2,172 / 2,840
ネコ男 RISING Ⅱ
しおりを挟む
正月4日。
俺と早乙女はアヴェンタドールに乗って花の病院へ行った。
病院脇の花屋で、俺が花を見繕い、早乙女に支払わせて持たせた。
「トラさん! それに早乙女さんも」
俺たちが病室に行くと、花が喜んだ。
「よう! 今日は一緒に来たんだ」
「そうなんですか! 嬉しいです!」
早乙女が持って来た花を新しい花瓶に入れた。
どうせいつも突っ込んでいるだけだろうと、俺は家から持って来た鋏で綺麗に活け直してやった。
桃の枝があり、それを横に伸ばして空間を拡げる。
早乙女が感心して観ていた。
「お前は何でも出来るんだな」
「お前も雪野さんに教えてもらえよ」
「うん!」
早乙女の家の花を見て、雪野さんが華道を嗜んでいることが分かっていた。
「トラさん、素敵です!」
「そうか」
俺は持って来たしいたけのスープを用意した。
辰巳芳子先生の言う通り、大分県のカトウシイタケを使っている。
循環器系に効能があるとされるものだ。
しいたけと梅と昆布だけのシンプルな材料だが、その調理法によって辰巳先生が見事な「コンソメ」に昇華させた。
「じゃあ、今日も俺が飲ませてやるな」
「お願いします!」
スプーンでスープを掬って花に呑ませる。
今日は早乙女がいるが、花はまったく気にしていなかった。
花が口に含んで優しく笑った。
「今日はどうだ?」
「美味しい!」
「そっか」
俺は二口目を口に持って行った。
早乙女が口を押えて病室を出て行った。
あのバカ。
「今、急な電話が来たみたいだな」
「そうだったんですか」
「結構忙しい男なんだよ」
「それなのにここに来てくれるんですか」
「花がカワイイからな!」
「エヘヘヘヘヘ!」
花がスープを飲み終えた頃に、早乙女が戻って来た。
目が赤い。
俺はいつものように花に紅茶を飲ませ、歯を磨いてやった。
横に寝かせて、また話をする。
花がまたレイの話を聞きたがった。
もう何度か話しているが、花はあの話が大好きだった。
「トラさん、私もレイに会いたかったな」
「そうか。優しい奴だったよ」
「そうですよね! 私、きっと会えると思うんです」
「え?」
花が目を閉じて微笑んでいた。
もう間もなく眠る。
消化にエネルギーを使うので、何かを口に入れると花は眠くなる。
「夢でね、レイに会えたんですよ」
「それはスゴイな」
「それがね、とっても大きな虎で。私を背中に乗せてくれました」
「へぇ!」
花が少し目を開けて、また嬉しそうに笑った。
「なんだかね、今は可愛らしい女の子と一緒にいるそうですよ」
「え?」
「優しそうに笑うんです。虎が笑うなんておかしいですよね?」
「いや、あのレイならやるかもな」
「アハハハハハハハ」
花が眠った。
本当に花はレイに会ったのかもしれない。
俺は早乙女と病室を出た。
廊下を歩きながら、早乙女が俺に話し掛けて来た。
「石神、お前は毎日ああいうことをしているんだな」
「花はもう両手が上手く動かない。それに食事も摂れなくなって来ている」
「だからお前がああやってスープを作って来るのか」
「そうだよ。スープなら飲めるみたいだしな。花の病院食も、段々流動食が多くなってきた」
「そうか」
早乙女がまたハンカチで目を押さえた。
「お前は凄い! お前は優しい!」
「おい!」
「お前はあんなに優しく花さんにスープを飲ませていた」
「やめろよ。医療従事者として出来て当たり前だ」
「違う! お前は違うよ、石神!」
「うるせぇ! もう黙れ!」
早乙女が黙った。
声を殺しながら歩いた。
俺は早乙女をアヴェンタドールに乗せ、渋谷へ向かった。
獅子丸と一緒に昼食を食べる予定だった。
獅子丸のマンションに着き、駐車場にアヴェンタドールを入れる。
獅子丸の部屋へ行った。
まだ11時半で、昼食には少し早いが。
獅子丸が俺たちを招き入れ、俺はネコたちにたかられた。
「相変わらず石神さんはスゴイっすね!」
「おい」
ソファに座ると、ネコたちが俺によじ登って来ようとする。
頭にまで乗られた。
獅子丸が大笑いしている。
「俺でもそうはなりませんよ」
「何とかしろ!」
「無理ですって」
コーヒーが出された。
獅子丸もコーヒーが好きなようで美味かった。
「ゴールドだけはいつも来ないよな?」
「ああ、こいつとは特別なんで」
「へぇ」
ゴールドだけは獅子丸の傍にいる。
時々は俺の方にも来るが。
ゴールドが来た時は、他のネコが一斉にどく。
まるで昔のロボみたいだ。
俺は以前に五十嵐さんから預かったゴールデンレトリバーのゴールドの話をした。
獅子丸と早乙女が感動してくれた。
「あいつが死んでからなんだよ。やたらと動物に好かれるようになってな」
「石神さんは前からでしょう」
「まあ、ちょっとはそういう傾向はあったけどなぁ。一時は散歩してると犬にたかられ大変だったんだ」
獅子丸がまた大笑いした。
「その犬と同じ名前なんですね」
「そうだな。まあ、いい名前だよな」
「そうですよね!」
ゴールドが俺の方へ歩いて来た。
他のネコがどいていく。
ゴールドは俺の膝に上がり、前足を俺の肩にかけて顔を舐めてきた。
ロボもよくやる。
「ああ! ゴールドが完全に石神さんを好きになりましたよ!」
「そうなのかよ」
獅子丸には分かるようだ。
まあ、嫌な気分ではない。
「そういえば、うちのロボも俺だけにしかやらないな」
「そうでしょう!」
早乙女が笑って見ていた。
早乙女の脚の上に、俺から離れたネコが乗っていた。
嬉しそうにネコを撫でている。
「早乙女は邪悪な心を持ってるからな。ゴールドには分かるんだろう」
「早乙女さんはいい人ですよ!」
「そうか?」
「間違いありません!」
早乙女が嬉しそうに笑った。
ゴールドは獅子丸の所へ戻った。
そろそろ外へ出ようかと言うと、獅子丸が俺に言った。
「あの、こいつらの御飯の時間なんです。申し訳ないんですが、出前じゃ不味いですか?」
「ここで食べるのか」
「ええ、申し訳ありません。出来ればあんまし時間をずらしたくなくて」
「まあいいけどよ」
外で話すよりも、ここでの方がいいかもしれない。
獅子丸に鰻でいいかと聞いて、早乙女に注文させた。
「早乙女、松川に電話してくれ」
「松川って誰だ?」
「鰻屋だよ! いいか、特注で二重天井を3つ、タレは別に追加で3つ、寿司を2人前だ」
「分かった!」
早乙女が検索して松川に電話する。
高い店なのを知っており、獅子丸が緊張する。
「大丈夫だ、早乙女のおごりだからな!」
「いえ、自分が出しますって!」
「いいよ。今日は俺たちのために時間を取って貰ったんだしな」
「ありがとうございます!」
獅子丸は俺たちに断って、ネコの餌を作り始めた。
キッチンにネコたちが集まって行く。
ゴールドは俺の所へ来た。
「おい、お前は行かないのかよ?」
「にゃー」
優しく綺麗な声で鳴いた。
それもロボと同じだ。
「おい、まさかお前も尻尾が2つに割れたりしないだろうなぁ」
俺が笑ってゴールドに言った。
ゴールドが俺を見ていた。
「ほら、やってみろ」
ゴールドの尻尾を優しく撫でた。
「「!」」
ゴールドの長い茶色の尾が2つに分かれた。
俺と早乙女の目的は、一瞬で解決した。
俺と早乙女はアヴェンタドールに乗って花の病院へ行った。
病院脇の花屋で、俺が花を見繕い、早乙女に支払わせて持たせた。
「トラさん! それに早乙女さんも」
俺たちが病室に行くと、花が喜んだ。
「よう! 今日は一緒に来たんだ」
「そうなんですか! 嬉しいです!」
早乙女が持って来た花を新しい花瓶に入れた。
どうせいつも突っ込んでいるだけだろうと、俺は家から持って来た鋏で綺麗に活け直してやった。
桃の枝があり、それを横に伸ばして空間を拡げる。
早乙女が感心して観ていた。
「お前は何でも出来るんだな」
「お前も雪野さんに教えてもらえよ」
「うん!」
早乙女の家の花を見て、雪野さんが華道を嗜んでいることが分かっていた。
「トラさん、素敵です!」
「そうか」
俺は持って来たしいたけのスープを用意した。
辰巳芳子先生の言う通り、大分県のカトウシイタケを使っている。
循環器系に効能があるとされるものだ。
しいたけと梅と昆布だけのシンプルな材料だが、その調理法によって辰巳先生が見事な「コンソメ」に昇華させた。
「じゃあ、今日も俺が飲ませてやるな」
「お願いします!」
スプーンでスープを掬って花に呑ませる。
今日は早乙女がいるが、花はまったく気にしていなかった。
花が口に含んで優しく笑った。
「今日はどうだ?」
「美味しい!」
「そっか」
俺は二口目を口に持って行った。
早乙女が口を押えて病室を出て行った。
あのバカ。
「今、急な電話が来たみたいだな」
「そうだったんですか」
「結構忙しい男なんだよ」
「それなのにここに来てくれるんですか」
「花がカワイイからな!」
「エヘヘヘヘヘ!」
花がスープを飲み終えた頃に、早乙女が戻って来た。
目が赤い。
俺はいつものように花に紅茶を飲ませ、歯を磨いてやった。
横に寝かせて、また話をする。
花がまたレイの話を聞きたがった。
もう何度か話しているが、花はあの話が大好きだった。
「トラさん、私もレイに会いたかったな」
「そうか。優しい奴だったよ」
「そうですよね! 私、きっと会えると思うんです」
「え?」
花が目を閉じて微笑んでいた。
もう間もなく眠る。
消化にエネルギーを使うので、何かを口に入れると花は眠くなる。
「夢でね、レイに会えたんですよ」
「それはスゴイな」
「それがね、とっても大きな虎で。私を背中に乗せてくれました」
「へぇ!」
花が少し目を開けて、また嬉しそうに笑った。
「なんだかね、今は可愛らしい女の子と一緒にいるそうですよ」
「え?」
「優しそうに笑うんです。虎が笑うなんておかしいですよね?」
「いや、あのレイならやるかもな」
「アハハハハハハハ」
花が眠った。
本当に花はレイに会ったのかもしれない。
俺は早乙女と病室を出た。
廊下を歩きながら、早乙女が俺に話し掛けて来た。
「石神、お前は毎日ああいうことをしているんだな」
「花はもう両手が上手く動かない。それに食事も摂れなくなって来ている」
「だからお前がああやってスープを作って来るのか」
「そうだよ。スープなら飲めるみたいだしな。花の病院食も、段々流動食が多くなってきた」
「そうか」
早乙女がまたハンカチで目を押さえた。
「お前は凄い! お前は優しい!」
「おい!」
「お前はあんなに優しく花さんにスープを飲ませていた」
「やめろよ。医療従事者として出来て当たり前だ」
「違う! お前は違うよ、石神!」
「うるせぇ! もう黙れ!」
早乙女が黙った。
声を殺しながら歩いた。
俺は早乙女をアヴェンタドールに乗せ、渋谷へ向かった。
獅子丸と一緒に昼食を食べる予定だった。
獅子丸のマンションに着き、駐車場にアヴェンタドールを入れる。
獅子丸の部屋へ行った。
まだ11時半で、昼食には少し早いが。
獅子丸が俺たちを招き入れ、俺はネコたちにたかられた。
「相変わらず石神さんはスゴイっすね!」
「おい」
ソファに座ると、ネコたちが俺によじ登って来ようとする。
頭にまで乗られた。
獅子丸が大笑いしている。
「俺でもそうはなりませんよ」
「何とかしろ!」
「無理ですって」
コーヒーが出された。
獅子丸もコーヒーが好きなようで美味かった。
「ゴールドだけはいつも来ないよな?」
「ああ、こいつとは特別なんで」
「へぇ」
ゴールドだけは獅子丸の傍にいる。
時々は俺の方にも来るが。
ゴールドが来た時は、他のネコが一斉にどく。
まるで昔のロボみたいだ。
俺は以前に五十嵐さんから預かったゴールデンレトリバーのゴールドの話をした。
獅子丸と早乙女が感動してくれた。
「あいつが死んでからなんだよ。やたらと動物に好かれるようになってな」
「石神さんは前からでしょう」
「まあ、ちょっとはそういう傾向はあったけどなぁ。一時は散歩してると犬にたかられ大変だったんだ」
獅子丸がまた大笑いした。
「その犬と同じ名前なんですね」
「そうだな。まあ、いい名前だよな」
「そうですよね!」
ゴールドが俺の方へ歩いて来た。
他のネコがどいていく。
ゴールドは俺の膝に上がり、前足を俺の肩にかけて顔を舐めてきた。
ロボもよくやる。
「ああ! ゴールドが完全に石神さんを好きになりましたよ!」
「そうなのかよ」
獅子丸には分かるようだ。
まあ、嫌な気分ではない。
「そういえば、うちのロボも俺だけにしかやらないな」
「そうでしょう!」
早乙女が笑って見ていた。
早乙女の脚の上に、俺から離れたネコが乗っていた。
嬉しそうにネコを撫でている。
「早乙女は邪悪な心を持ってるからな。ゴールドには分かるんだろう」
「早乙女さんはいい人ですよ!」
「そうか?」
「間違いありません!」
早乙女が嬉しそうに笑った。
ゴールドは獅子丸の所へ戻った。
そろそろ外へ出ようかと言うと、獅子丸が俺に言った。
「あの、こいつらの御飯の時間なんです。申し訳ないんですが、出前じゃ不味いですか?」
「ここで食べるのか」
「ええ、申し訳ありません。出来ればあんまし時間をずらしたくなくて」
「まあいいけどよ」
外で話すよりも、ここでの方がいいかもしれない。
獅子丸に鰻でいいかと聞いて、早乙女に注文させた。
「早乙女、松川に電話してくれ」
「松川って誰だ?」
「鰻屋だよ! いいか、特注で二重天井を3つ、タレは別に追加で3つ、寿司を2人前だ」
「分かった!」
早乙女が検索して松川に電話する。
高い店なのを知っており、獅子丸が緊張する。
「大丈夫だ、早乙女のおごりだからな!」
「いえ、自分が出しますって!」
「いいよ。今日は俺たちのために時間を取って貰ったんだしな」
「ありがとうございます!」
獅子丸は俺たちに断って、ネコの餌を作り始めた。
キッチンにネコたちが集まって行く。
ゴールドは俺の所へ来た。
「おい、お前は行かないのかよ?」
「にゃー」
優しく綺麗な声で鳴いた。
それもロボと同じだ。
「おい、まさかお前も尻尾が2つに割れたりしないだろうなぁ」
俺が笑ってゴールドに言った。
ゴールドが俺を見ていた。
「ほら、やってみろ」
ゴールドの尻尾を優しく撫でた。
「「!」」
ゴールドの長い茶色の尾が2つに分かれた。
俺と早乙女の目的は、一瞬で解決した。
1
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
こずえと梢
気奇一星
キャラ文芸
時は1900年代後期。まだ、全国をレディースたちが駆けていた頃。
いつもと同じ時間に起き、同じ時間に学校に行き、同じ時間に帰宅して、同じ時間に寝る。そんな日々を退屈に感じていた、高校生のこずえ。
『大阪 龍斬院』に所属して、喧嘩に明け暮れている、レディースで17歳の梢。
ある日、オートバイに乗っていた梢がこずえに衝突して、事故を起こしてしまう。
幸いにも軽傷で済んだ二人は、病院で目を覚ます。だが、妙なことに、お互いの中身が入れ替わっていた。
※レディース・・・女性の暴走族
※この物語はフィクションです。
~後宮のやり直し巫女~私が本当の巫女ですが、無実の罪で処刑されたので後宮で人生をやり直すことにしました
深水えいな
キャラ文芸
無実の罪で巫女の座を奪われ処刑された明琳。死の淵で、このままだと国が乱れると謎の美青年・天翼に言われ人生をやり直すことに。しかし巫女としてのやり直しはまたしてもうまくいかず、次の人生では女官として後宮入りすることに。そこで待っていたのは怪事件の数々で――。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる