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「紅六花ビル」宴
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「弱肉強食」に5時過ぎに戻った。
もう1階では小鉄が他の従業員と戦争のような忙しさだった。
子どもたちが急いで着替えて厨房に入って手伝う。
俺は六花と一緒に響子を起こして、一緒に風呂に入った。
「響子のオッパイは段々大きくなりましたね」
「そうだなー」
「エヘヘヘヘ」
もう亜紀ちゃんや双子を抜いている。
「こないだよ、柳のオッパイが大きくなったって大騒ぎでな」
「またですか」
六花が笑った。
「俺がいい加減にしろってまた怒ってな。そうしたら「ちっぱい同盟」は解散するんだってよ」
「ああ、ありましたね」
「みんなで『仰げば尊し』を歌った」
「アハハハハハハ!」
六花が爆笑した。
俺は響子に、日本の学校の卒業式で歌う歌だと説明し、響子も笑った。
「俺まで一緒に歌わされてさ。なんかよく分かんねぇよなぁ」
「響子も卒業だな」
「うん!」
六花と『仰げば尊し』を歌ってやった。
響子が喜んだ。
風呂から上がり、着替えて1階に降りた。
もう大体のメンバーが集まっていて、配膳などを始めている。
「暁園」からのマイクロバスも2台到着した。
子どもたちが入って来て、「紅六花」の連中が大歓迎する。
子どもたちが案内されて席に着いて行った。
俺は竹流を連れて、外の駐車場のベンチに行った。
二人でギターを抱えている。
「どうだ、緊張してるか?」
「はい! でも嬉しいです!」
「そうか」
今日は余興で何曲か二人で弾く予定だった。
ほんの一握りの人間しか知らない。
よしこと「暁園」のスタッフの数人だ。
竹流がギターを持って来たのは多くの人間が見ている。
だから竹流が弾くのかもしれないと思っている人間もいるだろう。
竹流にはクラシックギターの他、エレキギターも渡していた。
今日の演奏のためにだ。
「暁園」ではエレキは練習出来ず、よしこが別な場所を用意していた。
だから誰も聴いていない。
二人でちょっと音を合わせた。
「おい、いい感じだな!」
「そうですか!」
竹流が喜んだ。
「お前が失敗しても、俺が必ずカバーするからな。思い切りやれ」
「はい!」
俺たちはギターを仕舞って中へ入った。
よしこが俺の所へ来て、そろそろ始めると言った。
六花が簡単な挨拶をし、よしこが「暁園」の子どもたちにたくさん食べてくれと言った。
俺が乾杯の音頭を取った。
「今日も「紅六花」と「弱肉強食」の人たちが豪華で美味い食事を用意してくれた。まずはお礼と拍手を!」
みんなが「ありがとうございます」と言い、拍手をした。
小鉄が懸命に頭を下げていた。
「じゃあ、今日は大いに飲み食いしよう! 乾杯!」
『乾杯!』
宴が始まり、「紅六花」の連中があちこちに料理を運んで行く。
既にテーブルにも大量の料理があり、みんなが銘々に食べ始める。
「暁園」の子どもたちは「紅六花」のメンバーと一緒に座っている。
うちの子どもたちも各テーブルに散って盛り上げている。
俺のテーブルは響子と六花と吹雪、よしことタケと亜蘭だ。
六花が大量の唐揚げに大喜びだった。
吹雪は先に済ませているので、少し興味を持ったものを口に入れてやる。
ロボも俺の後ろで唸りながら食べていた。
ステーキの他、ホタテやマグロなど、ロボの好物が満載だ。
連れて来た夏音は竹流と一緒に座らせた。
二人とも久し振りの再会で、喜んでいた。
みんな料理を堪能し、一段落した。
うちの子どもたちが大量のステーキを食べ始める。
小鉄たちが一生懸命に焼いてくれた。
みんなが喰いっぷりに喜んでいる。
「皇紀さんは残念でしたね」
「まーなー。俺もここまで長引くとは思ってなかったぜぇ」
「そうなんですか」
よしこが会いたがっていた。
「いろいろこの辺や「暁園」にも防衛システムを組んでもらって。ちゃんとお礼を言いたかったんですけど」
「まあ、また機会はあるさ。今はフィリピンで頑張ってるよ」
「あの、お一人なんですか?」
「いや、あっちで千万組の真岡って男と他にも数人。あとは一応護衛兼秘書で二人付けてる」
「そうなんですか」
まあ、護衛兼秘書はデュールゲリエの戦闘アンドロイドだが。
「アジアで最初の「虎」の軍の拠点を作るからな。まあ、初めてのことなんでいろいろとなぁ」
「大変ですね」
「でも、あいつはやるよ。毎日電話で話してるけどな。あいつなら安心だ」
「そうですか!」
よしこも少し安心した。
俺はスマホを取り出した。
「あっちで舐められねぇようにな。俺と桜で男を上げてやった」
「はい?」
「髪を金髪の鬼剃りリーゼントにしてよ。スーツも靴もバッチリだぜぇ」
「はい?」
俺はスマホで撮った写真をみんなに見せてやった。
みんな爆笑する。
響子がスープを吹いた。
六花が笑って口元を拭いてやる。
「な、スゲェだろ!」
「これ! 皇紀くんですか!」
「そうだよー。風花にも写真を送ったら、やっぱ爆笑だった」
「アハハハハハ!」
みんなで笑う。
「毎日電話でさ。最初に聞くのが「リーゼントにしてるだろうな!」ってな。「してますよ!」ってあいつが言うんだよ」
「でも、向こうで通じますかね?」
「まあ、とにかく「普通じゃねぇ」ってことは伝わるだろうよ!」
「「「「「ワハハハハハハハハ!」」」」」
キャッツアイのサングラスや、髑髏のスゴイ指輪などもある。
みんなで爆笑した。
「千万組の桜と一緒にノリノリでやったんだ」
「向こうでは何をやってるんです?」
「まあ、あちこちの土地を回ってるよ」
「じゃあ、不動産関係の人間と」
「いや、大統領が最初」
「「「「エェー!!!!」」」」
「だって「虎」の軍の軍事基地だぞ? 勝手にやれねぇだろうよ」
「じゃあ、皇紀君はこの格好で!」
「そうだよ?」
またみんなで爆笑した。
「皇紀から聞いたけどさ。とにかく大統領と側近たちがぶったまげたって。報告を聴きながら、俺も笑いを押さえるのが大変だったぜ」
「「「「「ワハハハハハハハハ!」」」」」
響子が笑い過ぎて苦しそうにしていた。
そろそろいい時間になった。
俺は竹流を呼んで、ちょっと外で音を合わせた。
中へ入ると、よしこが俺たちの椅子を用意してくれていた。
よしこが俺たちを紹介してくれる。
「今日は特別に虎の旦那と竹流とでギターのライブをやって下さる! みんな拍手を!」
盛大な拍手が湧いた。
隣の竹流を見ると、笑って手を振っていた。
ヘンな緊張は無いようだ。
俺たちは一曲目、バッハのヴァイオリン・パルティータ第二番『シャコンヌ』を弾いた。
もう1階では小鉄が他の従業員と戦争のような忙しさだった。
子どもたちが急いで着替えて厨房に入って手伝う。
俺は六花と一緒に響子を起こして、一緒に風呂に入った。
「響子のオッパイは段々大きくなりましたね」
「そうだなー」
「エヘヘヘヘ」
もう亜紀ちゃんや双子を抜いている。
「こないだよ、柳のオッパイが大きくなったって大騒ぎでな」
「またですか」
六花が笑った。
「俺がいい加減にしろってまた怒ってな。そうしたら「ちっぱい同盟」は解散するんだってよ」
「ああ、ありましたね」
「みんなで『仰げば尊し』を歌った」
「アハハハハハハ!」
六花が爆笑した。
俺は響子に、日本の学校の卒業式で歌う歌だと説明し、響子も笑った。
「俺まで一緒に歌わされてさ。なんかよく分かんねぇよなぁ」
「響子も卒業だな」
「うん!」
六花と『仰げば尊し』を歌ってやった。
響子が喜んだ。
風呂から上がり、着替えて1階に降りた。
もう大体のメンバーが集まっていて、配膳などを始めている。
「暁園」からのマイクロバスも2台到着した。
子どもたちが入って来て、「紅六花」の連中が大歓迎する。
子どもたちが案内されて席に着いて行った。
俺は竹流を連れて、外の駐車場のベンチに行った。
二人でギターを抱えている。
「どうだ、緊張してるか?」
「はい! でも嬉しいです!」
「そうか」
今日は余興で何曲か二人で弾く予定だった。
ほんの一握りの人間しか知らない。
よしこと「暁園」のスタッフの数人だ。
竹流がギターを持って来たのは多くの人間が見ている。
だから竹流が弾くのかもしれないと思っている人間もいるだろう。
竹流にはクラシックギターの他、エレキギターも渡していた。
今日の演奏のためにだ。
「暁園」ではエレキは練習出来ず、よしこが別な場所を用意していた。
だから誰も聴いていない。
二人でちょっと音を合わせた。
「おい、いい感じだな!」
「そうですか!」
竹流が喜んだ。
「お前が失敗しても、俺が必ずカバーするからな。思い切りやれ」
「はい!」
俺たちはギターを仕舞って中へ入った。
よしこが俺の所へ来て、そろそろ始めると言った。
六花が簡単な挨拶をし、よしこが「暁園」の子どもたちにたくさん食べてくれと言った。
俺が乾杯の音頭を取った。
「今日も「紅六花」と「弱肉強食」の人たちが豪華で美味い食事を用意してくれた。まずはお礼と拍手を!」
みんなが「ありがとうございます」と言い、拍手をした。
小鉄が懸命に頭を下げていた。
「じゃあ、今日は大いに飲み食いしよう! 乾杯!」
『乾杯!』
宴が始まり、「紅六花」の連中があちこちに料理を運んで行く。
既にテーブルにも大量の料理があり、みんなが銘々に食べ始める。
「暁園」の子どもたちは「紅六花」のメンバーと一緒に座っている。
うちの子どもたちも各テーブルに散って盛り上げている。
俺のテーブルは響子と六花と吹雪、よしことタケと亜蘭だ。
六花が大量の唐揚げに大喜びだった。
吹雪は先に済ませているので、少し興味を持ったものを口に入れてやる。
ロボも俺の後ろで唸りながら食べていた。
ステーキの他、ホタテやマグロなど、ロボの好物が満載だ。
連れて来た夏音は竹流と一緒に座らせた。
二人とも久し振りの再会で、喜んでいた。
みんな料理を堪能し、一段落した。
うちの子どもたちが大量のステーキを食べ始める。
小鉄たちが一生懸命に焼いてくれた。
みんなが喰いっぷりに喜んでいる。
「皇紀さんは残念でしたね」
「まーなー。俺もここまで長引くとは思ってなかったぜぇ」
「そうなんですか」
よしこが会いたがっていた。
「いろいろこの辺や「暁園」にも防衛システムを組んでもらって。ちゃんとお礼を言いたかったんですけど」
「まあ、また機会はあるさ。今はフィリピンで頑張ってるよ」
「あの、お一人なんですか?」
「いや、あっちで千万組の真岡って男と他にも数人。あとは一応護衛兼秘書で二人付けてる」
「そうなんですか」
まあ、護衛兼秘書はデュールゲリエの戦闘アンドロイドだが。
「アジアで最初の「虎」の軍の拠点を作るからな。まあ、初めてのことなんでいろいろとなぁ」
「大変ですね」
「でも、あいつはやるよ。毎日電話で話してるけどな。あいつなら安心だ」
「そうですか!」
よしこも少し安心した。
俺はスマホを取り出した。
「あっちで舐められねぇようにな。俺と桜で男を上げてやった」
「はい?」
「髪を金髪の鬼剃りリーゼントにしてよ。スーツも靴もバッチリだぜぇ」
「はい?」
俺はスマホで撮った写真をみんなに見せてやった。
みんな爆笑する。
響子がスープを吹いた。
六花が笑って口元を拭いてやる。
「な、スゲェだろ!」
「これ! 皇紀くんですか!」
「そうだよー。風花にも写真を送ったら、やっぱ爆笑だった」
「アハハハハハ!」
みんなで笑う。
「毎日電話でさ。最初に聞くのが「リーゼントにしてるだろうな!」ってな。「してますよ!」ってあいつが言うんだよ」
「でも、向こうで通じますかね?」
「まあ、とにかく「普通じゃねぇ」ってことは伝わるだろうよ!」
「「「「「ワハハハハハハハハ!」」」」」
キャッツアイのサングラスや、髑髏のスゴイ指輪などもある。
みんなで爆笑した。
「千万組の桜と一緒にノリノリでやったんだ」
「向こうでは何をやってるんです?」
「まあ、あちこちの土地を回ってるよ」
「じゃあ、不動産関係の人間と」
「いや、大統領が最初」
「「「「エェー!!!!」」」」
「だって「虎」の軍の軍事基地だぞ? 勝手にやれねぇだろうよ」
「じゃあ、皇紀君はこの格好で!」
「そうだよ?」
またみんなで爆笑した。
「皇紀から聞いたけどさ。とにかく大統領と側近たちがぶったまげたって。報告を聴きながら、俺も笑いを押さえるのが大変だったぜ」
「「「「「ワハハハハハハハハ!」」」」」
響子が笑い過ぎて苦しそうにしていた。
そろそろいい時間になった。
俺は竹流を呼んで、ちょっと外で音を合わせた。
中へ入ると、よしこが俺たちの椅子を用意してくれていた。
よしこが俺たちを紹介してくれる。
「今日は特別に虎の旦那と竹流とでギターのライブをやって下さる! みんな拍手を!」
盛大な拍手が湧いた。
隣の竹流を見ると、笑って手を振っていた。
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