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アラスカ・パッション Ⅴ
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皇紀は夜を徹して各所の作業の確認と指示を出して行く。
食事だけは絶対に顔を出せと言っていた。
食後にまた出掛けて行った。
俺は栞と士王と一緒に寝た。
ロボも一緒だ。
みんなでぐっすりだ。
桜花たちも、今日は三人で寝かせる。
子どもたち、柳、鷹、六花と響子、麗星はそれぞれの部屋で寝る。
翌朝。
また子どもたちが朝食を作った。
土産の御堂家の卵で卵かけご飯を食べる。
桜花たちが感動していた。
「こんな美味しい卵は初めてです!」
栞も食べたがったので、時々送ってやると言った。
俺は食後に皇紀から報告を聞き、また麗星を連れて出掛けた。
皇紀も出掛ける。
「石神様、まだ見ておく場所があるのですか?」
「まあ、そうですね」
「は! そうかぁ! ついにその時がぁ!」
「はい?」
「そうですよね。石神様にもお立場というものが」
「あのね」
「もう、そう言って下されば! でも大丈夫ですよ! ちゃんといい下着を身に着けております」
「……」
俺は麗星に、この辺りの地脈を読んで欲しいと頼んだ。
「一応、地脈に沿って土地を選んだつもりなんですが。何かあったら教えて欲しいと」
「はぁ」
麗星が気の抜けた返事をした。
俺は基地の周辺を回った。
麗星が羅盤のようなものを見ながら時々指示を出し、俺が車を運転していった。
「まあ、問題なさそうですよ」
「そうですか、良かった」
「ところで、来た時から思ってましたが、随分と地脈の流れの良い土地に建っていると。逆にお聞きしたいのですが、どのようにしてここを選ばれたのですか?」
「ああ、クロピョンに」
「はい?」
「最初は俺が選んだんですけどね。まあ、その時から結構な土地だったようなんですけど」
「はい?」
「ちょっと心配だったので、クロピョンにもっと良く出来るかと聞いたら出来るって」
「あの?」
「だから大々的に地脈とか改造させて。多分、地球の歴史上で最も優れた土地になったんじゃないかと」
「石神様! ちょっとお待ちを!」
麗星が持っていた羅盤のようなものの裏面を調整した。
盤面は物凄い勢いで回転を始めた。
「ぷぷぷぷぷ」
また麗星がわけの分からない状態になった。
俺はハンヴィーを発進させ、基地へ戻った。
盤面がますます高速回転をし、摩擦熱からか煙を吐き出す。
「ぽぽぽぽぽ」
麗星が盤を窓から放り投げた。
後ろで「ドーン」という音が聞こえた。
ゲートを潜り、俺は取り敢えず昨日入ったレストランに行った。
炭酸水を貰い、麗星に飲ませた。
多少、落ち着いて来た。
「石神様」
「大丈夫?」
「ここはとんでもない土地でございます」
「そうなの」
麗星は、最初は自分の鍛錬した感覚で良い土地だと感じていたようだ。
それで羅盤でも確認していたようだった。
「ですが、伺ったお話から、羅盤の感知力を最大に引き上げました」
「そんなことが出来るんですか」
「はい。道間家で改造しておりますゆえ」
「なるほど」
話しているうちに、麗星はしっかりとしてきた。
「ここは、聖地の中の聖地、神々が住まう場所と言っても過言ではございません」
「俺は石神ですが」
「住むだけで生命力が上がり、万病を防ぐ効果も」
「ほうほう」
「水虫にもかかりません」
「今度月岡に聞いてみますよ」
まだ若干興奮状態だが、丁度昼時なので、昼食を摂ることにした。
「ステーキ!」
麗星が右手を挙げて叫んだ。
俺は笑って店員に一番いいステーキを二人前だと言った。
「かしこまりました! じゃあ、うちの最高のスペシャル・ステーキ定食を!」
「頼むよ」
麗星がニコニコして待っていた。
やがて、ワゴンに乗せた定食セットが来た。
でかいサーモン・ステーキだった。
「「……」」
店員が説明していた。
「こいつは河口付近の、まだ全然疲れてない鮭なんですよ。脂のしっかり乗った絶品のものなんですぜ」
「牛肉じゃねぇのか」
「あ、それは二番目のものでして。このスペシャル・ステーキ定食には及びません」
「そうなんだ」
まあ美味かったが。
俺は麗星に、早乙女原作の『サーモン係長』の話題で笑わせようとした。
あんまり乗ってこなかった。
「ああ、あの羅盤って随分と高級なものなんじゃなかったんですか?」
「はい、それはもう。「浪速風水ドット・コム」で12800円なんです」
「……」
「会員特別価格なんですけどね。定価は28000円もするんですよ」
「弁償しますよ」
「ありがとうございます」
「なんなら定価で」
「ほんとうですか!」
定食は女性には結構なボリュームだったはずだが、麗星は残さずに食べた。
デザートにバニラアイスはどうかと聞いたら、それも綺麗に食べた。
栞の部屋に戻ると、子どもたちが掃除や洗濯をしていた。
元々桜花たちがしっかりやっているので、大した手伝いにはならなかったが。
大勢が動いているのが珍しいのか、士王があちこちを見ていた。
響子は六花と一緒にオセロをしていた。
鷹は栞とお茶を飲んでいる。
俺たちが戻ると、全員が挨拶して来た。
亜紀ちゃんに俺たちにコーヒーを頼んだ。
俺は士王を抱えてソファに座った。
ロボも一緒に来る。
「本当に可愛らしい」
麗星が微笑んでそう言った。
ロボは士王の頭を舐めている。
士王も喜び、ロボに抱き着いた。
片づけを終え、全員でお茶にした。
「みんな、昼は何を食べたんだ?」
「ステーキだよ?」
ハーが言った。
「牛肉の?」
「そうだけど?」
麗星が俺を睨んだ。
知らんがな。
「じゃあ、また来るからな」
「うん、待ってる」
帰ることにし、全員が挨拶した。
士王の手をみんなで握って行く。
ドアまで栞たちが見送りに来た。
鷹はこのまま残り、一人で「飛行」で帰る。
士王が大泣きした。
「もう、いつも何であなたが帰るのが分かるのかしらね」
「そうだよな」
俺は笑って戻り、士王の頭を撫でた。
「また来るからな。そんなに泣くな」
士王は泣き止まない。
栞が笑ってあやし、鷹も背中を撫でてやっている。
俺たちは迎えに来た電動移送車に乗り込み、ヘッジホッグを出た。
離着陸場へ行くと、既に青嵐、紫嵐が待っていた。
「ああ、そうだ。麗星さん、新しい仲間を紹介しますよ」
「はい?」
「イリス!」
俺は空に向かって叫んだ。
「虎の穴」基地の警報が鳴った。
ヘッジホッグの幾つかの砲塔が動いた。
「まずったな。青嵐、警報を止めろ! 敵じゃない!」
「はい!」
俺は青嵐にイリスの認識を覚えさせるように伝えた。
数分後警報が鳴り止んだ。
俺たちの目の前にペガサスのイリスが降り立った。
響子と六花が大喜びした。
「イリスだ。こないだから俺たちの仲間になってくれた」
俺はイリスを紹介した。
「麗星さん、綺麗な奴でしょう?」
「ぷぷぷぷぷ」
《主、呼んでくれたのか》
「ああ、美しいお前をみんなに見せたくてな」
《そうか》
「タカトラ! 近くに行ってもいい?」
「イリス、俺の大事な女がお前に触れてもいいか?」
《構わない》
響子と六花を、イリスの傍に連れて行った。
「優しく触ってみろ」
響子をイリスの美しい鬣に触れさせた。
「柔らかい! 綺麗!」
「そうだよな」
六花も触る。
首筋を撫でた。
「メスですね」
「まあそうだが」
騒ぎがしたので振り向くと、麗星が倒れて双子に抱えられていた。
「じゃあイリス、また背中に乗せてくれな」
《いつでも、我が主》
機内で麗星は気を喪ったままだった。
ロボが近付いて爪を出したので、やめてやれと言った。
食事だけは絶対に顔を出せと言っていた。
食後にまた出掛けて行った。
俺は栞と士王と一緒に寝た。
ロボも一緒だ。
みんなでぐっすりだ。
桜花たちも、今日は三人で寝かせる。
子どもたち、柳、鷹、六花と響子、麗星はそれぞれの部屋で寝る。
翌朝。
また子どもたちが朝食を作った。
土産の御堂家の卵で卵かけご飯を食べる。
桜花たちが感動していた。
「こんな美味しい卵は初めてです!」
栞も食べたがったので、時々送ってやると言った。
俺は食後に皇紀から報告を聞き、また麗星を連れて出掛けた。
皇紀も出掛ける。
「石神様、まだ見ておく場所があるのですか?」
「まあ、そうですね」
「は! そうかぁ! ついにその時がぁ!」
「はい?」
「そうですよね。石神様にもお立場というものが」
「あのね」
「もう、そう言って下されば! でも大丈夫ですよ! ちゃんといい下着を身に着けております」
「……」
俺は麗星に、この辺りの地脈を読んで欲しいと頼んだ。
「一応、地脈に沿って土地を選んだつもりなんですが。何かあったら教えて欲しいと」
「はぁ」
麗星が気の抜けた返事をした。
俺は基地の周辺を回った。
麗星が羅盤のようなものを見ながら時々指示を出し、俺が車を運転していった。
「まあ、問題なさそうですよ」
「そうですか、良かった」
「ところで、来た時から思ってましたが、随分と地脈の流れの良い土地に建っていると。逆にお聞きしたいのですが、どのようにしてここを選ばれたのですか?」
「ああ、クロピョンに」
「はい?」
「最初は俺が選んだんですけどね。まあ、その時から結構な土地だったようなんですけど」
「はい?」
「ちょっと心配だったので、クロピョンにもっと良く出来るかと聞いたら出来るって」
「あの?」
「だから大々的に地脈とか改造させて。多分、地球の歴史上で最も優れた土地になったんじゃないかと」
「石神様! ちょっとお待ちを!」
麗星が持っていた羅盤のようなものの裏面を調整した。
盤面は物凄い勢いで回転を始めた。
「ぷぷぷぷぷ」
また麗星がわけの分からない状態になった。
俺はハンヴィーを発進させ、基地へ戻った。
盤面がますます高速回転をし、摩擦熱からか煙を吐き出す。
「ぽぽぽぽぽ」
麗星が盤を窓から放り投げた。
後ろで「ドーン」という音が聞こえた。
ゲートを潜り、俺は取り敢えず昨日入ったレストランに行った。
炭酸水を貰い、麗星に飲ませた。
多少、落ち着いて来た。
「石神様」
「大丈夫?」
「ここはとんでもない土地でございます」
「そうなの」
麗星は、最初は自分の鍛錬した感覚で良い土地だと感じていたようだ。
それで羅盤でも確認していたようだった。
「ですが、伺ったお話から、羅盤の感知力を最大に引き上げました」
「そんなことが出来るんですか」
「はい。道間家で改造しておりますゆえ」
「なるほど」
話しているうちに、麗星はしっかりとしてきた。
「ここは、聖地の中の聖地、神々が住まう場所と言っても過言ではございません」
「俺は石神ですが」
「住むだけで生命力が上がり、万病を防ぐ効果も」
「ほうほう」
「水虫にもかかりません」
「今度月岡に聞いてみますよ」
まだ若干興奮状態だが、丁度昼時なので、昼食を摂ることにした。
「ステーキ!」
麗星が右手を挙げて叫んだ。
俺は笑って店員に一番いいステーキを二人前だと言った。
「かしこまりました! じゃあ、うちの最高のスペシャル・ステーキ定食を!」
「頼むよ」
麗星がニコニコして待っていた。
やがて、ワゴンに乗せた定食セットが来た。
でかいサーモン・ステーキだった。
「「……」」
店員が説明していた。
「こいつは河口付近の、まだ全然疲れてない鮭なんですよ。脂のしっかり乗った絶品のものなんですぜ」
「牛肉じゃねぇのか」
「あ、それは二番目のものでして。このスペシャル・ステーキ定食には及びません」
「そうなんだ」
まあ美味かったが。
俺は麗星に、早乙女原作の『サーモン係長』の話題で笑わせようとした。
あんまり乗ってこなかった。
「ああ、あの羅盤って随分と高級なものなんじゃなかったんですか?」
「はい、それはもう。「浪速風水ドット・コム」で12800円なんです」
「……」
「会員特別価格なんですけどね。定価は28000円もするんですよ」
「弁償しますよ」
「ありがとうございます」
「なんなら定価で」
「ほんとうですか!」
定食は女性には結構なボリュームだったはずだが、麗星は残さずに食べた。
デザートにバニラアイスはどうかと聞いたら、それも綺麗に食べた。
栞の部屋に戻ると、子どもたちが掃除や洗濯をしていた。
元々桜花たちがしっかりやっているので、大した手伝いにはならなかったが。
大勢が動いているのが珍しいのか、士王があちこちを見ていた。
響子は六花と一緒にオセロをしていた。
鷹は栞とお茶を飲んでいる。
俺たちが戻ると、全員が挨拶して来た。
亜紀ちゃんに俺たちにコーヒーを頼んだ。
俺は士王を抱えてソファに座った。
ロボも一緒に来る。
「本当に可愛らしい」
麗星が微笑んでそう言った。
ロボは士王の頭を舐めている。
士王も喜び、ロボに抱き着いた。
片づけを終え、全員でお茶にした。
「みんな、昼は何を食べたんだ?」
「ステーキだよ?」
ハーが言った。
「牛肉の?」
「そうだけど?」
麗星が俺を睨んだ。
知らんがな。
「じゃあ、また来るからな」
「うん、待ってる」
帰ることにし、全員が挨拶した。
士王の手をみんなで握って行く。
ドアまで栞たちが見送りに来た。
鷹はこのまま残り、一人で「飛行」で帰る。
士王が大泣きした。
「もう、いつも何であなたが帰るのが分かるのかしらね」
「そうだよな」
俺は笑って戻り、士王の頭を撫でた。
「また来るからな。そんなに泣くな」
士王は泣き止まない。
栞が笑ってあやし、鷹も背中を撫でてやっている。
俺たちは迎えに来た電動移送車に乗り込み、ヘッジホッグを出た。
離着陸場へ行くと、既に青嵐、紫嵐が待っていた。
「ああ、そうだ。麗星さん、新しい仲間を紹介しますよ」
「はい?」
「イリス!」
俺は空に向かって叫んだ。
「虎の穴」基地の警報が鳴った。
ヘッジホッグの幾つかの砲塔が動いた。
「まずったな。青嵐、警報を止めろ! 敵じゃない!」
「はい!」
俺は青嵐にイリスの認識を覚えさせるように伝えた。
数分後警報が鳴り止んだ。
俺たちの目の前にペガサスのイリスが降り立った。
響子と六花が大喜びした。
「イリスだ。こないだから俺たちの仲間になってくれた」
俺はイリスを紹介した。
「麗星さん、綺麗な奴でしょう?」
「ぷぷぷぷぷ」
《主、呼んでくれたのか》
「ああ、美しいお前をみんなに見せたくてな」
《そうか》
「タカトラ! 近くに行ってもいい?」
「イリス、俺の大事な女がお前に触れてもいいか?」
《構わない》
響子と六花を、イリスの傍に連れて行った。
「優しく触ってみろ」
響子をイリスの美しい鬣に触れさせた。
「柔らかい! 綺麗!」
「そうだよな」
六花も触る。
首筋を撫でた。
「メスですね」
「まあそうだが」
騒ぎがしたので振り向くと、麗星が倒れて双子に抱えられていた。
「じゃあイリス、また背中に乗せてくれな」
《いつでも、我が主》
機内で麗星は気を喪ったままだった。
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