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挿話: 地獄を乗り越えろ!
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「さー! どんどん来いよー!」
亜紀が叫んでいる。
美しい長い黒髪が少し横に伸びていた。
興奮している証拠だ。
「どうしたー! 早く来いー!」
「亜紀ちゃん!」
「ん?」
「二人とも死に掛けてるってぇー!」
「はい?」
50メートル程離れて俯せになっている士王と吹雪を、ルーとハーが介抱していた。
必死に「手かざし」をしている。
「もう! いつもやり過ぎだって言ってるでしょう!」
「吹雪ちゃん、息してないよ!」
「ワハハハハハ!」
アラスカの原野。
士王12歳、吹雪11歳。
いつもの亜紀との訓練「地獄を乗り越えろ!(Over the HELL!)」の最中だった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
目が覚めると、いつものように「虎病院」のベッドだった。
今日は集中治療室ではないので、ホッとした。
隣には吹雪が眠っている。
一緒にいたので、またホッとした。
添木や包帯も巻かれていない。
今日は無事に終わったようだ。
亜紀姉との戦闘訓練「地獄を乗り越えろ!」の最後はいつもそうだ。
訓練にノッて来ると、亜紀姉は歯止めが効かなくなる。
大笑いしながら、僕たちに大技を連発してくる。
本気で避けないと、一瞬で死ぬ。
いつもは本当に美しくて優しい人なのだが、アレだけはどうしようもなかった。
お父さんは毎回亜紀姉を叱るが、本気で止める気はない。
亜紀姉と僕たちを信頼しているのだ。
だけど、僕はともかく吹雪は大変だ。
僕は生まれてからすぐに「花岡」の特殊な訓練を受けて来た。
だけど吹雪は六花母さんと一緒に普通に過ごしていただけだ。
数年前にここアラスカへ移動してきてから「花岡」を本格的に訓練している。
才能は凄いけど、まだまだ未熟だ。
僕と一緒に亜紀姉と訓練するのは可愛そうだ。
だけど、吹雪は一度も嫌がったことが無い。
何て言うか、他人への信頼が物凄い。
「お母さんがね、お前がやりたいなら思い切りやれって」
「そうなんだ」
六花母さんは物凄く綺麗で、明るくて優しい。
僕のお母さんも明るく優しいのはそうなんだけど、六花母さんはちょっと違う。
こういう言い方はどうかと思うけど、ちょっとロボと似ている。
全力で他人を好きになり、いつも明るく笑っている。
物凄く優しいのだが、それはロボが仲間に見せる優しさと同じだ。
一片の迷いも無く、全てをぶつけて愛してくれる。
吹雪も多分そうなのだろう。
自分がどんなに痛めつけられても、それが愛情だって分かっている。
だからいつも嬉しそうに訓練に来る。
だからいつも死に掛ける。
僕はベッドから降りて、吹雪に近づいた。
僕よりも大分酷い。
上腕骨骨折(ルー姉によって癒着済)、左肋骨全壊(ハー姉により癒着済)、その他打撲や擦過傷多数。
火傷が無いので、今日は「最後の涙」は出なかったようだ。
あれが出ると僕だってヤバい。
僕がベッド横の椅子に腰かけて吹雪を見ていると、ハー姉がやって来た。
病室を見守っている医療AIが僕が覚醒したことを知らせたのだろう。
「士王、大丈夫?」
「うん、ハー姉、いつもありがとうね」
「何言ってんの! まったく亜紀ちゃんって毎回バカなんだから!」
「アハハハハ!」
ハー姉はベッドの吹雪を診た。
ルー姉と同じで、二人とも物凄い美人だ。
亜紀姉は明るい美人だが、似た顔のルー姉とハー姉はクールな美人だ。
双子の二人は黙っているとちょっと怖い雰囲気もあるが、笑うと本当に優しい。
底に在る亜紀姉と同じ明るさが出て来るような気がする。
それに、ルー姉とハー姉と一緒にいると、物凄く気持ちいい。
お父さんは「あの二人は「気持ちいー光線を出してるんだ」と言っていた。
「うん、大丈夫だね。もうすぐ目が覚めるよ」
「そっか!」
しばらく二人で話していた。
そのうちに亜紀姉が入って来た。
吹雪も目覚めた。
「士王、吹雪、ごめーん!」
「亜紀ちゃん!」
亜紀姉はボロボロだった。
「どうしたの、それ!」
「アハハハ! 久々にタカさんにやられた」
「もう!」
「さっき、栞さんと六花さんにも謝って来た。本当にごめんね」
「栞さん、怒ってたでしょ!」
「そうでもないよ?」
「じゃー、またタカさんが上手く話してたんだよ」
「あ、そっか」
「六花ちゃんは?」
「そっちはさ、ちょっと悲しそうな顔になっちゃって焦った」
「もう! 六花ちゃんは亜紀ちゃんを信頼して吹雪を強くしてもらおうって思ってるんだからね!」
「ほんとにごめんって!」
吹雪が笑っていた。
「大丈夫だよ、亜紀姉。また訓練してね」
「吹雪!」
「おい、吹雪。お前どっかおかしいんじゃないのか?」
「え?」
「だってそこまでボロボロになってさ。それでもまだやるのかよ」
「お父さんはもっとボロボロじゃない。こんなの全然平気だよ」
「「「!」」」
「お母さんが言ってた。この世にお父さんと大事な仲間がいれば、もう何もいらないんだって。命だっていつでもだってさ。ねぇ、素敵なことだよね!」
「吹雪、お前……」
僕が吹雪の手を握ろうとしたら、亜紀姉が吹雪に抱き着いていた。
「吹雪、ごめんね!」
「いいんだよ、亜紀姉。もっと鍛えてくれる?」
「うん!」
「「やめてよ!」」
みんなで笑った。
まったく、一番いいお肉といい場面はいつも亜紀姉が持って行く。
「士王兄さんは大丈夫?」
「まったくお前は!」
検査ロボットが来て、僕たちに問題が無いことが確認された。
亜紀姉がお詫びだと言って、「レス虎ン・ミートクレイジー(肉バカ)」に連れて行ってくれた。
最上の「無限肉喰いコース」を注文してくれる。
このコースは、好きな肉を好きなだけ注文出来る。
仕事中のルー姉とハー姉も来てくれた。
「だって! このコースは月に一回しか注文できないじゃん!」
「亜紀ちゃんの注文だからね!」
そう言っていた。
本当に肉好きな三人だ。
皇紀兄もよく食べるが。
柳母さんもそうだけど、時々恥ずかしそうにしている。
自分の子どもたちの前では、本当に普通にしている。
後でまた食べるが。
「ほら、士王」
亜紀姉がいいお肉をフォークに刺して僕の顔の前に持って来た。
「ありがとう!」
「は、早く食べちゃって!」
「え?」
「早く!」
亜紀姉の手が震えていて食べにくい。
「てめぇ! 早くしろってぇ!」
「怖ぇよ!」
亜紀姉は目に涙を浮かべて怒っている。
「亜紀ちゃん!」
ルー姉に叱られた亜紀姉は顔を横に向けて僕の皿に肉を置いてくれた。
今度は吹雪にいいお肉をやろうとした。
左手で自分の右手を殴りながら。
ガシンガシンと音が響く。
お肉がテーブルに落ちた。
「「「「!」」」」
「ありがとう、亜紀姉」
吹雪がそれを拾って美味そうに食べた。
「「吹雪ぃー!」」
ルー姉とハー姉が急いでいいお肉を吹雪の皿に入れ、亜紀姉を二人でぶっ飛ばした。
いつものように、三人が殴り合いながらの食事になった。
僕と吹雪はテーブルの端に移動して、三人が満足するまでゆっくりと食べながら待った。
「士王兄さん、楽しいね」
「お前も大物だよな!」
時々隙を狙ってお肉を取って来て吹雪と二人で食べた。
「あー、やっぱり!」
個室の入り口で声がしたので振り向くと、皇紀兄さんがいた。
「「皇紀兄さん!」」
「やあ、士王、吹雪! 物凄い音がしてたからもしかしたらって思って来たんだ」
「「アハハハハハ!」」
亜紀姉たちは奪い合いに夢中でこっちを見ない。
ハー姉が手だけで招いている。
「じゃあ、久し振りに僕もやるかな」
皇紀兄さんが笑いながら参戦していった。
争っていた三人の顔が嬉しそうに笑っていた。
僕も吹雪も、それを見ながら笑っていた。
最高の食事だった。
亜紀が叫んでいる。
美しい長い黒髪が少し横に伸びていた。
興奮している証拠だ。
「どうしたー! 早く来いー!」
「亜紀ちゃん!」
「ん?」
「二人とも死に掛けてるってぇー!」
「はい?」
50メートル程離れて俯せになっている士王と吹雪を、ルーとハーが介抱していた。
必死に「手かざし」をしている。
「もう! いつもやり過ぎだって言ってるでしょう!」
「吹雪ちゃん、息してないよ!」
「ワハハハハハ!」
アラスカの原野。
士王12歳、吹雪11歳。
いつもの亜紀との訓練「地獄を乗り越えろ!(Over the HELL!)」の最中だった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
目が覚めると、いつものように「虎病院」のベッドだった。
今日は集中治療室ではないので、ホッとした。
隣には吹雪が眠っている。
一緒にいたので、またホッとした。
添木や包帯も巻かれていない。
今日は無事に終わったようだ。
亜紀姉との戦闘訓練「地獄を乗り越えろ!」の最後はいつもそうだ。
訓練にノッて来ると、亜紀姉は歯止めが効かなくなる。
大笑いしながら、僕たちに大技を連発してくる。
本気で避けないと、一瞬で死ぬ。
いつもは本当に美しくて優しい人なのだが、アレだけはどうしようもなかった。
お父さんは毎回亜紀姉を叱るが、本気で止める気はない。
亜紀姉と僕たちを信頼しているのだ。
だけど、僕はともかく吹雪は大変だ。
僕は生まれてからすぐに「花岡」の特殊な訓練を受けて来た。
だけど吹雪は六花母さんと一緒に普通に過ごしていただけだ。
数年前にここアラスカへ移動してきてから「花岡」を本格的に訓練している。
才能は凄いけど、まだまだ未熟だ。
僕と一緒に亜紀姉と訓練するのは可愛そうだ。
だけど、吹雪は一度も嫌がったことが無い。
何て言うか、他人への信頼が物凄い。
「お母さんがね、お前がやりたいなら思い切りやれって」
「そうなんだ」
六花母さんは物凄く綺麗で、明るくて優しい。
僕のお母さんも明るく優しいのはそうなんだけど、六花母さんはちょっと違う。
こういう言い方はどうかと思うけど、ちょっとロボと似ている。
全力で他人を好きになり、いつも明るく笑っている。
物凄く優しいのだが、それはロボが仲間に見せる優しさと同じだ。
一片の迷いも無く、全てをぶつけて愛してくれる。
吹雪も多分そうなのだろう。
自分がどんなに痛めつけられても、それが愛情だって分かっている。
だからいつも嬉しそうに訓練に来る。
だからいつも死に掛ける。
僕はベッドから降りて、吹雪に近づいた。
僕よりも大分酷い。
上腕骨骨折(ルー姉によって癒着済)、左肋骨全壊(ハー姉により癒着済)、その他打撲や擦過傷多数。
火傷が無いので、今日は「最後の涙」は出なかったようだ。
あれが出ると僕だってヤバい。
僕がベッド横の椅子に腰かけて吹雪を見ていると、ハー姉がやって来た。
病室を見守っている医療AIが僕が覚醒したことを知らせたのだろう。
「士王、大丈夫?」
「うん、ハー姉、いつもありがとうね」
「何言ってんの! まったく亜紀ちゃんって毎回バカなんだから!」
「アハハハハ!」
ハー姉はベッドの吹雪を診た。
ルー姉と同じで、二人とも物凄い美人だ。
亜紀姉は明るい美人だが、似た顔のルー姉とハー姉はクールな美人だ。
双子の二人は黙っているとちょっと怖い雰囲気もあるが、笑うと本当に優しい。
底に在る亜紀姉と同じ明るさが出て来るような気がする。
それに、ルー姉とハー姉と一緒にいると、物凄く気持ちいい。
お父さんは「あの二人は「気持ちいー光線を出してるんだ」と言っていた。
「うん、大丈夫だね。もうすぐ目が覚めるよ」
「そっか!」
しばらく二人で話していた。
そのうちに亜紀姉が入って来た。
吹雪も目覚めた。
「士王、吹雪、ごめーん!」
「亜紀ちゃん!」
亜紀姉はボロボロだった。
「どうしたの、それ!」
「アハハハ! 久々にタカさんにやられた」
「もう!」
「さっき、栞さんと六花さんにも謝って来た。本当にごめんね」
「栞さん、怒ってたでしょ!」
「そうでもないよ?」
「じゃー、またタカさんが上手く話してたんだよ」
「あ、そっか」
「六花ちゃんは?」
「そっちはさ、ちょっと悲しそうな顔になっちゃって焦った」
「もう! 六花ちゃんは亜紀ちゃんを信頼して吹雪を強くしてもらおうって思ってるんだからね!」
「ほんとにごめんって!」
吹雪が笑っていた。
「大丈夫だよ、亜紀姉。また訓練してね」
「吹雪!」
「おい、吹雪。お前どっかおかしいんじゃないのか?」
「え?」
「だってそこまでボロボロになってさ。それでもまだやるのかよ」
「お父さんはもっとボロボロじゃない。こんなの全然平気だよ」
「「「!」」」
「お母さんが言ってた。この世にお父さんと大事な仲間がいれば、もう何もいらないんだって。命だっていつでもだってさ。ねぇ、素敵なことだよね!」
「吹雪、お前……」
僕が吹雪の手を握ろうとしたら、亜紀姉が吹雪に抱き着いていた。
「吹雪、ごめんね!」
「いいんだよ、亜紀姉。もっと鍛えてくれる?」
「うん!」
「「やめてよ!」」
みんなで笑った。
まったく、一番いいお肉といい場面はいつも亜紀姉が持って行く。
「士王兄さんは大丈夫?」
「まったくお前は!」
検査ロボットが来て、僕たちに問題が無いことが確認された。
亜紀姉がお詫びだと言って、「レス虎ン・ミートクレイジー(肉バカ)」に連れて行ってくれた。
最上の「無限肉喰いコース」を注文してくれる。
このコースは、好きな肉を好きなだけ注文出来る。
仕事中のルー姉とハー姉も来てくれた。
「だって! このコースは月に一回しか注文できないじゃん!」
「亜紀ちゃんの注文だからね!」
そう言っていた。
本当に肉好きな三人だ。
皇紀兄もよく食べるが。
柳母さんもそうだけど、時々恥ずかしそうにしている。
自分の子どもたちの前では、本当に普通にしている。
後でまた食べるが。
「ほら、士王」
亜紀姉がいいお肉をフォークに刺して僕の顔の前に持って来た。
「ありがとう!」
「は、早く食べちゃって!」
「え?」
「早く!」
亜紀姉の手が震えていて食べにくい。
「てめぇ! 早くしろってぇ!」
「怖ぇよ!」
亜紀姉は目に涙を浮かべて怒っている。
「亜紀ちゃん!」
ルー姉に叱られた亜紀姉は顔を横に向けて僕の皿に肉を置いてくれた。
今度は吹雪にいいお肉をやろうとした。
左手で自分の右手を殴りながら。
ガシンガシンと音が響く。
お肉がテーブルに落ちた。
「「「「!」」」」
「ありがとう、亜紀姉」
吹雪がそれを拾って美味そうに食べた。
「「吹雪ぃー!」」
ルー姉とハー姉が急いでいいお肉を吹雪の皿に入れ、亜紀姉を二人でぶっ飛ばした。
いつものように、三人が殴り合いながらの食事になった。
僕と吹雪はテーブルの端に移動して、三人が満足するまでゆっくりと食べながら待った。
「士王兄さん、楽しいね」
「お前も大物だよな!」
時々隙を狙ってお肉を取って来て吹雪と二人で食べた。
「あー、やっぱり!」
個室の入り口で声がしたので振り向くと、皇紀兄さんがいた。
「「皇紀兄さん!」」
「やあ、士王、吹雪! 物凄い音がしてたからもしかしたらって思って来たんだ」
「「アハハハハハ!」」
亜紀姉たちは奪い合いに夢中でこっちを見ない。
ハー姉が手だけで招いている。
「じゃあ、久し振りに僕もやるかな」
皇紀兄さんが笑いながら参戦していった。
争っていた三人の顔が嬉しそうに笑っていた。
僕も吹雪も、それを見ながら笑っていた。
最高の食事だった。
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