1,755 / 2,840
士王・天狼・吹雪
しおりを挟む
12月24日。
俺は一足早く休暇に入っている。
今日は栞たちが帰国する予定だ。
別段、そっちは特に準備することがないが、クリスマスパーティの準備に追われていた。
鷹と子どもたちがだが。
鷹はクリスマスだが、栞たちが和食を食べたいだろうと張り切っている。
クリスマスは、鶏を料理するのがメインで、あとはクリスマスらしいパーティ食だ。
そっちは亜紀ちゃん、柳、皇紀で賄う。
双子は鷹の手足となって、懸命に作っている。
俺は栞たちが来るまでロボとのんびりだ。
今は午前10時。
栞たちは3時に到着予定で、院長夫妻をその後で迎えに行く。
六花も響子を連れて4時くらいに来るはずだ。
麗星もその頃だ。
早乙女が東京駅まで迎えに行く。
ロボはいつになくみんなが料理に精を出しているので、ワクワクしている。
何度も鷹の足に突進し、楽しみだと訴えている。
鷹も笑いながら、俺に何とかしてくれと言った。
散歩に出た。
ロボが寒がるので、早乙女家に行った。
「石神さん!」
「すいません。ロボがいるとみんなの邪魔なんで」
「どうぞ、入って下さい!」
雪野さんがすぐに入れてくれた。
早乙女は仕事でいない。
「柱」たちにも挨拶し、上に上がった。
「今日は楽しみなんですよ」
「まあ、いつも通りですから」
ロボが雪野さんに甘えてくっつく。
雪野さんがコーヒーを持って来てくれた。
ロボにはササミとミルクだ。
「ロボちゃんも楽しみなんですね」
「すいませんね。散歩に出たら「雪野さんに会いたい」って言うもんで」
「にゃー」
「ね?」
「アハハハハハ!」
怜花が絨毯の上でハイハイしていた。
俺が呼ぶと一生懸命に来る。
ちゃんと待ってやって、抱き上げる。
「おお! 今日も元気だな!」
「ウフフフフ」
「早乙女にちょっとも似ないで良かったですね!」
「そんなことありませんよ!」
「まあ、あのクライ性格にさえならなければ」
「もう、石神さん!」
俺は先週の「ザ・オトメン・ポエム」が良かったと言った。
「あいつ、俳句まで詠んでましたよね?」
雪野さんが爆笑した。
その後で笑ったのは黙ってて欲しいと言われた。
ロボが怜花を背中に乗せて歩いた。
雪野さんが慌ててスマホで写真を撮った。
「良かった! 撮れましたよ!」
嬉しそうに画像を確認していた。
俺はハムちゃんに跨って、雪野さんに写真を撮らせた。
また爆笑した。
「お邪魔しました。良かったらうちで昼食を食べに来て下さいよ」
「よろしいのですか?」
「もちろん! 鷹が天ぷら蕎麦を作るはずです」
「でも、予定にない人間が行くとご迷惑なのでは」
「うちの食事を散々見ているでしょう! 一般人が100人くらい来たって大丈夫ですよ!」
「アハハハハハ!」
一緒に家を出た。
雪野さんがいれば、ロボも大人しくしているだろう。
俺がゆっくり出来る。
昼食を食べて、みんなで一休みした。
雪野さんが、さっきの画像をみんなに見せる。
みんな大笑いしていた。
2時になり、また食事作りが始まった。
雪野さんも手伝うと言ったが、ロボの相手をして欲しいと頼んだ。
「俺はこれからいろいろと迎えに出なくちゃいけないので」
「でも、申し訳ないです」
雪野さんをキッチンに入れた。
ロボが鷹と雪野さんに突進していく。
「ね?」
「分かりました」
ロボピンポンを始めた。
「しばらくやれば飽きて寝ますから」
「はい」
「そうしたら、一緒にソファで寝てて下さい」
「分かりました」
3時前になり、俺は「花見の家」に向かった。
時間通りに「タイガー・ファング」が到着した。
後部が開き、栞と士王が降りて来る。
「あなたー!」
「おう! 待ってたぞ!」
栞と士王を抱き締める。
「おとーさん!」
「士王! よく来たな!」
「うん!」
士王を抱き上げた。
桜花たちも挨拶し、機体を降りて青嵐と紫嵐も挨拶に来た。
「お前たちはこのまま蓮花の所だな」
「はい!」
「うちでパーティに来てくれてもいいんだが、あっちの方が気楽だろう」
「いえ、ありがとうございます」
みんなで見送った。
「じゃあ、行くか!」
栞が俺に腕を絡めて来る。
「久し振りのあなたの家だね!」
「そうだな。もう2年か」
「そうだよ! いきなりあんなとこへ押し込めて!」
「ワハハハハハハハ!」
桜花たちも笑っている。
「お前たち、本当に蓮花の所じゃなくて良かったのか?」
「はい! 石神様の御宅も来たかったですし」
「そうか。まあゆっくりしてくれな。しばらくは休暇だ。栞が呼んでも聞こえない振りしていいからな」
「あなた!」
みんなで笑った。
俺の家を見て、桜花たちが驚いた。
「なんだよ?」
「いえ、大きいですね」
「ヘッジホッグほどじゃねぇだろう」
「それはそうですが……」
笑って家の中へ入れた。
リヴィングで全員に歓迎される。
雪野さんに紹介した。
「これが怜花だ。この子も俺の子な」
「えぇ!」
雪野さんが冗談だと言った。
「あなた!」
桜花たちが怜花を見て喜んだ。
「可愛らしいお子さんですね!」
雪野さんに抱かせてもらう。
一通り顔合わせは済んだので、院長夫妻を迎えに出た。
ロールスロイスだ。
3時半前に着いて、お二人を乗せて出発した。
「花岡さんに会えるのは久しぶりだな」
「士王も連れて来てますから」
「そうだな! 楽しみだ!」
院長はご機嫌だ。
まあ、楽しんで欲しい。
「そう言えば院長、秘書課の二人が髪が濃くなったって評判ですよ」
「そうか! お前もそう思うか!」
「いえ、俺は別に興味ないんで」
「石神!」
静子さんが大笑いしていた。
「でも、本当に元気になったんですよ。なんだか私まで」
「そうですか」
静子さんにも隠して「Ω」と「オロチ」の粉末を召し上がっていただいた。
その効果が出ているようで嬉しい。
30分ほどで俺の家に着き、リヴィングで大歓迎される。
「院長先生!」
「花岡くん!」
院長が泣くのは予想していたが、栞まで泣き出したので驚いた。
「院長先生、本当にお元気そうで」
「花岡くんもな! ああ、その子が士王くんだね」
「はい。どうか抱いてやって下さい」
院長が嬉しそうに士王を抱き上げる。
「院長先生よ」
「いんちょーせんせー」
「おお!」
静子さんにも抱いてもらった。
「まあ、重たい子ね!」
士王が嬉しそうに笑った。
六花と吹雪、響子が到着し、しばらくして早乙女が麗星と天狼を連れて来た。
ハイファも一緒のはずだが、姿は見えない。
護衛に徹するようだ。
士王、天狼、吹雪が揃った。
3人の母親と子どもたちが一緒になっている。
「あれ? タカさん! また泣いちゃったんですか!」
亜紀ちゃんに叫ばれた。
みんなが俺を見ている。
「涙は心の汗なんだ!」
「なんです、それ?」
みんなが爆笑した。
俺は嬉しくて仕方が無かった。
俺は一足早く休暇に入っている。
今日は栞たちが帰国する予定だ。
別段、そっちは特に準備することがないが、クリスマスパーティの準備に追われていた。
鷹と子どもたちがだが。
鷹はクリスマスだが、栞たちが和食を食べたいだろうと張り切っている。
クリスマスは、鶏を料理するのがメインで、あとはクリスマスらしいパーティ食だ。
そっちは亜紀ちゃん、柳、皇紀で賄う。
双子は鷹の手足となって、懸命に作っている。
俺は栞たちが来るまでロボとのんびりだ。
今は午前10時。
栞たちは3時に到着予定で、院長夫妻をその後で迎えに行く。
六花も響子を連れて4時くらいに来るはずだ。
麗星もその頃だ。
早乙女が東京駅まで迎えに行く。
ロボはいつになくみんなが料理に精を出しているので、ワクワクしている。
何度も鷹の足に突進し、楽しみだと訴えている。
鷹も笑いながら、俺に何とかしてくれと言った。
散歩に出た。
ロボが寒がるので、早乙女家に行った。
「石神さん!」
「すいません。ロボがいるとみんなの邪魔なんで」
「どうぞ、入って下さい!」
雪野さんがすぐに入れてくれた。
早乙女は仕事でいない。
「柱」たちにも挨拶し、上に上がった。
「今日は楽しみなんですよ」
「まあ、いつも通りですから」
ロボが雪野さんに甘えてくっつく。
雪野さんがコーヒーを持って来てくれた。
ロボにはササミとミルクだ。
「ロボちゃんも楽しみなんですね」
「すいませんね。散歩に出たら「雪野さんに会いたい」って言うもんで」
「にゃー」
「ね?」
「アハハハハハ!」
怜花が絨毯の上でハイハイしていた。
俺が呼ぶと一生懸命に来る。
ちゃんと待ってやって、抱き上げる。
「おお! 今日も元気だな!」
「ウフフフフ」
「早乙女にちょっとも似ないで良かったですね!」
「そんなことありませんよ!」
「まあ、あのクライ性格にさえならなければ」
「もう、石神さん!」
俺は先週の「ザ・オトメン・ポエム」が良かったと言った。
「あいつ、俳句まで詠んでましたよね?」
雪野さんが爆笑した。
その後で笑ったのは黙ってて欲しいと言われた。
ロボが怜花を背中に乗せて歩いた。
雪野さんが慌ててスマホで写真を撮った。
「良かった! 撮れましたよ!」
嬉しそうに画像を確認していた。
俺はハムちゃんに跨って、雪野さんに写真を撮らせた。
また爆笑した。
「お邪魔しました。良かったらうちで昼食を食べに来て下さいよ」
「よろしいのですか?」
「もちろん! 鷹が天ぷら蕎麦を作るはずです」
「でも、予定にない人間が行くとご迷惑なのでは」
「うちの食事を散々見ているでしょう! 一般人が100人くらい来たって大丈夫ですよ!」
「アハハハハハ!」
一緒に家を出た。
雪野さんがいれば、ロボも大人しくしているだろう。
俺がゆっくり出来る。
昼食を食べて、みんなで一休みした。
雪野さんが、さっきの画像をみんなに見せる。
みんな大笑いしていた。
2時になり、また食事作りが始まった。
雪野さんも手伝うと言ったが、ロボの相手をして欲しいと頼んだ。
「俺はこれからいろいろと迎えに出なくちゃいけないので」
「でも、申し訳ないです」
雪野さんをキッチンに入れた。
ロボが鷹と雪野さんに突進していく。
「ね?」
「分かりました」
ロボピンポンを始めた。
「しばらくやれば飽きて寝ますから」
「はい」
「そうしたら、一緒にソファで寝てて下さい」
「分かりました」
3時前になり、俺は「花見の家」に向かった。
時間通りに「タイガー・ファング」が到着した。
後部が開き、栞と士王が降りて来る。
「あなたー!」
「おう! 待ってたぞ!」
栞と士王を抱き締める。
「おとーさん!」
「士王! よく来たな!」
「うん!」
士王を抱き上げた。
桜花たちも挨拶し、機体を降りて青嵐と紫嵐も挨拶に来た。
「お前たちはこのまま蓮花の所だな」
「はい!」
「うちでパーティに来てくれてもいいんだが、あっちの方が気楽だろう」
「いえ、ありがとうございます」
みんなで見送った。
「じゃあ、行くか!」
栞が俺に腕を絡めて来る。
「久し振りのあなたの家だね!」
「そうだな。もう2年か」
「そうだよ! いきなりあんなとこへ押し込めて!」
「ワハハハハハハハ!」
桜花たちも笑っている。
「お前たち、本当に蓮花の所じゃなくて良かったのか?」
「はい! 石神様の御宅も来たかったですし」
「そうか。まあゆっくりしてくれな。しばらくは休暇だ。栞が呼んでも聞こえない振りしていいからな」
「あなた!」
みんなで笑った。
俺の家を見て、桜花たちが驚いた。
「なんだよ?」
「いえ、大きいですね」
「ヘッジホッグほどじゃねぇだろう」
「それはそうですが……」
笑って家の中へ入れた。
リヴィングで全員に歓迎される。
雪野さんに紹介した。
「これが怜花だ。この子も俺の子な」
「えぇ!」
雪野さんが冗談だと言った。
「あなた!」
桜花たちが怜花を見て喜んだ。
「可愛らしいお子さんですね!」
雪野さんに抱かせてもらう。
一通り顔合わせは済んだので、院長夫妻を迎えに出た。
ロールスロイスだ。
3時半前に着いて、お二人を乗せて出発した。
「花岡さんに会えるのは久しぶりだな」
「士王も連れて来てますから」
「そうだな! 楽しみだ!」
院長はご機嫌だ。
まあ、楽しんで欲しい。
「そう言えば院長、秘書課の二人が髪が濃くなったって評判ですよ」
「そうか! お前もそう思うか!」
「いえ、俺は別に興味ないんで」
「石神!」
静子さんが大笑いしていた。
「でも、本当に元気になったんですよ。なんだか私まで」
「そうですか」
静子さんにも隠して「Ω」と「オロチ」の粉末を召し上がっていただいた。
その効果が出ているようで嬉しい。
30分ほどで俺の家に着き、リヴィングで大歓迎される。
「院長先生!」
「花岡くん!」
院長が泣くのは予想していたが、栞まで泣き出したので驚いた。
「院長先生、本当にお元気そうで」
「花岡くんもな! ああ、その子が士王くんだね」
「はい。どうか抱いてやって下さい」
院長が嬉しそうに士王を抱き上げる。
「院長先生よ」
「いんちょーせんせー」
「おお!」
静子さんにも抱いてもらった。
「まあ、重たい子ね!」
士王が嬉しそうに笑った。
六花と吹雪、響子が到着し、しばらくして早乙女が麗星と天狼を連れて来た。
ハイファも一緒のはずだが、姿は見えない。
護衛に徹するようだ。
士王、天狼、吹雪が揃った。
3人の母親と子どもたちが一緒になっている。
「あれ? タカさん! また泣いちゃったんですか!」
亜紀ちゃんに叫ばれた。
みんなが俺を見ている。
「涙は心の汗なんだ!」
「なんです、それ?」
みんなが爆笑した。
俺は嬉しくて仕方が無かった。
1
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
こずえと梢
気奇一星
キャラ文芸
時は1900年代後期。まだ、全国をレディースたちが駆けていた頃。
いつもと同じ時間に起き、同じ時間に学校に行き、同じ時間に帰宅して、同じ時間に寝る。そんな日々を退屈に感じていた、高校生のこずえ。
『大阪 龍斬院』に所属して、喧嘩に明け暮れている、レディースで17歳の梢。
ある日、オートバイに乗っていた梢がこずえに衝突して、事故を起こしてしまう。
幸いにも軽傷で済んだ二人は、病院で目を覚ます。だが、妙なことに、お互いの中身が入れ替わっていた。
※レディース・・・女性の暴走族
※この物語はフィクションです。
~後宮のやり直し巫女~私が本当の巫女ですが、無実の罪で処刑されたので後宮で人生をやり直すことにしました
深水えいな
キャラ文芸
無実の罪で巫女の座を奪われ処刑された明琳。死の淵で、このままだと国が乱れると謎の美青年・天翼に言われ人生をやり直すことに。しかし巫女としてのやり直しはまたしてもうまくいかず、次の人生では女官として後宮入りすることに。そこで待っていたのは怪事件の数々で――。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる