1,069 / 2,840
石神家「子ども裁判」
しおりを挟む
俺がイリスに乗って家に帰ると、子どもたちが全員起きて待っていた。
もう午前1時を回っている。
「まだ起きてたのかよ」
「当たり前ですよ!」
亜紀ちゃんが半泣きで叫ぶ。
「だって! またわけの分からないのに乗っていきなり出掛けちゃうんですから!」
「ああ、悪かったな」
何が悪いのか。
「大丈夫なんですか?」
「もちろんだ。ちょっと散歩して少し話をしたっていうか」
「やっちゃったんですか!」
「バカヤロー!」
亜紀ちゃんが俺の胸倉を掴んでくる。
「お前、俺のことを何だと思ってる!」
「淫獣!」
頭をひっぱたいた。
「あのなぁ。俺だって節度は知ってるんだ。誰彼構わずやってねぇ!」
子どもたちがそれもそうだとか、信頼できないとか話している。
「あのなぁ。相手は馬だぞ?」
「でも変身しそうじゃないですか」
「え?」
「タマもタヌ吉も綺麗な女性になりますよね?」
「そうだけどよ」
「ルミ子も女になるんじゃないですか?」
「ああ、それだけど、「イリス」って名前に変えたからな」
「どーして!」
「綺麗だったからな」
「アァー! やっぱり!」
「うるせぇ!」
俺は酒の用意をしろと言った。
明日も休みだから、夜更かししてもいい。
全員で素早く用意する。
「皇紀、お前は寝てもいいんだぞ?」
「いや、なんとなく今寝ると怒られそうで」
「まーなー」
ワイルドターキーがドンと置かれ、次々につまみが出て来る。
亜紀ちゃんが俺のグラスにドボドボと注ぐ。
「それでは、第一回「石神家子ども裁判」を開廷します」
子どもたちが拍手をする。
「さあ!」
俺はマグノリアの群生地でのことを話した。
別に隠すようなこともねぇ。
「じゃあ、あのペガサスはタカさんに惚れちゃったと!」
「まあ、そういうことらしいな」
「ガァァァァァァーーーー!」
亜紀ちゃんが怒りの「ぐるぐる横回転」をする。
柳も付き合った。
「なんなんだよ!」
「なんでこう、次々と女が増えるんですか!」
「あれはペガサスだ!」
「せめて人間の範疇に収めてください!」
「俺のせいじゃねぇ!」
ロボが「あーん」をする。
こいつもなんか訴えてんのか。
「ルーとハーだってスズメを可愛がってただろう!」
「でもやってません!」
「俺だってそうだぁ!」
「ニジンスキーたちは?」
柳が言う。
こいつはまためんどくせぇことを。
「あれは不可抗力だ! それに証拠はねぇ!」
「あー! 開き直ったぁー!」
亜紀ちゃんの頭を引っぱたいた。
「あのなぁ。イリスだって仲間になったんだ。それであいつも相当な迷いの上で俺にぶつかってきた。俺も真直ぐに応えなきゃだろう」
「そんなこと言ったら、タカさんは女に埋もれちゃいますよ!」
ハーが肉布団だとか言って、ルーと笑っていた。
亜紀ちゃんが二人を睨んで黙る。
「ちょっと告白を聞いただけじゃねぇか!」
「それでまたカッコイイこと言ったりしたんでしょう!」
「そんなことはねぇ」
「じゃあ、なんて応えたんですか!」
「ええと、お前の愛を貫けとか」
「ガァァァァァァーーーー!」
ウゼぇ。
「お前は綺麗だとか言ったりして」
「いい雰囲気の歌とか」
「タカさん、よくやるよねぇ」
柳と双子が言う。
「あー! タカさん、なんで目を逸らしてるんですかぁ!」
「え?」
「やったなぁー!」
「お、覚えてねぇ!」
「この女たらしー!」
掴みかかる亜紀ちゃんを他の子どもたちが押さえた。
ロボが爪を出したのでそれはやめろと言った。
「とにかく! 俺が誰と何をしようがお前らにとやかく言われる筋合いはねぇ!」
「また開き直ったぁ!」
「ほら、人の恋路を邪魔すると馬に蹴られるとか言うじゃん」
「こいつぅ、上手いこと言ったと思うなぁ!」
「てめぇ! 親に向かってなんだぁ!」
掴み合いを子どもたちに止められた。
「イリスとは何もする気はねぇ!」
「オチンチンの神様に誓えますか!」
「もちろんだ!」
そんなのはいねぇ。
「もう! でも本当に心配したんですからね」
ようやく落ち着いて来た。
まあ、その通りなのだろう。
「今度お前らも話してみろよ。悪い奴じゃない。俺に惚れているかどうかは別な話だ。あいつは俺のために戦いたいと言っていた」
「そうなんですか」
「戦う力はそれほどらしいのにな。それでもだ」
「分かりました」
しかし、どうして俺がこいつらに責められなきゃならんのか。
「タカさん」
皇紀が言った。
「なんだ?」
「あの、今の所で一度戦力を確認してはどうでしょうか?」
「ああ?」
「クロピョンの力は物凄そうですし、タヌ吉の「地獄道」も相当です。ロボの「バーン」も凄いですし、多分タマの攻撃力も。それで今度は百万モメンですよね? 「王」には眷属もいるということですし」
「ああ、そうだなぁ」
「僕らも全部は分かってませんよね? でも今後の戦いで、どういう戦力なのか知っておく必要があるんじゃないでしょうか」
「もちろんだ」
俺は蓮花研究所の襲撃の話をした。
「「業」は、恐らくこちらが対抗手段が無いと考えて、あやかしの力を振るって来た。どんな戦力を持っていようと、自分が簡単に勝てると信じてのことだ。栞と士王を攫えると思っていた」
全員が真剣に聞いている。
「しかし、俺たちには対抗手段があった。それを知って撤退したわけだ」
「「地獄道」を最初に使わなかったのは、「業」の能力を測るためだったんですね!」
亜紀ちゃんが言う。
「結果的にはそういうことだ。実際を言えば、俺に制御出来てないということだけどな。それにこれまでの戦闘でも、クロピョンの力を使えば瞬時に終わっていただろう。でも、そうなれば「業」も対抗手段を考えて来る。まあ、あればの話だけどな」
「言い切れないと?」
「そうだ。「業」の中にいる妖魔も相当なものだ。しかも膨大な数の妖魔を吸収しているらしい。どれほどの戦闘力か計り知れない。多分、クロピョンや百万モメンに匹敵するようなものはいないだろうが、その数がどう戦闘に影響するのかは予測できない」
「タカさんが、妖魔の解析が必要だというのは」
「そうだ。俺たちが妖魔の力を「使う」技術が必要なんだ。あれらの戦いは人間には理解できないことが多い。俺たちの概念で戦うのかどうかすら怪しい」
「でもカルマンベールとかは殺せましたよ?」
「あれは概念が重なったからに過ぎない。後から来たウンコ野郎は、多分戦いにならなかった可能性が高い」
「どういうことですか?」
「俺は咄嗟に「震花」を撃った。でもまるで通じなかった」
「「「「「!」」」」」
「だから総動員したんだよ。グズグズしては不味いと判断したからだ」
「危なかったんですか!」
「もしかしたらな。概念の問題は甘く見るな。俺たちは想像もつかない方法で殺されるかもしれない」
全員が黙り込んだ。
双子と柳には少し話していたが。
「それでも俺たちはやるしかねぇ。「業」の方が今はこの技術に関しては上だ。何しろ妖魔と合体してるんだからな。でも俺たちに途方もない力があることを思い知った。だからまたあいつも準備をするだろう」
「こっちも今のうちに、なんですね」
「そういうことだ。ルー、ハー、柳! お前らの役割だ。しっかりやれ」
「「「はい!」」」
三人が叫んだ。
「早乙女から貴重な資料を貰った。異能を持つ人間たちだ。早乙女がそっちを探っていく。仲間になれば有用かもしれん」
俺は解散を宣言した。
俺たちが暗闇の中に入ろうと、それでも進まなければならない。
俺たちには守るべきものが、確かにある。
もう午前1時を回っている。
「まだ起きてたのかよ」
「当たり前ですよ!」
亜紀ちゃんが半泣きで叫ぶ。
「だって! またわけの分からないのに乗っていきなり出掛けちゃうんですから!」
「ああ、悪かったな」
何が悪いのか。
「大丈夫なんですか?」
「もちろんだ。ちょっと散歩して少し話をしたっていうか」
「やっちゃったんですか!」
「バカヤロー!」
亜紀ちゃんが俺の胸倉を掴んでくる。
「お前、俺のことを何だと思ってる!」
「淫獣!」
頭をひっぱたいた。
「あのなぁ。俺だって節度は知ってるんだ。誰彼構わずやってねぇ!」
子どもたちがそれもそうだとか、信頼できないとか話している。
「あのなぁ。相手は馬だぞ?」
「でも変身しそうじゃないですか」
「え?」
「タマもタヌ吉も綺麗な女性になりますよね?」
「そうだけどよ」
「ルミ子も女になるんじゃないですか?」
「ああ、それだけど、「イリス」って名前に変えたからな」
「どーして!」
「綺麗だったからな」
「アァー! やっぱり!」
「うるせぇ!」
俺は酒の用意をしろと言った。
明日も休みだから、夜更かししてもいい。
全員で素早く用意する。
「皇紀、お前は寝てもいいんだぞ?」
「いや、なんとなく今寝ると怒られそうで」
「まーなー」
ワイルドターキーがドンと置かれ、次々につまみが出て来る。
亜紀ちゃんが俺のグラスにドボドボと注ぐ。
「それでは、第一回「石神家子ども裁判」を開廷します」
子どもたちが拍手をする。
「さあ!」
俺はマグノリアの群生地でのことを話した。
別に隠すようなこともねぇ。
「じゃあ、あのペガサスはタカさんに惚れちゃったと!」
「まあ、そういうことらしいな」
「ガァァァァァァーーーー!」
亜紀ちゃんが怒りの「ぐるぐる横回転」をする。
柳も付き合った。
「なんなんだよ!」
「なんでこう、次々と女が増えるんですか!」
「あれはペガサスだ!」
「せめて人間の範疇に収めてください!」
「俺のせいじゃねぇ!」
ロボが「あーん」をする。
こいつもなんか訴えてんのか。
「ルーとハーだってスズメを可愛がってただろう!」
「でもやってません!」
「俺だってそうだぁ!」
「ニジンスキーたちは?」
柳が言う。
こいつはまためんどくせぇことを。
「あれは不可抗力だ! それに証拠はねぇ!」
「あー! 開き直ったぁー!」
亜紀ちゃんの頭を引っぱたいた。
「あのなぁ。イリスだって仲間になったんだ。それであいつも相当な迷いの上で俺にぶつかってきた。俺も真直ぐに応えなきゃだろう」
「そんなこと言ったら、タカさんは女に埋もれちゃいますよ!」
ハーが肉布団だとか言って、ルーと笑っていた。
亜紀ちゃんが二人を睨んで黙る。
「ちょっと告白を聞いただけじゃねぇか!」
「それでまたカッコイイこと言ったりしたんでしょう!」
「そんなことはねぇ」
「じゃあ、なんて応えたんですか!」
「ええと、お前の愛を貫けとか」
「ガァァァァァァーーーー!」
ウゼぇ。
「お前は綺麗だとか言ったりして」
「いい雰囲気の歌とか」
「タカさん、よくやるよねぇ」
柳と双子が言う。
「あー! タカさん、なんで目を逸らしてるんですかぁ!」
「え?」
「やったなぁー!」
「お、覚えてねぇ!」
「この女たらしー!」
掴みかかる亜紀ちゃんを他の子どもたちが押さえた。
ロボが爪を出したのでそれはやめろと言った。
「とにかく! 俺が誰と何をしようがお前らにとやかく言われる筋合いはねぇ!」
「また開き直ったぁ!」
「ほら、人の恋路を邪魔すると馬に蹴られるとか言うじゃん」
「こいつぅ、上手いこと言ったと思うなぁ!」
「てめぇ! 親に向かってなんだぁ!」
掴み合いを子どもたちに止められた。
「イリスとは何もする気はねぇ!」
「オチンチンの神様に誓えますか!」
「もちろんだ!」
そんなのはいねぇ。
「もう! でも本当に心配したんですからね」
ようやく落ち着いて来た。
まあ、その通りなのだろう。
「今度お前らも話してみろよ。悪い奴じゃない。俺に惚れているかどうかは別な話だ。あいつは俺のために戦いたいと言っていた」
「そうなんですか」
「戦う力はそれほどらしいのにな。それでもだ」
「分かりました」
しかし、どうして俺がこいつらに責められなきゃならんのか。
「タカさん」
皇紀が言った。
「なんだ?」
「あの、今の所で一度戦力を確認してはどうでしょうか?」
「ああ?」
「クロピョンの力は物凄そうですし、タヌ吉の「地獄道」も相当です。ロボの「バーン」も凄いですし、多分タマの攻撃力も。それで今度は百万モメンですよね? 「王」には眷属もいるということですし」
「ああ、そうだなぁ」
「僕らも全部は分かってませんよね? でも今後の戦いで、どういう戦力なのか知っておく必要があるんじゃないでしょうか」
「もちろんだ」
俺は蓮花研究所の襲撃の話をした。
「「業」は、恐らくこちらが対抗手段が無いと考えて、あやかしの力を振るって来た。どんな戦力を持っていようと、自分が簡単に勝てると信じてのことだ。栞と士王を攫えると思っていた」
全員が真剣に聞いている。
「しかし、俺たちには対抗手段があった。それを知って撤退したわけだ」
「「地獄道」を最初に使わなかったのは、「業」の能力を測るためだったんですね!」
亜紀ちゃんが言う。
「結果的にはそういうことだ。実際を言えば、俺に制御出来てないということだけどな。それにこれまでの戦闘でも、クロピョンの力を使えば瞬時に終わっていただろう。でも、そうなれば「業」も対抗手段を考えて来る。まあ、あればの話だけどな」
「言い切れないと?」
「そうだ。「業」の中にいる妖魔も相当なものだ。しかも膨大な数の妖魔を吸収しているらしい。どれほどの戦闘力か計り知れない。多分、クロピョンや百万モメンに匹敵するようなものはいないだろうが、その数がどう戦闘に影響するのかは予測できない」
「タカさんが、妖魔の解析が必要だというのは」
「そうだ。俺たちが妖魔の力を「使う」技術が必要なんだ。あれらの戦いは人間には理解できないことが多い。俺たちの概念で戦うのかどうかすら怪しい」
「でもカルマンベールとかは殺せましたよ?」
「あれは概念が重なったからに過ぎない。後から来たウンコ野郎は、多分戦いにならなかった可能性が高い」
「どういうことですか?」
「俺は咄嗟に「震花」を撃った。でもまるで通じなかった」
「「「「「!」」」」」
「だから総動員したんだよ。グズグズしては不味いと判断したからだ」
「危なかったんですか!」
「もしかしたらな。概念の問題は甘く見るな。俺たちは想像もつかない方法で殺されるかもしれない」
全員が黙り込んだ。
双子と柳には少し話していたが。
「それでも俺たちはやるしかねぇ。「業」の方が今はこの技術に関しては上だ。何しろ妖魔と合体してるんだからな。でも俺たちに途方もない力があることを思い知った。だからまたあいつも準備をするだろう」
「こっちも今のうちに、なんですね」
「そういうことだ。ルー、ハー、柳! お前らの役割だ。しっかりやれ」
「「「はい!」」」
三人が叫んだ。
「早乙女から貴重な資料を貰った。異能を持つ人間たちだ。早乙女がそっちを探っていく。仲間になれば有用かもしれん」
俺は解散を宣言した。
俺たちが暗闇の中に入ろうと、それでも進まなければならない。
俺たちには守るべきものが、確かにある。
1
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
こずえと梢
気奇一星
キャラ文芸
時は1900年代後期。まだ、全国をレディースたちが駆けていた頃。
いつもと同じ時間に起き、同じ時間に学校に行き、同じ時間に帰宅して、同じ時間に寝る。そんな日々を退屈に感じていた、高校生のこずえ。
『大阪 龍斬院』に所属して、喧嘩に明け暮れている、レディースで17歳の梢。
ある日、オートバイに乗っていた梢がこずえに衝突して、事故を起こしてしまう。
幸いにも軽傷で済んだ二人は、病院で目を覚ます。だが、妙なことに、お互いの中身が入れ替わっていた。
※レディース・・・女性の暴走族
※この物語はフィクションです。
~後宮のやり直し巫女~私が本当の巫女ですが、無実の罪で処刑されたので後宮で人生をやり直すことにしました
深水えいな
キャラ文芸
無実の罪で巫女の座を奪われ処刑された明琳。死の淵で、このままだと国が乱れると謎の美青年・天翼に言われ人生をやり直すことに。しかし巫女としてのやり直しはまたしてもうまくいかず、次の人生では女官として後宮入りすることに。そこで待っていたのは怪事件の数々で――。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる