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ちびトラちゃん、再び

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 宇宙人の上司が来た金曜日の晩。
 蓮花から電話が来た。

 「タカさーん! 蓮花さんからですよー!」
 「おーう! アァ!」
 「どうしました?」

 「忘れてた! 俺、「ちびトラちゃん」になったから蓮花の研究所に週末に行くって言ってたじゃん!」
 「「「「「あ!」」」」」

 麗星も呼んでいた。

 「後で掛け直すって言ってくれ!」
 「分かりました!」

 俺は慌ててウッドデッキに出た。

 「タマ!」
 「なんだ、主」

 すぐに着物姿の美しいタマが現われる。

 「クロピョンに、すぐに俺を「ちびトラちゃん」にしてくれって伝えろ!」
 「分かった」
 「また呼んだら戻してもらうからな!」
 「分かった」
 「お前はいつ見ても綺麗だな!」
 「そうか」
 「愛してるぞ!」
 「嬉しい」

 タマがちょっとはにかんだ顔をした。
 へぇー。

 クロピョンの触手が現われ、俺はまた「ちびトラちゃん」になった。
 
 「クロピョンも愛してるぞー!」

 ハートマークを描いてクロピョンも消えた。




 「亜紀ちゃーん!」
 
 亜紀ちゃんが慌てて降りて来る。

 「ちびトラちゃん!」
 「おう、すぐに蓮花の研究所に行くぞ!」
 「は、はい!」
 「支度をしろ! 俺の今着る服を先だ!」
 「はい!」

 亜紀ちゃんが駆け上がって行く。
 俺もリヴィングへ上がった。
 階段が遠い。

 「宇宙人!」
 「はい?」
 「俺と亜紀ちゃんを車ごと運べるか?」
 「それは出来ますが」
 「すぐに用意してくれ!」
 「はぁ」

 宇宙人は庭に出て行った。
 亜紀ちゃんが俺にブリオーニのスーツとシャツなどを持って来た。
 混シルクの薄いグレーのものだ。
 うっとりする細かなラインが入っている。
 気に入ったので、ついでに大人の俺の分も作った。
 シャツがギザの最高級。
 ネクタイはドミニクフランスの紺地に時計をあしらったもの。
 着替えにどんな服を入れたのかは分からんが、とにかく今は急ぐ。
 亜紀ちゃんは大きめのグローブトロッターのスーツケースに自分の着替えも入れて来た。
 ロボが俺に飛び乗って来る。
 重たくて倒れた。

 「ロボ用具一式! ハー!」
 「はーい!」

 「亜紀ちゃん! ダッジを用意しろ! 行きはUFOで行くぞ!」
 「へ?」

 亜紀ちゃんは結局俺の言う通りに「ダッジ・チャレンジャー SRTデーモン」を買った。
 但し、ノーマルで一人乗りのところをオプションで4人乗りにしている。
 色は特注で赤と黒の虎縞だ。
 フロントにでかい「デーモン」の顔を描いている。
 840馬力の化け物エンジンで、アクセルを踏み込むと前輪を持ち上げてウイリーしながら発進する。
 武骨で一昔前のようなデザインだが、裡に秘めた力を感じる味わいがある。

 亜紀ちゃんは荷物とキーを手に、俺と一緒に庭に出た。
 庭には既に直径50メートルのUFOが上空に停止しており、宇宙人の上司が手招いていた。

 亜紀ちゃんとデーモンに乗り、宇宙人の上司が示す場所まで出る。
 上から眩い光が照らし、車ごと上昇した。

 「タカさん!」
 「落ち着け、大丈夫だ」

 多分な。
 すぐに壁全体が光っている部屋に入った。
 何がどうなったかは分からない。
 宇宙人の上司もいた。
 俺は行き先を告げた。
 念のため、蓮花の研究所の10キロ手前だ。

 「おい、眩しいな」
 「すいません!」

 部屋の照度が落ち、俺たちは車を降りた。
 宇宙人の上司が見ている。

 「なぁ、茶くらい出せよ」
 「え、でももう着きましたが」
 「なに?」
 「降ろしても宜しいですか?」
 「お、おう」

 亜紀ちゃんと車に乗り込んだ。
 また光に包まれて地上に降りた。

 「向きが逆じゃねぇか!」
 
 叫ぶと、180度回転した。
 UFOはそのまま飛び去った。
 俺は亜紀ちゃんにエンジンを掛けさせた。
 蓮花に電話する。

 「蓮花ー!」
 「石神様!」
 「ごめんな、今向かってる所なんだ。あと5分以内に着くよ」
 「分かりました! お待ち申し上げております」
 「うん」

 電話を切った。
 隣で亜紀ちゃんがニコニコして俺を見ている。

 「なんだ?」
 「カワイー!」
 「……」

 ロボは後ろのシートにいる。
 ベンチシートにしたので、寝やすくなっている。
 俺は道すがら打ち合わせをし、どこかのタイミングでクロピョンに戻させるということにした。

 5分後に蓮花の研究所に着いた。
 自分で門を開け、本館の玄関へ行く。
 もう既に蓮花が待っており、護衛のミユキたちもいた。

 「石神様! 本当に!」
 「よう! 悪かったな、連絡もしてなくて」
 「いいえ! さぞご苦労されていたでしょう!」
 「まあな。でも仕方がねぇ」
 「わたくしが必ず! さあ、中へお入りください」
 
 亜紀ちゃんが車を停め、荷物を出して来た。
 ロボも降りて来る。

 「亜紀様! ロボさんも!」
 「蓮花さん、宜しくお願いします」

 そう言いながら蓮花が俺を抱き締め、ミユキたちは涙を堪えていた。
 ちょっと申し訳ない気持ちになった。
 こいつらがどんなに俺のことを心配したのかと。
 俺たちは食堂へ行き、荷物はミユキたちが部屋まで運んだ。

 「石神様! なんてカワイイ!」

 食堂で麗星が俺を抱き寄せた。
 オッパイを俺の顔にこすりつけてくる。
 
 「エヘヘヘヘ」
 
 蓮花がとにかく食事をと言い、すぐに用意してくれた。
 亜紀ちゃんはいつも通りの肉だ。
 麗星も同じ。
 俺はオムライスだった。
 小さな旗が立っている。

 「……」

 美味しかった。
 お腹いっぱいになった。

 「先ほど麗星様がお出でになり、それでついお電話を致しました」
 「いいんだ。俺も詳しい時間を連絡してなかったからな。まあ、いろいろ忙しくて大変でなぁ」
 「さようでございましょうね」
 「今襲われると不味いしな。なるべく極秘に動いていたんだ」
 「なるほど」

 ちょっと見ると、亜紀ちゃんが呆れた顔を俺を見ていた。
 



 食事が終わり、俺は蓮花と麗星に連れて行かれた。
 
 「私も一緒に」
 「いいえ、わたくしたちが責任をもってやりますので。亜紀様はどうかミユキたちと会ってやって下さい」
 「分かりましたー」

 ロボは亜紀ちゃんに付いて行った。
 ミユキたちに会いたいのだろう。
 俺は二人に手を繋がれて移送車に乗った。
 風呂場に着いた。

 「おい、ここか?」
 「はい。まずは徹底的に調べますので」
 「二人で?」
 「さようでございます。麗星様とも十分に打ち合わせは済んでおりますゆえ」
 「そうなの?」

 俺は二人に服を脱がされた。
 二人の顔がいつもと違った。
 麗星は俺のパンツを思い切り降ろし、脱がせて匂いを嗅いでいる。
 蓮花にも渡され、蓮花も匂いを嗅いだ。

 二人も素早く服を脱ぎ、俺はマットの上に立たされた。

 「これは!」
 「なんという!」

 二人にオチンチンを徹底的に調べられた。
 マットにうつぶせにされ、お尻に穴も調べられる。

 「ちょっと入れますねー」
 「気持ちいいですからねー」

 ローションをたっぷり塗られた指が入れられる。
 
 「おい!」
 
 交代で散々弄り回され、グッタリしている俺を二人で全身を洗った。
 俺は気力を奮い立たせ、二人の女に培ったウルテクを見舞った。
 女たちもグッタリした。

 「ワハハハハハ!」

 三人で湯船に浸かり、俺はオッパイに捕まりながら温まった。




 はて、一体俺は何をしに来たのだろう。
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