1,148 / 2,859
絶対ガーディアン
しおりを挟む
7月の第四週の土曜日。
先週は忙しかったので、俺はのんびり過ごす予定だった。
朝食後に庭に出た。
中庭のテーブルでアイスコーヒーを飲んだ。
日陰になっており、風が通って涼しい。
ロボがトコトコと来た。
俺が横に椅子を並べてやると、そこに寝そべった。
俺はのんびりと、諸見の虎の鏝絵を眺めていた。
双子が遊びに来る。
クリームメロンソーダを持っている。
椅子を持ってきて、一緒に座った。
まったりする。
「先週はタカさんがいなかったから、ロボがべったりだね」
「随分寂しがってたんだよ」
「そうか」
俺はロボの頭を優しく撫でた。
三羽のスズメが回り込んで入って来た。
中庭は、上にガラスの天井があるので、空から直接は入れない。
横の空いた空間から何羽か飛んで来た。
床のウッドデッキをチョンチョンと跳んで来る。
「スーの一族だー!」
双子が喜んだ。
三羽が飛び、俺の目の前のテーブルに降りる。
チュンチュンと鳴いて俺を見ている。
「焼き鳥」
俺が言っても逃げない。
双子が笑った。
「焼きネコ」
ロボに向かって言った。
ロボが俺に飛びつき、前足で俺の胸をポコポコ叩く。
「冗談だ! 悪かった! 絶対にしねぇ!」
ロボが悲しく鳴いて、また椅子に横たわった。
「タカさん、カワイソウだよ!」
「ロボ泣いちゃったじゃん!」
「ああ、悪かったな」
また優しく撫でてやった。
喉をゴロゴロと鳴らす。
「でも、ロボって人間の言葉が分かるんだね」
「俺はネコ語は分からんけどな」
「「アハハハハハ!」」
まあ、普通のネコじゃないと思ってるので、不思議ではない。
ネコだが。
ロボが立ち上がって庭を回って行った。
フヨフヨと飛んで行く。
気まぐれな奴だ。
カワイイが。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「宇羅、石神への攻撃はどうだ?」
「はい、「業」様。すべて防がれています。それがどうも、例の防衛システムとは別なもののようでして」
ロシアのとある場所。
「業」が制圧した町に建てられた、広大な研究所の地下深く。
ザハ・ハディッドの異様な椅子に腰かけた「業」と、その前に立つ道間宇羅。
「業」は機嫌が良いらしく、時折見せる闇の煙のようなものは無い。
「そうか。あいつも妖魔を従えているらしいからな。俺が蓮華が使っていた研究所へ行った時にも、相当な妖魔が控えていた」
「はい。「業」様であればどうにでもできましたでしょうが」
「いや、あれは危なかった。次にまみえれば何とかするが、初見では俺も危なかったかもしれない」
「それほどですか」
「俺も日々成長している。次は撃破するがな」
「それはもちろんでございます」
宇羅は一言一句を慎重に選びながら話した。
「業」の機嫌を損ねれば、自分などは一瞬で消されてしまう。
「これまで、どのくらいの数を仕向けた?」
「はい。凡そ50体かと。そこそこ強いモノも居りましたが、ことごとくやられました」
「そうか。それは空間に呑み込まれたか?」
「いいえ。詳細は分かりませんが、爪を使う妖魔のようです」
「爪?」
「さようでございます。わたくしにも不思議なのです。どのような作用を持つ爪なのか。防御力の高いモノもおりました。しかし、一瞬で狩られたようです」
「全て同じ爪の攻撃か」
「はい。向かわせた妖魔には、別な妖魔の種が埋め込まれております。ですので、どのような攻撃を受けたのかは把握しているのですが」
「爪の攻撃とは、単純だな」
「はい。強力な妖魔であれば、もっとエネルギー的な攻撃もありますでしょうに」
「そうだな。それで、石神は斃した妖魔をどうしている?」
「それは不明です。斃されては、種も働きませぬ故」
「分かった。では今後も引き続きやれ。そうだな、次は強いものを宛ててみろ。爪以外の攻撃が見られるかもしれん」
「かしこまりました!」
宇羅は深々と頭を下げ、「業」の部屋を出た。
「業」はバイオノイドやジェヴォーダンを開発しているが、それは通常の人間の理の中での戦いだ。
「業」の本来の力は、妖魔部隊にある。
膨大な数の妖魔を操る「業」は、いずれ世界を圧倒するだろう。
人間のあらゆる兵器は、妖魔には通じない。
人類はなす術も無く、滅び去るはずだった。
まだ力の制御が及んでいないが、いずれは「業」が乗り越え、妖魔軍団を結成して世界を蹂躙するはずだ。
しかし、石神も妖魔を従えていることが分かった。
予想外の反攻勢力に、「業」は驚き、歓喜した。
宿敵は、やはり立ちはだかる者だったのだ。
「業」はそれでも自分の優位を疑っていなかったが、先日の日本への侵入の際、侮れない力を石神が有していることが分かった。
単発的に宇羅が送り込んだ妖魔の悉くの壊滅も、それで納得が行った。
「石神は、複数の妖魔を従えている」
道間家にしか出来ないはずのことを、石神は単身で成し遂げていた。
宇羅も驚愕した。
「強大な妖魔は、必ず「試練」を与えて来る。それを乗り越える人間はいない筈だが」
低級の妖魔であれば、呼び出して使役することも可能だ。
その技術があればだが。
石神の従えている妖魔は低級ではない。
少なくとも、高位魔獣の力はある。
それは、何度か送り込んだ中位級が瞬殺されていることから分かる。
一切の反撃すら出来ず、一瞬で斃されて来た。
「「業」様は、強いモノをと仰った。ならば、一度高位の妖魔を送り込むか」
まだ高位の妖魔は数が少ない。
宇羅は迷ったが、「業」の指示に従うことにした。
「首無しを送るか」
西洋の妖魔で「デュラハン」と呼ばれるモノを選んだ。
霊的防御に優れた甲冑に身を包んでいるため、爪の攻撃は通じないはずだ。
それに、デュラハンには特殊な能力がある。
デュラハンに触れた者は、すべて死の運命に覆われる。
「さて、石神。お前の大事な妖魔を一つ殺してやろう」
宇羅は邪悪な笑みを浮かべ、送り込む準備をした。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
フヨフヨ。
「ニャ!」
「フフフ。我はデュラハン……」
シャキン!
「ワハハハハ! 我が鎧に爪などこざかしいわ!」
ブスッ!
「タカさーん!」
「あんだ?」
「またロボがー!」
表の庭で亜紀ちゃんが叫んでいる。
俺は双子と一緒に庭を回った。
前庭のウッドデッキの前で、亜紀ちゃんが指さしている。
でかい西洋甲冑を纏った騎士のようだった。
これもでかい真っ黒い馬に乗ったまま、倒れている。
「今度はまたでかいな」
「はい。なんでうちって、こんなヘンなのばっか来るんですかね」
「なんだろうなぁ。ロボが呼んでるのか?」
「ニャ!」
「何言ってんのか分かんねぇ」
「……」
「どうします、これ」
「佐藤さんちだけど、触って平気か?」
「え! 危険ですか?」
「分からんよ。でも、なんか気持ち悪いな」
「そーですねー」
「おし! タヌ吉!」
「はい、主様ぁ!」
タヌ吉が嬉しそうに現われた。
「このでかい奴を、「地獄道」に入れちゃってくれよ」
「かしこまりましたぁー!」
タヌ吉が「地獄道」に呑み込んだ。
「サンキュー!」
「どういたしまして」
「おい、お茶でも飲んでけよ」
「宜しいのですか!」
タヌ吉が喜んだ。
俺は亜紀ちゃんに言って、俺の分と一緒にアイスコーヒーを頼んだ。
「何だったんだろうな、あれ」
「さー」
亜紀ちゃんが自分の分もアイスコーヒーを淹れ、双子も一緒に座って楽しく話した。
ロボは爪を舐めて、全身の毛づくろいを始めた。
「結構強めの敵だったようですが。ネコに違いないとはいえ、宇宙龍が入ってますからねぇ」
タヌ吉の呟きは誰にも聞こえなかった。
先週は忙しかったので、俺はのんびり過ごす予定だった。
朝食後に庭に出た。
中庭のテーブルでアイスコーヒーを飲んだ。
日陰になっており、風が通って涼しい。
ロボがトコトコと来た。
俺が横に椅子を並べてやると、そこに寝そべった。
俺はのんびりと、諸見の虎の鏝絵を眺めていた。
双子が遊びに来る。
クリームメロンソーダを持っている。
椅子を持ってきて、一緒に座った。
まったりする。
「先週はタカさんがいなかったから、ロボがべったりだね」
「随分寂しがってたんだよ」
「そうか」
俺はロボの頭を優しく撫でた。
三羽のスズメが回り込んで入って来た。
中庭は、上にガラスの天井があるので、空から直接は入れない。
横の空いた空間から何羽か飛んで来た。
床のウッドデッキをチョンチョンと跳んで来る。
「スーの一族だー!」
双子が喜んだ。
三羽が飛び、俺の目の前のテーブルに降りる。
チュンチュンと鳴いて俺を見ている。
「焼き鳥」
俺が言っても逃げない。
双子が笑った。
「焼きネコ」
ロボに向かって言った。
ロボが俺に飛びつき、前足で俺の胸をポコポコ叩く。
「冗談だ! 悪かった! 絶対にしねぇ!」
ロボが悲しく鳴いて、また椅子に横たわった。
「タカさん、カワイソウだよ!」
「ロボ泣いちゃったじゃん!」
「ああ、悪かったな」
また優しく撫でてやった。
喉をゴロゴロと鳴らす。
「でも、ロボって人間の言葉が分かるんだね」
「俺はネコ語は分からんけどな」
「「アハハハハハ!」」
まあ、普通のネコじゃないと思ってるので、不思議ではない。
ネコだが。
ロボが立ち上がって庭を回って行った。
フヨフヨと飛んで行く。
気まぐれな奴だ。
カワイイが。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「宇羅、石神への攻撃はどうだ?」
「はい、「業」様。すべて防がれています。それがどうも、例の防衛システムとは別なもののようでして」
ロシアのとある場所。
「業」が制圧した町に建てられた、広大な研究所の地下深く。
ザハ・ハディッドの異様な椅子に腰かけた「業」と、その前に立つ道間宇羅。
「業」は機嫌が良いらしく、時折見せる闇の煙のようなものは無い。
「そうか。あいつも妖魔を従えているらしいからな。俺が蓮華が使っていた研究所へ行った時にも、相当な妖魔が控えていた」
「はい。「業」様であればどうにでもできましたでしょうが」
「いや、あれは危なかった。次にまみえれば何とかするが、初見では俺も危なかったかもしれない」
「それほどですか」
「俺も日々成長している。次は撃破するがな」
「それはもちろんでございます」
宇羅は一言一句を慎重に選びながら話した。
「業」の機嫌を損ねれば、自分などは一瞬で消されてしまう。
「これまで、どのくらいの数を仕向けた?」
「はい。凡そ50体かと。そこそこ強いモノも居りましたが、ことごとくやられました」
「そうか。それは空間に呑み込まれたか?」
「いいえ。詳細は分かりませんが、爪を使う妖魔のようです」
「爪?」
「さようでございます。わたくしにも不思議なのです。どのような作用を持つ爪なのか。防御力の高いモノもおりました。しかし、一瞬で狩られたようです」
「全て同じ爪の攻撃か」
「はい。向かわせた妖魔には、別な妖魔の種が埋め込まれております。ですので、どのような攻撃を受けたのかは把握しているのですが」
「爪の攻撃とは、単純だな」
「はい。強力な妖魔であれば、もっとエネルギー的な攻撃もありますでしょうに」
「そうだな。それで、石神は斃した妖魔をどうしている?」
「それは不明です。斃されては、種も働きませぬ故」
「分かった。では今後も引き続きやれ。そうだな、次は強いものを宛ててみろ。爪以外の攻撃が見られるかもしれん」
「かしこまりました!」
宇羅は深々と頭を下げ、「業」の部屋を出た。
「業」はバイオノイドやジェヴォーダンを開発しているが、それは通常の人間の理の中での戦いだ。
「業」の本来の力は、妖魔部隊にある。
膨大な数の妖魔を操る「業」は、いずれ世界を圧倒するだろう。
人間のあらゆる兵器は、妖魔には通じない。
人類はなす術も無く、滅び去るはずだった。
まだ力の制御が及んでいないが、いずれは「業」が乗り越え、妖魔軍団を結成して世界を蹂躙するはずだ。
しかし、石神も妖魔を従えていることが分かった。
予想外の反攻勢力に、「業」は驚き、歓喜した。
宿敵は、やはり立ちはだかる者だったのだ。
「業」はそれでも自分の優位を疑っていなかったが、先日の日本への侵入の際、侮れない力を石神が有していることが分かった。
単発的に宇羅が送り込んだ妖魔の悉くの壊滅も、それで納得が行った。
「石神は、複数の妖魔を従えている」
道間家にしか出来ないはずのことを、石神は単身で成し遂げていた。
宇羅も驚愕した。
「強大な妖魔は、必ず「試練」を与えて来る。それを乗り越える人間はいない筈だが」
低級の妖魔であれば、呼び出して使役することも可能だ。
その技術があればだが。
石神の従えている妖魔は低級ではない。
少なくとも、高位魔獣の力はある。
それは、何度か送り込んだ中位級が瞬殺されていることから分かる。
一切の反撃すら出来ず、一瞬で斃されて来た。
「「業」様は、強いモノをと仰った。ならば、一度高位の妖魔を送り込むか」
まだ高位の妖魔は数が少ない。
宇羅は迷ったが、「業」の指示に従うことにした。
「首無しを送るか」
西洋の妖魔で「デュラハン」と呼ばれるモノを選んだ。
霊的防御に優れた甲冑に身を包んでいるため、爪の攻撃は通じないはずだ。
それに、デュラハンには特殊な能力がある。
デュラハンに触れた者は、すべて死の運命に覆われる。
「さて、石神。お前の大事な妖魔を一つ殺してやろう」
宇羅は邪悪な笑みを浮かべ、送り込む準備をした。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
フヨフヨ。
「ニャ!」
「フフフ。我はデュラハン……」
シャキン!
「ワハハハハ! 我が鎧に爪などこざかしいわ!」
ブスッ!
「タカさーん!」
「あんだ?」
「またロボがー!」
表の庭で亜紀ちゃんが叫んでいる。
俺は双子と一緒に庭を回った。
前庭のウッドデッキの前で、亜紀ちゃんが指さしている。
でかい西洋甲冑を纏った騎士のようだった。
これもでかい真っ黒い馬に乗ったまま、倒れている。
「今度はまたでかいな」
「はい。なんでうちって、こんなヘンなのばっか来るんですかね」
「なんだろうなぁ。ロボが呼んでるのか?」
「ニャ!」
「何言ってんのか分かんねぇ」
「……」
「どうします、これ」
「佐藤さんちだけど、触って平気か?」
「え! 危険ですか?」
「分からんよ。でも、なんか気持ち悪いな」
「そーですねー」
「おし! タヌ吉!」
「はい、主様ぁ!」
タヌ吉が嬉しそうに現われた。
「このでかい奴を、「地獄道」に入れちゃってくれよ」
「かしこまりましたぁー!」
タヌ吉が「地獄道」に呑み込んだ。
「サンキュー!」
「どういたしまして」
「おい、お茶でも飲んでけよ」
「宜しいのですか!」
タヌ吉が喜んだ。
俺は亜紀ちゃんに言って、俺の分と一緒にアイスコーヒーを頼んだ。
「何だったんだろうな、あれ」
「さー」
亜紀ちゃんが自分の分もアイスコーヒーを淹れ、双子も一緒に座って楽しく話した。
ロボは爪を舐めて、全身の毛づくろいを始めた。
「結構強めの敵だったようですが。ネコに違いないとはいえ、宇宙龍が入ってますからねぇ」
タヌ吉の呟きは誰にも聞こえなかった。
1
お気に入りに追加
229
あなたにおすすめの小説
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
毒小町、宮中にめぐり逢ふ
鈴木しぐれ
キャラ文芸
🌸完結しました🌸生まれつき体に毒を持つ、藤原氏の娘、菫子(すみこ)。毒に詳しいという理由で、宮中に出仕することとなり、帝の命を狙う毒の特定と、その首謀者を突き止めよ、と命じられる。
生まれつき毒が効かない体質の橘(たちばなの)俊元(としもと)と共に解決に挑む。
しかし、その調査の最中にも毒を巡る事件が次々と起こる。それは菫子自身の秘密にも関係していて、ある真実を知ることに……。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました
成実
恋愛
前世の記憶を思い出し、お菓子が食べたいと自分のために作っていた伯爵令嬢。
天候の関係で国に、収める税を領地民のために肩代わりした伯爵家、そうしたら、弟の学費がなくなりました。
学費を稼ぐためにお菓子の販売始めた私に、私が作ったお菓子が大好き過ぎてお菓子に恋した公爵令息が、作ったのが私とバレては溺愛されました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる