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猊下訪問 Ⅱ
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エレベーターでローマ教皇とガスパリ大司教を案内した。
護衛が二人ずつつき、二回に分けてリヴィングに上がった。
ルーとハーが紅茶を淹れて、丁寧に二人の前に置く。
護衛たちは部屋の中で立ったままだ。
窓を背に二人には座ってもらい、子どもたちは向かいに座る。
俺はいつもの端の席で、御堂とスージーが隣に座った。
俺は御堂をはじめ、中にいる人間のことを紹介した。
「あの、事情をまずは説明していただけませんか?」
ガスパリ大司教は日本語が出来るようで、ローマ教皇に通訳していた。
ローマ教皇は笑顔でうなずいている。
「1881年の、「ミディアン騎士団」との事件は御存知でしょうか?」
「はい、先日漸く、石神の本家から聞きました」
「あれは当時のヨーロッパに於いては非常に重い事件でした」
「あの騎士団が植民地支配の根幹になっていたんですね?」
「そうです。日本にとっては反発もあるでしょうが、我々は神の教えを各地に広めるという大義名分がありました」
今更帝国主義を責めるつもりはない。
俺は黙って聞いていた。
「「ミディアン騎士団」は無敗でした。勇猛な騎士たちと、法術による力は、どこでも対応出来なかった。ただ一つ、日本のイシガミ一族を除いて」
「叔父から聞いています」
「それも、圧倒的な力であったと。ヨーロッパが「ミディアン騎士団」で各地を制圧したのと同様に、もしもイシガミ一族がヨーロッパに乗り込んで来れば、我々には対抗の手段が無かったでしょう」
「そうですか」
ガスパリ大司教は淡々と話していた。
ヨーロッパに於いては、歴史の善悪は無い。
事実を述べるだけの感覚だ。
「当時の教皇はバチカンの預言者の言葉を聞き、列強各国の代表をバチカンに召集しました。そして日本の植民地化をしないことと、イシガミ一族には不干渉を貫くことを宣言しました」
「そうですか」
相槌の打ちようがない。
「後に、我々はファティマの預言を得ました。その中に、やがてイシガミ一族の中に途轍もない「獣の王」が誕生するというものがありました」
「はぁ」
ファティマの預言は3つあり、最後の3つ目の預言はバチカンで秘匿していると言われている。
「その「獣の王」は世界を支配するほどの強大な力を持ち、ヨーロッパ、世界が変わるのだと。新しい時代を到来させる者とされております」
「へぇ」
俺も段々と落ち着いて来た。
「イシガミ様は「黙示録」を御存知でしょうか?」
「はい。聖書は好きで一通り読んでいますが」
「「666の数字を持つ獣」も?」
「はい」
「解釈に幾つかあるのですが、イシガミ様が「666の獣」と考える者たちがおりました」
「なんですって?」
「ファティマの預言との混同です。世界を支配する権能を与えられていることが共通点です」
「俺には興味はありませんよ!」
「分かっております。私も猊下も同じ考えです。「黙示録」の獣はイシガミ様ではありません」
「当たり前ですって!」
二人とも、うちで出した紅茶には口を付けていない。
毒物や何らかの薬品の混入を警戒しているのだろう。
「もう一つ。今、ロシアからの石油を中心とした資源が、ヨーロッパに流れて来なくなりました」
「!」
「表面的には取り繕ってはいますが、現在の欧州は深刻なエネルギーと資源不足に陥っています」
「そ、そうなんですか」
ガスパリ大司教は俺を見ていた。
「猊下と私は、「黙示録」の獣は「カルマ」のことと考えて居ります」
「そ、そうなんじゃないですかね!」
「現在の深刻なエネルギー不足も、その活動の一端かと」
「よく分かりましたね!」
子どもたちが呆れた顔で俺を見ていた。
明らかに、俺がクロピョンに命じてロシアの石油や天然ガス、資源を奪っていることが原因だ。
「イシガミ様がヨーロッパを苦境に立たせているわけではないのですが、そのように思い込んでしまった連中がおりました。それが日本でこのような大事件を」
「な、なるほど」
俺が原因だったか。
「関わった人間は、全員粛清いたしました。二度とこのようなことは起こしません」
ローマ教皇とガスパリ大司教が正式に謝罪した。
「今後、バチカンに関わる全ての国が、イシガミ様に協力する旨を表明しております」
「はい?」
「世界に破滅をもたらす「カルマ」と唯一戦える方がイシガミ様かと」
「いやいや、それほどのもんじゃ」
「今の深刻な危機も、きっとイシガミ様ならば御救い下さるのではないかと」
「あ、ああ!」
俺はてんぱって、まずは紅茶を飲むように勧めた。
護衛が止めようとするのを、ローマ教皇が制止した。
二人がカップに口を付け、美味しいと言ってくれた。
大分冷めてしまったのだが。
「アラスカの基地のことは?」
「存じております」
「まあ、正直に言って、あの基地の建設のために世界的に資材や資源の不足が起きたことは否定しません」
「はい。それは必要であったことかと」
「それでですね。向こうは一段落して、今は資源が余剰にある状態でして」
「なんと!」
「それをお分けすることは可能ですが」
「是非とも! なんと有難い!」
石油なんて幾らでもある。
ロックハート家に任せて、ヨーロッパに運ばせよう。
俺たちはほとんど使わない。
俺は今後ロックハート家を窓口に交渉していくことを約束した。
「一つお聞きしたいんですが」
「はい、どのようなことでも」
「今回、妖魔、ああ、ゴブリンのようなものがいましたが」
「はい。古の法術を使ったことが分かっております。人間が使役出来るミディアンを呼び出し、更にそれを改変したようです」
「改変?」
「はい。詳細な記録は破棄されておりましたが、恐らくは爆薬と融合させたのではと」
「なるほど。そういう技術もあるんですね」
「もう使える者もほとんどおりません」
「そうですか」
どうだか分からない。
だが、ここで正直に明かすつもりもないだろう。
まだ能力者がいると考えておいた方がいい。
俺は今後、ヨーロッパに拠点を作って行きたい旨を話し、ガスパリ大司教はそれに協力することを約束してくれた。
その後も幾つかのことを話して行き、最後にガスパリ大司教が俺に聞いて来た。
「お聞かせ願えればと思うことがあるのですが」
「はい、何でしょうか?」
「「ミディアン」を滅するのは、特別な力を持っていなければなりません」
「そうですね」
「「カルマ」もその力があることは分かっております。イシガミ様もお持ちですね?」
「それはここではお応え出来ません」
「分かっております。ただ、今回同行しているマクシミリアンが、ここで途轍もない「ミディアン」の気配を感じていると申しまして」
「そうですか?」
俺にも、手の内を全て明かすつもりはない。
ガスパリ大司教も納得してくれた。
話し合いも終わり、俺は二人を見送った。
「あの」
「はい?」
「この傷、弁償しますね」
ローマ教皇とガスパリ大司教が顔を見合わせて大笑いした。
「とんでもございません。勝手に押し掛けました我々が悪いのです」
「そんなことは。ああ、亜紀ちゃん!」
「はい!」
「倉庫から、赤い奴を持って来てくれ。このくらいのな!」
「はい!」
俺が適当に手でサイズを示した。
亜紀ちゃんが急いで裏の倉庫からレッドダイヤモンドを持って来た。
「これをお納め下さい。今日の良き日の記念に」
「ありがとうございます」
30センチほどの塊を、ガスパリ大司教が胸に抱いて車内に入った。
あれを調べれば、勘のいい人であれば俺たちが何が出来るのかを察する。
二人の乗った車が見えなくなり、リヴィングに戻ると、子どもたちとスージーが大笑いしていた。
まさか、ローマ教皇が日本の一般市民の家を訪問するとは誰も考えていない。
俺も笑った。
この後、皇紀の結婚式にとんでもない世界各国の元首やローマ教皇などの参列になったが、それは先の話だ。
今日、この日に、その始まりとなった。
護衛が二人ずつつき、二回に分けてリヴィングに上がった。
ルーとハーが紅茶を淹れて、丁寧に二人の前に置く。
護衛たちは部屋の中で立ったままだ。
窓を背に二人には座ってもらい、子どもたちは向かいに座る。
俺はいつもの端の席で、御堂とスージーが隣に座った。
俺は御堂をはじめ、中にいる人間のことを紹介した。
「あの、事情をまずは説明していただけませんか?」
ガスパリ大司教は日本語が出来るようで、ローマ教皇に通訳していた。
ローマ教皇は笑顔でうなずいている。
「1881年の、「ミディアン騎士団」との事件は御存知でしょうか?」
「はい、先日漸く、石神の本家から聞きました」
「あれは当時のヨーロッパに於いては非常に重い事件でした」
「あの騎士団が植民地支配の根幹になっていたんですね?」
「そうです。日本にとっては反発もあるでしょうが、我々は神の教えを各地に広めるという大義名分がありました」
今更帝国主義を責めるつもりはない。
俺は黙って聞いていた。
「「ミディアン騎士団」は無敗でした。勇猛な騎士たちと、法術による力は、どこでも対応出来なかった。ただ一つ、日本のイシガミ一族を除いて」
「叔父から聞いています」
「それも、圧倒的な力であったと。ヨーロッパが「ミディアン騎士団」で各地を制圧したのと同様に、もしもイシガミ一族がヨーロッパに乗り込んで来れば、我々には対抗の手段が無かったでしょう」
「そうですか」
ガスパリ大司教は淡々と話していた。
ヨーロッパに於いては、歴史の善悪は無い。
事実を述べるだけの感覚だ。
「当時の教皇はバチカンの預言者の言葉を聞き、列強各国の代表をバチカンに召集しました。そして日本の植民地化をしないことと、イシガミ一族には不干渉を貫くことを宣言しました」
「そうですか」
相槌の打ちようがない。
「後に、我々はファティマの預言を得ました。その中に、やがてイシガミ一族の中に途轍もない「獣の王」が誕生するというものがありました」
「はぁ」
ファティマの預言は3つあり、最後の3つ目の預言はバチカンで秘匿していると言われている。
「その「獣の王」は世界を支配するほどの強大な力を持ち、ヨーロッパ、世界が変わるのだと。新しい時代を到来させる者とされております」
「へぇ」
俺も段々と落ち着いて来た。
「イシガミ様は「黙示録」を御存知でしょうか?」
「はい。聖書は好きで一通り読んでいますが」
「「666の数字を持つ獣」も?」
「はい」
「解釈に幾つかあるのですが、イシガミ様が「666の獣」と考える者たちがおりました」
「なんですって?」
「ファティマの預言との混同です。世界を支配する権能を与えられていることが共通点です」
「俺には興味はありませんよ!」
「分かっております。私も猊下も同じ考えです。「黙示録」の獣はイシガミ様ではありません」
「当たり前ですって!」
二人とも、うちで出した紅茶には口を付けていない。
毒物や何らかの薬品の混入を警戒しているのだろう。
「もう一つ。今、ロシアからの石油を中心とした資源が、ヨーロッパに流れて来なくなりました」
「!」
「表面的には取り繕ってはいますが、現在の欧州は深刻なエネルギーと資源不足に陥っています」
「そ、そうなんですか」
ガスパリ大司教は俺を見ていた。
「猊下と私は、「黙示録」の獣は「カルマ」のことと考えて居ります」
「そ、そうなんじゃないですかね!」
「現在の深刻なエネルギー不足も、その活動の一端かと」
「よく分かりましたね!」
子どもたちが呆れた顔で俺を見ていた。
明らかに、俺がクロピョンに命じてロシアの石油や天然ガス、資源を奪っていることが原因だ。
「イシガミ様がヨーロッパを苦境に立たせているわけではないのですが、そのように思い込んでしまった連中がおりました。それが日本でこのような大事件を」
「な、なるほど」
俺が原因だったか。
「関わった人間は、全員粛清いたしました。二度とこのようなことは起こしません」
ローマ教皇とガスパリ大司教が正式に謝罪した。
「今後、バチカンに関わる全ての国が、イシガミ様に協力する旨を表明しております」
「はい?」
「世界に破滅をもたらす「カルマ」と唯一戦える方がイシガミ様かと」
「いやいや、それほどのもんじゃ」
「今の深刻な危機も、きっとイシガミ様ならば御救い下さるのではないかと」
「あ、ああ!」
俺はてんぱって、まずは紅茶を飲むように勧めた。
護衛が止めようとするのを、ローマ教皇が制止した。
二人がカップに口を付け、美味しいと言ってくれた。
大分冷めてしまったのだが。
「アラスカの基地のことは?」
「存じております」
「まあ、正直に言って、あの基地の建設のために世界的に資材や資源の不足が起きたことは否定しません」
「はい。それは必要であったことかと」
「それでですね。向こうは一段落して、今は資源が余剰にある状態でして」
「なんと!」
「それをお分けすることは可能ですが」
「是非とも! なんと有難い!」
石油なんて幾らでもある。
ロックハート家に任せて、ヨーロッパに運ばせよう。
俺たちはほとんど使わない。
俺は今後ロックハート家を窓口に交渉していくことを約束した。
「一つお聞きしたいんですが」
「はい、どのようなことでも」
「今回、妖魔、ああ、ゴブリンのようなものがいましたが」
「はい。古の法術を使ったことが分かっております。人間が使役出来るミディアンを呼び出し、更にそれを改変したようです」
「改変?」
「はい。詳細な記録は破棄されておりましたが、恐らくは爆薬と融合させたのではと」
「なるほど。そういう技術もあるんですね」
「もう使える者もほとんどおりません」
「そうですか」
どうだか分からない。
だが、ここで正直に明かすつもりもないだろう。
まだ能力者がいると考えておいた方がいい。
俺は今後、ヨーロッパに拠点を作って行きたい旨を話し、ガスパリ大司教はそれに協力することを約束してくれた。
その後も幾つかのことを話して行き、最後にガスパリ大司教が俺に聞いて来た。
「お聞かせ願えればと思うことがあるのですが」
「はい、何でしょうか?」
「「ミディアン」を滅するのは、特別な力を持っていなければなりません」
「そうですね」
「「カルマ」もその力があることは分かっております。イシガミ様もお持ちですね?」
「それはここではお応え出来ません」
「分かっております。ただ、今回同行しているマクシミリアンが、ここで途轍もない「ミディアン」の気配を感じていると申しまして」
「そうですか?」
俺にも、手の内を全て明かすつもりはない。
ガスパリ大司教も納得してくれた。
話し合いも終わり、俺は二人を見送った。
「あの」
「はい?」
「この傷、弁償しますね」
ローマ教皇とガスパリ大司教が顔を見合わせて大笑いした。
「とんでもございません。勝手に押し掛けました我々が悪いのです」
「そんなことは。ああ、亜紀ちゃん!」
「はい!」
「倉庫から、赤い奴を持って来てくれ。このくらいのな!」
「はい!」
俺が適当に手でサイズを示した。
亜紀ちゃんが急いで裏の倉庫からレッドダイヤモンドを持って来た。
「これをお納め下さい。今日の良き日の記念に」
「ありがとうございます」
30センチほどの塊を、ガスパリ大司教が胸に抱いて車内に入った。
あれを調べれば、勘のいい人であれば俺たちが何が出来るのかを察する。
二人の乗った車が見えなくなり、リヴィングに戻ると、子どもたちとスージーが大笑いしていた。
まさか、ローマ教皇が日本の一般市民の家を訪問するとは誰も考えていない。
俺も笑った。
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