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いずみ
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4月の第1週の月曜日。
俺は久し振りに響子と六花を誘ってステーキを食べに出た。
病院の近くに、本格的なアメリカン・ステーキを出す高級店がある。
「たまにはお肉を思いっきり食べないとね!」
「お前、アメリカ人だもんな!」
「そうだよ!」
まあ、もちろん響子はそんなに喰わないのだが。
レストランは外堀通り沿いにあるので、俺たちは正面玄関から出た。
吹雪は置いて来ている。
5分程歩くが、響子は最近体力が付いて来たので、それくらいは大丈夫だ。
「あれ、何か売ってるよ?」
「おお」
病院の正門の外で、小さな女の子が台車に番重を積み上げて、自分の首から1枚を提げて売っていた。
小学校の高学年くらいか。
今は春休みなのだろう。
病院から出て来る人間や通行人に声を掛けている。
一応敷地外ではあるが、周辺での販売や勧誘はお断りしている。
だから六花も気にしていた。
「まあ、帰りにでも俺が声を掛けるよ」
俺たちはステーキハウスへ行った。
1時間ほどで病院へ戻ると、まだ女の子が売っていた。
響子と六花を先に中へ入れる。
俺は女の子に近づいて声を掛けた。
「あ!」
女の子が俺の顔を見て驚いていた。
俺も間近で見て、見覚えのある子だと分かった。
「ああ、「緑翠」さんの所の子かぁ!」
「はい! いつもご利用ありがとうございます!」
六本木の和菓子屋で、上品で美味い和菓子を売っているので俺も時々買いに行ったり贈答で使ったりしている。
夕方などに行くと、学校を終えた女の子がお店を手伝っているのを見ていた。
女の子は岬いずみと名乗った。
俺も石神高虎だと名乗った。
「石神さん、あの! 《桜舞》を如何ですか!」
いずみは俺に番重の中を見せて、和菓子を買って欲しいと言った。
「あのさ、病院の周辺で物を売ってもらっては困るんだ」
「え!」
「そういう決まり事があってね。患者さんたちの迷惑になるから」
「すいませんでした! 私、大勢の人が通る場所とばかり考えていて」
いずみは驚いて俺に必死に謝った。
「いいんだよ、知らなかったんだろう?」
「はい、本当にすみませんでした!」
俺はいずみの横の番重の乗った代車を押して、少し離れた場所へ移動した。
鉄鋼会社の敷地の近くだ。
「よし! じゃあ、10個売ってくれないか?」
「え?」
「ここは病院の傍じゃないからな! 「緑翠」さんの和菓子は美味しいよな!」
いずみが突然泣き出した。
「おい! 泣くなよ!」
「ありがとうございます! さっきから全然売れなくて」
いずみが抱えているのが最初の番重で、ざっと数えて一枚に100個入っている。
俺が今10個買っても、まだ80個以上残っていた。
台車のものは全然残っている。
いずみは1000個の和菓子を売ろうとしているのか。
番重の一枚はまた随分と重い。
それを持って、いずみは何時間売ろうとしていたことか。
「どうしてあんな場所で売っていたんだ?」
またいずみが泣き始めた。
俺は頭を優しく撫でて、泣き止むのを待った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「あの、すいませんがお店の前での喫煙はやめていただけないでしょうか?」
時々見かける3人の若いサラリーマンたちだった。
うちのお店の前でタバコを吸って、そのまま吸殻を捨てて行く。
うちの脇に自動販売機があって、そこで飲み物を買ってタバコを吸って行くのだ。
「他のお客さんの御迷惑にもなりますし」
男の人たちは私を見ていた。
「どこで吸おうと関係ないだろう」
「いいえ、港区は条例で路上での喫煙は禁じられてるはずです」
「このやろう」
「おい、よせよ」
一人の男の人が怖い顔をし、もう一人が止めていた。
「お前よ! 生意気なんだよ!」
「そんな、お願いします」
「ガキに説教されんのが、俺は大嫌いなんだ!」
「……」
もう一人の人も、男の人が本気で怒っているので止めるのをやめた。
結局いつものように吸殻を捨てて帰って行った。
嫌な気分だったけど、言わなければずっとそのままだ。
「いずみ、危ないことはしないで」
店に戻ると、お母さんが心配して言った。
「うん、ちょっと怒られちゃった」
「ほら! もう放っておいてね」
「うん」
正直、私も怖かった。
正しいことを言っているのだけど、逆に怒らせてしまった。
でも、その日の夕方に嬉しいことがあった。
お店に電話が来て、お母さんが受けた。
「え、うちで働いている小さな子ですか? いずみのことでしょうか? はい、はい、そうです。え!」
お母さんが驚いて、ニコニコしながら私を呼んだ。
「いずみ、あんたに電話だよ?」
「え?」
「ほら、ラクルートの人だって! あの大きな会社だよ!」
「ああ!」
お店の近くにある、大きな会社だ。
CMも流れていて、誰でも知っている。
電話を替わった。
「ああ、あなたがいずみさんですか!
「はい、いずみですが」
「うちの会社の社員が、お宅で一生懸命に働いている女の子がいると言って評判でして」
「え、そうなんですか」
「それでね、もうすぐうちの入社式なんだけど、《緑翠》さんの和菓子を全員に配りたいと思いまして」
「え! それはありがとうございます!」
「その時にね、いずみさんにも来て頂いて、ちょっと入社式で挨拶してもらいたいんです」
「私がですか?」
「ええ。小さな女の子が懸命に働いているということを、新入社員に紹介したいんですよ。みんなやる気になってくれると思います」
「そんな! 私なんて!」
驚いたけど、5000個もの和菓子の注文をしてくれると言ってくれた。
だから、恥ずかしかったけど、入社式の件もお引き受けした。
和菓子は私のお勧めで「桜舞」と決まった。
まだ小学校の春休みの間なので、私も時間はある。
来週の月曜日ということで、1週間後だ。
お父さんとお母さんも喜んでくれた。
「いずみのお陰で大口の注文だな!」
「本当に! 今後も使って貰えるといいわね!」
私も嬉しかった。
お父さんは早速材料の注文をした。
中国から修行に来ているヤンさんも喜んで、張り切っていた。
土日はお休みなのだが、大量の注文を受けたので、日曜日の夜から家族みんなとヤンさんとで「桜舞」の準備を始めた。
お父さんは昔のお弟子さんに頼んで、うちの他にも二人応援に来てもらった。
みんなで頑張って、何とか朝に5000個の「桜舞」が揃った。
丁寧に一つずつケースに入れ、運びやすいように番重に詰めて行った。
8時半に取りに来てくれるはずだ。
でも、9時になっても誰も来ない。
お母さんがラクルートへ電話した。
「はい、総務部ですが」
「あの、緑翠ですが、ご注文の「桜舞」のご用意が出来ているのですが」
「はい?」
「今日の8時半に取りに来て下さるということで、お待ちしていたのですけど」
「ちょっとお待ちください」
電話が保留になり、お母さんが不安そうな顔をしていた。
「今確認しましたが、弊社で緑翠さんに注文を出した人間はいないと」
「え! どういうことでしょうか!」
「申し訳ありませんが、何かの勘違いじゃないでしょうか?」
「そんな! 今日は入社式で、そのためにうちに大量の注文をいただいたはずですけど」
「弊社ではそのようなことは。入社式は明日ですし」
「!」
お母さんが受話器を置き、真っ青になって床に座った。
お父さんがどうなったんだと肩を揺すって、お母さんが今の会話を話した。
「おい! 250万円だぞ!」
お父さんも顔が白くなった。
「これだけの量だ、売掛で材料屋に頼んだけど、今週中に支払わないと」
私のせいだ。
私が誰かに騙されたんだ。
「私! 売って来るから!」
「いずみ!」
「大丈夫! 必ず売って来るから!」
「おい!」
お父さんが止めるのも聞かずに、番重を代車に乗せて外へ出た。
和菓子は日持ちがしない。
今回は上生菓子なので、今日中だ。
今日中に5000個売らないと。
目の前が真っ暗になりそうだったが、必死で番重を押した。
どこで売ろうか。
その時に、時々お店に来てくれる、あの素敵な人の顔を思い出した。
「確か、あそこの大きな病院の人だ!」
多くの人が出入りする場所だ。
私は急いで代車を押して、あの人の病院へ向かった。
俺は久し振りに響子と六花を誘ってステーキを食べに出た。
病院の近くに、本格的なアメリカン・ステーキを出す高級店がある。
「たまにはお肉を思いっきり食べないとね!」
「お前、アメリカ人だもんな!」
「そうだよ!」
まあ、もちろん響子はそんなに喰わないのだが。
レストランは外堀通り沿いにあるので、俺たちは正面玄関から出た。
吹雪は置いて来ている。
5分程歩くが、響子は最近体力が付いて来たので、それくらいは大丈夫だ。
「あれ、何か売ってるよ?」
「おお」
病院の正門の外で、小さな女の子が台車に番重を積み上げて、自分の首から1枚を提げて売っていた。
小学校の高学年くらいか。
今は春休みなのだろう。
病院から出て来る人間や通行人に声を掛けている。
一応敷地外ではあるが、周辺での販売や勧誘はお断りしている。
だから六花も気にしていた。
「まあ、帰りにでも俺が声を掛けるよ」
俺たちはステーキハウスへ行った。
1時間ほどで病院へ戻ると、まだ女の子が売っていた。
響子と六花を先に中へ入れる。
俺は女の子に近づいて声を掛けた。
「あ!」
女の子が俺の顔を見て驚いていた。
俺も間近で見て、見覚えのある子だと分かった。
「ああ、「緑翠」さんの所の子かぁ!」
「はい! いつもご利用ありがとうございます!」
六本木の和菓子屋で、上品で美味い和菓子を売っているので俺も時々買いに行ったり贈答で使ったりしている。
夕方などに行くと、学校を終えた女の子がお店を手伝っているのを見ていた。
女の子は岬いずみと名乗った。
俺も石神高虎だと名乗った。
「石神さん、あの! 《桜舞》を如何ですか!」
いずみは俺に番重の中を見せて、和菓子を買って欲しいと言った。
「あのさ、病院の周辺で物を売ってもらっては困るんだ」
「え!」
「そういう決まり事があってね。患者さんたちの迷惑になるから」
「すいませんでした! 私、大勢の人が通る場所とばかり考えていて」
いずみは驚いて俺に必死に謝った。
「いいんだよ、知らなかったんだろう?」
「はい、本当にすみませんでした!」
俺はいずみの横の番重の乗った代車を押して、少し離れた場所へ移動した。
鉄鋼会社の敷地の近くだ。
「よし! じゃあ、10個売ってくれないか?」
「え?」
「ここは病院の傍じゃないからな! 「緑翠」さんの和菓子は美味しいよな!」
いずみが突然泣き出した。
「おい! 泣くなよ!」
「ありがとうございます! さっきから全然売れなくて」
いずみが抱えているのが最初の番重で、ざっと数えて一枚に100個入っている。
俺が今10個買っても、まだ80個以上残っていた。
台車のものは全然残っている。
いずみは1000個の和菓子を売ろうとしているのか。
番重の一枚はまた随分と重い。
それを持って、いずみは何時間売ろうとしていたことか。
「どうしてあんな場所で売っていたんだ?」
またいずみが泣き始めた。
俺は頭を優しく撫でて、泣き止むのを待った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「あの、すいませんがお店の前での喫煙はやめていただけないでしょうか?」
時々見かける3人の若いサラリーマンたちだった。
うちのお店の前でタバコを吸って、そのまま吸殻を捨てて行く。
うちの脇に自動販売機があって、そこで飲み物を買ってタバコを吸って行くのだ。
「他のお客さんの御迷惑にもなりますし」
男の人たちは私を見ていた。
「どこで吸おうと関係ないだろう」
「いいえ、港区は条例で路上での喫煙は禁じられてるはずです」
「このやろう」
「おい、よせよ」
一人の男の人が怖い顔をし、もう一人が止めていた。
「お前よ! 生意気なんだよ!」
「そんな、お願いします」
「ガキに説教されんのが、俺は大嫌いなんだ!」
「……」
もう一人の人も、男の人が本気で怒っているので止めるのをやめた。
結局いつものように吸殻を捨てて帰って行った。
嫌な気分だったけど、言わなければずっとそのままだ。
「いずみ、危ないことはしないで」
店に戻ると、お母さんが心配して言った。
「うん、ちょっと怒られちゃった」
「ほら! もう放っておいてね」
「うん」
正直、私も怖かった。
正しいことを言っているのだけど、逆に怒らせてしまった。
でも、その日の夕方に嬉しいことがあった。
お店に電話が来て、お母さんが受けた。
「え、うちで働いている小さな子ですか? いずみのことでしょうか? はい、はい、そうです。え!」
お母さんが驚いて、ニコニコしながら私を呼んだ。
「いずみ、あんたに電話だよ?」
「え?」
「ほら、ラクルートの人だって! あの大きな会社だよ!」
「ああ!」
お店の近くにある、大きな会社だ。
CMも流れていて、誰でも知っている。
電話を替わった。
「ああ、あなたがいずみさんですか!
「はい、いずみですが」
「うちの会社の社員が、お宅で一生懸命に働いている女の子がいると言って評判でして」
「え、そうなんですか」
「それでね、もうすぐうちの入社式なんだけど、《緑翠》さんの和菓子を全員に配りたいと思いまして」
「え! それはありがとうございます!」
「その時にね、いずみさんにも来て頂いて、ちょっと入社式で挨拶してもらいたいんです」
「私がですか?」
「ええ。小さな女の子が懸命に働いているということを、新入社員に紹介したいんですよ。みんなやる気になってくれると思います」
「そんな! 私なんて!」
驚いたけど、5000個もの和菓子の注文をしてくれると言ってくれた。
だから、恥ずかしかったけど、入社式の件もお引き受けした。
和菓子は私のお勧めで「桜舞」と決まった。
まだ小学校の春休みの間なので、私も時間はある。
来週の月曜日ということで、1週間後だ。
お父さんとお母さんも喜んでくれた。
「いずみのお陰で大口の注文だな!」
「本当に! 今後も使って貰えるといいわね!」
私も嬉しかった。
お父さんは早速材料の注文をした。
中国から修行に来ているヤンさんも喜んで、張り切っていた。
土日はお休みなのだが、大量の注文を受けたので、日曜日の夜から家族みんなとヤンさんとで「桜舞」の準備を始めた。
お父さんは昔のお弟子さんに頼んで、うちの他にも二人応援に来てもらった。
みんなで頑張って、何とか朝に5000個の「桜舞」が揃った。
丁寧に一つずつケースに入れ、運びやすいように番重に詰めて行った。
8時半に取りに来てくれるはずだ。
でも、9時になっても誰も来ない。
お母さんがラクルートへ電話した。
「はい、総務部ですが」
「あの、緑翠ですが、ご注文の「桜舞」のご用意が出来ているのですが」
「はい?」
「今日の8時半に取りに来て下さるということで、お待ちしていたのですけど」
「ちょっとお待ちください」
電話が保留になり、お母さんが不安そうな顔をしていた。
「今確認しましたが、弊社で緑翠さんに注文を出した人間はいないと」
「え! どういうことでしょうか!」
「申し訳ありませんが、何かの勘違いじゃないでしょうか?」
「そんな! 今日は入社式で、そのためにうちに大量の注文をいただいたはずですけど」
「弊社ではそのようなことは。入社式は明日ですし」
「!」
お母さんが受話器を置き、真っ青になって床に座った。
お父さんがどうなったんだと肩を揺すって、お母さんが今の会話を話した。
「おい! 250万円だぞ!」
お父さんも顔が白くなった。
「これだけの量だ、売掛で材料屋に頼んだけど、今週中に支払わないと」
私のせいだ。
私が誰かに騙されたんだ。
「私! 売って来るから!」
「いずみ!」
「大丈夫! 必ず売って来るから!」
「おい!」
お父さんが止めるのも聞かずに、番重を代車に乗せて外へ出た。
和菓子は日持ちがしない。
今回は上生菓子なので、今日中だ。
今日中に5000個売らないと。
目の前が真っ暗になりそうだったが、必死で番重を押した。
どこで売ろうか。
その時に、時々お店に来てくれる、あの素敵な人の顔を思い出した。
「確か、あそこの大きな病院の人だ!」
多くの人が出入りする場所だ。
私は急いで代車を押して、あの人の病院へ向かった。
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