業」はこのまま本土攻撃を狙うと考えた。
北海道の全域にゲートを開いたわけだが、それ以上の広範囲は無理なのだろう。
だからこれから本土へ向かうはずだ。
それには青函トンネルが一番早い。
海を渡れる者は少ないだろう。
「石神様! わたくしたちも応援に参りました!」
グランマザーから連絡が入った。
「海上を迂回して来る奴を撃破してくれ!」
「かしこまりました!」
念のため海上を移動出来る奴らをグランマザーたちに頼んだ。
混乱している都市部などでは、「大銀河連合」との連携が怪しい。
「虎」の軍でも「大銀河連合」との共闘は話しているが、実際にやったことはない。
だから別な作戦に編入した。
蓮花研究所からも通信が来る。
「石神様! こちらからも支援を送ります!」
俺は少し考えた。
本当は石神家が欲しい。
しかし今は蓮花研究所の防衛についてもらっている。
万一蓮花研究所を襲撃する二方面作戦だった場合、研究所が危ない。
「よし、ブランたちを出撃させてくれ!」
「分かりました!」
「大黒が指揮官! 「アドヴェロス」と共に青森で渡って来るライカンスロープを迎撃しろ! ブランたちが最終防衛戦だ!」
「はい!」
俺は北海道各地の撃破をアラスカのソルジャーたちと俺の子どもたちに任せた。
俺は特に接戦となっている札幌に向かった。
そこには亜紀ちゃんがいる。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
(まずい。「憑依型」の妖魔がばら撒かれている)
すすきのの繁華街で「憑依型」を斃したが、他にも数十体があちこちに移動している。
前に「渋谷HELL」では「憑依型」は移動しなかったが、今回は支援する妖魔もいるのか、意外に移動速度が速い。
それに、もう一つ問題があった。
さっき目の前で娘連れの親子を見た。
母親が妖魔に憑依され、身体がメタモルフォーゼしたのを見た。
「なんなの、これ!」
怪物化した母親が叫んだ。
意識がある!
「落ち着いて下さい!」
「なんなの! なんなの!」
2メートル半まで巨大化し、頭に大きな角を生やした母親が女の子を抱き上げている。
「その子を降ろして!」
「あなたは誰?」
「救助隊です! とにかく一度その子を!」
「ダメよ! 私の子よ!」
明らかに理性がある。
「渋谷HELL」では即座に凶暴化して暴れていたのに!
私は東雲さんに連絡した。
「今、メタモルフォーゼした女性が自分の子どもを抱えています!」
「なんだと!」
「意識があります! 子どもを守りたいと言ってます!」
「ディアブロ! そのライカンスロープを殺せ!」
「でも! 本当に意識があるんですよ!」
「ダメだ! ライカンスロープになった者は戻らない!}
「!」
東雲さんの指示は明確だ。
でも、私にはどうしても意識の残る人間を殺すことは出来なかった。
「この子は誰にも渡さない!」
「待って! 話を聞いて!」
私の前から走り出す。
私はその前に回り込んだ。
「お願いですから!」
「渡さない!」
母親だった怪物を、別なライカンスロープが襲った。
母親ではなく、幼い娘を襲う。
母親が抵抗するが、襲って来たライカンスロープの方が強かった。
娘を奪い大きな口で娘の頭を齧り取り、噴き出す血を呑み込んでいた。
「なんてことを!」
私は「螺旋花」でライカンスロープの胸を破壊した。
怪物はしばらく口を動かしていたが、やがて止まった。
呆然として泣き出した母親のライカンスロープ。
今回の憑依は人間の意識を残している。
ならば、殺してしまっていいのか。
私は母親のライカンスロープを放置し、別な場所の「憑依型」を探しに行った。
とにかく、「憑依型」を全滅させなければ。
でも、本当にライカンスロープになった人間を殺してもいいのか。
「チクショォーーーーー!」
私は叫びながら次の標的に向かって行く。
「はい」
「業」様の御機嫌がいい。
先日は、「悪魔島」で我々が500年に一度現われる悪魔を捕え損なったことで、大変なお怒りだった。
あの悪魔は、「業」様を途轍もない高みに上げるものだったことは分かっている。
「業」様はこの上なく偉大な御方ではあるが、どうしても手に入れたかったらしい。
私にはもう十分な御強さであると考えるのだが、「業」様の御希望に添えなかったのは申し訳ない。
だから私は、この作戦を提案した。
石神たちへの復讐も兼ねていた。
あの作戦を失敗した北海道で、あやつらが思いも拠らない侵攻作戦を展開するのだ。
私が上奏すると、「業」様は大変に喜ばれた。
強制憑依の能力を持つ妖魔は貴重だが、石神たちを慌てさせるのであれば。
しかし、「業」様は私の想定外のお言葉を述べられた。
「憑依型は半数を展開しろ」
「はい?」
思わず聞き返してしまった。
「業」様はそういうことを御嫌いになる。
私は1割にも満たない数を想定していたのだが。
「半数だ」
「宜しいのですね」
「良い。ミハイルがいよいよ目処を立てた」
「!」
「業」様の世界戦略の要の一つとなるあの計画。
ミハイルが成功させたのか。
ミハイルは私には自分の研究の進展は話さない。
私もそうなのだが。
「では、そのように」
「ゲートは開いてやる。北海道の全域に送り込むぞ」
「はっ!」
見ていろ、石神。
北海道は地図上から消えるぞ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「アルティメット! 今、お前たちはホッカイドウにいるな!」
突然、僕の電話にターナー大将の通信が入った。
「アルティメット・ディフェンス」とは、僕のコードネームだ。
この電話は「皇紀通信」が出来るので、僕の位置はアラスカで分かるのは当然なんだけど。
「はい! 何かあったんですか?」
「北海道の全域で「無差別憑依」の妖魔が無数のゲートから送り出された!」
「え!」
「タイガーからお前たちのことは聞いている。そこにはディアブロたちも一緒だな?」
「はい、全員揃ってます!」
「すぐに出撃してくれ!」
「わ、分かりました! あ、あの、「Ωコンバットスーツ」を送ってもらえませんか?」
「もう手配している!」
僕はすぐにお姉ちゃんたちに状況を説明した。
みんながすぐに対応すると言った。
数分でブリーフィングをルーがこなし、その直後に「Ωコンバットスーツ」と「皇紀通信」一式が「タイガーファング」で届いた。
東雲さんが司令官として搭乗していた。
「僕たちは都市圏を中心に向かいます!」
「頼む! とにかく範囲が広く、被害も拡大している!」
「分かりました!」
ルーが東雲さんと短い間に作戦行動を話し合い、すぐに出発した。
お姉ちゃんは札幌、僕は釧路、ルーは旭川、ハーは函館、柳さんは苫小牧。
まずは「無差別憑依」の妖魔を駆逐する。
その後でライカンスロープ狩りだ。
とにかく広範囲なので、素早く妖魔を発見しなければならない。
都市部には複数撒かれているようだった。
アラスカからも3万のソルジャーが出ているようだ。
デュールゲリエも5万来る。
しかし、それでも足りない。
僕たちは、各々の地域へ飛んだ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
俺は札幌市に飛んだ。
ターナー大将から、子どもたちが丁度北海道にいたことを聞いて驚いた。
早乙女も事態を把握していて、ハンターを派遣したいと言って来た。
俺は「タイガーファング」を東京に回した。
その間に、アラスカから既に3000を超えるライカンスロープの数を観測したと連絡を受ける。
不味い。
防衛する戦力の無いまま、市民が襲われる。
更に、続々と悪い報告が入って来る。
「タイガー! 「無差別憑依」型の妖魔も放出されている!」
つまり、ライカンスロープが幾何級数的に増加するということだ。
「《ウラノス》が計算した! 今回の憑依率は7割を超えるぞ!」
「渋谷HELL」では憑依率は1割に満たないはずだった。
被害が拡大し、ライカンスロープの撃破数が増加したことを示す。
「都市部で臨界点突破まであと4時間!」
臨界点とは駆逐よりも放棄を促すことだった。
生存者を確保するよりも、被害拡大を防ぐために大量殺戮を行なう。
「シャンゴ」を使って都市部を焼き払うべきという判断だ。
その中でも幸いな点は、ソルジャーの誰も憑依を受けていない点だった。
そのように設計はしたが、「Ωコンバットスーツ」は憑依攻撃を弾く機能が改めて確認された。
頼もしい「Ω」のお陰だ。
俺は「アドヴェロス」のハンターたちにも「Ωコンバットスーツ」を貸与していた。
早乙女から連絡が来た。
「石神、到着した!」
「よし! お前たちは青函トンネルと海上を本土へ向かおうとする奴らを頼む!」
「他の場所はいいのか?」
「「虎」の軍で対応している。お前たちは集団で拠点を守ってくれ! 本土に渡られると厄介だ」
「分かった!」
恐らく大量のライカンスロープが青森へ向かうはずだった。
「業」はこのまま本土攻撃を狙うと考えた。
北海道の全域にゲートを開いたわけだが、それ以上の広範囲は無理なのだろう。
だからこれから本土へ向かうはずだ。
それには青函トンネルが一番早い。
海を渡れる者は少ないだろう。
「石神様! わたくしたちも応援に参りました!」
グランマザーから連絡が入った。
「海上を迂回して来る奴を撃破してくれ!」
「かしこまりました!」
念のため海上を移動出来る奴らをグランマザーたちに頼んだ。
混乱している都市部などでは、「大銀河連合」との連携が怪しい。
「虎」の軍でも「大銀河連合」との共闘は話しているが、実際にやったことはない。
だから別な作戦に編入した。
蓮花研究所からも通信が来る。
「石神様! こちらからも支援を送ります!」
俺は少し考えた。
本当は石神家が欲しい。
しかし今は蓮花研究所の防衛についてもらっている。
万一蓮花研究所を襲撃する二方面作戦だった場合、研究所が危ない。
「よし、ブランたちを出撃させてくれ!」
「分かりました!」
「大黒が指揮官! 「アドヴェロス」と共に青森で渡って来るライカンスロープを迎撃しろ! ブランたちが最終防衛戦だ!」
「はい!」
俺は北海道各地の撃破をアラスカのソルジャーたちと俺の子どもたちに任せた。
俺は特に接戦となっている札幌に向かった。
そこには亜紀ちゃんがいる。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
(まずい。「憑依型」の妖魔がばら撒かれている)
すすきのの繁華街で「憑依型」を斃したが、他にも数十体があちこちに移動している。
前に「渋谷HELL」では「憑依型」は移動しなかったが、今回は支援する妖魔もいるのか、意外に移動速度が速い。
それに、もう一つ問題があった。
さっき目の前で娘連れの親子を見た。
母親が妖魔に憑依され、身体がメタモルフォーゼしたのを見た。
「なんなの、これ!」
怪物化した母親が叫んだ。
意識がある!
「落ち着いて下さい!」
「なんなの! なんなの!」
2メートル半まで巨大化し、頭に大きな角を生やした母親が女の子を抱き上げている。
「その子を降ろして!」
「あなたは誰?」
「救助隊です! とにかく一度その子を!」
「ダメよ! 私の子よ!」
明らかに理性がある。
「渋谷HELL」では即座に凶暴化して暴れていたのに!
私は東雲さんに連絡した。
「今、メタモルフォーゼした女性が自分の子どもを抱えています!」
「なんだと!」
「意識があります! 子どもを守りたいと言ってます!」
「ディアブロ! そのライカンスロープを殺せ!」
「でも! 本当に意識があるんですよ!」
「ダメだ! ライカンスロープになった者は戻らない!}
「!」
東雲さんの指示は明確だ。
でも、私にはどうしても意識の残る人間を殺すことは出来なかった。
「この子は誰にも渡さない!」
「待って! 話を聞いて!」
私の前から走り出す。
私はその前に回り込んだ。
「お願いですから!」
「渡さない!」
母親だった怪物を、別なライカンスロープが襲った。
母親ではなく、幼い娘を襲う。
母親が抵抗するが、襲って来たライカンスロープの方が強かった。
娘を奪い大きな口で娘の頭を齧り取り、噴き出す血を呑み込んでいた。
「なんてことを!」
私は「螺旋花」でライカンスロープの胸を破壊した。
怪物はしばらく口を動かしていたが、やがて止まった。
呆然として泣き出した母親のライカンスロープ。
今回の憑依は人間の意識を残している。
ならば、殺してしまっていいのか。
私は母親のライカンスロープを放置し、別な場所の「憑依型」を探しに行った。
とにかく、「憑依型」を全滅させなければ。
でも、本当にライカンスロープになった人間を殺してもいいのか。
「チクショォーーーーー!」
私は叫びながら次の標的に向かって行く。
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