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獅子丸の親友
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「お前が「ゴールド」の獅子丸か?」
「そうだ、お前は?」
突然、道玄坂の溜まり場になっている店に、そいつが現われた。
俺もでかいが、その男も相当だ。
「「バイパー」の川瀬ってもんだよ」
「ああ」
聞いたことがある。
渋谷のチーム、ギャングの中でも喧嘩が強い連中だ。
あちこちのチームやギャングに挑んでは潰しているという。
「何の用だ?」
「お前が強いって聞いてよ」
「ああ?」
「ヤろうぜ!」
川瀬は身長190センチを超える巨漢だ。
体重は恐らく150キロ近いだろう。
とにかく腕も足も胸も何もかもが分厚い筋肉で覆われている。
身体を鍛えるのが趣味なことは一目で分かった。
自分も身長は2メートルを超えて川瀬以上だが、体重は120キロ程度だ。
それに、川瀬は巨体に似合わないスピードで頭を下げて向かってきた。
タックル狙いだ。
あの体重をまともに喰らえば、ただでは済まない。
俺はサイドステップで避けながら、川瀬の身体に膝蹴りを見舞った。
川瀬はそのまま突っ込んで来て、膝を胸で受けた。
俺の膝は川瀬の身体を滑って、そのまま掴まれる。
噂通り、喧嘩慣れした奴だ。
俺は川瀬の首の後ろにパンチを放った。
川瀬が衝撃で下に沈む。
そのまま足の裏で川瀬の身体を踏み潰そうとした瞬間、俺の左足に衝撃が走った。
川瀬が沈みながら俺の左足の甲に渾身の拳を叩き込んでいた。
俺は衝撃に耐えながら、川瀬の後頭部に右足をのめり込ませる。
川瀬が一瞬動かなくなる。
俺も離れて左足を庇ってうずくまった。
川瀬が立ち上がる。
まだ意識が混濁している。
俺は左足の痛みを堪えながら、川瀬の顎にフックを放った。
川瀬が派手にぶっ倒れて、今度こそ起き上がって来なかった。
倒れた川瀬は「バイパー」の連中に運ばれていった。
俺も仲間のヒロユキに肩を貸してもらい、すぐに病院に行った。
左足の甲は粉砕骨折に近い、骨が幾つも砕ける重症だった。
完治まで3週間かかり、しばらく時々痛んだ。
また川瀬が来た。
「喧嘩で負けたのは初めてだぜ」
「そうか」
「俺のチームはお前の所の下に着く」
「必要ねぇよ」
「あ?」
「俺は別にチームを大きくしたいわけじゃない」
「そうなのか?」
「気の合う連中と、楽しくやりたいだけだ」
「へぇ!」
川瀬は俺を飲みに誘った。
酒も強い奴だった。
それから仲良くなり、会えば挨拶し、時々誘って一緒に食事をし、飲んだ。
川瀬は食い物に拘ることがあった。
「タンパク質だよ!」
「なんだよ?」
「いい筋肉を作るためには、いいタンパク質を喰わないと」
「へぇ」
「鳥の胸肉とかだよ」
「そうなのか」
「まあ、俺はもっとすげぇけどな」
「なんだ?」
川瀬はカバンから何かの薬を出した。
アナボリックステロイドという特別な筋肉増強の薬らしい。
「薬なんか使って大丈夫なのか?」
「正直言ってよ、肝臓にきつい毒なんだよ」
「おい、そんなの辞めろよ!」
「大丈夫だって。毒を消す薬も一緒に飲んでんだ」
「なんだよ、そりゃ!」
呆れる奴だった。
でも、強くなりたいという願いは本物だ。
身体を壊すかもしれないが、それでも強くなりたい。
まあ、そういう気持ちも分からないじゃない。
川瀬が純粋な奴だということは、十分に分かっていた。
お互いのチームも親しくなり、たまに一緒に他のチームやギャングを相手に暴れた。
俺の仲間が助けてもらったことも何度かあった。
渋谷で、俺たちは名を知られ、互いに助け合って他の連中から手を出されなくなっていった。
川瀬は喧嘩好きだが、本当にいい奴だった。
俺たちは親友になった。
俺の仲間とは別に、本当の友達だった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「その川瀬杞紗(きさ)という男が怪しいということなんだね?」
「ええ、すいません。はっきりしたことじゃなくて」
石神から紹介された獅子丸という男に会った。
「アドヴェロス」に編入したいということだったので、直接本部に呼んで話した。
石神が信頼するのならば、何も問題ない。
一応ハンターには会わせないで、最初は俺と成瀬で面会した。
獅子丸とその仲間4人とだ。
「川瀬とは仲が良かったんですよ。よく一緒に飲んだりして」
「それが最近になって変わったんだね?」
「ええ。性格が変わったというか。前から周りに威張っているような奴でしたが、それが一層きつくなって。仲間からも敬遠されているようで」
「具体的には?」
「仲間にも暴力を振るうようになりました。喧嘩は俺と同じように好きな奴でしたが、無意味に他人を殴るような奴じゃなかった。特に仲間に対しては。でも、今じゃ気に入らないとすぐに暴力をふるうようで。一度俺とも喧嘩しました」
「以前は無かったんだね?」
「まあ、最初だけで。お互いに強かったので引き分けたと言いますか。それ以来仲良くなりました」
「そうか」
暴力的に変わる人間はいる。
自分が強くなったと自覚する時、そして権力を持ったと感じた時。
獅子丸は思いがけないことを言った。
「最近喧嘩した時に、川瀬の腕が割れたように見えたんです」
「なんだって!」
「見間違いかもしれません。一瞬のことでしたし」
「腕が割れて、攻撃されたのか?」
「いいえ。その時に川瀬がもうやめようと言いました。一応悪かったとあやまって去って行きましたので」
俺は成瀬を見た。
成瀬も分かったようだ。
これは大変な問題だった。
「もしかして、その川瀬は「デミウルゴス」を使っていたんじゃないか?」
「はい! 得体の知れないものだったんで、俺も止めたんですが」
「そうだったか」
俺は獅子丸に「デミウルゴス」が人間に妖魔を埋め込むドラッグなのだと話した。
獅子丸は大きなショックを受けていた。
「今、川瀬の居場所は分かるか?」
「それが、ここしばらくはあいつの仲間も連絡が取れないようで。まあ、最近の川瀬の態度に嫌気がさして、みんなあまり連絡もしていないようなんですが」
「そうか。分かった。貴重な情報をありがとう」
「いいえ! これからもよろしくお願いします!」
獅子丸たちが帰って行った。
今後は「アドヴェロス」に組み込んでいくつもりだが、何しろどういう人間たちか分からない。
悪い人間でないことは分かるが、能力的にハンターが務まるのは獅子丸だけだろう。
他の4人については、これから教育や訓練が必要だ。
石神は全員を雇って欲しいといっていたが、ハンター以外は外部の人間には難しい。
今日は顔合わせ的なものなので詳しいことは石神とも話していない。
石神はどのように考えているのだろうか。
「何にしても、いい連中じゃないですか」
「そうだな」
成瀬が笑っていた。
こいつは人間性については鋭い洞察力がある。
渋谷で遊んでいた若者たちにしては、素直でやる気もある。
獅子丸のことは、石神から聞いている。
「渋谷HELL」で妖魔に憑依されながら、理性を喪わなかったということだ。
これまでに滅多に無い事例だが、うちの愛鈴がいる。
石神が保証したということは、タマさんなりに精査させた上のことだろう。
そのことは信頼している。
しかし、どうして獅子丸が人間の心を喪わなかったのかは分からない。
愛鈴には特殊な事情があったことが分かっている。
中国にいた時に、愛鈴は「龍(ロン)」というものに見込まれていたようだった。
ならば、獅子丸はどうなのだろう。
人体との相性のようなものがあるのかもしれないが。
だが、他に「デミウルゴス」や憑依攻撃で理性を残している人間はいない。
道間家には特殊な技術があるようだが。
今度石神に相談してみよう。
「そうだ、お前は?」
突然、道玄坂の溜まり場になっている店に、そいつが現われた。
俺もでかいが、その男も相当だ。
「「バイパー」の川瀬ってもんだよ」
「ああ」
聞いたことがある。
渋谷のチーム、ギャングの中でも喧嘩が強い連中だ。
あちこちのチームやギャングに挑んでは潰しているという。
「何の用だ?」
「お前が強いって聞いてよ」
「ああ?」
「ヤろうぜ!」
川瀬は身長190センチを超える巨漢だ。
体重は恐らく150キロ近いだろう。
とにかく腕も足も胸も何もかもが分厚い筋肉で覆われている。
身体を鍛えるのが趣味なことは一目で分かった。
自分も身長は2メートルを超えて川瀬以上だが、体重は120キロ程度だ。
それに、川瀬は巨体に似合わないスピードで頭を下げて向かってきた。
タックル狙いだ。
あの体重をまともに喰らえば、ただでは済まない。
俺はサイドステップで避けながら、川瀬の身体に膝蹴りを見舞った。
川瀬はそのまま突っ込んで来て、膝を胸で受けた。
俺の膝は川瀬の身体を滑って、そのまま掴まれる。
噂通り、喧嘩慣れした奴だ。
俺は川瀬の首の後ろにパンチを放った。
川瀬が衝撃で下に沈む。
そのまま足の裏で川瀬の身体を踏み潰そうとした瞬間、俺の左足に衝撃が走った。
川瀬が沈みながら俺の左足の甲に渾身の拳を叩き込んでいた。
俺は衝撃に耐えながら、川瀬の後頭部に右足をのめり込ませる。
川瀬が一瞬動かなくなる。
俺も離れて左足を庇ってうずくまった。
川瀬が立ち上がる。
まだ意識が混濁している。
俺は左足の痛みを堪えながら、川瀬の顎にフックを放った。
川瀬が派手にぶっ倒れて、今度こそ起き上がって来なかった。
倒れた川瀬は「バイパー」の連中に運ばれていった。
俺も仲間のヒロユキに肩を貸してもらい、すぐに病院に行った。
左足の甲は粉砕骨折に近い、骨が幾つも砕ける重症だった。
完治まで3週間かかり、しばらく時々痛んだ。
また川瀬が来た。
「喧嘩で負けたのは初めてだぜ」
「そうか」
「俺のチームはお前の所の下に着く」
「必要ねぇよ」
「あ?」
「俺は別にチームを大きくしたいわけじゃない」
「そうなのか?」
「気の合う連中と、楽しくやりたいだけだ」
「へぇ!」
川瀬は俺を飲みに誘った。
酒も強い奴だった。
それから仲良くなり、会えば挨拶し、時々誘って一緒に食事をし、飲んだ。
川瀬は食い物に拘ることがあった。
「タンパク質だよ!」
「なんだよ?」
「いい筋肉を作るためには、いいタンパク質を喰わないと」
「へぇ」
「鳥の胸肉とかだよ」
「そうなのか」
「まあ、俺はもっとすげぇけどな」
「なんだ?」
川瀬はカバンから何かの薬を出した。
アナボリックステロイドという特別な筋肉増強の薬らしい。
「薬なんか使って大丈夫なのか?」
「正直言ってよ、肝臓にきつい毒なんだよ」
「おい、そんなの辞めろよ!」
「大丈夫だって。毒を消す薬も一緒に飲んでんだ」
「なんだよ、そりゃ!」
呆れる奴だった。
でも、強くなりたいという願いは本物だ。
身体を壊すかもしれないが、それでも強くなりたい。
まあ、そういう気持ちも分からないじゃない。
川瀬が純粋な奴だということは、十分に分かっていた。
お互いのチームも親しくなり、たまに一緒に他のチームやギャングを相手に暴れた。
俺の仲間が助けてもらったことも何度かあった。
渋谷で、俺たちは名を知られ、互いに助け合って他の連中から手を出されなくなっていった。
川瀬は喧嘩好きだが、本当にいい奴だった。
俺たちは親友になった。
俺の仲間とは別に、本当の友達だった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「その川瀬杞紗(きさ)という男が怪しいということなんだね?」
「ええ、すいません。はっきりしたことじゃなくて」
石神から紹介された獅子丸という男に会った。
「アドヴェロス」に編入したいということだったので、直接本部に呼んで話した。
石神が信頼するのならば、何も問題ない。
一応ハンターには会わせないで、最初は俺と成瀬で面会した。
獅子丸とその仲間4人とだ。
「川瀬とは仲が良かったんですよ。よく一緒に飲んだりして」
「それが最近になって変わったんだね?」
「ええ。性格が変わったというか。前から周りに威張っているような奴でしたが、それが一層きつくなって。仲間からも敬遠されているようで」
「具体的には?」
「仲間にも暴力を振るうようになりました。喧嘩は俺と同じように好きな奴でしたが、無意味に他人を殴るような奴じゃなかった。特に仲間に対しては。でも、今じゃ気に入らないとすぐに暴力をふるうようで。一度俺とも喧嘩しました」
「以前は無かったんだね?」
「まあ、最初だけで。お互いに強かったので引き分けたと言いますか。それ以来仲良くなりました」
「そうか」
暴力的に変わる人間はいる。
自分が強くなったと自覚する時、そして権力を持ったと感じた時。
獅子丸は思いがけないことを言った。
「最近喧嘩した時に、川瀬の腕が割れたように見えたんです」
「なんだって!」
「見間違いかもしれません。一瞬のことでしたし」
「腕が割れて、攻撃されたのか?」
「いいえ。その時に川瀬がもうやめようと言いました。一応悪かったとあやまって去って行きましたので」
俺は成瀬を見た。
成瀬も分かったようだ。
これは大変な問題だった。
「もしかして、その川瀬は「デミウルゴス」を使っていたんじゃないか?」
「はい! 得体の知れないものだったんで、俺も止めたんですが」
「そうだったか」
俺は獅子丸に「デミウルゴス」が人間に妖魔を埋め込むドラッグなのだと話した。
獅子丸は大きなショックを受けていた。
「今、川瀬の居場所は分かるか?」
「それが、ここしばらくはあいつの仲間も連絡が取れないようで。まあ、最近の川瀬の態度に嫌気がさして、みんなあまり連絡もしていないようなんですが」
「そうか。分かった。貴重な情報をありがとう」
「いいえ! これからもよろしくお願いします!」
獅子丸たちが帰って行った。
今後は「アドヴェロス」に組み込んでいくつもりだが、何しろどういう人間たちか分からない。
悪い人間でないことは分かるが、能力的にハンターが務まるのは獅子丸だけだろう。
他の4人については、これから教育や訓練が必要だ。
石神は全員を雇って欲しいといっていたが、ハンター以外は外部の人間には難しい。
今日は顔合わせ的なものなので詳しいことは石神とも話していない。
石神はどのように考えているのだろうか。
「何にしても、いい連中じゃないですか」
「そうだな」
成瀬が笑っていた。
こいつは人間性については鋭い洞察力がある。
渋谷で遊んでいた若者たちにしては、素直でやる気もある。
獅子丸のことは、石神から聞いている。
「渋谷HELL」で妖魔に憑依されながら、理性を喪わなかったということだ。
これまでに滅多に無い事例だが、うちの愛鈴がいる。
石神が保証したということは、タマさんなりに精査させた上のことだろう。
そのことは信頼している。
しかし、どうして獅子丸が人間の心を喪わなかったのかは分からない。
愛鈴には特殊な事情があったことが分かっている。
中国にいた時に、愛鈴は「龍(ロン)」というものに見込まれていたようだった。
ならば、獅子丸はどうなのだろう。
人体との相性のようなものがあるのかもしれないが。
だが、他に「デミウルゴス」や憑依攻撃で理性を残している人間はいない。
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