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翼ある者 Ⅱ
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紅が鳥の妖魔と話し終え、俺に向いた。
「お前、本当に話せるのかよ!」
「ああ、霊素解析のプログラムを応用してみた。言語は古代ギリシャ語と古代アラム語で解析したが」
「ほんとかよ!」
「人間の言語とは違う。蓮花様が以前に研究していた妖魔との交信の記録が役に立ったよ」
「すげぇな!」
紅が言うことには、鳥の妖魔たちはこの近辺に集落を持っているのだということだった。
そして、最近になって集落が襲われるようになり、助けてくれる人間を探している。
「なんだ、そりゃ?」
「そういうことを言っている」
「弱ったな」
「そうだな」
俺も判断が付かず、早乙女さんへ連絡した。
画像データも送り、状況を説明する。
「そうか。妖魔は取り敢えず敵ではないのだな?」
「はい。紅がそういうことも霊素解析で敵意が無いと言っています」
「分かった。こっちも石神と相談してみる。妖魔との交渉はあいつはベテランだからな」
「なるほど!」
石神さんは強大な妖魔を配下に置いている。
ある意味では道間家以上に、妖魔との関係は深い。
俺は紅に、鳥の妖魔にしばらく待って欲しいと伝えさせた。
「ピルピル」
鳥の妖魔がうなずいた。
ほんとにすげぇ。
もっと待たされるかと思ったが、石神さんからすぐに連絡が来た。
直接来るとも思っていなかった。
「よう!」
「石神さん!」
俺が状況を話そうとすると、既に把握されているようだった。
「いやぁー、俺もさ、ついこないだ「ケロケロ」ってしか言わない人と出会ってさ」
「なんすか、それ?」
「説明出来ねぇ」
「妖魔なんですか?」
「いや、仙人らしいんだけど」
「なんです?」
「それがよ、俺以外の人間は結構会話すんだよ、「ケロケロ」で」
「はぁ」
「俺だけ分かんねぇの! 参ったぜ」
「大変でしたね」
俺には話がよく分からない。
「まあ、そっちは今度な。とにかく敵意が無いということなら、一度集落へ行ってみてくれ」
石神さんが言った。
「ちょっと最初の目的とは違うけどよ、悪いが調べてくれよ。「ケロケロ」の人にはちょっと世話になったんでな。なんだか放って置きたくないんだ」
「分かりました」
「それに、その妖魔を襲ってる奴というのは、もしかすると「業」の尖兵かもしれん。注意しろ」
「はい」
「それと、その鳥の妖魔にもな! 妖魔は人間と思考が違う。敵意が無くても油断するな」
「はい! 分かりました!」
流石は石神さんだと思った。
様々な可能性を、明確な指示で押さえて下さる。
「こっちも備えておく。何かあればすぐに連絡しろ。3分で到着出来るようにしてやる」
「ありがとうございます!」
通信を切った。
紅も同時に聴いているはずだった。
「じゃあ、そういうことだ」
「了解した。ああ、羽入」
「なんだ?」
「その、この人の呼称なんだがな」
「おお」
「ピルちゃんと呼んでもいいか?」
「あ?」
「何ともカワイイ妖魔じゃないか。会話していてもいい奴に思えるぞ」
紅が珍しくそんなことを言った。
気に入ったのか。
「まあ、仮称ということでいいんじゃねぇか?」
「ありがとう、羽入!」
「い、いや」
どうでもいい。
とにかく、ピルちゃんの案内で俺たちは進んだ。
紅が上機嫌だ。
ピルちゃんが気に入ったらしい。
紅の話では、大雪山連邦の中腹に集落があるらしい。
俺たちは走り、ピルちゃんは飛んで上から案内する。
1時間も走破し、俺たちは集落に着いた。
ピルちゃんが「ピルピル」と鳴いた。
「今、仲間を呼んでいる」
「そうか」
集落には何も無かった。
ただ、高い木々があるだけだ。
中央が少し広くなっているが、巣らしいものも何も見当たらない。
何本か、倒木があった。
近くで調べると、切り口が爆発したように粉砕されていた。
紅もよく見る。
「結構な破壊力だな」
「ああ、油断ならない敵だ」
「破砕痕に爪や牙の痕はない」
「じゃあ、遠距離攻撃か」
「その可能性は考えておいた方がいいな」
「よし、分かった」
しばらくすると、木々の上の空間が揺らいだ。
そこから次々にピルちゃんと同じ姿の連中が出て来た。
「多いな!」
100羽を超えている。
「ピルピル」
「異空間に普段はいるようだ」
「そうなのか」
「ピルピル」
「ここには時々出て来るらしい」
「じゃあ、集落じゃねぇじゃんか」
「ピルピル」
「まあ、概念の違いだろうな。みんなでここに出て来て食事をしたり遊ぶらしいぞ」
「なんだよ、それ」
まあいい。
紅に「敵」の話を聞き出させ、俺は周辺を回った。
ただの森林だ。
何も変わったことは無い。
「お」
途中で木に高さ3メートルあたりに傷を見つけた。
熊の縄張りだ。
熊は自分の縄張りを示すために、木に爪で傷を作る。
その高さが熊の身長を示し、縄張りを荒らす他の熊に見せている。
高い場所にあれば、その縄張りを冒す者はいない。
遭遇すれば争いになるので、それを避ける野生のシステムだ。
3メートルということは、恐らく体高は2メートル半。
結構でかいヒグマだ。
俺が周囲を回っている間に、結構な数を見つけた。
ピルちゃんの集落は、どうやら熊の縄張りの中心に近い。
俺が戻ると、紅が大勢のピルちゃんたちと話していた。
「ピルピル」とやかましいくらいだ。
「羽入、戻ったか」
「ああ、周囲にそれっぽい痕跡はなかったな。ヒグマがいるようだが」
「そうか。こっちも大体終わったところだ」
熊の攻撃では、あの倒木の破砕にはならない。
やはり妖魔なのだろう。
でも、一応は注意しておくことにする。
紅は、ここに簡易レーダーを置くと言った。
俺たちは離れた場所で待機する。
何者かがここに来たら、急行する。
単純な作戦だ。
「今までピルちゃんたちに犠牲はあったのか?」
「いや、上手く逃げていたようだ」
「遠距離攻撃のことは聞いたか?」
「ああ。でも夢中で逃げたのでよく分からないようだ」
「そうか」
飛べない奴なら、空中に逃げるピルちゃんは追えないだろう。
だが、遠距離攻撃が出来るのならば別だ。
これまで犠牲が無かったのは幸いだと思った。
しかし、どうして木を倒壊させたのかは分からない。
まあ、これまでのことでは何も分からなくて当然だろうが。
とにかく、俺と紅は簡易レーダーを設置し、一旦集落を離れた。
「しかし、集落って言ってたけど何も無いよな?」
「正確には遊び場のようなものなんだろう」
「そうか」
「ああ、一つだけ塚のようなものがあったぞ」
「塚?」
「ああ、それも「遊び」のものらしいんだけどな」
「よく分からんな」
本当に分からないが、妖魔の遊びには興味は無い。
俺たちは1キロ離れた場所でテントを立て、そこをベースにした。
紅が食事を作ってくれる。
「羽入、出来るまで寝ていろ」
「ああ、悪いな」
紅がニッコリと微笑んで食事の支度に戻った。
俺はテントで横になり、目を閉じた。
その日は何事も起きず、ぐっすりと眠った。
「お前、本当に話せるのかよ!」
「ああ、霊素解析のプログラムを応用してみた。言語は古代ギリシャ語と古代アラム語で解析したが」
「ほんとかよ!」
「人間の言語とは違う。蓮花様が以前に研究していた妖魔との交信の記録が役に立ったよ」
「すげぇな!」
紅が言うことには、鳥の妖魔たちはこの近辺に集落を持っているのだということだった。
そして、最近になって集落が襲われるようになり、助けてくれる人間を探している。
「なんだ、そりゃ?」
「そういうことを言っている」
「弱ったな」
「そうだな」
俺も判断が付かず、早乙女さんへ連絡した。
画像データも送り、状況を説明する。
「そうか。妖魔は取り敢えず敵ではないのだな?」
「はい。紅がそういうことも霊素解析で敵意が無いと言っています」
「分かった。こっちも石神と相談してみる。妖魔との交渉はあいつはベテランだからな」
「なるほど!」
石神さんは強大な妖魔を配下に置いている。
ある意味では道間家以上に、妖魔との関係は深い。
俺は紅に、鳥の妖魔にしばらく待って欲しいと伝えさせた。
「ピルピル」
鳥の妖魔がうなずいた。
ほんとにすげぇ。
もっと待たされるかと思ったが、石神さんからすぐに連絡が来た。
直接来るとも思っていなかった。
「よう!」
「石神さん!」
俺が状況を話そうとすると、既に把握されているようだった。
「いやぁー、俺もさ、ついこないだ「ケロケロ」ってしか言わない人と出会ってさ」
「なんすか、それ?」
「説明出来ねぇ」
「妖魔なんですか?」
「いや、仙人らしいんだけど」
「なんです?」
「それがよ、俺以外の人間は結構会話すんだよ、「ケロケロ」で」
「はぁ」
「俺だけ分かんねぇの! 参ったぜ」
「大変でしたね」
俺には話がよく分からない。
「まあ、そっちは今度な。とにかく敵意が無いということなら、一度集落へ行ってみてくれ」
石神さんが言った。
「ちょっと最初の目的とは違うけどよ、悪いが調べてくれよ。「ケロケロ」の人にはちょっと世話になったんでな。なんだか放って置きたくないんだ」
「分かりました」
「それに、その妖魔を襲ってる奴というのは、もしかすると「業」の尖兵かもしれん。注意しろ」
「はい」
「それと、その鳥の妖魔にもな! 妖魔は人間と思考が違う。敵意が無くても油断するな」
「はい! 分かりました!」
流石は石神さんだと思った。
様々な可能性を、明確な指示で押さえて下さる。
「こっちも備えておく。何かあればすぐに連絡しろ。3分で到着出来るようにしてやる」
「ありがとうございます!」
通信を切った。
紅も同時に聴いているはずだった。
「じゃあ、そういうことだ」
「了解した。ああ、羽入」
「なんだ?」
「その、この人の呼称なんだがな」
「おお」
「ピルちゃんと呼んでもいいか?」
「あ?」
「何ともカワイイ妖魔じゃないか。会話していてもいい奴に思えるぞ」
紅が珍しくそんなことを言った。
気に入ったのか。
「まあ、仮称ということでいいんじゃねぇか?」
「ありがとう、羽入!」
「い、いや」
どうでもいい。
とにかく、ピルちゃんの案内で俺たちは進んだ。
紅が上機嫌だ。
ピルちゃんが気に入ったらしい。
紅の話では、大雪山連邦の中腹に集落があるらしい。
俺たちは走り、ピルちゃんは飛んで上から案内する。
1時間も走破し、俺たちは集落に着いた。
ピルちゃんが「ピルピル」と鳴いた。
「今、仲間を呼んでいる」
「そうか」
集落には何も無かった。
ただ、高い木々があるだけだ。
中央が少し広くなっているが、巣らしいものも何も見当たらない。
何本か、倒木があった。
近くで調べると、切り口が爆発したように粉砕されていた。
紅もよく見る。
「結構な破壊力だな」
「ああ、油断ならない敵だ」
「破砕痕に爪や牙の痕はない」
「じゃあ、遠距離攻撃か」
「その可能性は考えておいた方がいいな」
「よし、分かった」
しばらくすると、木々の上の空間が揺らいだ。
そこから次々にピルちゃんと同じ姿の連中が出て来た。
「多いな!」
100羽を超えている。
「ピルピル」
「異空間に普段はいるようだ」
「そうなのか」
「ピルピル」
「ここには時々出て来るらしい」
「じゃあ、集落じゃねぇじゃんか」
「ピルピル」
「まあ、概念の違いだろうな。みんなでここに出て来て食事をしたり遊ぶらしいぞ」
「なんだよ、それ」
まあいい。
紅に「敵」の話を聞き出させ、俺は周辺を回った。
ただの森林だ。
何も変わったことは無い。
「お」
途中で木に高さ3メートルあたりに傷を見つけた。
熊の縄張りだ。
熊は自分の縄張りを示すために、木に爪で傷を作る。
その高さが熊の身長を示し、縄張りを荒らす他の熊に見せている。
高い場所にあれば、その縄張りを冒す者はいない。
遭遇すれば争いになるので、それを避ける野生のシステムだ。
3メートルということは、恐らく体高は2メートル半。
結構でかいヒグマだ。
俺が周囲を回っている間に、結構な数を見つけた。
ピルちゃんの集落は、どうやら熊の縄張りの中心に近い。
俺が戻ると、紅が大勢のピルちゃんたちと話していた。
「ピルピル」とやかましいくらいだ。
「羽入、戻ったか」
「ああ、周囲にそれっぽい痕跡はなかったな。ヒグマがいるようだが」
「そうか。こっちも大体終わったところだ」
熊の攻撃では、あの倒木の破砕にはならない。
やはり妖魔なのだろう。
でも、一応は注意しておくことにする。
紅は、ここに簡易レーダーを置くと言った。
俺たちは離れた場所で待機する。
何者かがここに来たら、急行する。
単純な作戦だ。
「今までピルちゃんたちに犠牲はあったのか?」
「いや、上手く逃げていたようだ」
「遠距離攻撃のことは聞いたか?」
「ああ。でも夢中で逃げたのでよく分からないようだ」
「そうか」
飛べない奴なら、空中に逃げるピルちゃんは追えないだろう。
だが、遠距離攻撃が出来るのならば別だ。
これまで犠牲が無かったのは幸いだと思った。
しかし、どうして木を倒壊させたのかは分からない。
まあ、これまでのことでは何も分からなくて当然だろうが。
とにかく、俺と紅は簡易レーダーを設置し、一旦集落を離れた。
「しかし、集落って言ってたけど何も無いよな?」
「正確には遊び場のようなものなんだろう」
「そうか」
「ああ、一つだけ塚のようなものがあったぞ」
「塚?」
「ああ、それも「遊び」のものらしいんだけどな」
「よく分からんな」
本当に分からないが、妖魔の遊びには興味は無い。
俺たちは1キロ離れた場所でテントを立て、そこをベースにした。
紅が食事を作ってくれる。
「羽入、出来るまで寝ていろ」
「ああ、悪いな」
紅がニッコリと微笑んで食事の支度に戻った。
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