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別荘の日々 XⅡ
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夕飯は、ステーキ大会だ。
まあ、慣れ過ぎてどうでもいい。
子どもたちは飽きることなく、大会を開きたがる。
今もワイワイと楽しく食べている。
傍目には喧嘩を超えた「バトル」なのだが。
俺と響子は、キッチンのオーブンで丁寧に焼いた極上のシャトーブリアンを食べている。
食べながら、猛獣ショーを二人で見ている。
「こないだよ、動画でライオンがヒョウの子どもを育ててるっていうのがあったんだ」
「へー!」
「別の種族なのにな。ライオンは優しいよなー」
「そうだねー」
皇紀が亜紀ちゃんの回し蹴りを喰らって吹っ飛んだ。
「犬がテンの子どもを育ててるのもあった」
「へー!」
ルーがハーのハイキックを喰らって吹っ飛んだ。
「あーあ、双子同士でよー」
「コワイね」
六花が大量に育てた焼肉を狙い、全員が一斉に攻撃する。
六花が奇怪な動きを見せた。
「八面拳」だ。
前後左右を同時攻撃する。
近接戦闘の天才の六花の技に、全員がぶっ飛ぶ。
「六花スゴイね!」
「肉の争いじゃなきゃーなー」
ぶっ飛ばされた振りをして、こっちに飛んで来たハーが、俺たちの肉を狙う。
俺がサッカーボールキックで蹴り戻した。
クルクルと縦回転しながら、元の位置に戻った。
柳が精彩を欠いている。
ずっと対妖魔技を鍛錬していたためだ。
「柳! 来い!」
柳が走って来た。
俺はキッチンで作ったシャリアピンステーキを柳に喰わせてやる。
柳は感動して食べた。
「お前、あんまり焦るなよな」
「はい!」
ニコニコしている。
響子にも一切れ切って食べさせた。
「柔らかい!」
「そうだろう。俺のシャリアピンステーキはインペリアルにも負けないぜ」
「うん!」
50キロの肉が消え、子どもたちも満足した。
みんなで風呂に入った。
皇紀は元からある内風呂に入った。
双子が響子と「毛」を見せ合っていた。
六花が加わり、大人の威厳を自慢していた。
「フフフ。大人の洗い方も教えましょう」
俺を床に寝かせて何かしそうだったので、頭を引っぱたいた。
みんなで湯船に浸かる。
それで余裕が十分にある大きさに、風呂を作った。
夏なので温めの湯にしたが、響子のために浮き輪を浮かせた。
響子が喜んで乗る。
みんなで響子の浮き輪を押し、浴槽のあちこちに移動する。
響子が大はしゃぎだった。
風呂から上がり、屋上の準備をした。
俺と亜紀ちゃん、六花、柳は冷やしたクリュッグのロゼを。
皇紀と双子はまたアイスペールにファミマのメロンミルク(ちょっと高い)を。
響子は俺がジューサーでバナナミルクを作った。
みんなで「幻想空間」へ上がる。
「昨日、皇紀と一緒に散歩して、どうも俺が知らなかった俺自身の話というかな。そういうのを知ったんだ」
みんなが期待している。
響子も目を輝かせて俺を見ていた。
「まあ、俺は何だか知らないけど、酷い誤解を受けて人から恨まれることもあったじゃない」
みんなが笑う。
「発端は、刑事の佐野さんの奥さんと娘さんを助けたことなんだな」
俺は、偶然通りかかったスーパー近くで、佐野さんの奥さんと娘さんが攫われそうになっていた現場に出くわした。
3人の男たちが、無理矢理白いワゴン車に乗せようとしていた。
抵抗する奥さんが殴られた。
俺はそのままRZで突っ込んで、一人の背中を前輪でぶっ飛ばし、残る二人も即座に潰した。
激怒していた。
俺の敬愛する佐野さんの家族だ。
俺はワゴン車のガソリンタンクを蹴り破り、火を点けた。
ゴウゴウと燃える車体に、蹲っていた三人を投げた。
すぐにスーパーから警備員が消火器を持って来て、火を鎮めた。
三人が助けられる。
ほとんど火傷も無く、俺はもう一度頭を蹴り、警備員や他の人に止められた。
それを振りほどき、すぐにRZで逃げた。
「後から知ったんだけど、佐野さんがそいつらの組長を挙げて、逆恨みだったようだ」
「ヤクザだったんですね」
亜紀ちゃんが言う。
「まあな。平井組という20人程度の組だった。どこかの系列じゃなくて、独立系の、まあ愚連隊みたいなもんだったな」
「大丈夫だったんですか?」
「後から呼び出されてな。また俺が散々暴れて、カタを付けた。解散したよ」
「へぇー!」
亜紀ちゃんが嬉しそうだ。
「井上さんたちも一緒にその時に呼ばれて行ったんだよ。俺があんまり暴れるんで、井上さんたちに、最後は止められた」
「そうなんですか」
「相手の一番上の奴がヘンなことを言ってたのは覚えてるんだけどな」
「なんて?」
「お前は人間じゃない。とんでもない奴を相手にしたってな。俺はその時、ビビって言い訳してるんだと思ったよ」
「違ったんですか」
「まあ、そうだったらしいんだけどな。俺は頭に来てたから、全然考えもしなかった。そいつも含めて15人くらいか。半殺しにした」
「ヤッタァー!」
俺は少々教育を間違えたかもしれないと思った。
亜紀ちゃんは「世直し」が大好きになってしまった。
「でも、それがどうもちょっと違ってたようなんだ。井上さんたちは、当時は何も言わなかったんだけどな。大阪で皇紀が井上さんに案内してもらって、その時にその話を聞かせてもらってたようなんだよ」
「へぇー!」
俺は、俺が知らなかった話を始めた。
まあ、慣れ過ぎてどうでもいい。
子どもたちは飽きることなく、大会を開きたがる。
今もワイワイと楽しく食べている。
傍目には喧嘩を超えた「バトル」なのだが。
俺と響子は、キッチンのオーブンで丁寧に焼いた極上のシャトーブリアンを食べている。
食べながら、猛獣ショーを二人で見ている。
「こないだよ、動画でライオンがヒョウの子どもを育ててるっていうのがあったんだ」
「へー!」
「別の種族なのにな。ライオンは優しいよなー」
「そうだねー」
皇紀が亜紀ちゃんの回し蹴りを喰らって吹っ飛んだ。
「犬がテンの子どもを育ててるのもあった」
「へー!」
ルーがハーのハイキックを喰らって吹っ飛んだ。
「あーあ、双子同士でよー」
「コワイね」
六花が大量に育てた焼肉を狙い、全員が一斉に攻撃する。
六花が奇怪な動きを見せた。
「八面拳」だ。
前後左右を同時攻撃する。
近接戦闘の天才の六花の技に、全員がぶっ飛ぶ。
「六花スゴイね!」
「肉の争いじゃなきゃーなー」
ぶっ飛ばされた振りをして、こっちに飛んで来たハーが、俺たちの肉を狙う。
俺がサッカーボールキックで蹴り戻した。
クルクルと縦回転しながら、元の位置に戻った。
柳が精彩を欠いている。
ずっと対妖魔技を鍛錬していたためだ。
「柳! 来い!」
柳が走って来た。
俺はキッチンで作ったシャリアピンステーキを柳に喰わせてやる。
柳は感動して食べた。
「お前、あんまり焦るなよな」
「はい!」
ニコニコしている。
響子にも一切れ切って食べさせた。
「柔らかい!」
「そうだろう。俺のシャリアピンステーキはインペリアルにも負けないぜ」
「うん!」
50キロの肉が消え、子どもたちも満足した。
みんなで風呂に入った。
皇紀は元からある内風呂に入った。
双子が響子と「毛」を見せ合っていた。
六花が加わり、大人の威厳を自慢していた。
「フフフ。大人の洗い方も教えましょう」
俺を床に寝かせて何かしそうだったので、頭を引っぱたいた。
みんなで湯船に浸かる。
それで余裕が十分にある大きさに、風呂を作った。
夏なので温めの湯にしたが、響子のために浮き輪を浮かせた。
響子が喜んで乗る。
みんなで響子の浮き輪を押し、浴槽のあちこちに移動する。
響子が大はしゃぎだった。
風呂から上がり、屋上の準備をした。
俺と亜紀ちゃん、六花、柳は冷やしたクリュッグのロゼを。
皇紀と双子はまたアイスペールにファミマのメロンミルク(ちょっと高い)を。
響子は俺がジューサーでバナナミルクを作った。
みんなで「幻想空間」へ上がる。
「昨日、皇紀と一緒に散歩して、どうも俺が知らなかった俺自身の話というかな。そういうのを知ったんだ」
みんなが期待している。
響子も目を輝かせて俺を見ていた。
「まあ、俺は何だか知らないけど、酷い誤解を受けて人から恨まれることもあったじゃない」
みんなが笑う。
「発端は、刑事の佐野さんの奥さんと娘さんを助けたことなんだな」
俺は、偶然通りかかったスーパー近くで、佐野さんの奥さんと娘さんが攫われそうになっていた現場に出くわした。
3人の男たちが、無理矢理白いワゴン車に乗せようとしていた。
抵抗する奥さんが殴られた。
俺はそのままRZで突っ込んで、一人の背中を前輪でぶっ飛ばし、残る二人も即座に潰した。
激怒していた。
俺の敬愛する佐野さんの家族だ。
俺はワゴン車のガソリンタンクを蹴り破り、火を点けた。
ゴウゴウと燃える車体に、蹲っていた三人を投げた。
すぐにスーパーから警備員が消火器を持って来て、火を鎮めた。
三人が助けられる。
ほとんど火傷も無く、俺はもう一度頭を蹴り、警備員や他の人に止められた。
それを振りほどき、すぐにRZで逃げた。
「後から知ったんだけど、佐野さんがそいつらの組長を挙げて、逆恨みだったようだ」
「ヤクザだったんですね」
亜紀ちゃんが言う。
「まあな。平井組という20人程度の組だった。どこかの系列じゃなくて、独立系の、まあ愚連隊みたいなもんだったな」
「大丈夫だったんですか?」
「後から呼び出されてな。また俺が散々暴れて、カタを付けた。解散したよ」
「へぇー!」
亜紀ちゃんが嬉しそうだ。
「井上さんたちも一緒にその時に呼ばれて行ったんだよ。俺があんまり暴れるんで、井上さんたちに、最後は止められた」
「そうなんですか」
「相手の一番上の奴がヘンなことを言ってたのは覚えてるんだけどな」
「なんて?」
「お前は人間じゃない。とんでもない奴を相手にしたってな。俺はその時、ビビって言い訳してるんだと思ったよ」
「違ったんですか」
「まあ、そうだったらしいんだけどな。俺は頭に来てたから、全然考えもしなかった。そいつも含めて15人くらいか。半殺しにした」
「ヤッタァー!」
俺は少々教育を間違えたかもしれないと思った。
亜紀ちゃんは「世直し」が大好きになってしまった。
「でも、それがどうもちょっと違ってたようなんだ。井上さんたちは、当時は何も言わなかったんだけどな。大阪で皇紀が井上さんに案内してもらって、その時にその話を聞かせてもらってたようなんだよ」
「へぇー!」
俺は、俺が知らなかった話を始めた。
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