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太陽界の女
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早乙女達と「野球拳」をやった翌朝の木曜日。
俺は電話で起こされた。
朝の7時。
斬のじじぃだった。
「おい! てめぇはなんでいつもこんなに朝早く電話しやがるんだ!」
「もっと早く起きろ。「花岡」の基本じゃ」
「まったく! 大体お前から電話があると、いつもろくな話じゃねぇ」
「ふん!」
「クソ宇留間だったり、次はゾンビ軍団か」
「ああ、そんなこともあったな」
「フランス外人部隊と変態サイボーグ」
「ああ、そうじゃった。ところで、今日はいい天気じゃな」
「あ?」
俺はベッドから出て、カーテンを開いた。
土砂降りだった。
「雨じゃねぇか!」
「そうか」
「なんなんだ、てめぇ!」
「いや、お前が拘るから世間話から始めようかとな」
「……」
「続けるか?」
「いやいい、用件を話せ」
斬は奇妙な麻薬が出回っていると言った。
「数か月前からだ。まだ東京でしか見つかってはいない」
「どんな麻薬なんだ?」
「人を化け物に変える。最初は暴力的になるらしい。それも尋常ではない強さでな。最後は化け物になって死ぬ」
「どういうことだ」
「頭に角が生えたり、身体が倍になった奴もいる。皮膚が鱗になったり、長い毛に覆われたりな。一様ではない」
「なんだと!」
「お前はどう思う?」
「あいつが関わっているだろうよ」
「そうじゃな」
本当にろくでもない話だった。
「どこが流している?」
「恐らく宗教団体「太陽界」じゃ。じゃが、製造工場はまだ掴めていない」
「探してくれ」
「ああ。また電話する」
斬が電話を切ろうとした。
「待て!」
「なんじゃ?」
「栞がな。お前の手紙を読んで泣いていたぞ」
「……」
「お前、もう自分が長くないって言っちゃったのか?」
「ふざけるな!」
「葬儀にはなるべく帰って来させるからな」
「お前ぇ!」
俺は電話を切った。
「宗教団体かよ」
俺はため息を漏らした。
「太陽界」。
30年前に立ち上げられ、全国と、海外にも信者を有する巨大な宗教団体だった。
都内の麻布に広大な本山を置き、信者の数は数万に及ぶとされている。
まあ、宗教団体の公表は大体大げさだが、一万人はいるだろう。
教義は終末思想だった。
もうすぐ世界は滅び、一部の選ばれた人間だけが超人類として新たな世界に生き残る。
その新世界が「太陽界」であり、永遠の平和と幸福の中で暮らすと言う。
超人類になるために、信者は現世の富を放棄し、集団生活を強いられる。
もちろん最初はただの「通い」信者であり、毎月の少しばかりの寄付で済む。
しかし、その中で洗脳され、身ぐるみ剝がされて使役されることになる。
その洗脳の巧みさで急激に大きくなった団体だ。
教祖は「天王・来栖嵐山(くるすらんざん)」。
本名らしい。
元は西東京の農家の生まれだったが、子どもの頃から不思議な能力を発揮したと言われている。
病や傷を癒し、汚れた水を酒に変えた。
嵐山を傷つけようとした子どもが酷い怪我を負った。
度々、夜に不思議な光の球を呼び、会話していた。
今でも超能力のようなものを振るっていると言われている。
眉唾だが。
俺が顔を洗ってリヴィングに降りると、双子がウインナーを焼いていた。
「「タカさん、おはようございます!」」
「おう、おはよう。「花岡」の基本が出来ているな」
「「?」」
ハーが俺にコーヒーを淹れてくれ、ルーがロボにササミを焼いた。
「今日は早いね?」
「ああ。お前らの顔が早く見たくてな」
「「エヘヘヘヘヘ!」」
俺は、斬から電話があったと言った。
朝食の後で、それを話すと。
亜紀ちゃんと柳、皇紀が起きて来た。
俺は早乙女達を起こしに行った。
部屋の前でノックする。
「おい、朝食が出来たぞ」
「ああ、分かった。ありがとう」
「途中ならちょっと待つぞ?」
「え? あぁ! 何を言ってる!」
「まあ、ゆっくり来い。浴衣のままでいいからな」
「すぐに行く!」
雪野さんの笑い声が聞こえた。
早乙女達が降りて来て、朝食を食べた。
今朝は分厚い焼き鮭と目玉焼き(うちはサニーサイドアップ)、餡かけ豆腐、サラダ(レタスに10ミリ角の茹でた人参とアスパラとジャガイモ、コーン)、蛤の味噌汁だ。
それにウインナーが好きな奴が好きなだけ。
「早乙女、この後でちょっと話がある。他のみんなもな」
俺は食べながら言った。
「斬からの情報だ。雪野さんは、早乙女の判断でいい。新しい麻薬の話だ」
「分かった」
朝食後にコーヒーが淹れられる。
雪野さんはホットミルクにした。
一緒に聞くらしい。
俺は斬からの麻薬の話、そしてそれが宗教団体「太陽界」から流れているらしい話をした。
早乙女の表情が変わった。
拳を握りしめた。
「早乙女は何か掴んでいるか?」
「あの団体は内偵が進んでいる。多分、テロ活動を始める可能性がある。一部、武器弾薬を所持していることは分かっているが、他の非合法活動を調べている最中だ」
公安の機密だろう。
しかし早乙女は俺たちに話してくれた。
「麻薬を作れるような施設はあるか?」
「分からない。少なくとも、大規模なプラントは無いはずだ。しかし麻薬は規模によるが、狭い場所でも作れる」
「ああ。現時点では原材料も分かっていない。警察は怪物化した人間の遺体は発見していないか?」
「聞いたことはない。だが調べてみよう」
「頼む。斬が押収しているものは、蓮花の研究所に運ばれているはずだ。麻薬もな」
「警察には回せないか?」
「場合によってはだ。だが、斬たちが取りこぼしたものもあるはずだ」
「分かった」
一応の概略は全員に伝わったはずだ。
「道間家にも力を借りるつもりだ」
「そうか」
「麗星さんを呼ぶんですか?」
ルーが言った。
その瞬間、早乙女の電話が鳴った。
緊急の連絡もあるので、早乙女は常にスマホを身に付けている。
「ちょっと待ってくれ」
「「「「「「……」」」」」」
俺たち全員には、誰からの電話か分かっていた。
ルーがハーに頭をはたかれていた。
「はい、いいえ、とんでもない。え? 石神に呼ばれた? 今目の前にいますが」
俺は電話を替わると言った。
「あの、うちで飛行機のチケットは手配しますから」
「さようでございますか! まあ、それはありがたい」
今日の夕方には来るそうだ。
用件は何も話していないのだが。
早乙女は早速、公安に行って探してみると言った。
雪野さんはうちにいてもらった。
ロボが雪野さんと遊びたがった。
状況が分かるネコだ。
俺は蓮花に電話し、斬から「荷物」を受け取ったか聞いた。
「今朝届きました。石神様にご連絡しようと思っていました」
「忙しい中悪いが、一通りでいいから調べてくれ」
「はい」
「薬は成分分析を」
「かしこまりました」
「ミユキたちは元気か?」
「はい! みんな訓練に勤しんでおります」
「まあ、お前もミユキたちもちゃんと休みながらな」
「はい。月に一度はピクニックへ行き、宴会を開いております」
「そうか」
俺は笑った。
楽しくやっているようだった。
俺は電話で起こされた。
朝の7時。
斬のじじぃだった。
「おい! てめぇはなんでいつもこんなに朝早く電話しやがるんだ!」
「もっと早く起きろ。「花岡」の基本じゃ」
「まったく! 大体お前から電話があると、いつもろくな話じゃねぇ」
「ふん!」
「クソ宇留間だったり、次はゾンビ軍団か」
「ああ、そんなこともあったな」
「フランス外人部隊と変態サイボーグ」
「ああ、そうじゃった。ところで、今日はいい天気じゃな」
「あ?」
俺はベッドから出て、カーテンを開いた。
土砂降りだった。
「雨じゃねぇか!」
「そうか」
「なんなんだ、てめぇ!」
「いや、お前が拘るから世間話から始めようかとな」
「……」
「続けるか?」
「いやいい、用件を話せ」
斬は奇妙な麻薬が出回っていると言った。
「数か月前からだ。まだ東京でしか見つかってはいない」
「どんな麻薬なんだ?」
「人を化け物に変える。最初は暴力的になるらしい。それも尋常ではない強さでな。最後は化け物になって死ぬ」
「どういうことだ」
「頭に角が生えたり、身体が倍になった奴もいる。皮膚が鱗になったり、長い毛に覆われたりな。一様ではない」
「なんだと!」
「お前はどう思う?」
「あいつが関わっているだろうよ」
「そうじゃな」
本当にろくでもない話だった。
「どこが流している?」
「恐らく宗教団体「太陽界」じゃ。じゃが、製造工場はまだ掴めていない」
「探してくれ」
「ああ。また電話する」
斬が電話を切ろうとした。
「待て!」
「なんじゃ?」
「栞がな。お前の手紙を読んで泣いていたぞ」
「……」
「お前、もう自分が長くないって言っちゃったのか?」
「ふざけるな!」
「葬儀にはなるべく帰って来させるからな」
「お前ぇ!」
俺は電話を切った。
「宗教団体かよ」
俺はため息を漏らした。
「太陽界」。
30年前に立ち上げられ、全国と、海外にも信者を有する巨大な宗教団体だった。
都内の麻布に広大な本山を置き、信者の数は数万に及ぶとされている。
まあ、宗教団体の公表は大体大げさだが、一万人はいるだろう。
教義は終末思想だった。
もうすぐ世界は滅び、一部の選ばれた人間だけが超人類として新たな世界に生き残る。
その新世界が「太陽界」であり、永遠の平和と幸福の中で暮らすと言う。
超人類になるために、信者は現世の富を放棄し、集団生活を強いられる。
もちろん最初はただの「通い」信者であり、毎月の少しばかりの寄付で済む。
しかし、その中で洗脳され、身ぐるみ剝がされて使役されることになる。
その洗脳の巧みさで急激に大きくなった団体だ。
教祖は「天王・来栖嵐山(くるすらんざん)」。
本名らしい。
元は西東京の農家の生まれだったが、子どもの頃から不思議な能力を発揮したと言われている。
病や傷を癒し、汚れた水を酒に変えた。
嵐山を傷つけようとした子どもが酷い怪我を負った。
度々、夜に不思議な光の球を呼び、会話していた。
今でも超能力のようなものを振るっていると言われている。
眉唾だが。
俺が顔を洗ってリヴィングに降りると、双子がウインナーを焼いていた。
「「タカさん、おはようございます!」」
「おう、おはよう。「花岡」の基本が出来ているな」
「「?」」
ハーが俺にコーヒーを淹れてくれ、ルーがロボにササミを焼いた。
「今日は早いね?」
「ああ。お前らの顔が早く見たくてな」
「「エヘヘヘヘヘ!」」
俺は、斬から電話があったと言った。
朝食の後で、それを話すと。
亜紀ちゃんと柳、皇紀が起きて来た。
俺は早乙女達を起こしに行った。
部屋の前でノックする。
「おい、朝食が出来たぞ」
「ああ、分かった。ありがとう」
「途中ならちょっと待つぞ?」
「え? あぁ! 何を言ってる!」
「まあ、ゆっくり来い。浴衣のままでいいからな」
「すぐに行く!」
雪野さんの笑い声が聞こえた。
早乙女達が降りて来て、朝食を食べた。
今朝は分厚い焼き鮭と目玉焼き(うちはサニーサイドアップ)、餡かけ豆腐、サラダ(レタスに10ミリ角の茹でた人参とアスパラとジャガイモ、コーン)、蛤の味噌汁だ。
それにウインナーが好きな奴が好きなだけ。
「早乙女、この後でちょっと話がある。他のみんなもな」
俺は食べながら言った。
「斬からの情報だ。雪野さんは、早乙女の判断でいい。新しい麻薬の話だ」
「分かった」
朝食後にコーヒーが淹れられる。
雪野さんはホットミルクにした。
一緒に聞くらしい。
俺は斬からの麻薬の話、そしてそれが宗教団体「太陽界」から流れているらしい話をした。
早乙女の表情が変わった。
拳を握りしめた。
「早乙女は何か掴んでいるか?」
「あの団体は内偵が進んでいる。多分、テロ活動を始める可能性がある。一部、武器弾薬を所持していることは分かっているが、他の非合法活動を調べている最中だ」
公安の機密だろう。
しかし早乙女は俺たちに話してくれた。
「麻薬を作れるような施設はあるか?」
「分からない。少なくとも、大規模なプラントは無いはずだ。しかし麻薬は規模によるが、狭い場所でも作れる」
「ああ。現時点では原材料も分かっていない。警察は怪物化した人間の遺体は発見していないか?」
「聞いたことはない。だが調べてみよう」
「頼む。斬が押収しているものは、蓮花の研究所に運ばれているはずだ。麻薬もな」
「警察には回せないか?」
「場合によってはだ。だが、斬たちが取りこぼしたものもあるはずだ」
「分かった」
一応の概略は全員に伝わったはずだ。
「道間家にも力を借りるつもりだ」
「そうか」
「麗星さんを呼ぶんですか?」
ルーが言った。
その瞬間、早乙女の電話が鳴った。
緊急の連絡もあるので、早乙女は常にスマホを身に付けている。
「ちょっと待ってくれ」
「「「「「「……」」」」」」
俺たち全員には、誰からの電話か分かっていた。
ルーがハーに頭をはたかれていた。
「はい、いいえ、とんでもない。え? 石神に呼ばれた? 今目の前にいますが」
俺は電話を替わると言った。
「あの、うちで飛行機のチケットは手配しますから」
「さようでございますか! まあ、それはありがたい」
今日の夕方には来るそうだ。
用件は何も話していないのだが。
早乙女は早速、公安に行って探してみると言った。
雪野さんはうちにいてもらった。
ロボが雪野さんと遊びたがった。
状況が分かるネコだ。
俺は蓮花に電話し、斬から「荷物」を受け取ったか聞いた。
「今朝届きました。石神様にご連絡しようと思っていました」
「忙しい中悪いが、一通りでいいから調べてくれ」
「はい」
「薬は成分分析を」
「かしこまりました」
「ミユキたちは元気か?」
「はい! みんな訓練に勤しんでおります」
「まあ、お前もミユキたちもちゃんと休みながらな」
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