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挿話: 柳の挑戦 Ⅱ
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また砲撃訓練場に戻った。
さっきの男の人がまたいる。
「アイン! 今度はお前が受けろ!」
「はい!」
アインさんって言うんだ。
私が攻撃を始める。
やはり全然当たらない。
私の攻撃は全部読まれていることが分かる。
そうか、そういうことか。
左フックを顔に放つ。
スウェイバックでかわされる。
私はフックを顔の前面で止めた。
一歩踏み込んで右ひざをアインさんの左腹部へぶち込む。
決まった。
「やったぁー!」
「バカ! 止まるな!」
アインさんが私の両肩を掴んだ。
膝が私の胃に突き刺さる。
「グェェー!」
胃の内容物が昇って来た。
口を上に向けて、アインさんの顔面に吐く。
アインさんが両肩を放し、顔を拭おうとする。
私は高速で拳を振るい、アインさんが倒れるまで続けた。
「よし! そこまで!」
聖さんが叫んだ。
アインさんは失神していた。
「よくやった!」
私は呼吸を忘れて動いていたので、息苦しくてしゃがんだ。
一旦休憩になる。
「今度は分かったか?」
「はい。フェイントというか、「予想外」ということですね」
「そうだ。お前の左フックはアインの視界を一瞬塞いだ。その機を逃さずに、お前はニ―キックを撃ち込んだ」
「はい!」
「まあ、一発程度で油断して、お前はアインの膝を受けた」
「はい、すみませんでした!」
「しかしお前はゲロを武器にした」
「ちょっと言い方が」
「胃酸は眼球に入れば激痛を生む。目を塞がれ、アインはなすすべもなかった」
「はい!」
偶然とも言えるが、私がアインさんの顔へ向けて吐いたのは事実だ。
必死に頑張った一撃だった。
「さっき、アインがローキックを痛がってたろ?」
「はい」
「あれは芝居だ。対して効いてないのに、フリをした。お前はまんまと騙されてやられた」
「!」
「今度はお前が仕掛けた。ゲロ攻撃は俺も予想外だったぜ」
「……」
そういうつもりではなかったんだけど。
本当に吐いちゃっただけなんですけど。
その時、入り口で叫ぶ声が聞こえた。
「「柳ちゃーん!」」
「ルーちゃん! ハーちゃん!」
「なんだ、あいつらも来たのか」
二人が駆け寄って来て私に抱き着く。
「柳ちゃん! 顔がひどいよ!」
「すぐに「Ω軟膏」塗るね!」
ハーちゃんがリュックから「Ω軟膏」を出して塗ってくれた。
「もう! こういうのはちゃんと持って来ないと!」
「ごめん」
「粉末もあるからね!」
「ありがとう!」
「おい、お前らもやんのか?」
「なんだとー!」
「ボコボコにしてやるぞー!」
「ワハハハハハハ!」
聖さんが大笑いしていた。
「まあ、今日はゲロの訓練だ。お前らも手伝え」
「ゲロ?」
「なにそれ?」
「な、なんでもない!」
アインさんは笑って、自分はここまででと言った。
タオルで目を押さえながら、私に握手してくれ、訓練場を出て行った。
「ゲロは、何しろ真直ぐ過ぎだ。話にならん。お前ら、ちょっと見せてやれよ」
「うん!」
聖さんとルーちゃんがやり始めた。
多分、私に分かるようにルーちゃんが攻撃して行く。
聖さんは余裕で捌いて行く。
私にも段々分かって来た。
1の攻撃は2の攻撃のために。
2の攻撃は3と4の攻撃のために。
そうやって攻撃を積み重ねて行って、その分岐は相手の動きによって変化して行く。
私は二人の攻防を観ながら、ハーちゃんに「予想外」の話をした。
「柳ちゃん、それは「P≠NP予想」なんだよ」
「なにそれ?」
ハーちゃんが説明してくれたが、よく分からなかった。
ため息を吐かれる。
私、東大生なんだけどなー。
一応、簡単な解が見出せない難しい問題の話らしい。
やっぱ分かんない。
「あのね、「予想外」っていうのは、本当は膨大なアルゴリズムが必要なの」
「それって、計算が難しいってこと?」
「うん、まあむしろ不可能ってことだよ」
「えー! じゃあ出来ないじゃん」
「そうなんだ。でもね、それを無理矢理こじ開けることは出来る」
「え!」
ルーちゃんが左回し蹴りを放った。
聖さんは余裕でそれを片手で軌道を変えようとする。
ルーちゃんの右足が飛び上がった。
左足が折られて、右足が更に聖さんに迫って回転した。
物凄い身体能力だ。
聖さんはやっと腕で防いだが、衝撃をまともに喰らった。
「やるな!」
「ワハハハハハハ!」
また激しい攻防が続く。
「ルーは聖に左足が防がれるのを見越していたんだよ」
「そうだよね!」
「最初からそのつもりで次の動作を始めていた」
「そういうことか!」
「「予想外」っていうのはね、相手に勝手に予想させることで実現できるってこと!」
「スゴイね!」
聖さんが攻撃を始めた。
一気にルーちゃんが押され始める。
何発か有効打を喰らって行った。
「私もいくよー!」
ハーちゃんが参戦した。
途端に攻撃が多彩になり、聖さんの手数が減って行く。
二人の攻撃も、聖さんには入らないが。
「柳ちゃんもきなー!」
「うん!」
三人で攻撃した。
聖さんが笑ってギアを上げて行った。
ルーちゃんとハーちゃんが私のために攻撃の隙を作ってくれるのが分かった。
同時に、私も「予想外」の作り方が分かって来た。
「ひじりー! 今日こそはボコボコだぁー!」
「ワハハハハハハ!」
私たちがボコボコにされた。
「「「……」」」
しばらく地面から起き上がれなかった。
「お前ら、弱いな」
聖さんに担がれて、食堂へ運ばれた。
ルーちゃんとハーちゃんが聖さんのお尻をペンペンとはたいていた。
食堂で頭から落とされた。
「まあ、ここまでだ。どうだ、何か掴んだか?」
「はい! 勉強になりました!」
「そうかよ」
聖さんが笑って、アイスコーヒーを持って来てくれた。
ルーちゃんとハーちゃんはお水だった。
「「……」」
聖さんが私に言った。
「お前は御堂の娘だったな」
「はい、そうです!」
「まあ、だからだろうな」
「はい?」
なんのことか分からない。
「トラはよ、御堂が大好きだ。だからお前を絶対に傷つけたくないと思っている」
「え?」
「戦場へもあまり連れて行かないだろう?」
「それは私が未熟だからで」
「その未熟さはよ、戦場に出てないせいだろうよ」
「!」
「トラは、お前に戦ってもらうつもりなんだろうけどな。それでもどこかで躊躇している。お前、大事にされてんな」
「そんな!」
ルーちゃんとハーちゃんが黙っている。
多分、二人も同じことを感じているのだろう。
「お前よ、トラにちゃんと頼めよ」
「……」
「お前自身は、トラの隣で戦いたいんだろう?」
「はい!」
「トラは優しい奴だ。だからお前を大事にしたいと心の奥底で思っている。だからお前がやれ。お前が戦う人間になりたいって言えよ」
「聖さん……」
聖さんが微笑んでいた。
ああ、この人はこんなに優しく笑うんだ。
「そしてよ、お前は絶対に死ぬな」
「え?」
「トラが悲しむ。だから絶対に死ぬなよな」
「はい!」
ルーちゃんとハーちゃんがニコニコしていた。
「柳ちゃんは私たちが護るからね!」
「絶対に大丈夫だよ!」
「うん、ありがとう! でも私も頑張るから!」
「柳ちゃんは、ちょっと頑張り過ぎだよ」
「そうだよ、ちょっとは一緒にあそぼ?」
「うん!」
帰りはゆっくり歩いて帰った。
ルーちゃんとハーちゃんに、歌を教えてもらった。
♪ ドドンコー ドドーンコォ ドンドコドン(どんどこどん) ドドンコー ドドーンコォ ドコドコドン(どこどこどん) ドドンコドドンコ ドーコドコドコドーン (どどんこどん どこんこどん) ♪
ねえ、なにそれ?
さっきの男の人がまたいる。
「アイン! 今度はお前が受けろ!」
「はい!」
アインさんって言うんだ。
私が攻撃を始める。
やはり全然当たらない。
私の攻撃は全部読まれていることが分かる。
そうか、そういうことか。
左フックを顔に放つ。
スウェイバックでかわされる。
私はフックを顔の前面で止めた。
一歩踏み込んで右ひざをアインさんの左腹部へぶち込む。
決まった。
「やったぁー!」
「バカ! 止まるな!」
アインさんが私の両肩を掴んだ。
膝が私の胃に突き刺さる。
「グェェー!」
胃の内容物が昇って来た。
口を上に向けて、アインさんの顔面に吐く。
アインさんが両肩を放し、顔を拭おうとする。
私は高速で拳を振るい、アインさんが倒れるまで続けた。
「よし! そこまで!」
聖さんが叫んだ。
アインさんは失神していた。
「よくやった!」
私は呼吸を忘れて動いていたので、息苦しくてしゃがんだ。
一旦休憩になる。
「今度は分かったか?」
「はい。フェイントというか、「予想外」ということですね」
「そうだ。お前の左フックはアインの視界を一瞬塞いだ。その機を逃さずに、お前はニ―キックを撃ち込んだ」
「はい!」
「まあ、一発程度で油断して、お前はアインの膝を受けた」
「はい、すみませんでした!」
「しかしお前はゲロを武器にした」
「ちょっと言い方が」
「胃酸は眼球に入れば激痛を生む。目を塞がれ、アインはなすすべもなかった」
「はい!」
偶然とも言えるが、私がアインさんの顔へ向けて吐いたのは事実だ。
必死に頑張った一撃だった。
「さっき、アインがローキックを痛がってたろ?」
「はい」
「あれは芝居だ。対して効いてないのに、フリをした。お前はまんまと騙されてやられた」
「!」
「今度はお前が仕掛けた。ゲロ攻撃は俺も予想外だったぜ」
「……」
そういうつもりではなかったんだけど。
本当に吐いちゃっただけなんですけど。
その時、入り口で叫ぶ声が聞こえた。
「「柳ちゃーん!」」
「ルーちゃん! ハーちゃん!」
「なんだ、あいつらも来たのか」
二人が駆け寄って来て私に抱き着く。
「柳ちゃん! 顔がひどいよ!」
「すぐに「Ω軟膏」塗るね!」
ハーちゃんがリュックから「Ω軟膏」を出して塗ってくれた。
「もう! こういうのはちゃんと持って来ないと!」
「ごめん」
「粉末もあるからね!」
「ありがとう!」
「おい、お前らもやんのか?」
「なんだとー!」
「ボコボコにしてやるぞー!」
「ワハハハハハハ!」
聖さんが大笑いしていた。
「まあ、今日はゲロの訓練だ。お前らも手伝え」
「ゲロ?」
「なにそれ?」
「な、なんでもない!」
アインさんは笑って、自分はここまででと言った。
タオルで目を押さえながら、私に握手してくれ、訓練場を出て行った。
「ゲロは、何しろ真直ぐ過ぎだ。話にならん。お前ら、ちょっと見せてやれよ」
「うん!」
聖さんとルーちゃんがやり始めた。
多分、私に分かるようにルーちゃんが攻撃して行く。
聖さんは余裕で捌いて行く。
私にも段々分かって来た。
1の攻撃は2の攻撃のために。
2の攻撃は3と4の攻撃のために。
そうやって攻撃を積み重ねて行って、その分岐は相手の動きによって変化して行く。
私は二人の攻防を観ながら、ハーちゃんに「予想外」の話をした。
「柳ちゃん、それは「P≠NP予想」なんだよ」
「なにそれ?」
ハーちゃんが説明してくれたが、よく分からなかった。
ため息を吐かれる。
私、東大生なんだけどなー。
一応、簡単な解が見出せない難しい問題の話らしい。
やっぱ分かんない。
「あのね、「予想外」っていうのは、本当は膨大なアルゴリズムが必要なの」
「それって、計算が難しいってこと?」
「うん、まあむしろ不可能ってことだよ」
「えー! じゃあ出来ないじゃん」
「そうなんだ。でもね、それを無理矢理こじ開けることは出来る」
「え!」
ルーちゃんが左回し蹴りを放った。
聖さんは余裕でそれを片手で軌道を変えようとする。
ルーちゃんの右足が飛び上がった。
左足が折られて、右足が更に聖さんに迫って回転した。
物凄い身体能力だ。
聖さんはやっと腕で防いだが、衝撃をまともに喰らった。
「やるな!」
「ワハハハハハハ!」
また激しい攻防が続く。
「ルーは聖に左足が防がれるのを見越していたんだよ」
「そうだよね!」
「最初からそのつもりで次の動作を始めていた」
「そういうことか!」
「「予想外」っていうのはね、相手に勝手に予想させることで実現できるってこと!」
「スゴイね!」
聖さんが攻撃を始めた。
一気にルーちゃんが押され始める。
何発か有効打を喰らって行った。
「私もいくよー!」
ハーちゃんが参戦した。
途端に攻撃が多彩になり、聖さんの手数が減って行く。
二人の攻撃も、聖さんには入らないが。
「柳ちゃんもきなー!」
「うん!」
三人で攻撃した。
聖さんが笑ってギアを上げて行った。
ルーちゃんとハーちゃんが私のために攻撃の隙を作ってくれるのが分かった。
同時に、私も「予想外」の作り方が分かって来た。
「ひじりー! 今日こそはボコボコだぁー!」
「ワハハハハハハ!」
私たちがボコボコにされた。
「「「……」」」
しばらく地面から起き上がれなかった。
「お前ら、弱いな」
聖さんに担がれて、食堂へ運ばれた。
ルーちゃんとハーちゃんが聖さんのお尻をペンペンとはたいていた。
食堂で頭から落とされた。
「まあ、ここまでだ。どうだ、何か掴んだか?」
「はい! 勉強になりました!」
「そうかよ」
聖さんが笑って、アイスコーヒーを持って来てくれた。
ルーちゃんとハーちゃんはお水だった。
「「……」」
聖さんが私に言った。
「お前は御堂の娘だったな」
「はい、そうです!」
「まあ、だからだろうな」
「はい?」
なんのことか分からない。
「トラはよ、御堂が大好きだ。だからお前を絶対に傷つけたくないと思っている」
「え?」
「戦場へもあまり連れて行かないだろう?」
「それは私が未熟だからで」
「その未熟さはよ、戦場に出てないせいだろうよ」
「!」
「トラは、お前に戦ってもらうつもりなんだろうけどな。それでもどこかで躊躇している。お前、大事にされてんな」
「そんな!」
ルーちゃんとハーちゃんが黙っている。
多分、二人も同じことを感じているのだろう。
「お前よ、トラにちゃんと頼めよ」
「……」
「お前自身は、トラの隣で戦いたいんだろう?」
「はい!」
「トラは優しい奴だ。だからお前を大事にしたいと心の奥底で思っている。だからお前がやれ。お前が戦う人間になりたいって言えよ」
「聖さん……」
聖さんが微笑んでいた。
ああ、この人はこんなに優しく笑うんだ。
「そしてよ、お前は絶対に死ぬな」
「え?」
「トラが悲しむ。だから絶対に死ぬなよな」
「はい!」
ルーちゃんとハーちゃんがニコニコしていた。
「柳ちゃんは私たちが護るからね!」
「絶対に大丈夫だよ!」
「うん、ありがとう! でも私も頑張るから!」
「柳ちゃんは、ちょっと頑張り過ぎだよ」
「そうだよ、ちょっとは一緒にあそぼ?」
「うん!」
帰りはゆっくり歩いて帰った。
ルーちゃんとハーちゃんに、歌を教えてもらった。
♪ ドドンコー ドドーンコォ ドンドコドン(どんどこどん) ドドンコー ドドーンコォ ドコドコドン(どこどこどん) ドドンコドドンコ ドーコドコドコドーン (どどんこどん どこんこどん) ♪
ねえ、なにそれ?
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