1,627 / 2,920
ニューヨークの晩
しおりを挟む
やっぱりメザシじゃ済まなかった日の翌日。
響子と六花、それに吹雪が俺の家に来る。
朝の8時だ。
そこからみんなで「花見の家」に移動し、「タイガー・ファング」でアラスカへ移動する。
「やっぱこいつ、寝てるか」
「はい、いつも通りですね」
「すっかりひきこもり体質だよなぁ」
「アハハハハ!」
六花は車で来た。
吹雪が生まれたから車を買えと言うと、トヨタのグランエースを買った。
俺は好きにさせるつもりで、一切口を挟んでいない。
ただ、一度だけ六花が相談に来て、この車がいいと言って来た。
響子を乗せられるようにしたいと言うのが相談の主旨だった。
俺は特殊改造が出来る店を紹介し、エアサスペンションや内装の防音性を高めるアドバイスなどをした。
シートは元々いいものだったが、さらにクッション性を増し、表面も吸湿性の高い素材に変えたりした。
シートに暖房が付いているのは良かった。
足元も温められるように改造した。
最後部のリアシートは取り払い、緊急時の生命維持装置が積まれた。
だから4人乗りになった。
全て、響子のための車だった。
響子は車の仕様は知らない。
しかし、六花が買った車でドライブをし、喜んだ。
六花は響子のために何をしたということは一切話さなかった。
その必要が無い程、響子のことを常に考えている女だ。
青嵐と紫嵐が既に到着し、周囲の警戒をしつつ俺たちを待っていた。
二人が俺に挨拶し、御堂が元気か聞いて来る。
「元気だよ! あいつが風邪ひいてたら、俺はこんなとこにいねぇ!」
「「アハハハハハ!」」
二人とも、すっかり御堂が好きになったようだ。
そりゃそうだ。
響子と吹雪がそれぞれのポッドに入れられ、俺たちは出発した。
20分程を掛けて、セイントPMCの敷地に着陸した。
夕方の6時半だ。
「聖!」
「トラー!」
俺たちは握手した。
「元気そうだな」
「あたりまえだぁー!」
聖が嬉しそうに笑った。
子どもたちや六花、響子も挨拶する。
「その子がトラの子か?」
「ああ、吹雪だ」
「随分綺麗な子だなぁ」
「お前、そういうの分かんのかよ?」
「分かるよ!」
俺は笑って聖に抱かせた。
慣れている動作で、吹雪を抱く。
「他にも子どもがいるんだよな?」
「ああ、あと二人な」
「会わせろよ」
「なんでだ?」
聖が子どもに興味があるとは思わなかった。
「俺が守ってやる。だから会わせてくれ」
「わかった。そのうちに機会を作るぜ」
「ああ!」
聖がまた嬉しそうに笑った。
俺たちはロックハート家が用意したリムジンに乗った。
「聖、明日の昼は一緒に飯でも食おう!」
「ああ!」
「スージーもいるか?」
「呼んどくよ」
ロックハート家で歓迎され、すぐに夕飯が出された。
俺は響子、アル、静江さん、そして六花と吹雪でテーブルを囲んだ。
当然、子どもたちはステーキなのだが、まともな俺たちはブイヤベースをメインに、サーモンとアボガドのオニオンレモンソース、野菜のグリル・カポナータ、焼きナスと生ハムマリネ、ツブ貝のコンフィなどが出た。
俺はロドリゲスを褒め称えたが、ロドリゲスは笑顔で礼を言い、子どもたちの所へ行って一緒に笑っていた。
まあ、あっちの方が楽しいらしい。
「タカトラ、どんまい!」
「お、おう」
響子に慰められた。
「吹雪ちゃんは、本当にカワイイですね」
静江さんが言った。
六花が嬉しそうに笑う。
吹雪は六花の隣のカゴで寝ている。
響子が吹雪のどこがカワイイのかを話す。
「六花がオッパイをあげるでしょ? 片方しか飲まないのに、必ずもう片方も出せって暴れるの!」
みんなが笑った。
まあ、六花のオッパイはそういうものだ。
「私が一緒に寝てあげたいんだけどね、絶対にそうさせてくれないの」
「それは決まりなんだ。育児をすることは出来るけど、患者と過度の接触をさせてはいけないんだよ」
「分かってるけどー」
患者のケアと自分の子育てを混同させてはならない。
だから、授乳も必ず響子の部屋から出て行なう。
「それに、響子って眠っている間に時々殺人拳で暴れるじゃん」
「そんなことしないよー!」
「時々ブロック割るじゃん」
「やったことないよ!」
「ナースが三人死んでるじゃないか!」
「誰も殺してないよ!」
みんなが笑った。
子どもたちが一通り満足して、こっちのテーブルに来た。
メイドたちがテーブルを繋げてくれる。
みんなでコーヒーとジェラードを楽しんだ。
皇紀はこの後で、防衛システムを見回りたいと言った。
「何か不具合とかはありませんか?」
「大丈夫ですよ。皇紀さんの防衛システムは順調です」
「良かった。レイさんに約束したんです」
「はい」
「ここに入れば絶対に安全なんだと。僕は必ずそうしますから」
「ありがとう、皇紀さん」
静江さんが涙ぐみ、皇紀が慌てた。
俺たちはしばらく楽しく話した。
ルーとハーが、俺が石神家の当主になった話をした。
「タカさんが抵抗できない人がいるって初めて知った!」
「タカさんズブズブ刺されてたもんね?」
「やめろ」
アルと静江さんが驚き、響子が目を丸くしていた。
六花も、俺の惨状を証言した。
「そう言えば、大統領から尋ねられたんだ」
アルが言った。
「タカトラ・イシガミの名を知った途端に、「イシガミ・ファミリーなのか」ってね。どういうことか分からなかったからよく聞いてみると、日本には絶対に関わってはいけないファミリーがいて、「イシガミ・ファミリー」というswordsman(剣士)の集団がいるのだと。タカトラは、だから違うと答えておいた」
「え、あの人ら、有名なんですか?」
「何でも、昔ローマ法王から通達があったらしい。その後も何度か幾つかの国がぶつかって、大変な目に遭ったらしいよ」
「へ、へぇ」
まあ、虎白さんから1881年の「ミディアン騎士団」との衝突の話は聞いている。
その後の小競り合いは知らないが。
今も欧米でそんなに知られているとは思わなかった。
「タカさん、こないだローマ教皇がうちに来ましたよね?」
「タカトラ!」
アルが叫んだ。
「あ、亜紀ちゃん!」
「あ、まずかったです?」
「タカトラ! どういうことなんだ!」
俺は爆弾魔に襲われた後に、ローマ教皇がうちに謝罪に来た話をした。
アルには今日話そうと思っていたことだったが。
「爆弾事件が、「ミディアン騎士団」の一部が勝手にやったことだと分かったんだ。それでローマ教皇自らが謝罪に来たんだよ」
「タカトラの家にか!」
「そうだ。いや、俺もびっくりしちゃってさ」
「タカトラ……」
アルが呆れていた。
「ああ、それでな。あいつら転んでもたたじゃ起きねぇ。ロシアからの石油資源の供給停止や資源が手に入らなくなったことを、俺に何とかして欲しいと頼んで来た」
「それで、こないだ僕にヨーロッパへの原油の輸出を依頼してきたんだね?」
「まあ、詳しいことは今日話そうと思っていたんだけどな」
「分かったよ。しかし相変わらずタカトラは無茶苦茶だね」
「俺だって困ってんだよ」
静江さんが大笑いした。
「後でゆっくりと思ってたんだけどな。それに加えて、他の資源なんかも任せるつもりだ」
「ああ、詳しい資料はまた用意してくれ」
「うん。皇紀が持って来ている。ヨーロッパの各国で深刻に不足しているものだ。せいぜい吹っ掛けてやれよ」
「まあ、そうも行かないだろう。検討するよ」
俺たちはコーヒーとジェラードをもう一度頼んだ。
響子も食べたいと言ったので、俺と六花にダメだと言われてむくれた。
静江さんがまた笑った。
「さてと。じゃあ、今晩の予定がなくなっちゃったなぁ」
亜紀ちゃんが、俺に飲みに連れて行ってくれと言った。
「どうしようかな」
「どうぞ、行って下さい」
静江さんからも言われた。
「じゃあ、ちょっと聖の所でも行ってみるかな」
亜紀ちゃんが喜び、双子も一緒に行きたいと言った。
六花も連れて行ってくれと言う。
「お前は飲ませないぞ?」
「構いません!」
「吹雪はどうしようかな」
静江さんが任せて欲しいと言う。
「ロボも頼めるか?」
ロボが「コマネチ!」をした。
「じゃあ、出掛けるか」
聖に電話すると、すぐに来いと言ってくれた。
静江さんが車を用意すると言ってくれたが、キャブで行くと断った。
「お前ら、あんまり喰うなよな」
「「「はーい!」」」
夕食を終わったばかりの人間に言うことじゃないんだが。
俺たちは夜のニューヨークを歩いた。
暑かったが、風が吹いて気持ちのいい晩だった。
響子と六花、それに吹雪が俺の家に来る。
朝の8時だ。
そこからみんなで「花見の家」に移動し、「タイガー・ファング」でアラスカへ移動する。
「やっぱこいつ、寝てるか」
「はい、いつも通りですね」
「すっかりひきこもり体質だよなぁ」
「アハハハハ!」
六花は車で来た。
吹雪が生まれたから車を買えと言うと、トヨタのグランエースを買った。
俺は好きにさせるつもりで、一切口を挟んでいない。
ただ、一度だけ六花が相談に来て、この車がいいと言って来た。
響子を乗せられるようにしたいと言うのが相談の主旨だった。
俺は特殊改造が出来る店を紹介し、エアサスペンションや内装の防音性を高めるアドバイスなどをした。
シートは元々いいものだったが、さらにクッション性を増し、表面も吸湿性の高い素材に変えたりした。
シートに暖房が付いているのは良かった。
足元も温められるように改造した。
最後部のリアシートは取り払い、緊急時の生命維持装置が積まれた。
だから4人乗りになった。
全て、響子のための車だった。
響子は車の仕様は知らない。
しかし、六花が買った車でドライブをし、喜んだ。
六花は響子のために何をしたということは一切話さなかった。
その必要が無い程、響子のことを常に考えている女だ。
青嵐と紫嵐が既に到着し、周囲の警戒をしつつ俺たちを待っていた。
二人が俺に挨拶し、御堂が元気か聞いて来る。
「元気だよ! あいつが風邪ひいてたら、俺はこんなとこにいねぇ!」
「「アハハハハハ!」」
二人とも、すっかり御堂が好きになったようだ。
そりゃそうだ。
響子と吹雪がそれぞれのポッドに入れられ、俺たちは出発した。
20分程を掛けて、セイントPMCの敷地に着陸した。
夕方の6時半だ。
「聖!」
「トラー!」
俺たちは握手した。
「元気そうだな」
「あたりまえだぁー!」
聖が嬉しそうに笑った。
子どもたちや六花、響子も挨拶する。
「その子がトラの子か?」
「ああ、吹雪だ」
「随分綺麗な子だなぁ」
「お前、そういうの分かんのかよ?」
「分かるよ!」
俺は笑って聖に抱かせた。
慣れている動作で、吹雪を抱く。
「他にも子どもがいるんだよな?」
「ああ、あと二人な」
「会わせろよ」
「なんでだ?」
聖が子どもに興味があるとは思わなかった。
「俺が守ってやる。だから会わせてくれ」
「わかった。そのうちに機会を作るぜ」
「ああ!」
聖がまた嬉しそうに笑った。
俺たちはロックハート家が用意したリムジンに乗った。
「聖、明日の昼は一緒に飯でも食おう!」
「ああ!」
「スージーもいるか?」
「呼んどくよ」
ロックハート家で歓迎され、すぐに夕飯が出された。
俺は響子、アル、静江さん、そして六花と吹雪でテーブルを囲んだ。
当然、子どもたちはステーキなのだが、まともな俺たちはブイヤベースをメインに、サーモンとアボガドのオニオンレモンソース、野菜のグリル・カポナータ、焼きナスと生ハムマリネ、ツブ貝のコンフィなどが出た。
俺はロドリゲスを褒め称えたが、ロドリゲスは笑顔で礼を言い、子どもたちの所へ行って一緒に笑っていた。
まあ、あっちの方が楽しいらしい。
「タカトラ、どんまい!」
「お、おう」
響子に慰められた。
「吹雪ちゃんは、本当にカワイイですね」
静江さんが言った。
六花が嬉しそうに笑う。
吹雪は六花の隣のカゴで寝ている。
響子が吹雪のどこがカワイイのかを話す。
「六花がオッパイをあげるでしょ? 片方しか飲まないのに、必ずもう片方も出せって暴れるの!」
みんなが笑った。
まあ、六花のオッパイはそういうものだ。
「私が一緒に寝てあげたいんだけどね、絶対にそうさせてくれないの」
「それは決まりなんだ。育児をすることは出来るけど、患者と過度の接触をさせてはいけないんだよ」
「分かってるけどー」
患者のケアと自分の子育てを混同させてはならない。
だから、授乳も必ず響子の部屋から出て行なう。
「それに、響子って眠っている間に時々殺人拳で暴れるじゃん」
「そんなことしないよー!」
「時々ブロック割るじゃん」
「やったことないよ!」
「ナースが三人死んでるじゃないか!」
「誰も殺してないよ!」
みんなが笑った。
子どもたちが一通り満足して、こっちのテーブルに来た。
メイドたちがテーブルを繋げてくれる。
みんなでコーヒーとジェラードを楽しんだ。
皇紀はこの後で、防衛システムを見回りたいと言った。
「何か不具合とかはありませんか?」
「大丈夫ですよ。皇紀さんの防衛システムは順調です」
「良かった。レイさんに約束したんです」
「はい」
「ここに入れば絶対に安全なんだと。僕は必ずそうしますから」
「ありがとう、皇紀さん」
静江さんが涙ぐみ、皇紀が慌てた。
俺たちはしばらく楽しく話した。
ルーとハーが、俺が石神家の当主になった話をした。
「タカさんが抵抗できない人がいるって初めて知った!」
「タカさんズブズブ刺されてたもんね?」
「やめろ」
アルと静江さんが驚き、響子が目を丸くしていた。
六花も、俺の惨状を証言した。
「そう言えば、大統領から尋ねられたんだ」
アルが言った。
「タカトラ・イシガミの名を知った途端に、「イシガミ・ファミリーなのか」ってね。どういうことか分からなかったからよく聞いてみると、日本には絶対に関わってはいけないファミリーがいて、「イシガミ・ファミリー」というswordsman(剣士)の集団がいるのだと。タカトラは、だから違うと答えておいた」
「え、あの人ら、有名なんですか?」
「何でも、昔ローマ法王から通達があったらしい。その後も何度か幾つかの国がぶつかって、大変な目に遭ったらしいよ」
「へ、へぇ」
まあ、虎白さんから1881年の「ミディアン騎士団」との衝突の話は聞いている。
その後の小競り合いは知らないが。
今も欧米でそんなに知られているとは思わなかった。
「タカさん、こないだローマ教皇がうちに来ましたよね?」
「タカトラ!」
アルが叫んだ。
「あ、亜紀ちゃん!」
「あ、まずかったです?」
「タカトラ! どういうことなんだ!」
俺は爆弾魔に襲われた後に、ローマ教皇がうちに謝罪に来た話をした。
アルには今日話そうと思っていたことだったが。
「爆弾事件が、「ミディアン騎士団」の一部が勝手にやったことだと分かったんだ。それでローマ教皇自らが謝罪に来たんだよ」
「タカトラの家にか!」
「そうだ。いや、俺もびっくりしちゃってさ」
「タカトラ……」
アルが呆れていた。
「ああ、それでな。あいつら転んでもたたじゃ起きねぇ。ロシアからの石油資源の供給停止や資源が手に入らなくなったことを、俺に何とかして欲しいと頼んで来た」
「それで、こないだ僕にヨーロッパへの原油の輸出を依頼してきたんだね?」
「まあ、詳しいことは今日話そうと思っていたんだけどな」
「分かったよ。しかし相変わらずタカトラは無茶苦茶だね」
「俺だって困ってんだよ」
静江さんが大笑いした。
「後でゆっくりと思ってたんだけどな。それに加えて、他の資源なんかも任せるつもりだ」
「ああ、詳しい資料はまた用意してくれ」
「うん。皇紀が持って来ている。ヨーロッパの各国で深刻に不足しているものだ。せいぜい吹っ掛けてやれよ」
「まあ、そうも行かないだろう。検討するよ」
俺たちはコーヒーとジェラードをもう一度頼んだ。
響子も食べたいと言ったので、俺と六花にダメだと言われてむくれた。
静江さんがまた笑った。
「さてと。じゃあ、今晩の予定がなくなっちゃったなぁ」
亜紀ちゃんが、俺に飲みに連れて行ってくれと言った。
「どうしようかな」
「どうぞ、行って下さい」
静江さんからも言われた。
「じゃあ、ちょっと聖の所でも行ってみるかな」
亜紀ちゃんが喜び、双子も一緒に行きたいと言った。
六花も連れて行ってくれと言う。
「お前は飲ませないぞ?」
「構いません!」
「吹雪はどうしようかな」
静江さんが任せて欲しいと言う。
「ロボも頼めるか?」
ロボが「コマネチ!」をした。
「じゃあ、出掛けるか」
聖に電話すると、すぐに来いと言ってくれた。
静江さんが車を用意すると言ってくれたが、キャブで行くと断った。
「お前ら、あんまり喰うなよな」
「「「はーい!」」」
夕食を終わったばかりの人間に言うことじゃないんだが。
俺たちは夜のニューヨークを歩いた。
暑かったが、風が吹いて気持ちのいい晩だった。
1
お気に入りに追加
230
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。

真夜中の仕出し屋さん~料理上手な狛犬様と暮らすことになりました~
椿蛍
キャラ文芸
「結婚するか、化け物屋敷を管理するか」
仕事を辞めた私に、父は二つの選択肢を迫った。
料亭『吉浪』に働いて六年。
挫折し、料理を作れなくなってしまった――
結婚を断り、私が選んだのは、化け物屋敷と父が呼ぶ、亡くなった祖父の家へ行くことだった。
祖父が亡くなって、店は閉まっているはずだったけれど、なぜか店は開いていて――
初出:2024.5.10~
※他サイト様に投稿したものを大幅改稿しております。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。
昼寝部
キャラ文芸
天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。
その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。
すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。
「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」
これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。
※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。

私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる