977 / 2,920
光の人
しおりを挟む
ロボと埠頭に行った翌日の日曜日。
俺は病院へ行った。
六花から、響子が熱を出したと聞いたためだ。
「よう! 響子、気分はどうだ?」
「タカトラー!」
ベッドで寝ている響子が、俺を見て喜んだ。
六花もいる。
休日はしっかり休めと言っているが、響子の所へしょっちゅう来る。
まして、熱を出しているのだから、心配で当然来る。
「38度丁度です」
俺も六花もマスクをしている。
響子の風邪をうつされないためだ。
俺たちは医療従事者だ。
カワイイからうつされても、というわけには行かない。
「そうか。どうだ、響子?」
「身体がおもいー」
「また太ったか?」
「違うよー!」
「アハハハハハ!」
まあ、熱を出すのはいつものことだ。
熱を出すと、毎日のセグウェイの散歩は出来ない。
響子はヒマを持て余す。
俺や六花が来て嬉しいのだろう。
気分は悪そうだが、機嫌はいい。
「朝食は?」
六花に聞いた。
「フレンチトーストでしたが、三分の一を食べました。ヨーグルトは全部食べたようです」
六花は全て把握している。
「そうか。響子、ランチは果物なら食べられそうか?」
「うん」
「じゃあ、俺が後で買ってこよう」
「ほんとにー!」
「もちろんだ。大事な響子が食べられるようにな」
「嬉しい!」
響子は喜んだ。
「六花、オークラにはスープだけもらってくれ。温かいものも必要だからな」
「はい。今日はコーンスープですが」
「うーん、じゃあコーンはすべて摺り下ろすように言ってくれ。粒だと消化が厳しいだろう」
「分かりました」
「タカトラ! プリンも食べられるよ!」
響子が言った。
プリンが大好物なのだ。
「分かった。俺が買ってこよう」
「わーい!」
六花も笑って見ている。
「じゃあ、ちょっと出て来るな。六花、響子を頼む」
「はい、お任せ下さい」
俺は千疋屋へ向かった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「響子、映画でも観ますか」
「うーん。ちょっと寝ようかな」
「うん、寝た方がいいですかね」
響子が黙っている。
「どうしたんですか? 身体が辛いですか?」
「違うの。私が弱いから、タカトラや六花に迷惑ばかり掛けちゃって」
六花は笑ってベッドに座り、響子の髪を撫でた。
「響子のために、石神先生も私もいるんですよ。響子は弱くても全然構いません。私たちに任せて下さい」
「うん、ごめんね、六花」
「いいんです。響子の傍にいられるだけで私は嬉しいんですから」
そう言われ、響子も少し笑った。
「私も六花が傍にいてくれて嬉しい」
「そうですか」
六花は、響子のためにミルクを温めた。
少し砂糖を入れ甘くする。
響子は礼を言い、ミルクに口を付けた。
「六花はあんまり風邪をひかないね?」
「そうですね。3度くらいですかね」
「そんなに少ないの!」
「はい。一度は前に響子も知っている時。一番ひどかった時には入院しましたね」
「あ! 雪の日の配達!」
「知ってるんですか?」
「うん! 六花が風邪になった時に聞いたって、タカトラが話してくれた!」
「そうだったんですか。あの時は肺炎を起こしそうだったんです」
「大変だね」
「はい。でも、タケが見つけてくれて。それで助かりました」
「……」
「響子?」
六花は、響子の様子がおかしいことに気付いた。
目を開いたまま、天井を見ている。
眠ったのではない。
ついさっきまで、普通に会話していた。
「響子、どうしました?」
反応が無い。
「響子!」
「あなたは、あの時に見たはずだ」
「え?」
響子の声が違っていた。
女性の声だが、大人の声だった。
「思い出さなければならない。あの日に見たものを」
「響子! しっかりして下さい!」
「あなたは、あの時に死ぬはずだった。でも、私があなたを私の「虎」に引き合わせたかった」
六花は意味は分からなかったが、響子の姿で話す者の「虎」という言葉に戸惑っていた。
「あなたは私が願った通り、いいえ、それ以上の強い味方になってくれた。でも油断しないで。彼の者も、一層力を蓄えている」
「それは……」
「あなたは自分の運命を信じなさい。彼の者がいかに強くなろうとも、あなたは選ばれた者。わたしの「虎」と同じく、彼の者と戦い、滅ぼすでしょう。そのために、今一度自分の運命を見なさい」
「響子……」
響子の身体が光った。
眩い光が部屋に満ち、六花は意識を喪った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「じゃあ、六花ちゃん! ありがとうね! 気を付けて帰ってね!」
「はい、遅くなってすみませんでした!」
私は会社を出て、降り積もる雪の中を歩いてアパートへ帰った。
段々と身体が重くなって行った。
「あー! 今日は助かった! タケたちに感謝しないと」
無理に笑って自分をしっかりとさせた。
明日は休みにしてもらったが、正直助かる。
もう身体は言うことを聞かないほどに疲れ切っていた。
「あ、何も食べてないや」
思い出したが、食欲は無かった。
でも、無理にでも食べておかなければと思った。
「何かあったかなー」
ドアを開け、冷え切ってはいたが外よりも温かな空間に入り、一挙に疲れを感じた。
立っているのも辛い。
「あれ?」
気力を振り絞らなければ、倒れそうだった。
「なんだろう、こんなに疲れていたっけ?」
部屋の奥に何かが見えた。
黒い塊だった。
それが近付いて来て、犬のような姿になった。
その瞬間、身体が動かなくなった。
「お前を連れに来た」
(え?)
「お前は俺たちの邪魔になる。あいつに出会わせるわけには行かない」
(あいつ?)
「お前に出会わなければ、あいつは一つの強力な軍団を喪う。それに光の女王の守りが無くなる。光の女王を倒すことが出来るかもしれない」
(何を言ってる?)
「もう終われ。お前はここまでだ。お前の抜け殻は我々が使ってやろう」
(嫌だ! 何だか分からないけど、こいつの思い通りになってたまるか!)
黒犬の口が開いた。
赤く燃えるような口だった。
小さいが、無数の牙が口の中に見えた。
その時、また部屋の奥に、今度は眩い光が生じた。
「お前!」
黒犬が叫んだ。
光は人の形になった。
手に剣を握っていた。
光の人は、その剣で黒犬を斬り裂いた。
言葉にならない、黒犬の叫びが聞こえたような気がした。
黒犬の姿が消えた。
六花は光の人が近付くのを見ていた。
身体は、床に寝ていた。
「死なないで。どうか頑張って」
そう聞こえた。
「あなたの仲間を呼んだ。いい人。あなたを心から慕っている」
(優しい声。誰?)
「きっと出会って。私の「虎」を愛して。私に出来なかったことをわたしの「虎」にしてあげて」
(分かりました。きっとそうします)
六花は理解できないままに、そう思った。
それが自分の運命であることを悟った。
「ありがとう」
光の人はそう言った。
そのまま六花は横たわっていた。
身体が燃えるように熱くなっていた。
全身が痛む。
「総長!」
タケの声が聞こえた。
光の人は消えた。
視界の隅で、その顔が幽かに微笑んでいるのを見た。
ドアを開けてタケが入って来る。
倒れている自分を見つけ、大声で叫んでいた。
「急に嫌な予感がして来てみれば! 総長!」
(心配するな、タケ。私は大丈夫だ)
そう声を掛けたかったが、口は動かなかった。
そして、全てが眠りに落ちた。
六花は全てを忘れた。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「おい、起きろよ」
響子の部屋へ戻ると、響子はベッドで眠っており、六花が椅子に座ってベッドに突っ伏していた。
「石神先生……」
「おい、疲れてるんだろう。今日はもう家に戻って休め」
「いえ、いつの間にか眠ってしまっただけで」
「そんな姿勢じゃねぇぞ。相当疲れてるんだって」
「はぁ」
六花は目覚めたが、まだボウっとしている。
「後は俺がいるから。お前は帰れよ」
「ちょっと夢を見ていました」
「そうか」
「大事なことでした」
「なんだよ」
俺は笑った。
夢に大事も何も無い。
「思い出したんです」
六花はそう言った。
「何を?」
「それが、ちょっとあまり思い出せなくて」
「思い出したって言っただろう!」
俺はまた笑った。
「はい、石神先生と出会うのが運命だったということは」
「なんだ?」
「それが大事なんです」
「そうかよ」
「出会えて良かった」
「ああ、俺もだ」
六花の頭を抱いた。
本当に大事な女だ。
「この後、ちょっとやりますか」
「おい!」
「あの人が出来なかったことをやりましょう」
「しょっちゅうやってるだろう!」
「いえ、そういうことではなく」
「やってるだろ!」
「はい、まあ」
寝惚けているのか。
「これからもやりましょうね!」
「よろしくね!」
俺はキスをした。
六花も嬉しそうに舌を入れて来る。
「お前も少しフルーツを食べて行けよ。大目に買って来ているから」
「はい!」
やっといつもの輝く笑顔になった。
俺はまな板を出し、洋ナシと柿を剥いて食べやすいサイズにカットした。
口の広いグラスに入れる。
イチゴを洗い、練乳を少し垂らし、ガラスの器に盛る。
六花が美味しそうに食べた。
やがて響子も目を覚まし、先に食べている六花を睨んだ。
「タカトラが私のために買って来たのにー!」
「ゴメン、響子!」
俺は笑って、響子の分を作った。
俺は病院へ行った。
六花から、響子が熱を出したと聞いたためだ。
「よう! 響子、気分はどうだ?」
「タカトラー!」
ベッドで寝ている響子が、俺を見て喜んだ。
六花もいる。
休日はしっかり休めと言っているが、響子の所へしょっちゅう来る。
まして、熱を出しているのだから、心配で当然来る。
「38度丁度です」
俺も六花もマスクをしている。
響子の風邪をうつされないためだ。
俺たちは医療従事者だ。
カワイイからうつされても、というわけには行かない。
「そうか。どうだ、響子?」
「身体がおもいー」
「また太ったか?」
「違うよー!」
「アハハハハハ!」
まあ、熱を出すのはいつものことだ。
熱を出すと、毎日のセグウェイの散歩は出来ない。
響子はヒマを持て余す。
俺や六花が来て嬉しいのだろう。
気分は悪そうだが、機嫌はいい。
「朝食は?」
六花に聞いた。
「フレンチトーストでしたが、三分の一を食べました。ヨーグルトは全部食べたようです」
六花は全て把握している。
「そうか。響子、ランチは果物なら食べられそうか?」
「うん」
「じゃあ、俺が後で買ってこよう」
「ほんとにー!」
「もちろんだ。大事な響子が食べられるようにな」
「嬉しい!」
響子は喜んだ。
「六花、オークラにはスープだけもらってくれ。温かいものも必要だからな」
「はい。今日はコーンスープですが」
「うーん、じゃあコーンはすべて摺り下ろすように言ってくれ。粒だと消化が厳しいだろう」
「分かりました」
「タカトラ! プリンも食べられるよ!」
響子が言った。
プリンが大好物なのだ。
「分かった。俺が買ってこよう」
「わーい!」
六花も笑って見ている。
「じゃあ、ちょっと出て来るな。六花、響子を頼む」
「はい、お任せ下さい」
俺は千疋屋へ向かった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「響子、映画でも観ますか」
「うーん。ちょっと寝ようかな」
「うん、寝た方がいいですかね」
響子が黙っている。
「どうしたんですか? 身体が辛いですか?」
「違うの。私が弱いから、タカトラや六花に迷惑ばかり掛けちゃって」
六花は笑ってベッドに座り、響子の髪を撫でた。
「響子のために、石神先生も私もいるんですよ。響子は弱くても全然構いません。私たちに任せて下さい」
「うん、ごめんね、六花」
「いいんです。響子の傍にいられるだけで私は嬉しいんですから」
そう言われ、響子も少し笑った。
「私も六花が傍にいてくれて嬉しい」
「そうですか」
六花は、響子のためにミルクを温めた。
少し砂糖を入れ甘くする。
響子は礼を言い、ミルクに口を付けた。
「六花はあんまり風邪をひかないね?」
「そうですね。3度くらいですかね」
「そんなに少ないの!」
「はい。一度は前に響子も知っている時。一番ひどかった時には入院しましたね」
「あ! 雪の日の配達!」
「知ってるんですか?」
「うん! 六花が風邪になった時に聞いたって、タカトラが話してくれた!」
「そうだったんですか。あの時は肺炎を起こしそうだったんです」
「大変だね」
「はい。でも、タケが見つけてくれて。それで助かりました」
「……」
「響子?」
六花は、響子の様子がおかしいことに気付いた。
目を開いたまま、天井を見ている。
眠ったのではない。
ついさっきまで、普通に会話していた。
「響子、どうしました?」
反応が無い。
「響子!」
「あなたは、あの時に見たはずだ」
「え?」
響子の声が違っていた。
女性の声だが、大人の声だった。
「思い出さなければならない。あの日に見たものを」
「響子! しっかりして下さい!」
「あなたは、あの時に死ぬはずだった。でも、私があなたを私の「虎」に引き合わせたかった」
六花は意味は分からなかったが、響子の姿で話す者の「虎」という言葉に戸惑っていた。
「あなたは私が願った通り、いいえ、それ以上の強い味方になってくれた。でも油断しないで。彼の者も、一層力を蓄えている」
「それは……」
「あなたは自分の運命を信じなさい。彼の者がいかに強くなろうとも、あなたは選ばれた者。わたしの「虎」と同じく、彼の者と戦い、滅ぼすでしょう。そのために、今一度自分の運命を見なさい」
「響子……」
響子の身体が光った。
眩い光が部屋に満ち、六花は意識を喪った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「じゃあ、六花ちゃん! ありがとうね! 気を付けて帰ってね!」
「はい、遅くなってすみませんでした!」
私は会社を出て、降り積もる雪の中を歩いてアパートへ帰った。
段々と身体が重くなって行った。
「あー! 今日は助かった! タケたちに感謝しないと」
無理に笑って自分をしっかりとさせた。
明日は休みにしてもらったが、正直助かる。
もう身体は言うことを聞かないほどに疲れ切っていた。
「あ、何も食べてないや」
思い出したが、食欲は無かった。
でも、無理にでも食べておかなければと思った。
「何かあったかなー」
ドアを開け、冷え切ってはいたが外よりも温かな空間に入り、一挙に疲れを感じた。
立っているのも辛い。
「あれ?」
気力を振り絞らなければ、倒れそうだった。
「なんだろう、こんなに疲れていたっけ?」
部屋の奥に何かが見えた。
黒い塊だった。
それが近付いて来て、犬のような姿になった。
その瞬間、身体が動かなくなった。
「お前を連れに来た」
(え?)
「お前は俺たちの邪魔になる。あいつに出会わせるわけには行かない」
(あいつ?)
「お前に出会わなければ、あいつは一つの強力な軍団を喪う。それに光の女王の守りが無くなる。光の女王を倒すことが出来るかもしれない」
(何を言ってる?)
「もう終われ。お前はここまでだ。お前の抜け殻は我々が使ってやろう」
(嫌だ! 何だか分からないけど、こいつの思い通りになってたまるか!)
黒犬の口が開いた。
赤く燃えるような口だった。
小さいが、無数の牙が口の中に見えた。
その時、また部屋の奥に、今度は眩い光が生じた。
「お前!」
黒犬が叫んだ。
光は人の形になった。
手に剣を握っていた。
光の人は、その剣で黒犬を斬り裂いた。
言葉にならない、黒犬の叫びが聞こえたような気がした。
黒犬の姿が消えた。
六花は光の人が近付くのを見ていた。
身体は、床に寝ていた。
「死なないで。どうか頑張って」
そう聞こえた。
「あなたの仲間を呼んだ。いい人。あなたを心から慕っている」
(優しい声。誰?)
「きっと出会って。私の「虎」を愛して。私に出来なかったことをわたしの「虎」にしてあげて」
(分かりました。きっとそうします)
六花は理解できないままに、そう思った。
それが自分の運命であることを悟った。
「ありがとう」
光の人はそう言った。
そのまま六花は横たわっていた。
身体が燃えるように熱くなっていた。
全身が痛む。
「総長!」
タケの声が聞こえた。
光の人は消えた。
視界の隅で、その顔が幽かに微笑んでいるのを見た。
ドアを開けてタケが入って来る。
倒れている自分を見つけ、大声で叫んでいた。
「急に嫌な予感がして来てみれば! 総長!」
(心配するな、タケ。私は大丈夫だ)
そう声を掛けたかったが、口は動かなかった。
そして、全てが眠りに落ちた。
六花は全てを忘れた。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「おい、起きろよ」
響子の部屋へ戻ると、響子はベッドで眠っており、六花が椅子に座ってベッドに突っ伏していた。
「石神先生……」
「おい、疲れてるんだろう。今日はもう家に戻って休め」
「いえ、いつの間にか眠ってしまっただけで」
「そんな姿勢じゃねぇぞ。相当疲れてるんだって」
「はぁ」
六花は目覚めたが、まだボウっとしている。
「後は俺がいるから。お前は帰れよ」
「ちょっと夢を見ていました」
「そうか」
「大事なことでした」
「なんだよ」
俺は笑った。
夢に大事も何も無い。
「思い出したんです」
六花はそう言った。
「何を?」
「それが、ちょっとあまり思い出せなくて」
「思い出したって言っただろう!」
俺はまた笑った。
「はい、石神先生と出会うのが運命だったということは」
「なんだ?」
「それが大事なんです」
「そうかよ」
「出会えて良かった」
「ああ、俺もだ」
六花の頭を抱いた。
本当に大事な女だ。
「この後、ちょっとやりますか」
「おい!」
「あの人が出来なかったことをやりましょう」
「しょっちゅうやってるだろう!」
「いえ、そういうことではなく」
「やってるだろ!」
「はい、まあ」
寝惚けているのか。
「これからもやりましょうね!」
「よろしくね!」
俺はキスをした。
六花も嬉しそうに舌を入れて来る。
「お前も少しフルーツを食べて行けよ。大目に買って来ているから」
「はい!」
やっといつもの輝く笑顔になった。
俺はまな板を出し、洋ナシと柿を剥いて食べやすいサイズにカットした。
口の広いグラスに入れる。
イチゴを洗い、練乳を少し垂らし、ガラスの器に盛る。
六花が美味しそうに食べた。
やがて響子も目を覚まし、先に食べている六花を睨んだ。
「タカトラが私のために買って来たのにー!」
「ゴメン、響子!」
俺は笑って、響子の分を作った。
2
お気に入りに追加
230
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
我が家の家庭内順位は姫、犬、おっさんの順の様だがおかしい俺は家主だぞそんなの絶対に認めないからそんな目で俺を見るな
ミドリ
キャラ文芸
【奨励賞受賞作品です】
少し昔の下北沢を舞台に繰り広げられるおっさんが妖の闘争に巻き込まれる現代ファンタジー。
次々と増える居候におっさんの財布はいつまで耐えられるのか。
姫様に喋る犬、白蛇にイケメンまで来てしまって部屋はもうぎゅうぎゅう。
笑いあり涙ありのほのぼの時折ドキドキ溺愛ストーリー。ただのおっさん、三種の神器を手にバトルだって体に鞭打って頑張ります。
なろう・ノベプラ・カクヨムにて掲載中
髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。
昼寝部
キャラ文芸
天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。
その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。
すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。
「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」
これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。
※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。

身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる