1,492 / 2,859
眠りはまぶたを蔽うや、善きも悪しきも、すべてを忘れさせるもの(『オデュッセイア』より)
しおりを挟む
4月第三週の土曜日。
俺は夕べ、子どもたちに散々肉を食べさせた。
子どもたちが、ああいうバカなことを考えるのもいいものだ。
すっかり元気を取り戻し、俺も安心した。
子どもたちに好きなように肉を食わせ、俺は1階の仏間に入り、奈津江の位牌に手を合わせた。
「あいつらといると、退屈しないぜ」
奈津江の写真はいつものように、優しく笑っている。
「まあ、俺がだらしなくていい加減なせいだけどな。あいつらも苦労するよ」
自分で苦笑しながら奈津江に話し掛けた。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
俺は高原の草原の中にいた。
白いパラソル付きのテーブルに座っている。
奈津江が目の前で笑っている。
「奈津江……」
「高虎!」
奈津江が笑っていた。
白いレースの生地のドレスを着ている。
相変わらず、最高にカワイイ。
「ここは前にも来たな」
「うん。高虎がまた死に掛けた時ね!」
「おい!」
奈津江と再会した興奮は無い。
嬉しさは最高だったが、俺は落ち着いていた。
こうして奈津江と話すことが、何度もあったことを覚えている。
「また、この記憶は消えてしまうのか」
「うん。だからいろいろ話せるんだよ?」
「そうだったな」
記憶が消えてしまっても構わない。
俺は奈津江と再会し、こうして話せるだけで有難い。
「そうだ。絶対に出来ないことが出来た。俺はそれで十分だよ」
「ウフフフ」
奈津江が笑い、俺も笑った。
「お前は「光の大天使」になったんだよな?」
以前に聞いたことを確認した。
「そう。でもそれは高虎のせいよ?」
「俺の?」
「だって、あなたは「神獣の王」なんだもん。そのあなたを助けたんだから、私、いきなりこんなになっちゃった」
「そうなのか?」
「ほら、今も高虎の中で、何となく分かってるんでしょ?」
「うーん」
理解は出来ないが、どこかで納得している俺がいた。
自分が「神獣の王」だなんて、とてもじゃないが信じられないが。
「今の高虎はその世界で受肉したから、余りにも上の次元のことがよく分からなくなっているだけ」
「そう言われてもなー」
「山中さんたちの運命もそう。特に山中さんは私と同じように高虎を助けてしまったからね。だから早く亡くなることになったのよ」
「なんだって!」
「ショックなのは分かるけど、でもこれも全て超高次元から見れば必然なのよ。高虎の傍に、亜紀ちゃんたちがいるために必要なことだったの」
「そんな!」
「高虎のせいでもないし、誰のせいでもない。山中さんたちも今は全部分かってる」
「でも……」
「喜んでいるわよ? 時々お話しするけど、高虎が子どもたちを大事にして、子どもたちが元気で楽しく生きてるって。いつも嬉しそうに話すの」
「そんな、俺は全然逆で」
「もう! 高虎は堂々として!」
奈津江だった。
いつでも俺を俺にしてくれる、最高の女だった。
それは全然変わっていない。
多分、「光の大天使」としての存在から、大分下降して俺に合わせてくれているのだろう。
そういうことも、何となく分かる。
「この世界に、善悪はないのよ」
「でも「業」は……」
「あなたが受肉したから「業」も生まれたのよ。エントロピーも秩序も善悪じゃない。高虎がいる次元ではどう見えてもね。その上のもっと高次元になれば、それが善悪では無いと分かるわ」
「でも、じゃあどうして俺たちは戦わなければならないんだ?」
「それも必然なの。相反するものだから、としか言えないわ」
「そうなのか」
「時々、大きなぶつかり合いがあるの。今回のものは相当大きいけどね。だから高虎が受肉したんだし、「業」も同じ。あなたたちはぶつかる運命なのよ」
「不思議だな」
俺と「業」は、超質量の銀河同士がその巨大重力で近づいてぶつかるように、ただ互いにぶつかり合うだけなのだと奈津江が言った。
「ロボちゃんは特別。それも高虎も何となく分かってるんじゃない?」
「まあ、とんでもない存在らしいな」
「そう。何しろ、過去にこの宇宙の半分以上を消し飛ばしちゃったんだからね!」
「そうなのかよ」
「あ、驚かないのね?」
「うーん」
信じられないような内容だったが、俺の中の何かがそれを肯定していた。
「ロボちゃんがいるから、この戦いは本当に分からなくなってるの」
「どういうことだ?」
「ロボちゃんが高虎の味方だからよ。本当はぶつからなきゃいけないんだけど、それが無くなるかもしれない」
「え?」
「だって、ロボちゃんが「えい」ってやれば、「業」なんか簡単に消えちゃうもの。まあ、それはタカトラが「クロピョン」とか「百万もめん」とか、あ、あ、アハハハハハハ!」
「どうした!」
「だって! おかし過ぎるよ、高虎! あれほど巨大な存在に、そんな名前付けちゃってさ!」
「しょうがねぇだろう! 粛々とやる余裕なんてないんだから、あいつらには!」
「それはそうだね! でもおかしい!」
奈津江が楽しそうに大笑いしていた。
自然に俺も笑っていた。
「だってよ、「クロピョン」なんて山脈よりずっと大きい奴なんだぜ? 俺なんか簡単に「プチュ」って潰されちゃうだろうよ。だから精一杯で「舎弟にしてやる!」、なんて言ったんだよ」
「そうだよね」
「「百万もめん」だってそうだよ。何千キロもあるんだから。俺、そこに一人で連れてかれてさ! どうしろって言うんだよ!」
「アハハハハハ!」
奈津江は大笑いしている。
「でもさ、普通は絶対に出来ないよ。出来たのは、高虎が「神獣の王」だからだよ?」
「そうは言っても、俺には記憶はねぇからなぁ。おい、奈津江。俺、ほんとに必死だったんだって」
「アハハハハハハ!」
「お前に死なれてさ。俺、本当に苦しかったんだ。何度も死にたいと思ったよ」
「うん、知ってる」
「聖や佐藤先輩やいろんな人のお陰で、なんとかギリギリ乗り切った。20年も掛かったけどな」
「うん、知ってる」
「お前にこうしてまた会えた。それがこの上なく嬉しいよ」
「知ってるよ!」
奈津江が俺を抱き締めてくれた。
「高虎はやっぱり最高! あなたを愛して良かった」
「俺もだ。奈津江を愛して本当に良かった」
俺たちは抱き合ってキスをした。
「あのね、今日は高虎にレイを会わせたかったの」
「レイ!」
草原の向こうから、虎が駆けて来た。
虎が嬉しそうに俺に向かっているのが分かった。
「レイ!」
俺は叫んで手を振った。
虎が一層スピードを上げて駆け寄って来た。
「レイ! 会いたかったぞ!」
俺はレイの大きな頭を両手で抱えた。
レイは俺の顔を舌で舐め回す。
レイは以前に見たよりもずっと巨大になっていた。
体長は6メートルもあるか。
顔はダンプカーのタイヤのように大きかった。
「高虎、レイも神獣になったの」
「そうなのか!」
「だから高虎の傍に行くからね」
「ほんとかよ! 嬉しいよ!」
奈津江が微笑んで言った。
「それとね。レイは「レイ」だから」
「え?」
レイの巨大な背中から、人間の上半身が現われた。
「レイ!」
アメリカで死んだレイだった。
「石神さん。いいえ、高虎」
「レイなのか!」
俺はレイの背中に飛び乗って、レイを抱き締めた。
「本当にレイか! お前も来てくれるのか!」
「はい。レイと一緒に響子を守ります」
「ほんとか!」
虎のレイが俺たちを振り向いて笑っていた。
「奈津江! この記憶も消えてしまうのか?」
「そうね。虎のレイは高虎にもそのうちに見えるけど、人間のレイは見えない。でも、きっとレイの中にレイがいることを、いつか気付くわ」
「そうなのか!」
「二人は常に私の傍にいる。同時に虎のレイは同時に響子の傍にいるけどね。高次元と繋がっているけど、高虎にはそれは分からない」
「構わないぜ! レイたちと一緒にいられるんだからな!」
「ウフフフ。じゃあ、レイたちを宜しくね」
「おう! 任せろ!」
俺は大笑いし、また奈津江を抱き締めて抱え上げて回った。
奈津江が喜んで、輝く美しい笑顔を見せた。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「タカさーん! ごはんですよー!」
「タカさーん! パンツは脱ぎませんよー!」
双子がいつものように起こしに来た。
「じゃあ、俺がパンツを脱ぐかぁー!」
「「ギャハハハハハ!」」
いつもながら下品な朝だ。
双子は俺が起きたので、笑いながら走って降りて行った。
俺は顔を洗ってリヴィングへ降りた。
もう双子も好きなだけウインナーを焼いている。
「あれ? タカさん、何かいいことあった?」
「タカさん、なんでそんなに笑ってるの?」
「お前らがウインナーを食べてるからな」
「へぇ!」
自分で笑っているつもりはない。
「でも笑ってるよ! なんで?」
「なんだよ、いいじゃねぇか」
「よくないよー!」
「タカさんが笑ってると嬉しいもん!」
俺は本当に笑った。
「そうかよ! そんなに俺のウインナーが見たいのかぁ!」
「「ギャハハハハハ!」」
柳が真剣に俺を見ていた。
「ほら、柳! 食べてもいいぞ!」
「やめてくださいー!」
俺がパンツを降ろして近づくと、逃げて行った。
「なんだよ」
みんなで笑って朝食を食べた。
みんな笑いながらウインナーを齧っていた。
「おい、食事は上品に喰え!」
みんなで日本舞踊を踊った。
みんなで大笑いした。
俺は夕べ、子どもたちに散々肉を食べさせた。
子どもたちが、ああいうバカなことを考えるのもいいものだ。
すっかり元気を取り戻し、俺も安心した。
子どもたちに好きなように肉を食わせ、俺は1階の仏間に入り、奈津江の位牌に手を合わせた。
「あいつらといると、退屈しないぜ」
奈津江の写真はいつものように、優しく笑っている。
「まあ、俺がだらしなくていい加減なせいだけどな。あいつらも苦労するよ」
自分で苦笑しながら奈津江に話し掛けた。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
俺は高原の草原の中にいた。
白いパラソル付きのテーブルに座っている。
奈津江が目の前で笑っている。
「奈津江……」
「高虎!」
奈津江が笑っていた。
白いレースの生地のドレスを着ている。
相変わらず、最高にカワイイ。
「ここは前にも来たな」
「うん。高虎がまた死に掛けた時ね!」
「おい!」
奈津江と再会した興奮は無い。
嬉しさは最高だったが、俺は落ち着いていた。
こうして奈津江と話すことが、何度もあったことを覚えている。
「また、この記憶は消えてしまうのか」
「うん。だからいろいろ話せるんだよ?」
「そうだったな」
記憶が消えてしまっても構わない。
俺は奈津江と再会し、こうして話せるだけで有難い。
「そうだ。絶対に出来ないことが出来た。俺はそれで十分だよ」
「ウフフフ」
奈津江が笑い、俺も笑った。
「お前は「光の大天使」になったんだよな?」
以前に聞いたことを確認した。
「そう。でもそれは高虎のせいよ?」
「俺の?」
「だって、あなたは「神獣の王」なんだもん。そのあなたを助けたんだから、私、いきなりこんなになっちゃった」
「そうなのか?」
「ほら、今も高虎の中で、何となく分かってるんでしょ?」
「うーん」
理解は出来ないが、どこかで納得している俺がいた。
自分が「神獣の王」だなんて、とてもじゃないが信じられないが。
「今の高虎はその世界で受肉したから、余りにも上の次元のことがよく分からなくなっているだけ」
「そう言われてもなー」
「山中さんたちの運命もそう。特に山中さんは私と同じように高虎を助けてしまったからね。だから早く亡くなることになったのよ」
「なんだって!」
「ショックなのは分かるけど、でもこれも全て超高次元から見れば必然なのよ。高虎の傍に、亜紀ちゃんたちがいるために必要なことだったの」
「そんな!」
「高虎のせいでもないし、誰のせいでもない。山中さんたちも今は全部分かってる」
「でも……」
「喜んでいるわよ? 時々お話しするけど、高虎が子どもたちを大事にして、子どもたちが元気で楽しく生きてるって。いつも嬉しそうに話すの」
「そんな、俺は全然逆で」
「もう! 高虎は堂々として!」
奈津江だった。
いつでも俺を俺にしてくれる、最高の女だった。
それは全然変わっていない。
多分、「光の大天使」としての存在から、大分下降して俺に合わせてくれているのだろう。
そういうことも、何となく分かる。
「この世界に、善悪はないのよ」
「でも「業」は……」
「あなたが受肉したから「業」も生まれたのよ。エントロピーも秩序も善悪じゃない。高虎がいる次元ではどう見えてもね。その上のもっと高次元になれば、それが善悪では無いと分かるわ」
「でも、じゃあどうして俺たちは戦わなければならないんだ?」
「それも必然なの。相反するものだから、としか言えないわ」
「そうなのか」
「時々、大きなぶつかり合いがあるの。今回のものは相当大きいけどね。だから高虎が受肉したんだし、「業」も同じ。あなたたちはぶつかる運命なのよ」
「不思議だな」
俺と「業」は、超質量の銀河同士がその巨大重力で近づいてぶつかるように、ただ互いにぶつかり合うだけなのだと奈津江が言った。
「ロボちゃんは特別。それも高虎も何となく分かってるんじゃない?」
「まあ、とんでもない存在らしいな」
「そう。何しろ、過去にこの宇宙の半分以上を消し飛ばしちゃったんだからね!」
「そうなのかよ」
「あ、驚かないのね?」
「うーん」
信じられないような内容だったが、俺の中の何かがそれを肯定していた。
「ロボちゃんがいるから、この戦いは本当に分からなくなってるの」
「どういうことだ?」
「ロボちゃんが高虎の味方だからよ。本当はぶつからなきゃいけないんだけど、それが無くなるかもしれない」
「え?」
「だって、ロボちゃんが「えい」ってやれば、「業」なんか簡単に消えちゃうもの。まあ、それはタカトラが「クロピョン」とか「百万もめん」とか、あ、あ、アハハハハハハ!」
「どうした!」
「だって! おかし過ぎるよ、高虎! あれほど巨大な存在に、そんな名前付けちゃってさ!」
「しょうがねぇだろう! 粛々とやる余裕なんてないんだから、あいつらには!」
「それはそうだね! でもおかしい!」
奈津江が楽しそうに大笑いしていた。
自然に俺も笑っていた。
「だってよ、「クロピョン」なんて山脈よりずっと大きい奴なんだぜ? 俺なんか簡単に「プチュ」って潰されちゃうだろうよ。だから精一杯で「舎弟にしてやる!」、なんて言ったんだよ」
「そうだよね」
「「百万もめん」だってそうだよ。何千キロもあるんだから。俺、そこに一人で連れてかれてさ! どうしろって言うんだよ!」
「アハハハハハ!」
奈津江は大笑いしている。
「でもさ、普通は絶対に出来ないよ。出来たのは、高虎が「神獣の王」だからだよ?」
「そうは言っても、俺には記憶はねぇからなぁ。おい、奈津江。俺、ほんとに必死だったんだって」
「アハハハハハハ!」
「お前に死なれてさ。俺、本当に苦しかったんだ。何度も死にたいと思ったよ」
「うん、知ってる」
「聖や佐藤先輩やいろんな人のお陰で、なんとかギリギリ乗り切った。20年も掛かったけどな」
「うん、知ってる」
「お前にこうしてまた会えた。それがこの上なく嬉しいよ」
「知ってるよ!」
奈津江が俺を抱き締めてくれた。
「高虎はやっぱり最高! あなたを愛して良かった」
「俺もだ。奈津江を愛して本当に良かった」
俺たちは抱き合ってキスをした。
「あのね、今日は高虎にレイを会わせたかったの」
「レイ!」
草原の向こうから、虎が駆けて来た。
虎が嬉しそうに俺に向かっているのが分かった。
「レイ!」
俺は叫んで手を振った。
虎が一層スピードを上げて駆け寄って来た。
「レイ! 会いたかったぞ!」
俺はレイの大きな頭を両手で抱えた。
レイは俺の顔を舌で舐め回す。
レイは以前に見たよりもずっと巨大になっていた。
体長は6メートルもあるか。
顔はダンプカーのタイヤのように大きかった。
「高虎、レイも神獣になったの」
「そうなのか!」
「だから高虎の傍に行くからね」
「ほんとかよ! 嬉しいよ!」
奈津江が微笑んで言った。
「それとね。レイは「レイ」だから」
「え?」
レイの巨大な背中から、人間の上半身が現われた。
「レイ!」
アメリカで死んだレイだった。
「石神さん。いいえ、高虎」
「レイなのか!」
俺はレイの背中に飛び乗って、レイを抱き締めた。
「本当にレイか! お前も来てくれるのか!」
「はい。レイと一緒に響子を守ります」
「ほんとか!」
虎のレイが俺たちを振り向いて笑っていた。
「奈津江! この記憶も消えてしまうのか?」
「そうね。虎のレイは高虎にもそのうちに見えるけど、人間のレイは見えない。でも、きっとレイの中にレイがいることを、いつか気付くわ」
「そうなのか!」
「二人は常に私の傍にいる。同時に虎のレイは同時に響子の傍にいるけどね。高次元と繋がっているけど、高虎にはそれは分からない」
「構わないぜ! レイたちと一緒にいられるんだからな!」
「ウフフフ。じゃあ、レイたちを宜しくね」
「おう! 任せろ!」
俺は大笑いし、また奈津江を抱き締めて抱え上げて回った。
奈津江が喜んで、輝く美しい笑顔を見せた。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「タカさーん! ごはんですよー!」
「タカさーん! パンツは脱ぎませんよー!」
双子がいつものように起こしに来た。
「じゃあ、俺がパンツを脱ぐかぁー!」
「「ギャハハハハハ!」」
いつもながら下品な朝だ。
双子は俺が起きたので、笑いながら走って降りて行った。
俺は顔を洗ってリヴィングへ降りた。
もう双子も好きなだけウインナーを焼いている。
「あれ? タカさん、何かいいことあった?」
「タカさん、なんでそんなに笑ってるの?」
「お前らがウインナーを食べてるからな」
「へぇ!」
自分で笑っているつもりはない。
「でも笑ってるよ! なんで?」
「なんだよ、いいじゃねぇか」
「よくないよー!」
「タカさんが笑ってると嬉しいもん!」
俺は本当に笑った。
「そうかよ! そんなに俺のウインナーが見たいのかぁ!」
「「ギャハハハハハ!」」
柳が真剣に俺を見ていた。
「ほら、柳! 食べてもいいぞ!」
「やめてくださいー!」
俺がパンツを降ろして近づくと、逃げて行った。
「なんだよ」
みんなで笑って朝食を食べた。
みんな笑いながらウインナーを齧っていた。
「おい、食事は上品に喰え!」
みんなで日本舞踊を踊った。
みんなで大笑いした。
1
お気に入りに追加
229
あなたにおすすめの小説
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
毒小町、宮中にめぐり逢ふ
鈴木しぐれ
キャラ文芸
🌸完結しました🌸生まれつき体に毒を持つ、藤原氏の娘、菫子(すみこ)。毒に詳しいという理由で、宮中に出仕することとなり、帝の命を狙う毒の特定と、その首謀者を突き止めよ、と命じられる。
生まれつき毒が効かない体質の橘(たちばなの)俊元(としもと)と共に解決に挑む。
しかし、その調査の最中にも毒を巡る事件が次々と起こる。それは菫子自身の秘密にも関係していて、ある真実を知ることに……。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました
成実
恋愛
前世の記憶を思い出し、お菓子が食べたいと自分のために作っていた伯爵令嬢。
天候の関係で国に、収める税を領地民のために肩代わりした伯爵家、そうしたら、弟の学費がなくなりました。
学費を稼ぐためにお菓子の販売始めた私に、私が作ったお菓子が大好き過ぎてお菓子に恋した公爵令息が、作ったのが私とバレては溺愛されました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる